「房総市加新田」という奇妙な名前に引かれて今月10日に訪れた東京北西部の埼玉県の首都圏外郭放水路。 見学が始まるところには20人あまりが集まっていた。 大半が外国人観光客で、入場料を払って事前予約した人たちだった。
彼ら一緒に「地下神殿」に入った。 約100段の鉄製階段をぐるぐる回ると、目の前に広がる風景にあちこちから嘆声が沸き起こった。 高さ18mの59本の柱が並んでいる長さ177m、幅78mの巨大な空間を見ると、ここをなぜ「神殿」と呼ぶのか実感がわいた。 薄暗い地下の真ん中にそびえ立つコンクリートの柱が照明を受けて立っている姿は見る人を圧倒した。
「地下神殿」というニックネームを持つこの空間の本当の名前は「調圧水槽」だ。 水圧を調節する水タンクを意味する。 東京を台風·集中豪雨による洪水から保護する防災システムの一部だ。 潮圧水槽は雨水トンネルを通じて入ってきた雨水の水圧を下げる役割をするが、地下に集めた雨水を外に引き出す排水の最後の段階だ。
潮圧水槽に集まった水をガスタービンで駆動される巨大なポンプ4基を利用して近くの河川に送ると、東京湾を通じて海に向かう。 毎秒200立米の水を排水することができる。 毎秒25メートルのプール1ヵ所分の水を抜くことができるということだ。 (中略)
韓国の雨水トンネルはソウル陽川区新月洞にある「新月雨水貯留排水施設」が唯一だ。 長さ4.7キロのトンネルが雨水を閉じ込めるのに、計1390億ウォンが投入され、7年にわたって完工した。 一時、常習浸水区域だった陽川区新月洞と江西区禾谷洞一帯は、施設が完工した2020年以後、豪雨による浸水被害が一度も発生しなかった。
都市の洪水予防に効果的な雨水トンネルはなかなか増えない。 11年7月、豪雨に牛眠山の山崩れで16人の人命被害が発生すると、オ・セフンソウル市長は江南や光化門など7ヵ所に、大深度排水トンネルを建設する計画を発表した。 しかし、過度な土木工事という批判、環境団体の反対にぶつかった。 莫大な工事費も問題だった。 結局、後任のパク・ウォンスン前ソウル市長は計画を大幅に修正し、新月トンネル1ヵ所だけが建設された。
22年に再当選したオ・セフン市長は、常習浸水地域の江南駅と道林川、光化門一帯に対して、2027年までに大深島排水トンネル計画を再推進することにした。 銅雀区と龍山区一帯にも2030年までにトンネルを作る計画だ。 しかし、事業の進捗は遅い方だ。 ソウル市は3つのトンネルの総事業費として1兆2000億ウォンの予算を策定したが、2度も流札された。 結局、予算を増額した後、5月に入札業者が出てきた。 まだ、着工もできていない状態なので、今年始まるとしても2028年末になってようやく完工が可能だ。
(引用ここまで)
なにやら首都圏の外郭放水路に韓国メディアがやたら取材に入っていて、「これで首都圏は洪水の危険性を大きく減らしたのだ」ってやっています。
冒頭記事の中央日報以外でも、ケーブルテレビニュース局のJTBC、東亞日報の系列誌が同じような体験記を掲載しています。
我が国は最初の着工もできなかったのに……洪水を防ぐ東京「地下神殿」に行ってみると(JTBC・朝鮮語)
東京地下には「巨大神殿」…住宅浸水10分の1に減らした(東亞サイエンス・朝鮮語)
まあ、実際にこれらの調圧水槽ができたことで圧倒的に氾濫は減りましたね。
平成の頭くらいまでは台風が来る度に神田川があふれて中野区のあたりで床下・床上浸水をしたいた記憶がありますが、環七の地下調整池ができてからはとんとあふれた覚えがありません。
いまは石神井川のほうまで延伸工事が行われているそうです。
んで、本来であったらソウルでも似たような施設ができる予定だったのだけども、ソウル市長がオ・セフンからパク・ウォンスンに替わった際にいつものように易姓革命してくれてしまったそうですわ。
7つもの地下調整池を建造する予定だったのだけども、パク・ウォンスン(と支持団体の自然保護団体)によって計画縮小が行われてひとつだけになったっていう。
その後、パク・ウォンスンがアレになってしまって、オ・セフンがソウル市長に復帰したのですがソウル市議会は共に民主党が圧倒的多数だったことから調整池事業は復活できないまま。
要するに韓国でも「コンクリートから人へ!」をやっていたのですね。
どうにかこうにかソウル市議会も国民の力が多数になって、ようやくこの事業が日の目を見たとのことで。
ま、正直なところ台風がきたら江南地区で床下浸水、半地下の住民が亡くなるとか財産を失う、あるいはアンダーパスにバスが突っこんで多数が亡くなるってパターンはなんとかしてほしいところですわ。
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