昨年末の「サンタラリー」後、新年に入ってから不振が続いていた韓国証券市場が久しぶりに笑った。2日の韓国総合株価指数(KOSPI)は2559.40で取引を開始し、前日より2.87%上昇した2615.31で取引を終えた。(中略)特に低い株価純資産倍率(PBR)を示す銘柄を中心に投資需要が集まった。金融委員会が今月中に「企業バリューアッププログラム」を稼動し、低PBR銘柄の価値上昇を誘導することにしたことに伴う期待のためと分析される。
先月2日には新年の証券市場取引初日の行事に参加した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「任期中に『コリアディスカウント』を解消したい」と強調した。その後17日の民生討論会では小口株主の権利保護に向けた法改正とともに、低PBR銘柄の価値を高める「企業バリューアッププログラム」を用意する計画を強調している。韓国政府が企業を促してPBRを高めていくという意味だ。 (中略)
KOSPI時価総額上位圏であるポスコホールディングスが0.66倍、現代(ヒョンデ)自動車が0.46倍、起亜(キア)が0.89倍、SKテレコムが0.96倍、LGエレクトロニクスが0.82倍など、有名な優良株もPBRは1倍に満たない。 (中略)
実際に韓国株式の低評価、いわゆる「コリアディスカウント」はひとつやふたつの要因では説明がつかない。地政学的リスクなどのさまざまな要素が複合的に作用した結果だというのが金融業界の説明だ。しかし最近は何よりも株主還元率を引き上げなければならないという声が出ている。昨年11月に過去4度目の空売り禁止措置施行など政府の証券市場浮揚策にも今年に入って株価は劣勢を見せているためだ。
実際に先月のKOSPIは前月最後の営業日より7%ほど下がったが、米国S&Pは先月29日、日本の日経平均は22日にそれぞれ過去最高値を更新した。経済回復への期待感で証券市場に資金が集まったおかげだ。昨年にも米ナスダックが前年比43%、日経平均が28%上がる間にKOSPIは18%上昇するのにとどまった。 (中略)
株主還元率は上場企業が純利益のうち投資家である株主にどれだけ収益として渡すのかを示す指標だ。
(引用ここまで)
年初来のKOSPI(韓国の主要株価指数)、香港ハンセンH株指数、日経平均の比較がこちら。
途中までKOSPIと香港ハンセンH株指数は似た動きをしていますね。
ただ、先月末に中国当局が株価支援をはじめて一度上昇しています。韓国と同じように空売りの規制にも入ってますね。ですが、その後下落に転じています。
ナショナルチームですらもはや下落を救えないところにある、との指摘も出ていますね。
中国株が大暴落!習近平も誰も経済を救えず、共産党の特権階級も逃げ出す準備(JBPress)
逆にKOSPIは上昇に転じています。
まあ、年初来から見るとどちらも下落してますが。
上昇に転じた理由が「韓国政府がPBRを高めるような施策を出そうとしている」ってもので。
完全に日本の真似で草。
中央日報の記事中に「東証はPBRを高める施策をしようとしない企業は上場廃止も検討する」とかいう記述があるのですが。
それはないですからね。「最低でもPBRが1倍を超えるような企業方針にしてくれ」って話です。
東証が異例の要請「PBR1倍割れ改善」の"真意"(東洋経済ONLINE)
プライム、スタンダード、それぞれで上場規程があるわけだし。
そんなわけないよねっていう。
韓国の株式は半導体不況、不動産不況もあってだいぶ低迷しています。
去年は多くの国で株式市場は上昇機運に乗っていましたが、その中でも韓国の上昇度合いは低いものでした。
今年に至ってはいまだにマイナスなわけで。
中国における不況の影響をもっとも大きく受ける国はどこなのか、と考えられて「それは韓国!」って意見で一致したってところかもしれません。
中国株式のサブセットであると見られているのであれば、まあ不思議はないんじゃないですかね。
実際、中国不況が韓国経済の弱点であることに間違いはないので。
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