「転職の準備に首をつっているよりアルバイトをする方が楽です。 後で幸せになろうとこれまで苦労したが、これ以上耐えられないと思ったんです」。
4年間中堅企業で働き続け、1ヶ月前に退社した30代のキム某氏は最近「フリーター族」(自由な労働者)になることを決心した。 キム氏は「20代を休むことなく走ってきたが、いざ自分自身を気遣う余裕がなかった」として「いつ心が変わるかは分からないが、不透明な未来よりは現在の幸せがさらに重要だ」と話した。
フリーター族は1990年代初め、日本で経済不況で特定の職場なしにアルバイトだけで生計を維持し、些細な暮らしを追求した青年たちに付けられた新造語だ。 彼らは必要なお金を工面できるまで働き、簡単に職場を離れる性向を見せる。 お金を目的ではなく手段として考え、自由を楽しむ人生を追求する傾向がある。
最近、国内でもキム氏のようなフリーター族を肯定的に考える20~30代の人々が増える傾向だ。 キーワード分析サイトのサムトレンドによると、先月13日から12日までの1ヶ月間、オンライン上で「フリーター族」言及量は前年同期対比145.45%上昇した。 先日オンラインコミュニティを中心には「最近流行しているというフリーター族」という題名の掲示物が数回共有され話題を集めたりもした。
この掲示物で言及された「フリーター族特徴」としては▲正規職職業よりはアルバイトを好む▲特別な約束でない以上一人でいることを好む▲特定職業や名誉、欲がない▲私が集めたお金で旅行に行くのが趣味▲最小限費用だけ稼いでそれ以上の大金は稼ぎたくない▲明確な未来計画よりは現在が重要などがあった。 (中略)
昨年10月、求人·求職プラットフォームのインクルートが会員815人を対象にアンケート調査を行った結果、国内成人71%は「フリーター族」に対して肯定的に見た。 (中略)
フリーター族を除いた回答者に「今後フリーター族になる意向があるか」を尋ねた結果、半分を越える51.5%が「ある」と答えた。 年齢別では30代が54.3%で最も多く、20代が51.9%で後に続いた。
(引用ここまで)
韓国で「フリーター」が流行の兆し……というか。
いや、流行の兆しがあるのは間違いないんですが。
これって「自由な流動性の高い働き方」とかじゃなくて、きつい競争から抜け出しただけの話でしかない。
要するに中国のねそべり族が増えているのと同じ理由ですね。
これまで韓国では「あるていど優秀であれば」、それなりの地位に立てたのですよ。
ソウル大学やSKYとされる大学に入らなくても。あるいは医者、歯医者、薬剤師でなくても。
そこそこの大学に入ればまだ道は開けてたんですよ。
公務員ってコースもあったし。
そうしたルートがあったのは過去のことで。
感覚的にですが、IMF管理下に置かれる前にはそういうルートもありましたし、その後も細くはなったもののなんとかなる部分は少なくありませんでした。
一気に韓国で閉塞感が高まったのがこの10年前後ですかね。
パク・クネの弾劾はそのストレスが表に現れたものであり。
ムン・ジェインへの異様なまでの支持率の高さはそうした閉塞感を打開してくれるかもしれないとの期待感からだった……と考えると辻褄もあいますかね。
現状はけっこう優秀であってもコネやツテで8割ともされるAO入試(随時募集)に合格しなければ定員残り2割の極小の枠を潜らなくては大学にも入れない。
もう競争に疲れても当然というか。
理解はしますかね。
元駐韓大使の武藤正敏氏が「韓国人に生まれなくてよかった」って本を出していましたが。
あれは「あまりにも競争が激しいので韓国人に生まれたら勝ち抜くことは無理だった」って意味ですからね。
元駐韓大使がそこまでいう社会の中、ついに「もう……疲れちゃった」って言い出す層が明確に出てきたってことです。
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