ムン・ジェイン政権は2017年、老朽化した原発10基の寿命延長を禁止し、新規原発の建設を中断することにしました。
ムン・ジェイン前大統領 (2017年6月)「新規原発建設計画は全面白紙化します。 原発の設計寿命を延ばしません。」
これに伴い、昨年古里2号機を皮切りに、来週古里3号機、来年は古里4号機、ハンビット1・2号機など計5機が止まることになります。
韓水原は、尹錫悦政府の原発活性化政策に基づき、来年には古里2号機、2026年には3、4号機などを順次再稼働する計画です。
韓国水力原子力は再稼働目標が定められた原発5基の一時中断損失額だけで5年間で5兆ウォンに達すると推算しました。
電力販売中断による損失と設備改善、許認可など追加手続きにかかる費用が含まれます。 ちゅうりゃく 老朽原発の他に新規原発であるシンハンウル3·4号機建設も8年3ヶ月間中断され、別途に数兆ウォンの追加損失額が発生したことも確認されました。
(引用ここまで)
韓国の前政権であるムン・ジェイン政権の韓国国内における主たる政策を上げるとすると、経済政策では所得主導政策が柱となっていたのは間違いありません。
最低賃金を上げまくって、ボトムアップ方式で経済を循環させるのだ、とした政策。
ムン・ジェインは自分の任期中に時給1万ウォンに到達させる予定だったのですが、あまりにも最低賃金上昇由来の不況がひどいために日和ってしまって2年で30%上げて終了でした。
まあ、その「2年で30%」の余波が自営業者廃業100万人等々でいまだに韓国を蝕んでいるのですけどね。
もうひとつの柱はエネルギー政策。
原発を廃炉にする。廃炉にしないまでもメンテに入ったらそのまま停止。新規原発の工事は中止。
月城原発1号機を廃炉に追いこんだ時には満面の笑みで演説してましたっけね。
石炭火力も同様。
その代替が再生可能エネルギーと、天然ガス火力。
再生可能エネルギーについては、もう太陽光発電バカと言っていいくらいに執着してましたね。
で、その原子力発電嫌いがまたも現在の韓国、およびユン政権に大迷惑をかけていることが判明したと。
5年間で5兆ウォンが失われたとの試算。
そもそも韓国電力が200兆ウォンを超す負債を抱えている原因は、電気を原価以下で売ることを強いられたから。
これ自体もムン・ジェインの課した枷なんですけどね。コロナ禍で「消費者を保護する」として電気料金の値上げを禁じたのですよ。
ただ、それまではなんとか原発の多さでフォローできていたのです。
原発をベースロードとして、これまた安い石炭火力をサブ電源として使ってきた。
それが両方とも封じられた結果、韓国電力は200兆ウォンを超す負債を抱えたわけです。
さらに「実質的に韓国政府が裏書きをしている」社債を連発することで社債市場を冷えこませ、企業のキャッシュフローにまで影響を及ぼしている。
韓国経済:社債発行ができずに行き詰まる韓国企業……とにかくお金が流れていない(楽韓Web過去エントリ)
SKが苦しんでいるのは直接的にはバッテリーの売れ行きの問題、LGは石油化学関連の問題ですが、間接的には社債発行が難しくなっている(金利を高めに設定しなければならない)からって側面もあるのです。
風が吹けば桶屋が儲かる方式にも韓国経済を苦しめているムン・ジェイン政権の仕業。
希代の政治家でした。もうここまでくると一種の憧憬すら産んでますね。
まあ、「ああなりたいのか」って問われたらそんなことはないんですが(笑)。
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