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2023年10月

韓国、高齢者だけでなく20、30代も「無料給食、冷凍食品援助」を求めるようになる

カテゴリ:経済 コメント:(57)
タグ: 韓国経済
高齢者が2時間かかっても始発に乗り、ソウル駅を訪れる理由…ぬくもりと無料給食(KOREA WAVE)
韓国での早い冬の寒さに「貧困」も例年より早く現れている。特に、社会的安全網をまともに利用できない高齢層の苦痛が大きくなっている。

「お金がなくても座っていられる場所は多くありません。駅は、寒さを避けるにはぴったりです」

13日午前8時、ソウル駅舎2階の待合室。氷点下を記録するほど寒い天気だ。暖かい日差しが降り注ぐこの場所には、手袋と耳栓などで完全武装をした高齢者が集まった。3、4人ほど座っていた待合室は午前10時近くになると、40人あまりでごった返した。

ここで会ったパクさんは、仁川(インチョン)から始発に乗ってきたという。厚いダウンジャケットの中にウィンドブレーカーを重ね着し、耳栓までつけるという重武装だった。毎朝、食事を共にする「ごはんの友」を待っているそうだ。

「2時間ほど、ソウル駅の中で日差しを浴び、9時半ごろに友人たちと教会礼拝をして無料朝食を食べるのが1日の始まり。天気が良い時は外で動き回れたが、最近とても寒く、ソウル駅でなければ特に行くところがない」 (中略)

同日午前8時5分、ソウル市鍾路区のタプコル公園の円覚寺(ウォンガクサ)無料給食所には、すでに100人余りが長い列を作っていた。

近くに住む60代のファンさんは「ご飯とコーヒーミックス1杯が1日の食事のすべて。気力がないので体も震えて風邪もよく引く。物価が上がり続けているので、ここでの食べ物がなくなるのではないかと心配だ」と明かした。

60代男性は「政府支援を受けている。でも物価が上がりすぎるので到底生活ができない。ここで朝食を解決し、近くの他の無料給食所で昼食を解決した後、家に帰ってダウンを着込んで寝る」そうだ。
(引用ここまで)


 2連発で韓国の高齢者のお話。
 年越し派遣村みたいなものが年中行事になっている……というのは、これまでほぼ高齢者が対象となっていたものでした。
 まんま記事にあるようなものが多かったですね。

 あるいは冬の時期になるとボランティアの練炭寄付キャンペーンなんてものもありますが、それも高齢者が対象。
 「幸せ練炭分かち合いキャンペーン」とかあります。
 いや、なんでも「幸せ」ってつけりゃいいってもんじゃないだろうとの気分は理解できますが、ここではいったん置いておきましょう(古紙回収の幸せ手押し車のエントリを見ながら)。

 ただ、いまの韓国はちょっと違ってきてまして。


 20代、30代がこうした無料食料サービスに集まりつつあるそうです。

食事代が高騰すると、福祉館の無料食事を求める20、30代たち……「月に10日は来る」(東亞日報・朝鮮語)

 記事の主題的には「彼らは食料もそうだが、コミュニティに参加することを求めている」っていうものなんですが。
 現状の韓国がどれだけ厳しい環境なのかということが分かる記事でもありますね。

 もうひとつの記事を合わせるとなお絶望感マシマシになれます。

韓国国民の3割「老後の準備していない」…「準備する能力ない」(中央日報)
韓国の19歳以上の人口の3割は老後の準備をしていない。 (中略)

半面、30.3%は「老後の準備をしていない」と答えた。理由は「準備する能力がない」が38.0%で最も多く、「これから準備する計画」(34.3%)、「まだ考えていない」(19.0%)などだった。 (中略)

国民の半分以上は「子どもの階層上昇の可能性は低い」と考えていることが分かった。19歳以上の人口のうち「子ども世代の階層上昇の可能性」について「低い」という回答は54.0%で、2年前より0.2%ポイント増加した。
(引用ここまで)

 ……老後の準備、あるていどはやっておきましょう。
 金銭以外だと軽めの筋トレと歯の治療(定期検診)おすすめ。

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韓国経済:不況下の韓国で高齢者の破産が続出……間に合わなかった年金制度、速すぎた高齢化

「老後破産」過去最大…破産申請の40%が60歳以上=韓国(中央日報)
ソウルに住むクァクさん(60)は5月に1億1000万ウォンの負債を返済できず裁判所に破産を申し立てた。運転代行などあらゆる仕事をしながら40年近く働いたが、老後は依然として不安だった。退職金を増やそうとしたが今年初めに株式詐欺に引っかかり、これを挽回しようとカード会社から貸付まで受けたが結局莫大な借金を抱えることになった。

ソウルで27年間中小企業を運営してきたキムさん(69)はコロナ禍で売り上げが急減し信用不良者になった。取引先の不渡りで経営が厳しくなり結局廃業したが、会社代表として連帯保証債務20億ウォンを抱え込むことになったのだ。これ以上収入がないため負債を返すことができず、70代で再び事業を始める意欲も出ず昨年9月に破産を申し立てた。

「高齢者破産」がますます深刻化している。韓国法院行政処が14日に明らかにしたところによると、上半期基準で全国の裁判所に寄せられた個人破産申請者の41%が60歳以上であることがわかった。全申請者2万745人のうち60歳以上が8504人で最も多かった。破産申請者のうち60歳以上が占める割合は2018年の25.9%から2019年に27.7%、2020年に31.0%、2021年に35.2%、2022年に38.4%と毎年増える傾向で、このままならば今年は年間最大記録を更新するという見通しが出ている。コロナ禍後に景気がなかなか回復しないばかりか高金利が長期化し金融弱者である老年層が崖っぷちに追い出されているとみられる。

ソウル破産裁判所の報告書によると、主な破産原因は生活費支出増加が51.1%、失業が48.9%、事業失敗が44.7%などだ。株式などの投資失敗や詐欺被害という回答は2%台を維持していたが昨年は11.3%に急増した。破産が専門のキム・ソンモ弁護士は「定年退職後に事業をしようとして失敗したり、金融知識不足による投資失敗あるいは詐欺で破産申請をする高齢者が増加している。高齢人口が増加している上に莫大な借金を抱え破産申請をするまでにかかる期間が3年以上の場合が60.3%と半分以上である点を考慮すれば、60歳以上の破産申請の割合は今後も増加し続けるだろう」と話した。 (中略)

問題は高齢者の貧困が深刻な状況で短期的な解決策を用意するのが容易でない点だ。2021年基準で韓国の66歳以上の高齢者のうち所得が中位所得の50%以下の貧困者の割合は39.3%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国で1位水準だ。(中略)2021年基準で公的・私的年金所得は月平均60万ウォンで、1人当たり最低生計費の109万6000ウォンを大幅に下回り、高齢者の10人に1人はこれすらも受けられないなど社会保障制度の死角地帯に置かれている。 (中略)

専門家らは年金所得が絶対的に少ない1940年代以前に生まれた高齢者に対しては基礎年金を拡大し、中長期的にはリタイア以前の世代に税制優遇などを与えて年金加入を誘導する必要があると指摘した。
(引用ここまで)


 不況に耐えかねた韓国の高齢者たちが続々と個人破産をはじめた、とのニュース。
 韓国の不況の度合いがどれほどなのか、という話でもありますね。
 あまり日本では語られていませんが、現在の韓国は数十年に一度といっていい不況の真っ只中。

 好況であればなんとかなっていたものが、そうできなくなりつつある。
 象徴としての「高齢者破産」増加といえるでしょうね。

 その中でも「株式投資失敗や詐欺被害」が全体理由の11%に達しているのが韓国的というか……。
 そのふたつを一緒に合わせるところがまた韓国的。
 大逆転を狙ってカモになってしまったのでしょう。LK-99騒動なんかもこのあたりに加担しているっぽいなぁ。


 今年の7月に韓銀総裁が「日本は充分に資本蓄積ができているが、韓国はそうではない」と発言したことがあります。

韓国銀行総裁「日本は資本蓄積のできた豊かな老人、韓国はそうできなかったお金のない老人になるだろう」と発言(楽韓Web過去エントリ)

 「中央銀行である韓国銀行総裁」がこんな発言をしてしまうくらいに、韓国の状況は厳しかったわけです。
 まあ、最後に「観光の若者はダイナミックなので日本のような高齢化社会にはならないかもしれない」とか言ってて苦笑したものですが。

 要は資本蓄積が間に合わなかったってことですね。
 年金制度の充足等、対応速度が高齢化の速度に負けたのです。
 その結果が「高齢者の半分が無年金」という社会のできあがり。

 そして今回のように不況がきっかけになって高齢者の破産が続出する社会になってしまったということなのさ。

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