韓国の経済見通しがますます暗くなっている。来年の成長率は潜在成長率の水準を下回る1%台にとどまるだろうという観測が相次いで出ているところだ。韓国経済の成長動力を引き上げる上方要因は多くなく、下方リスクが多いという評価だ。
世界の主要投資銀行8社の来年の経済見通しを見ると、バークレイズ、シティーグループ、JPモルガン、HSBC、野村証券の5社が来年の韓国の経済成長率が1%台にとどまるだろうと予想した。国際金融センターが集計したこれら投資銀行による来年の韓国の成長見通し平均は先月末より0.1ポイント低い2.0%となった。今年上半期の2.2%水準から下落傾向が続いている。
海外で来年の韓国経済を否定的に見る理由は大きく3種類ある。まず輸出、消費、投資など国内景気を左右する主要要因の成長モメンタムが弱まっている。韓国経済を支えた輸出は頂点に達した後に下落に転換するピークアウトが懸念される。 (中略)
消費を示す小売り販売も9月に前月比0.4%、前年同月比では2.2%減少し、建設業者の実績を現わす建設既成も前月比0.1%、前年同月比12.1%減少した。建設景気の悪化はさらには雇用市場全般にも影響を及ぼしかねない。 (中略)
対外環境も厳しいが、韓国が来年積極的な景気浮揚策を展開して潜在成長率を引き上げることができる政治的・経済的余裕があるのかという点にも海外ではクエスチョンマークを投げかけている。匿名を求めたある海外投資銀行のエコノミストは、「韓国政府は『健全財政』を強調してきたが、財政収入は正常化できなかった。健全財政が一種の宣言にとどまっており、今後積極的な財政政策を展開することもできないジレンマの状況に陥っている」と指摘した。
(引用ここまで)
韓国の来年の経済成長率が下方修正されつつある、とのニュース。
まあ……でしょうね、といったところ。
去年の成長率は1.4%。1.9%であった日本の経済成長率に追い抜かれたことでだいぶショックを受けていました。
通貨危機後以来の出来事であったそうですわ。
韓国メディア「去年の経済成長率は1.4%。25年ぶりに日本に逆転されてしまった。日経新聞からは『経済構造が変化している』と指摘される始末だ」(楽韓Web過去エントリ)
今年は第2四半期に-0.2%とマイナス成長を記録し、第3四半期でもプラス0.1%のネガティブサプライズ。
メモリ価格が安定しつつある……なんならちょい下げに廻ったことが大きな原因と言えます。9月の大口価格は下落に転じました。
DRAM大口、1年5カ月ぶり下落 PC・スマホ不振で(日経新聞)
夏くらいからもう横ばいだって話は出てました。
AI以外の需要がとことんダメな模様。
外需ではメモリに相当の依存をしている韓国経済ですから、当然のように行き詰まるわけです。
あと石油化学関連と鉄鋼も完全に中国にやられちゃってます。
調子がいいのは造船、自動車くらいかなぁ。
じゃあ、内需はどうかというと建設業をはじめとした不動産関連がさっぱり上がりません。
ソウル、もしくはソウル近場の首都圏では不動産価格が上がっているのですが、大きな理由は「着工が少ない(供給減)」ってものでして。
地方は何度か伝えていますが、壊滅的です。
そして不動産の着工件数が少ないってことは、雇用が大幅に減るってことでもあります。
ホント、建設は雇用に強いんですよね。
それに加えて新築に引っ越せば家具一式も全部取り替えたりするでしょうし。家電も「新しい家にふさわしいもの」にしたりするでしょうよ。
そういった希望がない、まさに「ミニ中国」状態。
去年の成長率、野村證券はマイナス成長を予測していましたが(そして韓国側は「日本の証券会社だからだ!」と騒いでいましたが)、なんとか1.4%に乗せることはできました。
今年も2%はぎり行けるでしょ。前半のメモリー価格上昇がありましたから。
来年の1%台も……まあ、なんとかなるんじゃないかなぁ。
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