「日本の強みだったテレビと半導体で韓国に押されて苦汁をなめた。 漫画も隣国(韓国)に押し出されるのか」(日本メディア)
IT強国の韓国が主導しているウェブトゥーンが大きな人気を集め、日本の懸念が高まっている。 日本の漫画メディアは「韓国ウェブトゥーンの影響力が大きくなり漫画強国日本に危機が訪れている」と伝えた。
日本の週刊誌フラッシュ(FLASH)は「紙面で出る日本の漫画はスマートフォンでは見られない。 しかし、ウェブトゥーンは一つ一つのカットが画面いっぱいに表示され、絵が大きく迫力も溢れている。 韓国ウェブトゥーンがZ世代から絶対的な支持を受けている」と分析した。 (中略)
カカオピッコマの第2四半期の日本国内の取引額は前年同期比3%、前四半期比6%ずつ成長した。 (中略)
今年、日本の電子漫画市場は韓国ウェブトゥーンの旋風的な人気に支えられ、前年比448億円増の5647億円を記録する見通しだ。
(引用ここまで)
ちょっと面白いウェブトゥーン関連の話題があったのでチェックしてみましょうか。
まず、冒頭記事のヘラルド経済のものですが。
まるで最近、日本のメディアからウェブトゥーンすごいって話題が出たかのような話をしているのですが。
文中にあるFLASHの記事が出たのって3月。
それ以降はこれといってウェブトゥーンについて、輝かしい未来を語っているニュースがないのでしょうがないのでしょうね。
Webtoon社の株価は半分になっちゃいましたし。
ちなみにそのFLASHの記事も、FLASHの発行元である光文社がウェブトゥーンについての新書を出すのでそのプロモーション的な意味で書かれたもの。
「4兆円市場が~」とか「半導体を韓国に奪われたようにマンガ市場も云々」みたいなものでした。
その記事によると2022年から2029年にかけてウェブトゥーンの市場が7年で7倍になるそうですが。
えーっと、7年で7倍になるために必要な1年あたりの成長率は……ざっくり32%ちょいか。
先日の2Q決算だとWebtoon社の売上は前年同期比で売上は0.1%増だったかな。
……あれ?
あと利用者も0.4%減。
あれれー?
不思議ですねー。
ま、このあたりの数字はパンデミック時期に先取りしすぎてしまったせいだともいえますが。
すでに天井をついてしまったのではないかとも感じられますね。
あ、それと「日本のマンガと韓国のウェブトゥーンの割合がどうなっているのか」って話をちょっと前にしましたが。
それをカカオのピッコマ代表が語っている記事がありました。
カカオピッコマのキム·ジェヨン代表、日本有料アプリ1位になった秘訣(朝鮮日報・朝鮮語)
今年3月時点でピッコマでは4割が自社IPによるもので、6割が日本のマンガのものだそうです。意外と多いな。
んで、ピッコマ側から推定しているLINEマンガ(NAVERウェブトゥーン)は20~30%がウェブトゥーン。残りの70~80%が日本のマンガであるとしているとのこと。
で、全体市場では10~15%がウェブトゥーンだとの推定だそうです。
Kindle等の他社や紙の市場も含めての統計ってことでしょう。
意外と多いというべきか。
そんなもんだろうね、とすべきか。実に微妙なライン。
冒頭記事の最後の「ウェブトゥーンの旋風的な人気に支えられて日本の電子マンガ市場が拡大している」っていうのもなかなかのお笑いポイント。
それでも日本で500~600億円くらいの市場は持っているってことですかね。大したもんじゃないでしょうか。
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