専門家たちはドナルド・トランプ前大統領が当選した場合、対中輸出規制だけでなく「自国優先主義」が一層露骨に展開されるとし、政権交替時に政策基調変化にともなう民官対応戦略を苦心しなければならないと指摘する。 (中略)
米政府は28日(現地時間)、半導体・AI・量子コンピューティング・マイクロ電子技術など最先端技術分野で米国資本の中国投資を統制することを骨子とする最終規則を発表した。 最終規則は来年1月2日から施行される。
該当分野で中国に投資を進めようとする企業は、事前に投資計画を米財務省に申告しなければならない。 中国とともに香港、マカオも「憂慮国家」に含めた。
この規則が施行されれば、中国に半導体生産工場を置いているサムスン電子とSKハイニックスは、現地追加増設や装備交換をする度に事前申告手続きを経なければならない。 (中略)
ニューヨークタイムズ(NYT)によると、トランプ候補はこの日、ジョー・ローガンのポッドキャストに出演し、バイデン政府の「半導体法」に対して「本当に良くない」として「高い関税を賦課すれば、彼らが来て半導体工場を無料で建てるだろう」と話した。 (中略)
専門家たちはトランプ候補当選時、半導体をはじめとする先端産業輸出に少なからぬ影響があるだろうと指摘した。
(引用ここまで)
いまのところまだトランプ−ハリスは拮抗しているようですが、充分にトランプ政権になる可能性があるようです。
バイデン政権が移民認容、「リベラル政策」をやりすぎた反動が出てて、「今回は共和党で」って考えているアメリカ人が多そうな感じ。
まあ、前回は「トランプやりすぎだろ」ってなってバイデンになったので、こういったことを繰り返していくのでしょうけども。
トランプ政権になれば対中の先端半導体規制はより厳しくなっていくのは間違いないところ。
サムスン電子、SKハイニックスはメモリの大規模工場を中国に持っています。
サムスン電子、メモリ事業で大打撃を受ける……2月だけで2兆ウォンの赤字を計上。在庫は50兆ウォンを突破(楽韓Web過去エントリ)
こちらの過去エントリの引用記事によれば、NANDフラッシュについてはサムスン電子が全体生産量の40%を中国で生産しているとされています。
SKハイニックスはNANDについては20%ほど、DRAMについては50%ほど。
中国での生産なしではビジネスが成り立たない部分があります。
あと地産地消がかなりできるので中国に大規模工場を建てたわけですが。
来年頭から課される規制によって、これら中国の工場で機材の更新、新規搬入をする度にアメリカ政府に申請が必要になりました。
半導体製造には機材更新がつきもの。
まあ、更新せずにそのままレガシー世代の半導体を作り続けるっていうのもひとつの選択肢ではありますが。
ただ、そんなことのために大規模工場を建てたわけでもないでしょうから。
サムスン電子、SKハイニックス共にその選択肢は難しいところじゃないかな。
「もしトラ」が実現するならかなり韓国の半導体業界には辛いものになりそうだ、と。
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