オ・セフンソウル市長は28日、「北朝鮮の核対応のためには、政界で多様な独自の核能力開発論議を活性化しなければならない」とし、「韓国が少なくとも日本水準の核潜在力を備えなければならない」と強調した。 (中略)
オ市長は最近、与党で提起されている核武装論論争について、「有力政治家間の活発な議論そのものが、北朝鮮の核廃棄を前提とする周辺4強外交を効率的に進めるのに役立つだろう」と述べた。
続いてオ市長は「韓米日安保協議体の発足で3国の間で実に多様な安保協力を議論できるようになった」とし「韓米、韓日このように両者で稼動している両者拡張抑制を3者拡張抑制に進化させる議論もできる。 3国が3カ国原子力協定を締結する方法についても議論できる」と説明した。
オ市長は、「まだアイデアのレベルではあるが、議論を始めよう」とし、「そのためにはもちろん、韓米原子力協定改正に対する議論が先に必要だ。 韓国が少なくとも日本レベルの核潜在力を備えなければならない」と強調した。 (中略)
オ市長は「3国協議体に対する国民のより積極的な支持を導き出すために、韓米日自由主義国家連帯が守ろうとする自由主義国際秩序が、韓国の核心国益と直結しているという点を国民にもっと積極的に説得しなければならない」とし、「自由を『理念』ではなく、韓国の『核心国益』に置き換えて、国民的支持を積極的に導き出さなければならない」と強調した。
(引用ここまで)
オ・セフンソウル市長が「韓国も日本と同じレベルの核潜在力を所有すべきだ」と発言しました。
これ、ちょっと解説が必要でしょうね。
まずは「日本の核潜在力ってなんだ」って部分から。
国際的に「日本はやろうと思えば、ICBMくらいならすぐにでも開発できる」と認識されています。
で、それに搭載する核弾頭開発もすぐにできると認識されています。
いや、実際にそう認識されてもおかしくないんですよ。
まず、電力各社の持つプルトニウムが約4.3トン。これ、国内分だけね。
英仏の再処理工場には約35.8トン。
計40トンちょいのプルトニウムを保有しています。
以前に比べるとだいぶ減りました。
それでも世界でも指折りの、そして非核武装国としては1位の保有量。
そして完全に独自技術の固定燃料、液体燃料ロケットを所有しており、なおかつはやぶさ、はやぶさ2で実現したように再突入技術も所有している。
国外から見たら「いつでも核武装可能」って見えるのは間違いないのですよ。
オ・セフンはそうした日本の「隠れた核武装能力」を語っているわけです。
そして、韓国はそうした「核武装能力」を身につけたいと考えているのです。
現在のところ、米韓原子力協定によってウラン濃縮については20%未満までしか認められていません。
さらに「協定によってアメリカから移転された核物質を核兵器または爆発装置の研究・開発、あらゆる軍事的目的のために利用しない」と規定されています。
そうした軛を一切振り払って核開発を行いたいのです。
実際、韓国は過去にプルトニウムの精製やウラン濃縮実験を行っています。
この件について「IAEAが明らかにするのならIAEAの事務局長選挙で落選運動をする」とか脅迫してもいましたね。
オ・セフンは国民の力所属の保守派ですが、こうした核に関する野望をさらっと口にすることが可能なのはそれが韓国人の共通した望みの一端だからです。
ちなみに左派は左派で「自主国防」を念頭に置いているので、こちらも原潜配備や独自核武装を軽々に述べたりします。
総じて韓国では「核武装」を夢としているのですね。「強国として世界から一目置かれたい」ためです。
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