今年、釜山金井区の孔徳小学校の入学生は7人に過ぎなかった。 孔徳小学校のように新入生が10人未満の釜山の小学校は今年21校で、1年前より6校増えた。 チャガルチ市場で有名な南浦洞では昨年、新生児が一人も生まれなかった。 チャガルチ市場が属している中区は、昨年の合計出生率が0.31人に止まった。 全体226の基礎自治体のうち最下位だ。 韓国で2番目に大きい都市、釜山の現実だ。
1日、韓国経済新聞が統計庁と行政安全部の住民登録人口統計資料を通じて分析した結果、2月末基準で釜山の消滅危険指数は0.49で地域消滅「危険」段階だった。 消滅危険指数は地域の20~39歳の女性人口を65歳以上の人口で割った割合だ。 数値が低いほど該当地域がなくなる可能性が高いという意味だ。 0.2~0.5 は消滅リスク、0.5~1.0 は注意段階に分類する。
釜山は昨年12月(0.5)まで「注意」段階だったが、今年1月から「危険」段階に落ちた。 6つの広域市のうち、消滅危険段階にある地方自治体は釜山が唯一だ。 (中略)
「お昼にご飯を食べに来る人が1日20人もいないのに、はい、働くおばさんにもやめてもらいました」
1日、慶尚南道昌原市馬山合浦区(キョンサンナムド·チャンウォンシ·マサンハプポク)のある産業団地に位置した豚クッパ屋。 食堂を運営するA氏は30代の記者が入ると「久しぶりに若い両班が来た」として歓迎した。 彼は「お客さんの大部分が50〜60代」として「これが野球チームがある都市なのかと思うほど若い人がいない」と話した。
同日、見て回った産業団地一帯は閑散としていた。 時折、寂寞を破る「グラインダー(表面を滑らかに耕す作業)」の音だけが聞こえた。 ある酒造業者代表は「月給500万ウォンを与えると言っても人が来ない」として「直業界高等学校も学生がいなくて苦労している」と話した。
(引用ここまで)
合計特殊出生率が0.72との衝撃の数字を出した韓国ですが。
去年の合計特殊出生率がもっとも低かった自治体はソウルの0.55でした。
そして釜山がそれに続く0.66。
最大都市、および第2都市がそれぞれ少子化のトップランナーで1-2フィニッシュを飾っている状況です。
ただ、このふたつの都市には大きな違いがあります。
ソウル(を中心とした首都圏)は人を吸収し続けているのに比べ、釜山はその供給地でしかないということです。
とにかく釜山にかぎらず地方には「韓国人の大卒」が納得するような就職先がない。
記事中に酒造会社の社長から「月給500万ウォンでもなり手がない」とありますが。
現代の両班たる大卒者が就く仕事ではないと判断されているのですね。
ソウルにすべてが集約されている状況ですから。
大学とかも「まずソウルにある」ことが優先だったりします。
釜山大学は国立大学では第2の規模のはずなのですが、トップ10にすら入っていないんですよね。
釜山ってけっこう寂れた都市でして。
駅前とか見てもとても300万都市とは思えない寂しさ。
あと釜山駅自体も思っている以上の小ささです。
都市の規模としては横浜市とか大阪市と同レベルのはずなんですが。
高級住宅街である海雲台とかはまた別としても。
あれじゃあ、さすがに「釜山にいてくれ」とはいえないよなぁ……。
韓国の特別市で唯一の消滅危機というのも納得です。
逆にいえば地方振興がもはや第2都市ですらできなくなりつつある、ということでもあるのですね。
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