輸出入銀行法改正案の処理が1月の臨時国会で再び不発に終わりました。 与野党の対立で常任委の企画財政委員会で一度も取り上げられませんでした。 輸出入銀行法改正案は輸出金融支援限度を増やすためのもので、同法が可決されてこそ、ポーランドの防衛産業輸出に対し、最大17兆ウォンまで金融支援ができます。
現在はポーランドの防衛産業輸出1次契約の際、金融支援限度7兆ウォンを満たしている状態です。
ポーランドは2次契約締結のために韓国政府に25兆ウォン近い金融支援を要求しています。
残りの2次契約物量30兆ウォンのうち、20兆ウォンは現代ロテムK2戦車820台です。
防衛産業業界は企業の立場でできることがないとし、もどかしさを訴えました。 (中略)
2次契約の期限である6月までに金融支援が行われなければ、残りの輸出は水の泡となります。
4月の総選挙を考慮すれば、2月の臨時国会が輸出入銀行法改正の最後の処理期限です。
国防部の関係者は「2月中に処理されなければ契約期間の延長交渉をしなければならないが、ポーランド政府の国防基調を勘案すれば難しいだろう」とし、「その場合、契約撤回の可能性が高い」と説明しました。
(引用ここまで)
ポーランドに大規模な武器輸出を行った、として「K防産が大ヒット」とはしゃぎまくっていましたが。
K-2戦車を1000輛(1次契約180輛、2次契約820輛)、FA-50軽戦闘機を48機、K-9自走榴弾砲が650輛。
そりゃもう大騒ぎでした。
韓国の装備が採用された最大の理由は、アメリカやドイツからは「2年後に○○輛」とかの供給だったものが、韓国は「今年中に(韓国軍の)10輛、23年には18両、2024年には56輛」って即時引き渡しができることから選ばれたとされていました。
ポーランドがK-2戦車1000輌など韓国製兵器を爆買い、その背景にある理由とは?(楽韓Web過去エントリ)
ところがポーランドの政権交代があり、「ポーランドは自国の国防産業を育成しなければならない」として自国への投資へ方針を変更したのですね。
その一方で韓国側でもポーランドに借款を行う輸出入銀行の金融支援枠がもういっぱいで、これ以上お金の貸出ができない。
韓国の金融機関はどこも規模がなくて、大規模なプロジェクトをこなせないのですよね。
具体的にいうと世界の資産規模順のランキング(2023年)で見ると、韓国国内の最大の銀行はKB国民銀行で59位。5575億ドル。
日本での1位は三菱UFJの2兆9679億ドル(7位)。
世界一は中国の中国工商銀行で5兆7428億ドル。以下、4位まで中国の銀行が続きます。5位、6位はJPモルガン、バンカメ。
このランキングは2023年のものなので、今年の末までにはいろいろ変化があるかもしれません。
ま、そんなわけで規模が足りないから大規模借款とかできないのですよ。
一応、民間銀行が合同でポーランドに対しての借款をフォローするなんて話も出てはいるのですが。
2月までの臨時国会で輸出支援枠拡大ができなければ、「K防産で大成功!」ってあれは霧散します。
ま、それはそれでポーランドの現政権の意向に沿った展開なのでポーランド的にも問題なし、ですかね。
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