来年1月に発売されるサムスン電子戦略スマートフォン「ギャラクシーS25」のすべてのモデルに米国クアルコムのアプリケーションプロセッサー(AP)が搭載される。 サムスンが自主開発した「エクシノス」とクアルコムの「スナップドラゴン」を共に使用したギャラクシーS24とは異なる戦略を使うことにしたのだ。 業界では、開かれたばかりの人工知能(AI)フォン市場でアップルと中国業者の追撃を振り切るために、サムスンが最高性能部品だけを投入する勝負手を置いたものだと分析した。
1日、産業界によると、三星電子はギャラクシーS25シリーズに米クアルコムの「スナップドラゴン8Gen4」APを適用することにした。 サムスン電子システムLSI事業部が設計し、ファウンドリー事業部が生産する「エクシノス2500」APはS25の代わりに来年下半期に発売するフォルダブルフォンに入れる方案を検討する。 (中略)
三星電子デバイスソリューション(DS)部門は当分、エクシノス2500の歩留まり(生産品で良品が占める割合)の向上と性能安定化に力を注ぐ方針だ。 DS部門首脳部も最近、ファウンドリー事業部に「3nm以下の最先端ファウンドリー工程の内実を固め、競争力を確保することが重要だ」として「一喜一憂することはない」と注文したと知られた。
(引用ここまで)
サムスン電子は自社製ハイエンドスマートフォンであるGalaxy Sシリーズに、これまた自社製APUであるExynosシリーズを使うことが多々ありました。
サムスン電子は自社の半導体工場でこのAPUを製造しているのですが……なんともまあ性能が出ないことが多いとされています。
2世代前のExynos 2200の歩留まりは相当に悪く、同じ工場で作られていたSnapdragon 888の35%以下だったとされています。
この時の歩留まりの悪さと発熱のひどさでクアルコムはサムスン電子への委託製造をやめて、TSMCに鞍替えしたとのもっぱらの話。
あるいはGoogleのPixelシリーズに搭載されているTensor GシリーズはExynosシリーズをベースにしたものだとされているのですが、そのためにプロセッサパワーに欠けています。
ベンチマークでは最新のハイエンドチップの半分強。2世代前のハイエンドと同等ってところ。
Googleは「ベンチマークで対抗しようとはしていない」って話してますけどね。
次期ハイエンドスマートフォンであるGalaxy S25について、Exynos 2500の搭載を諦めたとするニュースが出てきました。
歩留まりがなんとも上がらない、との話ですね。
で、ライバルであるTSMCが受託製造しているSnapdragon 8 Gen4を搭載すると。
これ、実はサムスン電子の半導体受託部門(ファウンドリー部門)にとっても大打撃となります。
サムスン電子のファウンドリー部門のシェアは13%ほどとされていますが、大きな顧客は自社。
その中でもExynosシリーズは稼ぎ頭だったのですが。
またTSMCにシェアを引き離される要因となるでしょう。
4~6月期ではTSMCの62%に対して、サムスン電子は13%と前四半期と同じでした。
ここから年末に向けての出荷が行われる7~9月期でどこまでシェアが変動するか。
まあ、けっこう見物だとは思います。
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