韓国銀行が22日までに国会企画財政委員会の梁敬淑(ヤン・ギョンスク)議員に提出した自営業の多重債務者に対する融資状況によると、今年6月末現在で全国の自営業多重債務者に対する金融機関の貸出残高は743兆9000億ウォン(約85兆5000億円)で過去最大を記録した。 自営業の多重債務者約177万8000人が1人当たり平均4億1800万ウォンの融資を受けている計算だ。多重債務者とは3件以上の融資を利用している人を意味する。自営業者への貸出残高は個人事業主への融資だけでなく、住宅担保ローンや無担保ローンなどの家計向け融資も合計したもので、韓銀が把握している実質的な自営業向けの貸出残高だ。
自営業の多重債務者に対する貸出残高は、2021年6月末の590兆ウォンから昨年6月末に700兆ウォンに増えたのに続き、増加傾向が続いた。元利延滞額は1年間で5兆2000億ウォンから13兆2000億ウォンに増加。延滞率も0.75%から1.78%へと上昇した。韓銀は金利が0.25%上昇すれば、1人当たりの平均利子負担が年73万ウォン増加すると試算している。
借金で借金を返すカードローンの借り換え融資残高も1年間で50%近く増えた。与信金融協会によると、クレジットカード会社9社によるカードローンの借り換え融資残高は10月時点で1兆4903億ウォンで、前年同月(1兆101億ウォン)を47.5%上回った。カード会社から融資を受けた人の相当数が期限内に返済できず、返済のために再び借金をしたことになる。借り換え融資を受ければ、ひとまず返済期限を乗り切れるが、それまでのカードローンより金利が高くなり信用等級も低下する。現在カード会社は借り換え融資に平均で年13~14%台の高金利を適用している。
(引用ここまで)
……ちょっと箇条書きにしてみましょうかね。
・韓国で自営業者の多重債務者 117万8000人(前年同期比3.2%↑)
・その債務残高 743兆9000億ウォン(前年同期比6.2%↑)
・延滞額 13兆2000万ウォン(過去最悪)
・延滞率 1.78%(過去最悪)
・カードローンの乗り換え融資 1兆4903億ウォン(前年同期比47.5%↑)
コロナ禍で低利息の政府貸出があって企業、自営業者の借金が一気に不良債権化するのではないかとされる「9月危機」はなんとか起きずに済んだというか。
そのていどの危機だったらいつでも起きているというか。
韓国で広がる「9月危機説」、不動産プロジェクトが立ちゆかなくなって不況がやってくるとのストーリー……でもそれ、ちょっとおかしいんですよね(楽韓Web過去エントリ)
ちなみに不動産関連の無担保融資であるプロジェクトファイナンスはちびちびとですが借り換えに失敗するところが出つつあります。
ソウル最高級エリアの超高層ビル、ローン満期延長できず工事中断・・「プロジェクトファイナンス(PF)リスク」の実例(シンシアリーのブログ)
最高級住宅街ですらPF失敗が出るというね……。
自営業者に話を戻しましょうか。
特に致命的なのは最後の「カードローンの乗り換え融資 1兆4903億ウォン(前年同期比47.5%↑)」かな……。
もはや完全に自転車操業のターンに入っている人がざっくり5割増しになったと見ていい感じ。
第1金融圏とされる(金利の比較的低い)都市銀行はもちろん、第2金融圏でも借り入れることができずにカードローンにまでたどり着いてしまっている。
カードローンもまだ金融業者なので法定上限金利は20%なのですが(記事中では13〜14%)。
いや、「20%なのですが」じゃないな(笑)。
ここまできてもまだ商売やらざるを得ないんだなぁ……。
破綻を認めるまでは破綻していない理論ってヤツか。
韓国の自営業者はやりたくて自営業になったのではなく、日銭を稼がなくてはならない状況に追いこまれた人がやむなくやっている場合が多数です。
それが少なからず破綻に追いこまれるとなると、不良債権もどうなることやらって感触です。
企業負債も一気に育ち、自営業の債務も、消費者債務も、国家債務もすくすくと育っている。
いやー、これらを糧にして一気に経済成長するんでしょうね、韓国は。
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