地域経済の支えの役割をしてきた地方銀行が「延滞の沼」に陥った。 高金利長期化の中で地方景気が凍りつき、相次ぐ廃業に追い込まれた地方自営業者と建設·製造·流通企業が返せなかった借金が増えたためだ。 不動産プロジェクト·ファイナンシング(PF)の不良による後遺症も、そのまま不良につながったという分析だ。 融資返済猶予のような一回限りの対症療法ではなく、干上がった地方経済を生かすための支援対策を出さなければならないという指摘が出ている。
8日、金融監督院によると、釜山、大邱、慶尚南道、光州、全羅北道、済州の地方銀行6行の今年第1四半期の延滞貸出額は1兆3771億ウォンと集計された。 金融監督院が関連統計を公開した2008年以後、最大値だ。 COVID-19事態で景気が萎縮した2020年第1四半期(9855億ウォン)より深刻な状況だ。
景気低迷が目立った地域の地方銀行の延滞率が急騰する傾向を見せている。 全北銀行と済州銀行の今年第1四半期の延滞率はそれぞれ1.57%、1.21%に達することが分かった。 新型コロナウイルス感染症事態直後の2020年第1四半期(それぞれ0.74%、0.40%)と比べて2倍以上高い。 自営業者は借金の泥沼に陥った。 地方銀行6行の個人事業者向け融資の平均延滞率は0.86%で、金融危機時の08年第4四半期(0.84%)を上回った。 家計向け融資の延滞率も歴代最高水準(1.01%)だ。 (中略)
江原道原州で食堂を経営しているA氏は最近、店をたたむことにした。 売上がますます減って稼いだお金で利子も返済しにくい状況に置かれたためだ。 済州島で宿泊施設を運営していたB氏は今年初めに廃業した。 彼は「コロナより恐ろしい高金利という言葉を実感した」と吐露した。 (中略)
不動産プロジェクトファイナンシング(PF)の不良化の影響で破産した中小建設会社も数え切れないほど多い。 建設協会によると、今年に入って先月まで全国で不渡り処理された建設会社は16社だ。 (中略)
金融界では、地方銀行の延滞率上昇傾向が今年下半期にも続くだろうという警告の声が高まっている。 韓国銀行は最近、金融安定報告書で「当分の間、自営業者を中心に延滞率上昇圧力が持続すると見られるだけに、金融当局は債務償還能力が大きく落ちたり再生可能性がない自営業者に対して新しい出発基金などを通じて債務再調整を積極的に推進する必要がある」と指摘した。
(引用ここまで)
韓国の地方における不動産景気は、もはや見る影もないひどさ。
先日、大邱のマンションでは「時機ではないので分譲をしない」なんて判断をしていましたね。
「分譲しない」ではなく、「できない」のではないかって気もするのですが。
いま強気の分譲価格で売り出しても、すぐに大幅割引にしなければならなくなるのは目に見えています。
それをやると住民間での軋轢を生むのですよね。
韓国の新築マンションで「新規入居者はエレベーター使用料50万円!」との貼り紙が……なぜこんなことが起こったのか、それは……(楽韓Web過去エントリ)
だったら分譲せずに静かにしておこうとの判断も当然なのかもしれません。
韓国において不動産は経済の要です。
まあ、いろんな国で要とはなっていますが、韓国の場合は重要性があまりにも違います。
国民の持つ資産の約9割が不動産ともされる中、不動産の売買自体がなくなるのはマネーサプライそのものの低下を招くのですね。
経済の動脈硬化となりうるのです。
地方銀行への返済延滞が過去最悪との数字は、末梢血管である地方から経済の血流が詰まってきていることに他なりません。
記事では「返済猶予のような1回かぎりの対応ではなく、支援対策が求められている」ってしています。
要するに内需を廻せって話ですよね。
……資産が不動産に偏りすぎてて無理ゲーです。
少なくとも利下げがあるまでは無理。
9月のFRBで利下げを期待している人もいるんですが、まだアメリカの失業率悪化だけではなぁ。いわゆる「確信」には至らないのでは。
しばらくは韓国の景気も悪いまま、というわけですよ。
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