政府が包括的・漸進的環太平洋経済パートナー協定(CPTPP)加入と関連して22代国会スタート以後、野党議員と接触さえしていないことが確認された。 産業通商資源部は「CPTPP加入を持続的に検討していく」と明らかにしたが、実際にはまともに進行さえされていないわけだ。
26日、ソウル経済新聞の取材を総合すると、産業部は第22代国会発足後、CPTPP加入推進について野党側議員と面談や個別接触などを一切していないことが分かった。
国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会で野党幹事を務めたキム・ウォンイ共に民主党議員は本誌との通話で「政府側から国会に同意を要請したことがなかった」とし「全く報告を受けることができず、連絡もなかった」と言及した。 産業資源委員会所属の他の民主党議員室関係者もやはり異口同音で「CPTPP協力要請や問い合わせがなかった」と明らかにした。
政府側の主張は違う。 チョン·インギョ通商交渉本部長は22日、通商政策ロードマップブリーフィングで「22代国会で議員に会う機会がある度にこの部分に対して言及する」と明らかにした経緯がある。
CPTPPは、アジア太平洋11ヵ国が参加し、域内関税撤廃などを議論した通商協定だ。 チョン本部長は5月「ますます世界貿易機関(WTO)の役割が弱まり、メガ協定の重要性がさらに大きくなっている」として「CPTPP加入が早ければ早いほど良いということは確実だ」と明らかにした。
しかし、通商政策ロードマップにはCPTPP加入の再公式化方針と方向性は含まれていない。 国会報告と加入申請に対する具体的なタイムラインや今後の計画などに対する内容も含まれていないうえ、政界の反対をどのように説得するかに対する内容もないのだ。
このため、現政権でCPTPP加入は通商政策で後順位に押されたという批判を避けにくいという指摘が出ている。 産業部の高位関係者はこれと関連して「現在、親日·反日論争が繰り広げられており、韓日FTAに映るCPTPP推進タイミングが良くない」として「国会状況が安定化すれば政界と接触面を拡大するだろう」と明らかにした。
(引用ここまで)
韓国政府はこれまでCPTPP加入について「適時進行する」としていました。
与党が大敗したあとにも「CPTPPに加入したい」と述べていたことがありますね。
韓国政府、CPTPP加盟を希望するものの農業、水産業からの突き上げで正式申請すらできない模様……総選挙で野党に負けた余波がここにも(楽韓Web過去エントリ)
ですが、国会との折衝を一切していなかったことが判明したそうです。
まあ、そもそも韓国国内では「FTAを各国と結んでいるので、いまさらCPTPPに加入したところで意味がない」とする意見もけっこうあります。
実はこれ、大きな勘違いなんですよね。
CPTPPは輸出入の規格を統一しようとするところに大きな意味があるのです。
加盟国Aに輸出できるものは、ほぼそのまま加盟国Bにも輸出できる。
標準化されているのですね。
その中に今度はイギリスが加入したわけです。
一方でFTAは二カ国間のものに過ぎないので、そうした融通は効かないことが多い。
CPTPPは厳格ですが、一度入ってしまえば加盟国間でのやりとりはかなり楽になるのです。
ちなみに韓国政府がCPTPP関連の折衝を野党としていないのは、国会が「やつは親日だ!」とか「親日発言だ!」とかを延々とやっているから、だそうで。
そうそう、今度は「反憲法・親日の人間は公職者に指名できない」とする法律を発議しているそうですよ。
「反憲法」「反日」公職者任命防止法案、共に民主党が発議(朝鮮日報)
イ・ジェミョンは「新親日派清算、ニューライト拒否」を掲げてこの法律を通す気満々なんだそうです。
さすがに保守系メディアから「いや、おまえら何考えてるんだ」って社説で書かれるくらいには頭のおかしい法律なんですけどね。
[社説]野党の「親日行為者公職禁止」……共産独裁の思想検証と何が違うのか(韓国経済新聞・朝鮮語)
こんなんやっているので、「日本が旗振りをして結成された」CPTPPについて折衝できずにいると。
サプライチェーンの再編成に失敗するんじゃないですかね、このままだと。
まあ、それこそが韓国左派がいうところの「バランス外交」なのでしょうけども。
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