先日、ソウル大学発展財団がソウル大学生の家族であることを表示するステッカーを配布して物議を醸したなか、市民団体「学閥のない社会のための市民の会」(市民の会)が国家人権委員会に陳情書を提出した。
市民の会は19日、報道資料を発表し「思慮のない事業で物議を自ら招いたソウル大学に遺憾の意を表する」とし、「このような形態に警戒を示すために国家人権委員会に陳情する」と明らかにした。
これに先だち、ソウル大学発展財団はホームページを通じて、ソウル大学のロゴと英文の校名を背景に「I'M MOM」(私はソウル大生の子どもを持つ母親)、「I'M DAD」(私は父親)、「PROUD PARENT」(誇らしい親)などと書かれたソウル大学家族ステッカーを作り、ソウル大生の保護者に配布すると発表した。これに対し、学閥主義とコネづくり文化を助長するという非難と、海外大学では一般的に販売する「グッズ」に過ぎないという意見などが拮抗し、賛否世論が湧いた。
(引用ここまで)
ソウル大学発展財団がこんなステッカーを作って配布していることがちょっとしたニュースになりました。
「誇らしい家族」「誇らしい両親」「私はソウル大生の母親」「私はソウル大生の父親」とするもの。
車に貼るステッカーなのだそうで。
うん、なんというかこう。
韓国で「ソウル大学に入学する」ことが、なにを意味するのが、ちょっと分かりやすくて個人的にはかなり好き。
学生だけじゃなくて「我々家族は勝利者だ!」って宣言しているんですよ、これ。
「誇らしい家族」ですから。
ちなみにこの「家族」はだいたい、8親等くらいまでを指します。
儒教的な考えに基づいた場合ですね。まあ、さすがに学生の時はそうでもないですが、社会に出て「成功」した場合は8親等の生まれてから顔も見たことがない親戚とか出てきます。
女子柔道57kg級のホ・ミミという選手が銀メダルを獲得しましたが。韓国代表になった時点で「独立運動家の子孫」って判明したなんて話がありましたね。
あれ、日本にいるときはただの柔道選手だったのです。
ところが「柔道韓国代表」になったことで「誇らしい家族」の一員となり得たので家系図が追跡されて、「おや、先祖は独立運動家なのだ」ってなったというわけです。
で、それに対して市民団体が国家人権委員会に「人権問題だ!」として文句を言い出した、というのが冒頭記事。
そう感じる人々もいるのだ……ってことで。
でも、韓国ウォッチャーとしては味わい深いステッカーなので、未来永劫続けてほしいですね。
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