韓国語の説明の横に書かれた英語の説明を見てみよう。
'Calligraphy has an especially long and illustrious history in East Asia, where Chinese characters have been widely used since ancient times. The greatest calligraphers of China cultivated innovative styles that exemplified the aesthetics of their era.'
このような意味だ。 書道は東アジアで特に長い歴史と名声を誇る。 古代から中国文字が広く使われてきた。 中国の偉大な書道家たちはその時代の美学を具現化した独創的なスタイルを発展させた。
この英語の説明には二つの問題がある。
まず、漢字を「中国の文字(Chinese characters)」と書いた。 漢字の創製を誰がしたかをめぐって、これまで論議がある。 ここに一言一言言及はしないが、漢字の初期形態である甲骨文字に「東夷族」と呼ばれた民族の影響が大きいという事実はよく知られている。 国境がどこにあったのか、東夷族がどこに住んでいたのかは、今も正確に画定することは難しい。 これに加えて、漢字は今の韓国、中国、日本の地域で広く使われていた、今でも使われている文字である。 「東アジア文字」といえる。 日本のどの博物館でも漢字を指して中国の文字(Chinese character)と書いてあるのを見たことがない。 いったい国博が漢字について自信を持って「中国の文字」とあえて書いた理由が理解し難い理由だ。
第二に、韓国語では「歴代名筆家」と書き、英語ではこのように書いてある。 「中国の偉大な書道家たち(greatest calligraphers of China)」。書道文化を築いた名筆家はすべて中国人だけか? 秋史体を作った金正喜や安平大君は、国博の分類によると、名筆家ではなかったのか。 一体、国博はなぜ大韓民国の税金を使いながら、あえて外国人に中国の偉大な書道家を広報しているのか。 それも英語の説明は韓国語の説明と違うように書いているのだ。 (中略)
国博で英語ガイドの説明を聞いてきた記者の知人がこのような話をした。
「韓国文化が中国、インド、中東の影響を受けたという説明を一度や二度ではなく、何度もしたので恥ずかしかった。 影響というのはやりとりすることなのに、特に韓国が外国の影響を受けたという話を何度も繰り返して疑問に思った。 韓国の伝統遺物に刻まれた漢字を「中国の文字」と説明した。 韓国をよく知らない英語圏の外国人がその説明を聞くと、思わず韓国文化や国立中央博物館を低評価することになりそうだ」 (中略)
数千億ウォンをかけて中国文化の優秀性を広報する必要があるだろうか。
(引用ここまで・太字引用者)
あー。
国立中央博物館で書道の英語解説に文句をつけている記事なのですが。
ここまで「漢字」が分からなくなっているのか、と感慨深いものになっています。
韓国では漢字のことを「ハンチャ」と呼びます。「漢字」の朝鮮語読み。
ハンチャ、ハンチャとだけ言っているので、その大元の意味を理解していないのでしょうね。
「英語解説で漢字をChinese Characterと書いた」と文句をつけています。
これ、日本人からしてみると意味が分からないでしょうから、こう書けばいいのかな。
「英語解説でハンチャをChinese Characterと書いた」と。
「漢字」自体に「中国の文字」という意味があるのに、それを理解していないのですよ。
いや、言いたいことは分かります。
「そんなことある? あったとしても、大手新聞社の出している月刊誌の記者がそのていどのこと理解できていないってことでしょ?」と。
……あるんですよ。
というか、この文章からそれ以外の理解はできませんよね。
あと「漢字の成り立ちに『東夷族』が関わっていた」って表記が記事内にありますね。
これ、はっきりとは書いていないのですが、「東夷族は韓国人だ」って言いたいのですよ。
こうした「東夷族=韓国人」って説、韓国人の中にけっこう浸透しているもので。
このコラムもその漢字韓国起源説を受けてのものなのですね。
で、それらをもって「いやしくも国立中央博物館たるものが、漢字を『中国の文字』と書くとは何事だ!」って書いているのです。
それと「日本の博物館で『Chinese Character』と書いているところなどない」としていますが……どこの日本の博物館なのやら。
韓国の漢字に対しての知識がここまで劣化しているのです。いや、もう笑えないレベルになってますね。
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