ファウンドリーが含まれた非メモリー事業はむしろ赤字幅が拡大した。 非メモリー事業の損失は、昨年第3四半期の7000億ウォンから第4四半期は9000億ウォンに増加したものと見られる。
グローバル景気低迷でスマートフォンやパソコン、家電など前方産業の需要が減ると、顧客会社の注文が減少したためだ。 昨年末のファウンドリー稼働率は60%水準であり、成熟工程は50%まで下がったと知られた。
特に、ファウンドリーの低い収率も業績不振に影響を及ぼしたものと見られる。 3ナノメートル(nm·10億分の1m)の収率がまだ60%水準と伝えられ、実際にはこれに及ぶこともできないという分析も出ている。 収率が高いほど不良製品が出る確率が低くなる。
これに対し、ファウンドリー工程のGAA技術がサムスン電子ファウンドリー実績反騰のための核心要因になる見通しだ。
サムスン電子は2022年、3ナノ製造工程にGAA技術を世界で初めて適用した。 GAAは半導体微細化の限界を突破する新技術として挙げられる。 データ処理速度と電力効率を高めただけに、人工知能(AI)半導体の生産能力を高めることができる。
三星電子はライバル会社より3年先にGAA技術を導入し、試行錯誤を経ているだけに、2ナノなど今後の超微細工程でGAA競争力を本格的に発揮できる。
ただ、GAA技術をめぐってまもなく繰り広げられるライバル会社との角逐戦で、サムスン電子が優位を維持するかがカギだ。
TSMCは現在、3ナノ工程にGAAの代わりに比較的旧式技術である「フィンフェット」を導入中だが、来年から2ナノ工程にGAAを本格的に活用する予定だ。 2ナノ時代が始まる来年からGAA工程でTSMCとの正面勝負が行われるわけだ。
インテルは来年から18A(1.8ナノ)工程に独自のGAA技術である「リボンフェット」を活用する。 インテルは今年まで2ナノ、来年は1.8ナノを生産する計画で、超微細工程競争で優位を占めるという意図だ。
これに対し、業界ではサムスン電子のGAA優位のためには、ライバル会社のGAA導入時期前までに工程経験を最大限多く積まなければならないと見ている。 また、GAA導入拡大時に既存の低い収率も高めなければならないだけに、半導体設計資産(IP)に投資しなければならないという声が出ている。
業界関係者は「2ナノからはGAA技術検証がなされた企業が顧客会社の信頼を受けると見る」として「サムスンはむやみに新技術を導入するより今年の工程経験蓄積と収率安定化を先に成し遂げなければ微細工程競争で勝機をつかむだろう」と話した。
(引用ここまで)
サムスン電子の非メモリー部門、要するに外部からの半導体製造を受託するファウンドリ事業の赤字が増えている、とのニュース。
まあ、大型の顧客がざっと見るかぎりGoogleくらいしかいない。
しかも、そのGoogleもPixel 8シリーズに採用しているTensor G3で採用したのも一世代前の4ナノメートルプロセスのもの。
TSMCの3ナノプロセスはライン増設待ちが出てるにも関わらず、サムスン電子のそれは一顧だにされていないのです。
サムスン電子は「3ナノプロセスによる半導体をどこよりも早く受託し、製造した!」としているのですが。
実際に3ナノプロセスに委託した企業はどこの誰なのかがさっぱり分からなかったとのニュースも出ていました。
今年中には2ナノプロセスに取り組み、サムスン電子は3ナノプロセスで採用をはじめたGAAをそのままシュリンク。
TSMCは2ナノプロセスでGAAにはじめて取り組むとされています。
んで、韓国メディア曰く「GAAを先行導入したサムスン電子が優位を保てる可能性が!」って話なんですが。
これ毎回、サムスン電子について言っているんですよね。
3ナノプロセスで数ヶ月だか先行した時も「これでクアルコムやnVidiaといった有料顧客がサムスン電子につくはず」みたいな報道があったのです。
「サムスン電子のファウンドリ事業には薔薇色の未来が待ち受けている」ってくらいの勢いで。
実際にはTSMCの3ナノはアップルのiPhone 15 Pro用のチップでラインは満員御礼。余裕ができたらMac用のM3でやっぱり埋まってしまう。
歩留まりを改良したN3EラインにクアルコムやMediaTek、AMDといった企業が順番待ち行列を作る結果となったのでした。
nVidiaもRTX5000シリーズをN3Eで作ってもらう模様。生成AI向けのH200は4ナノらしいので、その次がN3Eかな。
Marvellみたいな車載チップもN3Eの順番待ちに並んでいたようですね。
現状でTSMCに対抗できる企業は不在。
サムスン電子、インテルともに力不足もいいところなんですよね。日本のラピダスは……うん、まあがんばってほしいとは個人的には思っています。
TSMC一強はよろしくないのですよ。
ただ……対抗できる企業がないんだよなぁ。強すぎる。
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