「暗号資産テラ暴落」クォン・ドヒョン氏、韓国送還が無効に…「懲役百年」米国行きか(ハンギョレ)
モンテネグロ最高裁は、暗号資産テラ:Terra(ルナ:LUNA)暴落の最重要人物であるテラフォームラボのクォン・ドヒョン代表(33)の韓国送還決定を無効にした。
モンテネグロ最高裁は5日、クォン氏を韓国に送還して裁判を受けさせるとした既存の判決を無効とし、事件を原審に差し戻した。現地の日刊紙ビイェスティ(Vijesti)を引用して聯合ニュースが報道した。これにより、判決はポドゴリツァ高等裁判所に破棄差し戻しされ、クォン氏も改めて裁判を受けることになった。
(中略)
韓国とは異なり、米国は様々な犯罪の刑を合算する方式をとる。クォン氏が米国に送還されて裁判を受ければ、100年以上の懲役刑が言い渡される可能性があるとの見通しが示されている。そのためクォン氏は韓国への送還を強く望んでいる。クォン氏は昨年3月23日、モンテネグロの首都ポドゴリツァの国際空港で偽造パスポートを用いて出国しようとしたところを逮捕され、1年間にわたって収監生活を送っている。
(引用ここまで)
モンテネグロで偽造パスポートを使ったことで逮捕されたクォン・ドンヒョン。
一時は韓国に送還するとの判決が出たのですが、最高裁から「判決取消、原審に差し戻し」との判断が出たとのこと。
原審に差し戻しされる場合は、原審の間違いを上級裁が指摘したことになるわけで。
基本、逆の判決が出ることになります。
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この人物がなにをしたか、というと。
危険性があることを知りながら暗号通貨ルナ・テラを取引所に上場させ、4兆円とも5兆円とも言われる財産を蒸発させました。
さらにその危険性を指摘した学者に対して「貧乏人と話しあうつもりはない」と言い放つなどしていました。
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この時になにが起きたかをざっくりと解説してみましょうかね。
まず、彼は「テラ」と呼ばれる暗号通貨をドルにペッグさせて、1ドル=1テラを保ち続けると約束したのです。
で、その一方で双子の暗号通貨となる「ルナ」については市場で自由に流通させる。
もし、ドルとテラのペッグが損なわれそうになったら、ルナを発行して買い支えるというシステム。
これで安定したバックボーンを持ってルナ・テラの価値は保ち続けられると語っていたのです。
当初から複数の経済学者が「テラとドルのペッグは見せかけのもので、経済的に見たら脆弱性しかない」「ポンジスキームでしかない」と指摘していました。
それでも1ルナは最大で円建てで1万円を超えるほどに評価されていたのですね。
時価総額は最大で4兆円とも5兆円ともいわれていました。
おそらくハゲタカファンドあたりがその高騰具合を見て──
「OK、それじゃあ本当にドルにペッグできるかどうか試してみようぜ」
「水張った洗面器に顔つけてスタート。顔を上げたほうが負けな」
「じゃあ、ルナとテラ、両方ともカラ売りするわ」
──ってやりはじめたのですよ。
まず、テラに売りをかけはじめる。
テラが安くなるとルナがどんどん発行されます。自動的に。そのルナでテラを買って補填をはじめます。
当然ですが、ルナはテラが売りをかけられている間、際限なく発行されます。
ルナの価値は一方的に希釈さていきます。
カラ売りを行ったところだけでなく、他のルナ保有者も一斉にルナを売らざるを得ません。
テラへの売りが終わればルナも安定するでしょうが、実際にはルナの希釈化が止まらないままでした。
テラの時価総額とルナの時価総額が同じになってしまえば、テラを保証できるバックボーンはゼロになります。ルナによる裏付けはここで破綻。
ルナが破綻することでテラも1ドル=1テラを保つことができずに自動的に破綻。
最盛期で1ルナ=1万円を超えていた価値が、最終的には約2円となり、コイン取引所から上場廃止に。
テラも同様に上場廃止。電子の海に散っていったわけです。
こうした崩壊の危険性が充分にあることを認識しながら、開発したことでクォン・ドヒョンはアメリカ、韓国から訴追されています。
冒頭記事にあるようにアメリカに送還されたら懲役100年も夢じゃありません。
おそらく暴落のドタバタの最中に自分のウォレットにビットコインあたりを仕込んでいたのでしょうが、アメリカに送還されたら獄中で亡くなることが必至。
韓国なら懲役15年、実質10年で出てこれるかな。
まあ、それはそれとして暗号通貨なんて投機として手を出さないほうがよいですよ。
個人的には10万円くらい突っこんですっかり忘れてます。しかもイーサリアムメイン。年に2回くらいウォレットを見ることがあるくらい。
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