先月、タイのある褒賞観光客団体は、「予定されていた30人余りのうち半分近くが韓国に来られなかった。 韓国電子旅行許可(K-ETA)の承認が下りなかったからだ。 結局、彼らは本来の人員の半分だけを訪韓し、日程を消化した。 一緒にしなければならない同僚がいないので、日程の間ずっと気まずい気持ちになったのは仕方なかった。 担当旅行会社の関係者は「韓国に来られなかった人たちは代わりに日本など他の国を調べることにした」として「念入りに海外旅行客を誘致したが、このように詰まると力が抜けた」と話した。 (中略)
事前入国審査システムであるK-ETAは、外国人観光客誘致と不法滞在対応のため、2021年9月に導入された。 今は厳しい審査のため、東南アジア観光客の入国を妨げる障壁となっている。 (中略)
ややこしいK-ETAは結局、潜在訪韓客を逃す要因になっている。 訪韓観光客の多数を占める東南アジア諸国がK-ETA免除対象から除外された状態だ。 現地では訪韓旅行に対する関心が高いが、K-ETA発給可否が不明なため、韓国を「いつでも旅立ちたい目的地」にすることは難しい。 特に、多くの人が一度に動く団体や褒賞観光客の場合、ビザなし入国が可能な日本などを代替地に選ぶ姿も現れている。
東南アジア専門インバウンド旅行会社の関係者は「入国が難しい韓国に対する反感が大きくなると『気分が悪くて』日本に目的地を変更するという団体もあった」とし「冬を迎えて韓国に雪を見ようとする東南アジア旅行客が増えている時期にK-ETAが悪材料になる姿」と話した。
現在、韓国を訪れる観光客の5人に1人は東南アジア諸国から来ており、東南アジア観光客の割合は日本や中国より高い。 今年1~10月までの訪韓外来客のうち東南アジア主要7カ国(マレーシア、香港、フィリピン、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア)の割合は21.4%で、日本(20.8%)、中国(17.4%)より高かった。 新型コロナウイルス感染症以前の2019年、これらの国の割合は18.6%で、中国(34.4%)の半分水準に過ぎなかったが、今は地位が完全に変わった。
韓国としては主要市場に浮上した東南アジア市場を積極的に攻略しなければならないが、むしろ冷遇しているわけだ。 (中略)
東南アジア専門のインバウンド旅行会社の関係者は「楽しい旅行の前提条件は『暖かい歓待』だが、開始前から入国の心配をさせたら誰が来るだろうか」とし「韓国が好きで訪れる外国人観光客を潜在的不法滞在者として冷たく眺める態度が続けば心理的障壁が高まり、結局主要市場に位置する東南アジア観光客の訪韓忌避につながりかねない」と憂慮した。
(引用ここまで)
タイのソンクラーン、ベトナムのテト、どちらも旧正月のことですが、長期休暇が得られます。
つまり、そこからのインバウンドが期待できるわけですね。
来年の旧正月は2月半ば。
いま予約の真っ最中なんて場合も少なくないところじゃないでしょうか。
タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン等のASEANからの訪日客もかなり多くなっています。
ちょっと調べたらこんな感じ(2023年1〜10月暫定値。後ろの%は訪日客全体からの割合。JNTOより引用)。
タイ 755,700人 3.8%
シンガポール 391,500人 2%
マレーシア 303,500人 1.5%
インドネシア 323,500人 1.6%
フィリピン 479,500人 2.4%
ベトナム 490,000人 2.4%
ASEAN計 2,743,799人 13.8%
まあ、ASEANをひとくくりにするのも無理があるところですが。
それでもざっくり訪日客の8人に1人以上がASEANから。
しっかりと市場になりつつある、というのは実際でしょう。
さて、その一方で韓国ではこれらの国々に香港を加えた統計で日本よりも多数、訪韓客がいるそうです。
日本では20.8%、韓国では21.4%。
ですが、それら東南アジアの国々からの入国を阻んでいるのが以前にも語ったK-ETA。
アメリカのESTAと似たようなシステムで認証を得るものですが、このK-ETAがブラックボックス的に東南アジアからの入国を蹴るもので、中には韓国に着いてから蹴られたことが判明するなんてこともあるそうで。
結果、「怖くて韓国には行けない」ってことで日本へと行き先を変更する人も多いとのこと。
記事中に「タイの人々は雪が見たいから韓国に行く」ってありましたが……だったら日本に来たほうが幸せになれそうな気がしますけどね。
ま、そのあたりの「幸せ」は相対的なものですので。
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