重症脳病変障害のあるA氏は、大学生だった2016年、電動車椅子で低床バスに乗ろうとして乗車拒否に遭いました。 約8カ月間、乗車拒否されたケースを数えてみると、9回にのぼりました。 理由は様々でした。 「車椅子用スロープ(傾斜板)が故障した」という理由が最も多く、バスの運転手がスロープの使い方自体を知らない場合もありました。何の理由もなくバスが通ったり、最初から停留所に立たずに通ることもありました。
A氏は結局「障害者乗車拒否は障害者差別行為」としてバス会社を相手に損害賠償請求訴訟を起こしました。 また、所属地方自治体の平沢市にも責任を問うことにしました。 障害者差別禁止法上、地方自治体には交通事業者が差別行為をするのか管理·監督する義務があるのに平沢市が放置したということです。 何年もの間、裁判所の判断を待っている間も、乗車拒否は絶えず続きました。 (中略)
平沢市が車椅子スロープがまともに作動しない問題を認知したにもかかわらず、点検を予告するだけで、事実上放置したというのがA氏側の主張です。 平沢市のバスだけでなく、ほとんどの低床バスの車いす用スロープは故障が多いと言われています。 それさえも作動する設備でも、バスの運転手が正しい使い方を知らない場合も数え切れないといいます。
(引用ここまで)
さて、X(旧Twitter)でこんなポストがちょっとバズりました。
先週遊びに行った韓国のバスが素晴らしかったの!日本バスって運転手さんがスロープを出してイスを畳んでってしていただかなくちゃいけなくてどうしても気が引けてしまい、あまり乗らないのだけど
— 車椅子ギャル🦋さしみちゃん (@misa_misaxxx) April 11, 2024
韓国のバスの自動で高さ調整&自動スロープがめっちゃ快適だった!😍
日本にもこの技術が来てほしい〜 pic.twitter.com/72t4I3JV91
自動スロープ、もしくは自動スロープ+自動リフトのバスは90年代くらいから日本にありました。
関西を中心にあった覚えがあります。
旅行に行った時、「おお、こんなのがあるんだ」ってなったものです。
リフトが必要だったのは当時のバスは床が高かったため。
現在は低床バスが中心になっているので、自動スロープだけでいいはずなのですが。
上記のポストをした人が言うように、日本ではあまり見かけない。
羽田の自動運転バスは運転手がいないので自動スロープが装備されているそうです。
ですが、日本のバスは運転手がスロープを持ってくるか、最近では反転式スロープ板ってものになっています。あのパタンと倒すスロープはそう呼ぶのか。
なぜ日本では20年前にはあった自動スロープがないかというと、故障頻発だったからだそうです。
淘汰された、というのが実際のところのようですね。
で、韓国の「自動スロープ事情」がどうかとチェックしてみたところ、出てきたのが冒頭記事。
「8ヶ月で9回、バスに乗車拒否された」そうです。
その理由が「自動スロープが故障しているから」とのこと。
まあ、自動スロープが故障していてもバスの運行自体には問題ないので走らせてしまうのでしょう。
で、最終的に韓国のバスどうなったかというと、最初に紹介したポストに韓国のかたが引用ポストをしていました。
불행하게도 비싸며 고장이 잘나서 (고치기 귀찮아서) 일본식으로 수동으로 널판 까는걸로 신형차들은 바뀜. https://t.co/cWpZOTZ2Q8
— 비동료불령시민 美羅乭 (@miradorbus) April 12, 2024
残念なことに高価で故障が多いため(修理するのが面倒なので)日本式に手動で板を貼ることに新車は変わった。
(引用ここまで)
まあ、いいオチではないですかね。
以前、韓国の車椅子ユーザーが「日本では招かざる客にならずに済む」と述べていました。
韓国の車椅子ユーザー、「日本では招かれざる客にならなくて済む」「韓国と違って道路がなめらか」「どこでもスロープを渡してもらえる」と日本を絶賛(楽韓Web過去エントリ)
特に道のなめらかさは大違いですから、電動であろうと手動であろうと大きく状況は異なるでしょう。
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