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2024年01月

韓国経済:格差の象徴となった「大企業の雇用率」わずかに13.9%、日本の1/3以下だった……そりゃ少子化も進むよね

カテゴリ:経済 コメント:(57)
大企業の雇用比重、OECD加盟国最低…[社説]これが入試競争·少子化問題を招いた(中央日報・朝鮮語)
韓国の大企業の雇用比重をさらに増やすべきだという国策研究院の主張が出た。 一部で主張する「大企業集中が激しい」という主張を正面から反論する内容だ。 中小企業が企業成長時に発生する追加規制負担のために成長を先送りする「ピーターパン症候群」を解決し良質の大企業働き口を増やす努力が必要だという提案だ。

韓国開発研究院(KDI)のコ·ヨンソン研究副院長は27日「より多くの大企業の働き口が必要だ」という題名の報告書を出した。 報告書によると、2021年の韓国の従事者250人以上の企業雇用の割合は13.9%で、関連統計のある経済協力開発機構(OECD)32の会員国の中で最も低いことが分かった。 大企業が全体の雇用に占める割合を計算してみると、OECD平均は32.2%だ。 韓国は主に300人を基準に大·中小企業を区分するが、OECDは250人を基準とする。

いわゆる先進国と比べると、韓国の大企業の雇用比重が極度に低かった。 米国が57.7%で最も高く、フランス(47.2%)、英国(46.4%)、日本(40.9%)なども40%を上回った。

事業体規模による賃金格差も大きい。 2022年5~9人の事業体の賃金は300人以上の事業体の54%に過ぎなかった。 中堅企業級(100~299人)事業体も71%水準にとどまった。

大企業という良質の雇用が制限され、過度な入試競争と深刻な少子化現象を招いた。 4年制一般大学を入学生の修能成績によって5つの分位に区分した後、1分位(下位20%)から5分位(上位20%)大学卒業生の平均賃金を年齢帯別に計算した結果も公開した。 5分位大学卒業者の賃金は1分位と比較して25〜29才で25%高かったが、40〜44才には51%まで格差が広がった。

上位圏の大学卒業者は大企業への就職、長期勤続などにおいて相対的に有利で、賃金格差を広げたことが分かった。 限定的な働き口を獲得するための競争が大学進学以前から始まり、私教育過熱まで招いた。 建国大のユン·ドンヨル経営学科教授は「大企業と中小企業間の格差があまりにも大きいうえに労働柔軟性が確保されないため、初めての職場が事実上生涯賃金を決める構造」と話した。
(引用ここまで)


 大企業(韓国の場合は従業員300人以上)での雇用割合は13.9%に過ぎず、OECD平均の数字である32.2%の半分以下であることが判明しました。
 さらにいうとアメリカの57.7%、フランス(47.2%)、イギリス(46.4%)、日本(40.9%)などにはおおよそ3倍以上の差がつけられている状況です。

 以前、30大財閥グループに入れるのはざっくり1.6%との数字が出ていました。
 60万人の卒業者に対して、1万人にも満たない雇用しかないのです。
韓国の新卒者が財閥に入れる確率、たったこれだけ! 驚愕の数字だった(楽韓Web過去エントリ)

 30大財閥に入れるのは63人にひとりくらいのとんでもない競争率。

 そしてその枠組みを「大企業」に広げても13.9%だけ。
 7人にひとりも入れない。
 実は問題はそこじゃないんですよね。


 こうした大企業と、そうでない企業の間には給与に圧倒的な差があるのです。
 かつてはサムスン電子と中小企業の格差は4倍でした。これは2015年の数字。
 約10年が経過したいま、格差が縮まっている要因がないので最低でも4倍あるでしょうし、それ以上の可能性すらあります。

 こうした格差が少子化の一因でもあるのですね。
 なんとか一流企業に就職できた人は「もうこんな思いは次世代に伝えたくない」って思うでしょうし。
 中小企業に勤めている人は「あれほど努力してもダメだった」と思うしかない。
 当然、結婚すら諦めざるを得ない状況。

 おまけに今年は新卒就職率21%
 いや、きっつ。
 そりゃ合計特殊出生率が0.72にもなるでしょうし、ここからまだ下がりもしますよ。

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前回の韓国総選挙で「共に民主党180議席」をぴたりと当てた選挙専門家、「今度は105議席前後。チョ・グクがキャスティングボートを握る」と予測

「イ・ジェミョンは去り、祖国が来る」民主党180議席を当てた「オムタコ」の予言(中央日報・朝鮮語)
オム所長は28日夜、YTNラジオ「シンユルのニュース正面勝負」で「今、共に民主党が地方区で100席も危なっかしい」として「もちろん、イ・ジェミョン代表は『3月中旬に反転するだろう』と語っているが、私はそのように世論が急反転したことは一度も見たことがない」と話した。

オム所長は「もちろん忠清道の場合、一晩でも世論支持率が20%が行ったり来たりする。だが、実は一晩で20%が行ったり来たりすることは全くない」として「今の民主党の雰囲気を見れば100席も大変だが、私は総選挙が終わればイ・ジェミョンが去り、祖国が来る(と思う)」と強調した。 民主党の公認問題の最大の恩恵者が、祖国新党だという主張だ。

オム所長は「民主党の公認に失望した湖南有権者、進歩性向の支持者が交差投票を通じて比例代表は大挙祖国新党を投票するようだ」として「祖国新党が少なくとも15%程度以上得票するだろう」と予測した。

「連動制であるため、15%得票すれば(比例代表議席の)50議席を確保し、50議席の15%ならおおよそ7〜8議席になる」とし、「祖国新党が持って行ってしまえば、民主党比例議席は減り、民主党が実際に得られる比例議席は最大5議席未満で、地方区100議席を合わせて(第22代総選挙の時、民主党は)105席程度得るだろう」と判断した。

こうなる場合「民主党の大失敗でイ・ジェミョン代表がまともに党権を維持することはできない」として「イ・ジェミョン代表が去ってチョ・グク代表が来る」と話した。
(引用ここまで)


 PVとしてはあまり稼げない韓国選挙動向の話。
 前回の総選挙で「共に民主党系が180議席に達するだろう」と予想し、きっちり当てた人物がいるのですが。
 その人物が「もう今回の共に民主党は選挙区で100議席+比例代表で4〜5議席ていど。チョ・グクの新党が7〜8議席を握るだろう」としています。

 楽韓Webでは「チョ・グクは根強い支持を持っている」「いまだにムン・ジェインの直系後継者として人気がある」と語っています。
 なにしろ、前回の総選挙では「チョ・グクを支持する」というワンイシュー政党(開かれた民主党)が比例代表で3議席も取ったんですよ。
 その後、共に民主党に合流して消滅したのですけどね。

 もっとも人口ピラミッドで太い部分である40〜50代にかけての支持率が高いのも間違いない。
 この世代は左派が強い、との話もしていますね。

日本と異なり、韓国では左派の勢いが強い理由は人口動態にあった(楽韓Web過去エントリ)

 そして、この世代が現在もっとも支持しているのがチョ・グクであるといっても過言ではないのです。


 すでに議席数予想の記事も出てまして。
 冒頭記事のオム氏ともうひとりの選挙専門家が予想をしています。

オム・ギョンヨン「国民の力149席、民主党104席」vsユ・スンチャン「民主党133席、国民の力118席」(新東亜・朝鮮語)

 オム  ユ
共に民主党 104  133
国民の力  149  118

 これは選挙区のみの数字だそうで、オム氏は国民の力が比例代表も含めて過半数を握るとの判断。
 もうひとりのユ氏は133議席を共に民主党が取るとの予測。

 どちらにしても共に民主党は過半数すら失い、惨敗といえるレベルになるだろうとの予測になりますね。
 そこでチョ・グク新党がキャスティングボートを握る、とのシナリオになるのかな。
 総選挙まであと40日ほど。現状の共に民主党に厳しい世論は覆りそうにないです。

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韓国における合計特殊出生率0.72……教育問題、社会問題、経済問題がからみあう原因、これを解きほぐすのは無理なのでは……

【コラム】韓米日経済成長率…出生率を見ればわかります(中央日報)
「合計特殊出生率 韓国0.72人、米国1.66人、日本1.3人」

「2023年実質国内総生産(GDP)成長率 韓国1.4%、米国2.5%、日本1.9%」

この数値を見てどう思いましたか。女性1人が生涯に産むと予想される平均出生数である合計特殊出生率は世界最下位です。「高齢者の国」や超高齢社会と呼ばれる日本の半分にすぎません。こうしたことでは韓国という国が消滅の道を歩くことになりかねないという不安感が大きくなります。人口が減少すれば物を作る人が減り、消費も以前には及ばないでしょう。時間が過ぎるほど経済は縮小することになるでしょう。

昨年のGDP成長率はこうした兆候が見られます。

韓国のGDP成長率は日本より低いです。これまで韓国が代表的な低成長国である日本よりGDP成長率が低かったのは昨年を含め3回にすぎませんでした。専門家は韓国が低成長の沼に落ちたと診断したりもします。
(引用ここまで)


 昨日発表された韓国における2023年の合計特殊出生率0.72は「こうなるだろうと分かってはいたが、やはり衝撃だ」といった形で世界でも報道されています。
 BBCからブルームバーグまで。もちろん、日本のメディアも相当に報道していますね。
 朝日新聞のそもそも解説でおおよその理由を見ることもできます。

【そもそも解説】出生率0.72 韓国の少子化、なぜ急速に進む?(朝日新聞)

 教育問題と経済問題、さらには社会問題がからみあっている。ざっくりとですが、的確な指摘がされていると感じます。
 その中でも韓国でクローズアップされているのが経済問題。

 冒頭記事は最終的には「法人税を減らせ」といったような形になるのですが、それでも日米韓で出生率と経済成長率の順が一致しているのは偶然ではないだろうと。


 まあ、経済的な側面も少なくないとは感じています。
 次にピックアップ予定の大企業に入れる数がそもそも少ないこと、大企業とそれ以外の企業との格差が大きいことなども理由のひとつでしょう。
 ただ、そこに至るまでのプロセスを子供に体験させたくない、って部分が大きいのではないかな……と感じます。

 朝から晩まで勉強漬け。
 子供の交通事故率が先進各国から見ても格段に少ないのは、そもそも子供がほとんど外に出ずに「自宅→学校→塾→習い事」と基本屋内にいるからではないか、とされるほどです。

韓国で子供がほとんど交通事故の犠牲にならない理由とは?(楽韓Web過去エントリ)

 大企業に就職できた人であっても「自分はともかく、子供にはあれを体験させたくない」と思うでしょうし、失敗した人であればなおのこと。
 それくらい韓国人は苛烈な子供時期を送るのですよ。

 まあ……そりゃ子供を作ろうなんて思わなくなるし、そもそも結婚できるのも大企業に就職できたり公務員くらいでしかない。
 その公務員が大量にいる世宗市も0.97とついに1割れ。
 これを反騰させるの無理なんじゃないですかね、実際。

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楽韓さん、本日の動向 - ダンジョン飯全巻が50%ポイント還元のセールが今日まで

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 SLIMの越夜についての記事とISASからのペーパーが出てたのでそれぞれピックアップしておきましょう。

SLIMが成功した「月での越夜」はなぜ難しいのか–月面着陸の歴史から紐解く(UchuBiz)
ISAS News No.515(JAXA・PDF)

 ISASニュースのほうは当時の興奮が伝わってくるようですね。
 越夜以降はアディショナルタイムなので優先順位の低いデータとか集められたらいいですねー。

ーーーーー

 ダンジョン飯、無職転生(最新20巻以外)、王国へ続く道、悪役令嬢レベル99(明日発売の最新4巻以外)あたりが全巻50%ポイント還元になっていたKADOKAWAポイントキャンペーンが今日まで(対象タイトル一覧)。
 とりあえずニセモノの錬金術師1巻がこれでだいぶ知られたのはよかったのではないかと思われます。

ダンジョン飯 14巻 (HARTA COMIX)
九井 諒子
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2023-12-15




ニセモノの錬金術師 1 (MFC)
うめ丸
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2024-01-23


 あとコミックエッセイフェアであたしゃ川尻こだまだよが2巻まで半額、コミケ童話全集は全巻半額、北欧女子オーサが見つけた日本の不思議が最新刊以外半額、蝶よ鼻よが1〜3巻まで半額。これも今日まで。


コミケ童話全集
おのでらさん
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2017-11-24

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 (コミックエッセイ)
オーサ・イェークストロム
KADOKAWA
2015-03-06

腸よ鼻よ 01
島袋 全優
KADOKAWA
2019-09-13


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韓国の合計特殊出生率が0.72に……今年の数字は0.6台突入も

韓国の少子化加速 23年出生率0.72で過去最低に(聯合ニュース)
 世界でも例のない少子化が続く韓国で、昨年の出生数と合計特殊出生率がまたも最低記録を更新した。統計庁が28日発表した2023年の出生数は前年から1万9200人(7.7%)減少した23万人で、前年に続き過去最低を記録した。1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率も前年比0.06ポイント下落した0.72で、過去最低となった。合計特殊出生率は15年(1.24)をピークに8年連続で下落傾向を示しており、21、22年にいずれも0.03だった下落幅が昨年には2倍に拡大するなど、下落のスピードも増している。

 昨年10~12月期の合計特殊出生率は前年比0.05ポイント下落した0.65と初めて0.70を割り込んだ。
(引用ここまで)


 韓国における昨年の合計特殊出生率が0.72と発表されました。
 数字自体は年末頃に予測されていた通りの数字が出てきたのですけどね。

韓国の人口動態、ついに「来年は合計特殊出生率が0.6人台に突入する」との予測発表……「そこから盛り返すはずだ」との予測もされてはいますが……いや、これもう無理でしょ。なぜかというと……(楽韓Web過去エントリ)

 去年の第4四半期は0.65とついに0.7すらをも割りこみました。
 一昨年と去年の四半期毎の数字はこんな感じ。
 ついでに去年の分にはソウルの数字もつけておきましょうか。

2022年
・1Q 0.87
・2Q 0.75
・3Q 0.80
・4Q 0.70
計 0.78

2023年
・1Q 0.81 / 0.63
・2Q 0.70 / 0.53
・3Q 0.70 / 0.54
・4Q 0.65 / 0.51
計 0.72

 いつもなら第2四半期から第3四半期にかけて少し数字が盛り返して、そこから年末にかけてまた減るのがいつものパターンだったのです。
 今年はその盛り返しすら「同じ数字」を出すのがやっと。

 ソウルの数字はなんなんでしょうね、これ。
 なんというか……「世界の最先端都市」って感じです。


 あ、そうだ。2018年の第2四半期の合計特殊出生率が発表された際のエントリが検索ついでに出てきたので貼っておきましょう。

韓国の合計特殊出生率、ついに1を切る……それではこれまで1.0を切った国々を見てみよう (楽韓Web過去エントリ)

 ムン・ジェイン政権になって1年、前任の政権からの影響もすっかりなくなって「ムン・ジェイン政権の成果」が出た頃の出生率なのですが。
 ついに1.0を切って「え、マジ?」って人口関連の研究をしている学者を驚愕させた頃でしたね。
 「中国返還後の香港くらいしか1.0を切ったことはないし、それが長く続いたこともない」「2010年の台湾が0.9を切ったことがある」って話をしてました。
 2018年全体の数字が0.98。  まさかそこからわずか5年で2/3になるとはさすがに想像すらしていませんでしたわ。

 「率」ですからね。基本的にはあるていどのところで下げ止まるはずなのですが。
 どこをどう見ても下げ止まる要因が「人口が充分に減ってしまった」ことくらいしかないんだよなぁ。

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