日本が主要7ヵ国(G7)のうち、家計支出で食費が占める割合であるエンゲル係数が最も高いことが分かった。 共働き世帯と高齢層が増えたことに伴うもので、家計負担が加重されているという指摘が出ている。
17日付の日本経済新聞によると、日本のエンゲル係数は2022年基準で26%で、米国、英国、ドイツ、フランスなどを超え、G7の中で最も高かった。 今年7~9月には28.7%まで上昇し、1982年以来の最高値を記録した。 日本のエンゲル係数は00年代まで下落傾向を見せたが、10年代から上昇している。
日本は可処分所得の増加率が他の先進国より振るわないうえ、支出で食費が占める割合が高い高齢層が急増し、エンゲル係数が急騰したものと分析される。
(引用ここまで)
日本のエンゲル係数が30%になったとの報道がありまして。
X(旧Twitter)で「日本が貧しくなったからだ」みたいな論調が見られています。
で、楽韓さんはそれに対してこんな話をしています。
7年も前にニッセイ基礎研が「エンゲル係数上昇は高齢化が反映されたものと考えられる。これからも高齢化が続く以上、エンゲル係数の上昇圧力となるだろう」との結論を出している。
— 楽韓Web (@rakukan_vortex) November 17, 2024
はい、終了。https://t.co/3C6Wldepim https://t.co/ReZJJWURQk
要するに「収入が低くなっている(年金暮らし)高齢者が増えたので『消費支出中の食料費割合』であるエンゲル係数が上昇している」ってことですね。
これは7年ほど前にニッセイ基礎研究所で述べられていることで、一応こちらでもリンクしておきましょう。
エンゲル係数の上昇を考える(ニッセイ基礎研究所)
日本は世界に冠たる高齢者社会であるために、食生活の内容が大きく変化しなければエンゲル係数は上昇するわけです。
詳しくはレポートを読んでくださいな。
まあ、そもそもが19世紀半ばに作られた指標が21世紀も四半世紀が過ぎようとしている現代に通用するのかって話なんですけどね。
たとえばアメリカとかは医療費とかが高いので「支出に占める食料費の割合が相対的に低くなっている」部分もあるのですが、これが豊かさを意味しているのか……っていうね。
さて、上記のツイート元が引用(盗用?)しているグラフは、こちらのコラムからのもの。
主要国のエンゲル係数推移(社会実情データ図録)
で、このグラフで韓国が異様に低いのですが。
2022年で12%くらいですかね。
韓国人が高価な食料を買わなくていい生活をしている、ってわけではないのです。
この数字、単純に「外食費を除いている」数字です。あと酒類も。
グラフ欄外にも書いてありますけどね。
……いや、そんな数字を出してどうなるんだとか、なんの意味があるんだとかいろいろ言えるとは思うのですが。
実際にその数字を出しているので。
一応、外食費込みの数字も出ていてそちらは28%前後。
なので、韓国のエンゲル係数は見た目上は低くなっているのです。グラフでも(参考)とありますが、まあ……まさに参考でしかないわけですね。
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