3日、国民日報の取材を総合すると、2022年8月に類例のない豪雨で一家3人が死亡したソウル冠岳区の住宅街でも止水板のない半地下の部屋を簡単に見ることができた。 ここは事故地域からわずか90メートル離れたところだ。 半地下の部屋に住むイ某さん(80)は「一昨年も水害を経験したが、家主が費用の問題で止水板を設置してくれない」と話した。 すぐ向かい側の半地下住宅に住む30代の男性カン某氏も事情が似ていた。彼は入居当時、水止め板の話を先に切り出したが、家主が断ったと言った。
お金のない人々は浸水しやすい半地下の住宅に入り続けている。 2年前に浸水した死亡者が発生したソウル銅雀区の半地下住宅に住むチャン某さん(69)は、「家賃40万ウォンで、ここ以外のところでどうやって部屋を探すのか」とし、「それでも家主が知り合いなので、やっと安い値段で入ってきた」と話した。
1月、銅雀区上道洞のある住宅に入居したチャン氏は部屋が浸水したという事実を知ったが、他の選択肢がなく入居を決心した。 チャン氏は基礎年金50万ウォンと老齢年金38万ウォンが収入の全てだ。 厳しい生活の中、高い地上階への入居が難しかったという。 1984年の豪雨で家が閉ざされた経験のあるチャンさんは、「その日の恐怖が繰り返されるか不安に震えている」と話した。
ソウル冠岳区新林洞(クァンアクグ·シンリムドン)の半地下に住むカンボジア出身のマイペンさん(29)も、2022年に冠岳区西原洞(ソウォンドン)の半地下住宅で水害を経験した。 当時、彼は膝まで水がたまった家でパスポートとカバンだけを持ってやっと待避した。 家主や政府からいかなる支援も受けられなかった彼には、引越ししか選択肢がなかった。
新しく引っ越した家も洪水危険地図上、浸水深5メートル以上の浸水危険が深刻であることが分かった町にある。3坪余りの半地下の部屋には先週も雨水が入ってきたが、彼には家賃36万ウォン・保証金500万ウォンのこの部屋を離れることは難しい。カンボジアにいる家族の生活費を送るためには、もっと高い部屋を手に入れることができないからだ。
現在、ソウル市は半地下居住民の地上階移住を支援する「半地下特定ソウル型住宅バウチャー」制度を施行している。 しかし、イ氏とカン氏、チャン氏はいずれも該当制度について聞いたことがないと話した。 その上、このバウチャーは2022年8月10日以後の新規半地下入居者は支援対象から除外している。
(引用ここまで)
今日の東京、すごい豪雨でしたね。電車に乗っていたのですが、雷もひどくて稲光と同時にすぐ近くに雷が落ちてその振動が伝わってくるほどでした。なかなかの衝撃でした。
韓国ではまだそこまでの雨はないようですが、例年かそれ以上の豪雨が予想されています。
で、一昨年のような豪雨がきたらまた半地下では死亡事故が起きてしまうだろうということで、さまざまな対策が取られています。
以前ピックアップしたようなアクリル板での止水板もそのひとつ。
韓国で「今年の梅雨も豪雨」との予想……豪雨時、水没する半地下住居になんとかして止水板を設置しようと自治体が四苦八苦……なぜなら「不動産価格が下がる」と止水板設置を断る大家がいるため(楽韓Web過去エントリ)
ソウル市は児童のいる半地下世帯に対しては最大で1650万ウォンを支援して、半地下ではない住居への引っ越しをサポートしています。
ソウル市、半地下・屋上に住む児童の住居改善を支援…費用支援(聯合ニュース・朝鮮語)
今日のレートで187万円ほどの大金です。
まあ……冒頭記事では「そんな制度は初耳だ」ってなってますけどね。
さらにいえば問題は引っ越しができてもそのあとの生活ができるのかってことなんですよね。
好き好んで半地下に住んでいるわけではなく。
予算的にそこにしか住めない人がほとんど。引っ越しのサポートをしてもらったところで、その後の生活のサポートまでしてくれるわけではないですから。
冒頭記事にもありますが、この高齢者は基礎年金と老齢年金であわせて90万ウォン弱もらえているのでまだいいほうだったりします。
そうでない高齢者は基礎年金だけでは暮らせないので、おなじみの廃紙回収(幸せ手押し車)をしなければならなかったりするのです。
で、さらにそんな住宅に住んでいても大家が「止水板を設置すると見栄えが悪い」として止水板の設置すら拒絶する。
そもそも予算がないってことも多いでしょうけども。
天候ガチャであたり(はずれ?)が出たら家財一式を失って、SSRだったら命まで奪われると。
半地下に住むっていうのはそういう覚悟をした上で……ってことなんでしょうね。
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