北朝鮮が米国大統領選挙の以前より以後に挑発する可能性が高いという米国の専門家の予想があった。米国の新政権発足に合わせて過去の韓国哨戒艦「天安」爆沈(2010年3月)や延坪島(ヨンピョンド)砲撃(2010年11月)のような高強度の挑発を来年敢行するおそれがあるということだ。
米国家情報会議(NIC)の北朝鮮担当官を務めたシード・サイラー米戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問は21日(現地時間)、報告書『北朝鮮:2030年までの核兵器活用シナリオ』でこのような見方を示した。
サイラー氏は報告書で「(当初専門家らが)米大統領選挙を考慮すると10月ごろに北朝鮮の挑発的な行動(オクトーバーサプライズ)を見る可能性があると警告したが、まだ見られない」と「今年は北朝鮮の対米メッセージ戦略において特に難しい年であり、米大統領選挙自体の特殊性、ウクライナと中東の紛争、(ハリケーン被害など)米国の自然災害がすべて北朝鮮に障害物になっているため」と説明した。すなわち、米大統領選挙の過程であまりにも大きなイシューが多いため、北朝鮮が挑発しても実際の選挙の結果に大きな影響を及ぼすのは難しく実効的でないとの分析だ。 (中略)
そして「天安」爆沈事件、延坪島砲撃挑発などを取り上げながら「今日の北朝鮮は(両事件があった)2010年当時と比較して、数百発のミサイル発射と4回の追加核実験(3-6回目の核実験)を実施し、より多くの武器を配備している」と憂慮した。続いて「来年、韓国の島への砲撃、船舶爆沈およびその他の軍事的攻撃は十分に可能なシナリオ」として対策の準備を強調した。
(引用ここまで)
アメリカの専門家がこぞって「北朝鮮の緊張度合いが上昇している」と警告しています。
先日もフォーリンポリシー誌から「戦争リスクはかつてないほどに上がっている」って記事がありました。
北朝鮮専門家「朝鮮半島の戦争リスクはかつてないほどに高まっている」……そこに北朝鮮の自作自演と思われる平壌のドローン騒ぎ、これがなにを意味するのか(楽韓Web過去エントリ)
この時の「自作自演」は間違っていたのですけどね。まさか韓国が本気でドローン飛ばしているとは思わんじゃん……。
まあ、いまにして思うと、韓国がドローン飛ばしているのも実際には戦争リスクが上がっているからだってなると納得感ありますかね。
で、北朝鮮としてもアメリカに振り向いてほしいのだけども、アメリカもアメリカでいろいろと手一杯。
じゃあ、どうするかっていったら来年に天安艦撃沈やヨンピョンド砲撃のような事件を起こすのではないか、と。
今年の年明けにあったヨンピョンド付近の砲撃もその文脈で見ると「予告編」って感じになるか。
戦争には至らないけれども、韓国との応酬があるていどはある……くらいの出来事を起こして、アメリカの気を惹きつけたいわけです。
交渉がないとはじまらないですからね。
まあ、それで砲撃されたりなんだりされる韓国もあれですが。
そういった意味で、南北でエスカレーションがあるていどのところまで行くっていうのであれば、納得できるかな。
Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex