政府が医療界の利害関係が鋭く絡んでいる韓方医と薬剤師の業務範囲を拡大する案まで検討するという方針であることが把握されました。
医療空白が長くなり、医師らが敏感に反応する職域範囲の拡大まで言及しました。
大統領室の関係者はJTBCに「医療空白対応策として多様な選択肢を探す」とし「色々な職域間の業務範囲調整もそのひとつ」と伝えました。
過去、薬事法改正で医薬分業が施行された時も医療界は長期ストライキに入りました。
専攻医が現場を集団離脱し、開院医までゼネスト投票を予告した中で、政府も長期戦対策を検討するのではないかという解釈が出てきます。
ただ、大統領室は慎重にアプローチするとの立場も付け加えました。
(引用ここまで)
韓方医、というのは韓国版の漢方医のこと。
鍼(はり)、お灸、漢方薬などを駆使する医療とされています。
国家資格ではありますが、医師からはちょい下に見られているのは間違いないところ。
ただし、医師は針灸での治療はできませんし、漢方薬の処方はできません(ちなみに日本は特定の漢方薬の処方は可能)。
韓方医は西洋薬の処方はできないことになっています。
ちなみに両方の国家資格をとれば兼業可能。
今回の医療ストライキに対抗する形で、その韓方医の業務範囲を拡大の方針が報じられました。
おそらく薬剤師の役割拡大がいわれていることからも、西洋薬の処方についてでしょうね。
こうした「医師以外の職業が医師の領域に踏みこんでくる」ことを韓国医師会はもっとも嫌うのですが。
いまなにをしても状況は変わりそうにないので、カードとして出すって感じかもしれませんね。
なお、韓国政府は「29日までに職場に復帰すれば責任は問わない」としていますが、医師側は大反発中。
まあ……これ言われて反発しないわけがないですかね。
中対本「29日までに復帰すれば責任を問わない」…反発(KBS・朝鮮語)
さて、1万人を超える専攻医(日本でいうところの研修医)が辞表を出しているのはなぜか、という話がコメントにも出ていますが。
これは韓国人がよくいうところの「剥奪感」に通じるものがあるのです。
「剥奪感」についてはプレジデントオンラインにも掲載されているシンシアリーさんのこちらの記事を参照してください。
現在の専攻医はとんでもない倍率を潜り抜けて医者になったわけですね。青春のすべてをかなぐり捨てて得た地位なのですよ。
その血と涙と汗で得た地位を、これからの高校生や(仮面)浪人生らは60%も楽に入ってしまう。
こんな時、韓国人は「損をした」と感じるのですね。
まだ医師になりたての専攻医であればなおのこと。
結果、兵役に行かなければならないかもしれないほどのリスクを負ってまで医学部の定員増加に反対しているのです。
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