韓国の 尹錫悦政権が昨年3月、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策を発表して以降、日韓間では政治・経済両分野で未来志向の関係改善が進む。防衛当局間の最大の懸案となってきたレーダー照射問題に区切りを付け、安保面でも関係正常化を図りたい考えだ。
両政府は防衛相会談に合わせ、海自と韓国海軍が再発防止に向けた文書を交わすことも検討。海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ。
(引用ここまで)
韓国海軍による火器管制レーダー照射事件について、なにがあったのか明記せずに「再発 防止策」の文書を交わすことになるだろうとの話。
この件の経緯を見るだけでも、韓国海軍を「パートナー」として扱うことの危険さを理解できると思います。
当時、ムン・ジェイン政権は徹底的に「レーダー照射はなかった」としていますが、当初から──
「荒天で全レーダーを使っていたのでそれを拾ったのかも」
「北朝鮮の漁船を捜索中だった」
「荒天だったので無線を聞き取れなかった」
といった言い訳をしていたのですが。
すべてが嘘であることが判明しています。
韓国政府「日本が公開した映像は証拠にはならない!」……でも、韓国政府の嘘は看破してますよね?(楽韓Web過去エントリ)
当時の映像が公開されていて、事件当時の日本海はほぼ凪。北朝鮮の漁船は韓国海軍の広開土大王にほぼ横付けでした。
その距離でなにを「捜索」していたのやら。
で、ぐだぐだ言っていたものの最終的には「火器管制レーダーの照射はなかった」とする言い訳にたどり着いたという形。
その後、ムン・ジェイン政権は「日本の哨戒機が近づいてきたら火器管制レーダーを照射しろ」との指針を韓国海軍に出して、半ば自白していたなんてこともありました。
ムン・ジェイン政権、「日本の哨戒機が近づいてきたら火器管制レーダーを照射しろ」との指針を大統領府が作成していた(楽韓Web過去エントリ)
一応、現場の反対でこの指針が実際の行動に移されたことはありませんが。
いやね、ミスでもなんでもいいんですが。
まずはその事実を認めて再発防止策を取ってもらわないと困るんですよ。
こうした偶発的な事件から戦闘行為に入るなんてこと、歴史上にはいくらでもあるわけで。
しかし、「反日上等」であったムン・ジェイン政権はその事実を認めることなく、会合も完全に物別れ。
当時の日韓関係を象徴する出来事になったのでした。
まあ、その一方で「北朝鮮の漁船はモールス通信用のアンテナを搭載してた」とかいう人たちもいて、「なんだかなー」ってなっていたのも事実なんですが。
今回の措置を見ると、けっこうひどいこと言ってますからね?
記事には「海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ」ってあります。
CUESって、まともな海軍であればどこであろうとも認識しているもので、日米が合同で中国やインドネシア、ベトナム、フィリピンといった海軍に対して訓練を施しているような状況のもの。
「はい、こういう事態で両者が近づいたら『戦意なし』って示すためにはこうするんですよ」ってところからやっているわけですよ。
そんなCUESを「韓国海軍はしっかり認識するように」って日本側が言い渡すってことですからね。
あからさまな糾弾こそしないものの、世界の海軍から見たら「あいつらあんなん言われてんのかよ」ってなるレベルの話。
そして、韓国側もそれを受け入れるしかないってことがすべてを語っていると思いますわ。
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