韓国で大学に通いながら大学修学能力試験(修能)を受ける「半修生」が今回9万人に迫ると予想されている。
鍾路(チョンノ)学院は2024学年度修学能力試験(今月16日)の受付者数から今年6月の模擬評価の受付者数を除けば、半修生の規模を見積もることができるとし、その規模を8万9642人と推定した。
半修生8万9642人という規模は2011学年度の修能以来最も多く、今年の修能試験全体の受付者(17万7942人)の半分(50.4%)に達するという。
(引用ここまで)
韓国では「とりあえず文系大学生」として籍を置いて、その後に修能試験(韓国版共通テスト)を受けるという仮面浪人が多数いることが知られています。
その理由は「医系に進みたいから」。
韓国では医科、歯科、薬学科に進むことは特別の意味を持ちます。
ソウル大学でも入学と同時に休学するのが6%(225人)、その後の調査では新入生の10%以上(418人)が休学しています。
ソウル大学の入学者、6%が即休学……「最難関大学で仮面浪人」をする彼らの行く先は……?(楽韓Web過去エントリ)
ソウル大学の新入生、いきなり418人が休学。念願の医学部に進むために「とりあえず文系で合格」し、仮面浪人となる……(楽韓Web過去エントリ)
ひとつ前のエントリにあったように、韓国では45〜50才くらいで退職を余儀なくされます。
現在の韓国における花形産業である半導体製造企業に就職が確約されている大学ですら定員が満たせないほどです。
研究職だろうと同じことで結果が出せなければ追い出されるからです。
というわけで大学に籍を置きながら、もう一度修能試験を受けてよりよい大学(もしくは医学部等)に入ろうとしている学生が多数存在するわけです。
その数がついに修能試験を受ける一般的な高校生や浪人生よりも多くなった、と。
まあ、分からないでもない。
ソウル大学のような高いレベルの試験では得意分野が試験問題として出たかどうかが合格と不合格を分けたりすることがままあります。
どうしても出題される時点で運の要素がからんでくるのです。
突き抜けた天才ならともかく、そうでない人間にとっては不得意分野で難問が出るとそれだけで詰みになったりします。
であれば、「もう一度サイコロを振って得意分野が出るかどうか試してみよう」と考えるのもありでしょう。
医者(歯医者、薬剤師)になれば自分が引退したいと思ったときに引退できる。
少なくとも45才を過ぎたらいつ肩を叩かれるのか戦々恐々としなくても済むわけですから。
それでダメでもソウル大生なりなんなりの学生としての地位はすでに確約されているのですから、そちらに行くのも消極的な選択肢としてあり得る。
理屈としては分からないでもないですが。
……きつい社会だな、これ。
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