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2024年02月

アメリカが諦めた時速1000キロを超える超高速「ハイパーループ」、中国、カナダ、韓国はまだ諦めずに開発を続けている模様

カテゴリ:鉄道 コメント:(97)
ソウル~釜山が20分… 時速1000キロの「夢の列車」がさらに近くなった(朝鮮日報)
「夢の列車」と呼ばれる超高速列車ハイパーループが次第に現実に近づいている。 これまでイーロン·マスクとリチャード·ブランソン·バージン·グループ会長のような世界IT富豪が未来の交通手段として考え、開発に乗り出したが、商用化が容易ではなかった。 しかし最近、世界各国がハイパーループ開発戦争を繰り広げ、技術障壁を一つ二つ突破している。 (中略)

技術的限界にもかかわらず、世界各国の大学と企業は真空状態を維持する案に没頭し、最近成果が少しずつ出ている。 中国航空宇宙科学工業グループ(CASIC)が開発したハイパーループ「T-フライト(Flight)」は最近、試験運行で時速623kmの新記録を立てた。 今回の試験は2㎞走行したもので、比較的短距離である。 CASICは次は60キロの距離を時速1000キロで走る実験を実施する予定だ。 CASIC関係者は「究極的に超高速旅客機であるコンコードに準ずる時速2000キロを作る計画」と話した。

カナダのスタートアップであるトランスフォードも時速1000㎞で走れる「フラックスジェット(FluxJet)」を開発している。 乗客54人または貨物10トンを積んでチューブの中で飛行するように高速で走る。 磁石が押して引く力で空中に浮いたまま動く。 同社は2035年までに180億ドル(約23兆6000億ウォン)を投じてカナダの主要都市エドモントンとカルガリーを結ぶ300キロの路線を作るという構想だ。 トランスフォードは「飛行機より40%安く、二酸化炭素の排出量を63万6000トン減らすことができる」と述べた。

ドイツのミュンヘン技術大学は直径4m、長さ24mのコンクリートチューブを開発し、試験中だ。 これまで耐久性の良い鉄のような素材を使ったが、相対的に費用が多くかかった。 ドイツのミュンヘン技術大学は、大きな圧力差に耐えるコンクリートを利用して費用を減らせば、ハイパーループインフラの拡張に役立つと見ている。 韓国では韓国建設技術研究院がコンクリート素材のハイパーループチューブを開発中だ。
(引用ここまで)


 韓国ではいまだにハイパーループにかなりの期待をしている模様です。

 ちょっと現状を書いておきましょうかね。
 「ハイパーループ」として真空チューブ鉄道を再提唱したのがイーロン・マスク。
 ただし、スペースX社で行っていたハイパーループ実験施設はすでに撤去されて、敷地はスペースX社員のための駐車場になっています。

 同様にヴァージングループもハイパーループ・ワンを設立して、有人テスト走行を行うところまで計画を進めました。



 しかし、その後に「有人運行は無理」と判断されます。
 高速貨物運搬施設として使えないかと模索していたものの、最終的に「事業性がない」としてすべての計画を破棄しています。
 それでもまだ何カ国かはハイパーループに希望をかけているそうですわ。

 ちなみにハイパーループ的なシステムの構想としては19世紀前半からありまして。
 この時はまだ真空ではなく圧縮空気による移動でしたが、20世紀初頭には「アメリカロケット界の父」として知られている、ロバート・ゴダードが「磁気で動く列車を真空チューブで走らせれば超高速鉄道となる」とする構想を唱えていたりもします。

 ただ、それから現在に至るまで実現できていないのは「真空チューブ」にコスト的な問題が大きすぎるから。
 地上に作れば気温差で素材が伸縮しますし、地下に作れば万一の事故の際の救出活動は不可能なレベルになってしまう。
 ドイツのやっているコンクリートでチューブを作ろうというのは、そのあたりの対策かな。
 亜真空下での廃熱処理も大きな問題のひとつですね。空冷も水冷もできませんから。


 それでもまだ中国、カナダ、ドイツ、そして韓国がテストを行っているそうです。

・中国
 Tフライトと呼ばれるシステムのテストを行った。低真空下でフルスケールのポッドの実験を行い、2kmの試験用チューブを走った際の最大時速は623kmだったとのこと(なお、その速度での動画は見つからず)。



・カナダ
 Transpod社のFluxjetが事業化予定。あくまでも予定。



・ドイツ
 ミュンヘン大学がコンクリート製のチューブで試験中。

・韓国
 韓国建設技術研究院がドイツと同様にコンクリート素材で開発中とのこと。

 ただまあ、前述したようにシステムそのものが抱えている問題があるので、それを解決する手段がないと容易に詰むでしょうね。
 実験を行ったヴァージンのハイパーループワン、イーロン・マスクのハイパーループテクノロジーがそれぞれ「ダメだこりゃ」と匙を投げたのは現実の壁に突き当たったから。
 まだ残っているほうの実験はどうなるんでしょうかね。
 あくまでも夢を追い続けるのか。

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 エントリでのハイパーループの歴史については以下の書籍から引用しています。


「韓国の少子化の原因はなにか?」と世界が注目、そこには「通過儀礼のハードルがあり得ないほどに高い」事実がある……

「私は産んではいけない」 韓国の少子化、将来不安が拍車(日経新聞)
「大学受験まで10年しかない」 韓国、小学生から勉強漬け(日経新聞)
韓国では結婚時にマイホームを用意するのが一般的だ。不動産価格の高騰が続くソウルの場合、事前に数千万円の蓄えが必要になる。過熱する受験戦争の結果、子供の教育費もかさむ。平均年収が約400万円の韓国人には負担が重い。

「自分が親から受けた教育を子供にはしてあげられない。ならば、私は子を産んではいけない」。金はそう自分を責め、別れを受け入れた。

韓国で「超少子化」が進む。政府が2月28日に発表した23年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数、暫定値)は0.72。日本(22年に1.26)よりも低く、世界でも最低水準だ。 (中略)

韓国には「いとこが土地を買うと腹が痛い」ということわざがある。共に暮らす家族の慶事は一緒に喜ぶが、血縁関係が近くても他家の成功には嫉妬するという韓国人の気質を指す。

その気質が、我が子への圧力をより強めた。韓国の若年層の問題に詳しい漢陽女子大の平井敏晴助教授は「子供たちは親から強いられた受験、就職の競争で疲弊しきっている」と分析する。
(引用ここまで)

ソウル市江南区の大峙洞の一角。平日の夜8時になると、路肩に高級車がずらりと並ぶ。塾での勉強を終えた子供を迎えに来た親の車列だ。

大峙洞は韓国の苛烈な学歴社会を映し出す。高級住宅が立ち並ぶ周囲には、500を超える学習塾がひしめく。

小学3年の一人息子を迎えに来た母親(39)は週16回の習い事に通わせる。英語はもちろん、算数だけで「基本講座」「図形」「思考力」と3つの塾を掛け持ちする。学習塾だけでなく、チェロに水泳、テコンドーと目まぐるしい。

ある土曜の朝、息子が悲痛な表情をみせた。「お母さんに引きずり回されてるみたい。今日は休みたい」。幼い子を勉強漬けにすることに罪悪感はある。一方で焦りもある。「大学受験まで、あと10年しかない」

塾代は月300万ウォン(約33万円)を超える。それでも、周囲と比べても平均的な費用だという。「あなたの未来のためよ」「他人に負けてもいいの」――。将来への投資という名の課金ゲームに、親の心は乱される。
(引用ここまで)


 韓国における去年の合計特殊出産率は0.72。
 世界ワースト1位……とするよりも前に、もはや「異次元」とか「異形」としか形容ができない状況。
 台湾が0.87(2022年)、香港が0.77(2021年)と韓国の後を追っていますが、人口5000万人以上の国では独立独歩の圧倒的1位。

 世界から「なぜこんなことになったのだ」とする分析が行われています。
 日経が4本ほど記事を出していますので、興味があれば見てみてください。

 ひとつの要因はマンションを買わなければ一人前とは見られないという韓国社会の問題。
 何度か「韓国では結婚するためにマンションを買わなければならない」「まともな人間たるもの、マンションのひとつくらいは持っていなければならない」とする意識がある、との話をしています。
 一種のイニシエーション、通過儀礼として成立している部分があるといってもいいでしょうね。
 「信じられない」ってコメントをいただいたりもするのですが、このように日経が書くほどに一般的なのです。


 そして、その「一人前」と見られるためのマンション購入をするためにはソウルなら数千万円〜1億円が優に必要になるわけで。
 社会的勝者、それも圧倒的な勝者しかその地位を得ること、保持することはできなくなっているのですね。
 「魂までかき集めてマンションに投資する」人々(ヨンクル族)は必死になって、魂をかける覚悟でこのイニシエーションを通過しようとしているのです。

 「n放世代」とされる言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
 当初は「三放」、すなわち恋愛、結婚、出産を諦めた世代の呼称だったのですが、これに就職、マイホームが加わり五放になり。
 さらに人間関係等をすべて諦めたn放世代(nは自然数で、ここでは「すべて」の意)へと進化を遂げたのですが。

 そうはならじと旧来のこの通過儀礼を通ろうとしている人々は、子供にありとあらゆる習い事をさせ、準ネイティブクラスに英語を鍛えさせ、最良では医師にさせるか悪くても30大財閥に就職させようとしているのです。
 中間地点はないのか、との話ですが。
 ……そこになければないですね。

 敢えていうなら試験で誰にでも開かれている公務員になることが中間地点ですが、これですら数年の浪人は当たり前。
 そりゃ、世界でもぶっちぎりの少子化国家になりますよ。

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韓国の「自称常温超伝導物質」、特許申請するも「超伝導物質じゃないんでしょ?」と拒絶されてしまう

隠して、別れて「どこかで見たような」……「LK-99」に酷似した米スター科学者の没落(朝鮮BIZ・朝鮮語)
国際学術誌「サイエンス」は毎年末、「今年の革新」と「今年の失敗」を選定する。 1年間に発表された科学研究成果のうち、革新をもたらした成功的な研究と失敗に終わった研究や科学を選定することだ。 大半が米国や欧州、日本のような科学先進国の成果や研究が選定されるが、昨年は韓国も記事に名を連ねた。 残念ながら成功とは程遠い「今年の失敗」項目だった。

サイエンスが選定した「2023年今年の失敗」には常温超伝導体に対する研究が名前を上げた。 昨年、韓国科学界を強打したクォンタムエネルギー研究所の「LK-99′」がその一つだ。 しかし、LK-99よりサイエンスがより多くの紙面を割いて紹介した常温超伝導体がある。 まさに米国ロチェスター大学のランガ·ディアス教授が作ったと主張した常温超伝導体「CSH」だ。 サイエンスは「年初に革命的だと歓迎されたディアス教授の研究成果が論文撤回で虚しく一年を終えた」と説明した。 (中略)

米国科学界がディアス教授の超伝導体論文で騒々しい間、韓国では国内研究陣が開発したと主張した常温超伝導体「LK-99」で一騒ぎが起きた。 クォンタムエネルギー研究所とクォン·ヨンワン高麗大教授、ウィリアム&メリー大のキム·ヒョンタク教授らは昨年7月、常温超伝導体である「LK-99」を開発したとし、論文事前公開サイトに研究結果を発表した。

しかし、8ヵ月が過ぎた今も、LK99の実体どころか、これを立証する研究データや研究論文すら公開されていない状態だ。 ディアス教授が論文データを学生たちに隠したように、クォンタムエネルギー研究所やクォン·ヨンワン教授、キム·ヒョンタク教授のいずれもデータを公開していない。 キム·ヒョンタク教授は4日(現地時間)、米ミネソタ州で開かれた米国物理学会3月ミーティングで口頭発表を通じて「LK-99″に硫黄を追加した「PCPOSOS」という新しい超伝導体物質を公開したが、やはり実物は公開せず、同僚検証を経ていないデータだけを発表した。 (中略)

ディアス教授とLK-99研究陣は様々な面で似ているが、今置かれている状況は全く違う。 ディアス教授は窮地に追い込まれている。 ロチェスター大学は4回にわたってディアス教授の研究不正行為に対する調査を進め、最後の4次調査の結果、問題が発見され、今はディアス教授の講義と研究を阻んでいると伝えられている。 ディアス教授が2026年までに受け取ることにした33万ドルに達する米国国立科学財団(NSF)の研究費支援も中断される可能性が高い。

「LK-99」研究陣は超伝導体の実物とデータ公開を先送りしながら多様な活動を続けている。 権寧完(クォン·ヨンワン)教授は、複数の上場会社に投資家や役員として名を連ねており、その間、同社の株価は乱高下した。 クォンタムエネルギー研究所は、延世(ヨンセ)大学とともに超伝導体の開発計画を発表した。
(引用ここまで)


 LK-99についてのニュース、というかUSO(Unidentified superconductive Object)について韓国メディアの語っているニュース。
 去年の夏、LK-99はネットを中心に話題となりました。
 「材料が簡単に集められる」「製造が容易」「レシピが公開されている」ことから、大きな施設を持たない私人でも再現実験ができたことが大きな要因として挙げられるでしょう。
 実際に発表直後のコミケでも「LK-99配布します」なんてことがありましたね。

 その一方で科学界で話題になっていた「常温超伝導物質」がもうひとつありまして。
 C-S-H系と呼ばれる高圧超伝導。著者はランガ・ディアス助教授。2020年10月にNature誌に論文が掲載されてタイム誌の「次世代を担う100人」に選出されるなどしたものの「データが揃っていない」等の不備から編集者権限で2022年9月に論文を撤回させられました。

 んで、去年3月には新たに「水素・窒素・ルテチウム化合物は室温超伝導となる」とする論文を出したのです。
 LK-99と一緒になって扱われたので覚えている読者もいるかもしれませんね。


 で、こちらも11月には論文撤回に追いこまれました。
 その経緯をnature誌が記事にしています。

Superconductivity scandal: the inside story of deception in a rising star’s physics lab(nature・英語)

 論文がnature誌に掲載されたことを除けば、LK-99とほとんど同じ経緯を辿っていますね。
 こうして追試、再現試験が行われて論文で語られている事象が再現できるか否かが最大の関門となるのです。

 LK-99、PCPOSOSについていうならnature、Science誌に論文を投稿したものの、掲載を拒否されたとのことでしたから、査読を通り抜けることすらできなかったのでしょうね。
 あ、それと韓国国内でLK-99の特許を申請したそうですが。

LK-99研究陣、特許不発? 新しい超伝導体も実物なしで映像だけ(韓国日報・朝鮮語)

 「超伝導体かどうか定かではない」として突っ返されたそうです(笑)。
 ま、そりゃそうですね。

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楽韓さん、本日の動向 - USスチール買収は失敗かな

【PR】Kindle Unlimitedが2ヶ月99円のキャンペーン中です

 データはほぼ揃っていたのでe-taxでさくっと申告完了。医療費をまとめるのに時間がかかるかなって思ったんだけども、そこまでじゃなかった。マイナンバーカードでほぼ網羅できたのすごい楽。
 まあ、保険の効かない(国家資格はあるので医療控除対象)整体とかマッサージに行くのでそこは自分で登録しないとダメなんだけど。
 あと市販薬。
 その辺もこみで「2日はかかるかなぁ」って思っていたんですが、勢いに任せて全部済ませられました。昨日、ブログのほうは2回更新もやろうと思えばできたんですが。1日で終わらせられるなら終わらせてしまおうってことで。

 ついでに論評なしで「へぇ」と思った記事をひとつ。

SSD対HDD PC制覇のSSDはデータセンターでは門前払い(日経新聞)
USスチール、米国内での所有・運営維持が不可欠=バイデン氏(ロイター)

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 しょせん他人事ですからの6巻が出てました。デジタルタトゥーかぁ。



 ビームコミックスがいろいろ99円になっているセール(対象タイトル一覧)からいくつか。
 うすね正俊の砂ぼうず。全巻99円。2年くらい前に完結しています。
 好みはかなり分かれるし、表紙でどんな話かも分からんけどとりあえず1巻くらいは買ってよいかと。
 あと桜玉吉のしあわせのかたち 愛蔵版全巻99円。ファミ通が輝いていた頃のものですね。
 個人的におすすめなのは宇宙戦争。これもとりあえず1巻買ってみてほしいかな。H.G.ウェルズに心ときめかせたことがあるなら是非。

砂ぼうず 1巻 (ビームコミックス)
うすね 正俊
KADOKAWA
2012-09-01




 大家さんは思春期!が1巻だけブラウザで読めるアレで、3巻まで半額。


 あとヤングアニマル系のコミックスが30%くらいのポイント還元。
 ハネムーンサラダ、エアマスターなんかが対象になってますね。


エアマスター 1 (ジェッツコミックス)
柴田ヨクサル
白泉社
2013-07-25


 今日のKindle日替りセールからのピックアップこちら。
多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
Jam
サンクチュアリ出版
2018-07-07