韓国保健福祉部の朴敏守(パク・ミンス)第2次官は22日、中央災難(災害)安全対策本部の会議で、大型病院が重症・救急患者の診療に集中できるよう、上級総合病院と総合病院間の診療協力体制を強化する内容を議論したと明らかにした。
大学医学部の入学定員拡大を巡り政府と医師側の対立が続く中、政府は診療協力体制を強化するため、上級総合病院と協力体系を構築する総合病院100カ所を「診療協力病院」に指定し、運営に必要な指針を配布した。
患者の転院を支援する「診療協力センター」にスタッフが追加配置されるよう、人件費も支給する。21日までに上級総合病院21カ所に85人、診療協力病院100カ所に150人の転院担当スタッフが追加配置されたことが確認された。
25日からは上級総合病院が患者を転院させる際、患者に最も適した病院に移送できるように協力病院が保有する病床の種類や診療科目などの情報を確認できるようにした。電算システムが改編される来月からは、これらの情報をリアルタイムで照会できるようになる。 (中略)
一方、政府は必須医療分野で診療を受けられない患者が出ないよう、引退した「シニア医師」も積極的に活用することを決めた。
(引用ここまで)
韓国の大病院は軽症患者でもなんでも受け入れている状態なのですね。
かつて日本の大学病院などもそんな感じだったのですが、現在は「まず最寄りの医院にかかってもらって、紹介状をもらうのであれば大病院」といったシステムになってますね。
韓国ではそういったシステムが整備されておらず、どんな軽症であろうとも受け入れなければならないのです。
誰もが「ビッグ5」と呼ばれる大病院に行きたがるんですね。
さらには軽症になったので退院・転院を促しても、患者側が応じようとせずに大病院に居座り続けるなんてことも起きています。
で、今回の医療ストライキがきっかけになって、そんな状況をようやく是正することになったとのこと。
塞翁が馬って感じですかね。
その一方で医療ストライキはまだまだ続いています。
業務開始命令に背いた研修医 来週から免許停止=韓国政府(聯合ニュース)
医学部教授側 辞表提出の25日以降は週52時間に勤務縮小へ=韓国(聯合ニュース)
1万人を超える研修医が辞表を出している(現場を離れているかどうかはまた個別問題)状況ですが、韓国政府はそれらの研修医に業務開始命令を出しています。
これに背いたら医師免許停止。
勤務に1カ月以上空白が生じた場合は規定に基づき追加で研修を受けなければならない。追加研修期間が3カ月を超える場合は専門医資格の取得時期が1年遅れる可能性があり、今月から勤務していないレジデントが免許停止3カ月の処分を受ければ、専門医資格の取得にも支障が出ることになる。
(引用ここまで)
それでなくても医者は複数年の浪人が多いんですが、この医療ストライキでさらに1年の遅延。
まあ、医者に定年はないので生涯で稼ぐ額にそこまで影響はないのかもしれませんが。
上から「ストライキしろ!」って言われてるんでしょうね。
キャリアを犠牲にしてでも、従わないとダメって社会なんだろうね。
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