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2024年03月

「日本は今年のうちにインドにもGDPを抜かれて世界5位になる」と嬉々として報じていた韓国、去年の時点でメキシコに抜かれて14位になっていた……4ランクも落ちてますよ?

【単独】韓国、メキシコにも押された……「インドネシアにも逆転」IMF警告(韓国経済新聞・朝鮮語)
29日、韓国経済新聞が韓国銀行の経済統計システムと経済協力開発機構(OECD)、国際通貨基金(IMF)などの資料を分析した結果によると、昨年の韓国の名目GDPは1兆7128億ドル(OECD基準)と集計された。 22年の1兆6739億ドルから2.3%成長したが、順位は13位から14位へと一段階下がった。

韓国のGDP順位が14位を記録したのは2012年以後初めてだ。 2018年に10位を記録してトップ10に進入したが、2022年の13位に続き、昨年14位で2年連続下落するなど、最近不振が現れている。

韓国の座はメキシコが占めた。 メキシコの昨年の名目GDPは1兆7889億ドルと集計された。 1年1兆4633億ドルに比べて22%以上増加し、13位を記録した。

米国(27兆3480億ドル)、中国(17兆7948億ドル)が最上位圏を占め、ドイツ(4兆4561億ドル)は日本(4兆2129億ドル)と位置を変えた。 (中略)

韓国のGDP順位は今後さらに下がる可能性が高いというのが国際機関の分析だ。 IMFは最近発表した4月の経済展望で、2029年インドネシアが韓国のGDPを追い越すだろうと展望した。 順位は15位までさらに一段階下がると予想した。

ただ、今年第1四半期のGDP成長率が予想外の上昇傾向を示し、反騰に対する期待感も一部現れている。 今年2.1%と予想していた成長率が2%台半ばなどに上方修正される可能性があるということだ。 韓国銀行関係者は「今年の成長率展望は第1四半期の結果を反映して高くなりうる」として「消費増加が持続するか否かを綿密にチェックする必要がある」と話した。

今年に予定されたGDP基準年度の改編も変数だ。 これまで捕捉できなかった生産部門が多数含まれれば、GDPが相当幅増加する可能性があるためだ。
(引用ここまで)


 「日本は今年、インドにもGDPが抜かれて世界5位になる」とのニュースがありまして。
 なぜか韓国が嬉々として報じていたりもしました。

「円安の逆襲…」日本のGDP、来年のインドに押されて世界5位に墜落」(ニュース1・朝鮮語)

 タイトルの「墜落」って物言いがすでにアレ。
 楽韓Webではずーっと「ドル建てのGDPなんて気にしたってしかたない」って話をしています。
 為替によって10%くらいはすっと変わりますしね変わるし、なんなら韓国なんて2007年から2009年にかけての2年で20%減ってますからね。

 もちろん、一定の目安にはなるでしょうし、ランキングにまったく意味がないとも思いませんが。
   自国通貨建てのほうを気にしたほうがよっぽど健全じゃないですかね。


 というわけで、そんな話がブーメランになり、2023年のドル建てGDPランキングで韓国がメキシコに追い抜かれて14位になったとの話。
 いつだったか、念願の10位になったことがあるのですが。
 そこから4ランクダウン。

 インドネシアにも早々に抜かれるのではないかとの話。
 あれやこれやで「東南アジアの韓国」として楽韓Webでは知られているインドネシアですが、それでも人口2億8000万人に届こうかという地域大国ですからね。
 というかまあ、今回の通貨安はアメリカが政策金利をさらに上げるのではないかとの危惧からのものでドル全面高。

 そんな中でドル建てのGDP比較してもね……って感じですか。
 個人的にはiPhoneやらなんやらが輸入品が高くなるのがきついくらいかな。

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駐日韓国大使、唐突に「日韓間をパスポートなしで行き来できるようにしよう」とか言い出す……この発言の文脈を追ってみると?

パスポートなしで日本に入国可能になるのか…「韓日出入国手続きを簡素化すべき」(中央日報・朝鮮語)
ユン・ドクミン駐日大使は26日、韓日国交正常化60周年を迎える来年を機に、「(韓日関係を)両国国民が体感できる恩恵が回る協力関係にアップグレードする必要がある」と強調した。 (中略)

ユン・ソンニョル政権の初代駐日大使である彼は「日本との協力が縮小され、過去10年余りの間に両国間の投資が3分の1以下に落ち、交易も減ったが、最近韓日関係が改善されたのが5兆ドルに達する新しい市場を発見することになったのではないかと思う」として両国間の経済協力が活発になる気流に注目した。 また「韓日間の人的交流が1000万を超え、1200万、1300万時代に向かっている」とし、変わった韓日関係を現地でも体感していると伝えた。


欧州29カ国が加盟しているシェンゲン条約は、加盟国の国民が相互国境を通過する際、パスポート検査などの出入国手続きを省略し、自由な人的·物的移動を保障する。 「韓日版シェンゲン条約」が可能になれば、韓国国民が住民登録証だけで日本旅行ができるようになる。

ただし、現在両国政府間でこのような議論が具体的になされているわけではない。 にもかかわらず、長年の底点を経て、困難に改善する方向に舵を切った両国間の協力を制度化するためのアイデアとしては、十分考慮に値するという指摘だ。

この当局者は「(東京)羽田空港まで2時間かけて来て羽田空港を出るのに1時間ずつかかり、金浦空港に来て金浦を出るのに1時間以上かかるこのような状況は防ごうということ」とし「日本国内でもかなり共感がある」と説明した。
(引用ここまで)


 駐日韓国大使であるユン・ドクミン氏が韓国での全体在外公館長会議の場で「日韓間でパスポートがなくても行き来できるシステムを構築すべきではないか」と発言。
 ……なにを言い出すのやら。
 かねてから韓国では「東アジア経済圏」なるものが喧伝されていました。

 ムン・ジェイン政権時代、南北関係が改善されて中国ロシアを含めた北東アジア経済共同体を形成することになるだろうみたいな話をしてました。

ムン・ジェイン、8月15日に「北東アジア構想」を発表へ、韓国がアジア外交を牽引する存在となる?(楽韓Web過去エントリ)

 就任してわずか3ヶ月でこれ。
 「このままだと日本はこのバスに乗り遅れちゃうね? いいの?」ってさんざん煽ってきたものでした。
 「南北鉄道が接続されると韓半島(朝鮮半島)が陸路でつながって、欧州まで一本の線路でつながっちゃうよ? 日本はつながっていないから脱落しちゃうね?」くらいのことを言っていたなぁ。

「北朝鮮の開国で韓国経済は雄飛を遂げるだろう」との未来予測→ロシアの天然ガスで燃料費は1/4、アジア横断鉄道が接続され日本の物流は韓国が吸収する……ですって(楽韓Web過去エントリ)

 ま、現状の南北関係を見るに、乗り遅れたのはどっちだったんでしょうね。


 2014年頃にも「日中韓の軋轢を解消できるのは韓国を置いて他にはない」「ひいては経済共同体まで行こう」くらいのことを主張する識者がいましたっけね。
 んで、それらの経済共同体の接合を主導するのは韓国だ、っていう「全世界が韓国の指導力を待望している」って話でした。

 今回の「パスポートなしで韓日間を行き来できるシステムを構築しよう」っていうのも、そうした主張が行われてきたとの視点に立つと理解しやすいと思います。
 補助線は「韓国主導で共同体を形成する」との主張です。

 それに加えて日本人観光客が減っていることにも焦りを感じているの でしょう。
 経常収支を見てもサービス収支は赤字が続いていることから、なんとかしたいのでしょうけども。
 まあ、こんだけ円安が進んだ状況になったら、そりゃ海外旅行なんて行かないよね。

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韓国メディア「今後、韓国の選挙では左派が勝つ。なぜなら50〜60代の最大ボリューム世代の政治的志向が左派のままだからだ」

狭くなる保守の政治人口学(中央日報・朝鮮語)
今回の総選挙は様々な教訓を残したが、その中の一つは韓国が今や「政治人口学の時代」に本格的に入ったという点だ。 人口は大きく3つの要因によって変わる。 出生、死亡、移住だ。 そして、人口の変化は政治的結果を生む。 過去にも韓国で政治人口学の効果は長い間存在してきた。 慶尚道(キョンサンド)と全羅道(チョルラド)の人口格差の政治的結果だとか、「安保·成長保守」と「運動圏86世代」間の対決のようなものだ。

戦争と貧困を経験した保守的世代と運動の勝利を経験した86世代の間の政治的な違いは、彼らがある程度バランスを取っている間にはあまり目立たなかった。 しかし、今回の総選挙で明らかになったのは、ついにその均衡が崩れ始め、今後しばらく不均衡は深刻化するという点だ。 保守政治には不吉なニュースだ。 バランスが崩れた最も重要な理由は「安保保守」の死亡または病気だろう。 韓国戦争の時に10歳だったとしても、今は80代半ばだ。 韓国が絶対貧困から抜け出し始めた1970年代に10歳だったとすれば、60代後半だ。 保守の牙城を成していた世代は消えつつあるのに、進歩の牙城は堅固に存在する。 (中略)

第18代大統領選挙から今回の総選挙まで12年が経つ間、有権者は年を取った。 朴槿恵候補を揺るぎなく支持した安保保守の中で多くの人々が亡くなり、進歩の世代的基盤である86世代有権者の半分近くが60代に入った。 (中略)

若い時に進歩的だった人も、年を取りながら保守化するのが一般的ではないかと反問することもできる。 これについても多くの研究がある。 人口集団の政治的性向は、二つの効果の相互作用で決まる。 一つは若い頃の強烈な経験が一生続くことだ。 「コホート効果」と呼ぶ。 もう一つは、年を取るにつれて保守化していくことだ。 「年齢効果」と呼ぶ。 この二つのうち、どちらがより強力な力を発揮するかによって、政治性向は変わる。 従来の研究によると、概して1960年代初めの出生者までは年齢効果がより強い。 彼らは年を取るにつれて保守的になる。 しかし、60年代半ば以降の出生者からはコホート効果がより強い。 彼らは青年時代、学生運動の経験を一生持ち歩きながら、年を取っても保守化しない。
(引用ここまで)


 元ネタはシンシアリーさんのところからいただきました。

ソウル大教授「当分の間、左側が勝つだろう」・・韓国、総選挙で見えてきた「人口政治学」(シンシアリーのブログ)

 保守派の牙城であった高齢者が社会から引退しつつあり、数を減らしている。
 その一方で50代に入っても「民主化」を経験した世代であるために、「年齢による保守化」をせずに思想的に左派にいたままとなる。
 といったコラムです。

 以前、楽韓Webでも似た話をピックアップしています。
 「50代が最大ボリュームになった」とするニュースに対して「これで人口動態的には左派が勝つ状況が整った」と述べています。
日本と異なり、韓国では左派の勢いが強い理由は人口動態にあった(楽韓Web過去エントリ)

 韓国の人口ピラミッドにおいて50代前半が最大ボリュームとなっています(画像は2022年末のもの)。

(画像引用元・Wikimedia

 そして彼らの政治的志向が左派に傾いており、共に民主党等を支持する層が韓国で多数になっていると。


 今回の総選挙における共に民主党の大勝、祖国革新党の躍進もそこに起因するわけです。
 そしてこの構造はしばらくの間、固定されるしかない。
 コラムの筆者曰く50〜60代のいわゆる86世代は激烈な「民主化」を経験したため、コーホート効果で政治的志向が変化しない。

 そして保守派であった高齢者は続々と引退していく。
 すなわち、今後の大統領選挙で2回、あるいは3回は左派が勝つしかない。
 2030年代前半までは左派がよほどのことをしでかさないかぎりは勝つ。
 つまり、ノ・ムヒョン政権下のような、あるいはムン・ジェイン政権下のような事態になるだろうってことです。
 そして、外交の基本方針は反米、反日になるでしょう。
 東アジアの不安定要素になるんだよなぁ……。

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