「未来のためのグローバルパートナー」という副題の共同声明は「それぞれの産業基盤を活用して重要な(軍事)力量需要を充足し長期的に対応態勢を維持するために米国防部と日本防衛省が共同主導する防衛産業協力·獲得·支援フォーラム(DICAS)を招集する」と明らかにした。
ミサイルの共同開発と生産、前進配備された米海軍艦艇と空軍機の共同メンテナンスなどを含む最優先協力分野を特定する。 ジェット訓練機の共同開発および生産と操縦士訓練などのための実務グループも作る。 (中略)
米国など友好国との関係を強化し、技術的リスクを減らし、自国防衛産業に利益をもたらしながら「戦争が可能な国家」に進む踏み石まで得たわけだ。
日本は英国、イタリアとともにF-35より優れた第6世代戦闘機の開発を進めている。
さらに、訓練機の開発や操縦士の訓練を米国とともに実施し、友好国との協力を通じて未来の空軍力を作る格好を整えた。 (中略)
自衛隊はT-4代替用訓練機事業を推進してきた。 アジア最大規模の訓練機事業に多くの関心が集まったが、結論は米国との共同開発だった。 開発は米ボーイングT-7Aを土台に行われる見通しだ。 (中略)
米国は共同開発を通じて流入する日本の投資金をT-7Aに活用することができる。
現在、T-7Aは技術的な問題でプログラムが遅れているが、日本との訓練機の共同開発はこのような問題を多少でも改善するのに役立つ。
(引用ここまで)
「アメリカと日本の安保協力が深まっている=日本が軍事大国への野望を露わにしている」って公式が韓国では成り立っている、とのニュース。
いや、ニュース自体は「日米関係が深まっている」ってだけのものなんですけども。
それが韓国では変換されてるのです。
その基盤にあるのが何年経とうと、近隣地域がどのような情勢になろうとも「韓国は日本の軍事大国化を許さない」って立場なわけですね。
その一方でアメリカが日本を重要視するようになっている……というか、重用せざるを得なくなっている。
記事にある練習機の共同開発もその一環です。
この記事ではT-7Aをベースにする云々ありますが、日本の意向は新規開発に向かっているようですね。
木原防衛相の記者会見ではまだ決まっていないものの、国際共同開発を進めるのは昨今の趨勢との言葉があります。
防衛大臣記者会見 令和6年4月12日(防衛省)
この会見を見るかぎりではT-7Aをベースにしてではなく、新規開発になるっぽい。
以前もT-4後継機についてちらと書いていますが、日本のT-4後継機は200機ていど、アメリカのATT(先進戦術訓練機)は100〜400機の需要があります。
相当に量産によるコスト削減が利くレベルで生産できるわけです。
日本とアメリカで果実を分け合おうとしているってことです。
韓国は日本のT-4更新を以前から狙っていたのです。T-4の後継機には超音速練習機であるT-50を導入すべきではないか、と。
「未来志向的な日韓関係の現れとなるだろう」とか言っていましたっけ。
なんでアメリカのT-Xコンペで負けたものを日本が導入しなくちゃいけないんだかね。
こうした「日本は軍事大国への野望を抱いている」「韓国はそれを許すわけにはいかない」「でも練習機は買え」みたいな勘違いをしているかぎり、まともな日韓関係なんてものはないってことが理解できるんじゃないでしょうか。
楽韓Web的には今回の日米首脳会談、本当に成果があったと思いますわ。
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