新冷戦の世界を闊歩する日本と井の中の韓国【寄稿】(朝鮮日報)
韓国が韓半島という「井の中」で北朝鮮の方ばかり見ている間に、日本の国際的な立場が急変している。(中略)米国の東アジア安全保障体制においても、核心は断然韓米同盟であって、日本の役割は韓半島防衛のための支援に過ぎなかった。しかし10年代に入り、米中覇権競争が始まって以降、日本は自由民主陣営の東アジア防衛体制において、その地位と役割が急上昇する傾向にある。
(中略)
日本は中国をけん制する唯一の手段である米日同盟の大々的強化に乗り出した。10年の米日首脳会談を通して、尖閣諸島が安保条約の適用対象であるという共同宣言を発表したのに続き、12年には尖閣諸島を国有化してレーダー基地やミサイル基地を建設した(原文ママ)。
(中略)
外交的な面でも、日本は20年に中国を包囲する米日豪印4カ国のQUAD結成の先頭に立ち、22年には日豪新安保共同宣言を通して準同盟レベルの安全保障協力格上げに合意した。23年には韓米日安全保障協力体発足の一助となり、最近は米日比首脳会談を通して中国を念頭に置いた3カ国安全保障協力体制を発足させた。日本は間もなく、米英豪のAUKUS活動にも加わる見込みだ。
(中略)
かつては日本のこうした動きが周辺国の懸念を呼ぶこともあったが、中国の露骨な軍事的脅威に直面した米国・オーストラリア・東南アジアのどこにもそうした懸念の兆しはなく、歓迎と支持の雰囲気の中で役割を拡大していっている。これを批判したり懸念したりする域内国は中国・ロシアと北朝鮮・韓国くらいしかない。
(中略)
やがて米日を主軸としてオーストラリア・ニュージーランド・カナダなどが参加することになるアジア・太平洋広域安全保障協力体の形成から、韓国だけが疎外されるのではないかと心配になる。このところ「韓半島天動説」という自嘲的なフレーズが韓国国内の一部で流行している。中世の人々は、宇宙が地球を中心に回る「天動説」を信じていたが、韓国人はいまだに宇宙が韓半島を中心に回る幻想の中で生きている-という意味だ。
(引用ここまで・太字引用者)
かつてKEDOの事務局開発部長、6者協議次席代表などの役職を務め、対北朝鮮外交でも第一線で働いてきたイ・ヨンジュン氏のコラム。
パク・クネ政権下でどこかの国で韓国大使をやっていたはず。
去年には大統領室の国家安保室長に就任するのではないかと取り沙汰されていましたね。
ムン・ジェイン政権下の韓国の外交は北朝鮮だけを見ている形になっていました。
どんだけ北朝鮮が好きだったかというと、「南北首脳会談で我々は互いに銃口を下ろすことに決まった」と宣言したのですよ。
「これは実質的な(朝鮮半島の)終戦宣言だ」とか言ってました。
韓国大統領府「ピョンヤン宣言は実質的な終戦宣言。南北はこれから共同繁栄に向かうのだ」……へー(楽韓Web過去エントリ)
で、その1年後に北朝鮮の海岸砲をチェックしたら思いっきり砲口が韓国側に向いていたってオチなのですが。
その際に
「あれは砲口をこちらに向けているのではない、一時的な換気だ」って言い訳していたっていう。
そんなバカなことばかりしている間に、日本はアメリカとの関係を強化し続けていました。
少なくともオバマ政権の1期目終わり頃からだいぶ風向きが変わった感触でしたね。
最後には広島訪問をし、その返礼的な形で安倍総理(当時)のハワイ真珠湾訪問がありました。
あそこで完全に「日米関係における戦後の終わり」を感じさせました。
そして2017年にムン・ジェインとトランプが大統領に就任してからはご存じの通り。
ムン・ジェインは中国に国賓一人飯の旅をさせられても、北朝鮮の親玉である中国には逆らえずに「THAAD三不の誓い」を立てさせられ、前述のように北朝鮮がなにをしようとも許容してきました。
その一方で日本はクアッドを推進し、TPPをCPTPPとして立て直した。
結果、ASEANの識者からも「世界の平和と安保について日本が『正しい行動をする』とどのていど確信していますか?」って質問に対して50%以上(2023年:54.5%、24年:58.9%)が「とても確信している」「確信している」と回答するほど。
ちなみに同じ質問でアメリカに対しては42.4%、中国は24.8%。
他にはEU、インドに対して同じ質問をしていて日本に対する回答がもっともポジティブなものでした。
あ、韓国については設問なし。
The State of Southeast Asia: 2024 Survey Report(ISEAS・英語)
「韓半島天動説」はいいですね。
韓国を中心に世界が回っている史観とでもいうか。
この記事でも「かつての日米同盟は米韓同盟を補完する存在だった」なんて書いてて、韓国人の「韓半島天動説」がどれほどひどいのかを自ら示しているといえます。
この「日本の安保外交における再興」に対して韓国・北朝鮮・中国だけが文句を垂れ流している。
オーストラリア、イギリスは日本と準同盟とも呼べる関係となり、そこにフランス、フィリピンも加わろうとしている状況。
一応、ユン政権はそのあたりに言及することは自重していますが、韓国人の気分としては「なぜアメリカは血盟たる韓国を優先しないのだ」って感じているのは間違いないところ。
もはや根本的に時代が変化していることに気がつけていないのですね……。
(画像引用元・
朝日新聞記事より画面キャプチャ)
この図のまま、「どこにも加わることのできない韓国」が現在位置なのですよ。
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