韓国での早い冬の寒さに「貧困」も例年より早く現れている。特に、社会的安全網をまともに利用できない高齢層の苦痛が大きくなっている。
「お金がなくても座っていられる場所は多くありません。駅は、寒さを避けるにはぴったりです」
13日午前8時、ソウル駅舎2階の待合室。氷点下を記録するほど寒い天気だ。暖かい日差しが降り注ぐこの場所には、手袋と耳栓などで完全武装をした高齢者が集まった。3、4人ほど座っていた待合室は午前10時近くになると、40人あまりでごった返した。
ここで会ったパクさんは、仁川(インチョン)から始発に乗ってきたという。厚いダウンジャケットの中にウィンドブレーカーを重ね着し、耳栓までつけるという重武装だった。毎朝、食事を共にする「ごはんの友」を待っているそうだ。
「2時間ほど、ソウル駅の中で日差しを浴び、9時半ごろに友人たちと教会礼拝をして無料朝食を食べるのが1日の始まり。天気が良い時は外で動き回れたが、最近とても寒く、ソウル駅でなければ特に行くところがない」 (中略)
同日午前8時5分、ソウル市鍾路区のタプコル公園の円覚寺(ウォンガクサ)無料給食所には、すでに100人余りが長い列を作っていた。
近くに住む60代のファンさんは「ご飯とコーヒーミックス1杯が1日の食事のすべて。気力がないので体も震えて風邪もよく引く。物価が上がり続けているので、ここでの食べ物がなくなるのではないかと心配だ」と明かした。
60代男性は「政府支援を受けている。でも物価が上がりすぎるので到底生活ができない。ここで朝食を解決し、近くの他の無料給食所で昼食を解決した後、家に帰ってダウンを着込んで寝る」そうだ。
(引用ここまで)
2連発で韓国の高齢者のお話。
年越し派遣村みたいなものが年中行事になっている……というのは、これまでほぼ高齢者が対象となっていたものでした。
まんま記事にあるようなものが多かったですね。
あるいは冬の時期になるとボランティアの練炭寄付キャンペーンなんてものもありますが、それも高齢者が対象。
「幸せ練炭分かち合いキャンペーン」とかあります。
いや、なんでも「幸せ」ってつけりゃいいってもんじゃないだろうとの気分は理解できますが、ここではいったん置いておきましょう(古紙回収の幸せ手押し車のエントリを見ながら)。
ただ、いまの韓国はちょっと違ってきてまして。
20代、30代がこうした無料食料サービスに集まりつつあるそうです。
食事代が高騰すると、福祉館の無料食事を求める20、30代たち……「月に10日は来る」(東亞日報・朝鮮語)
記事の主題的には「彼らは食料もそうだが、コミュニティに参加することを求めている」っていうものなんですが。
現状の韓国がどれだけ厳しい環境なのかということが分かる記事でもありますね。
もうひとつの記事を合わせるとなお絶望感マシマシになれます。
韓国国民の3割「老後の準備していない」…「準備する能力ない」(中央日報)
韓国の19歳以上の人口の3割は老後の準備をしていない。 (中略)
半面、30.3%は「老後の準備をしていない」と答えた。理由は「準備する能力がない」が38.0%で最も多く、「これから準備する計画」(34.3%)、「まだ考えていない」(19.0%)などだった。 (中略)
国民の半分以上は「子どもの階層上昇の可能性は低い」と考えていることが分かった。19歳以上の人口のうち「子ども世代の階層上昇の可能性」について「低い」という回答は54.0%で、2年前より0.2%ポイント増加した。
(引用ここまで)
……老後の準備、あるていどはやっておきましょう。
金銭以外だと軽めの筋トレと歯の治療(定期検診)おすすめ。
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