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2024年11月

韓国野党が最初に書いた弾劾決議案がひどいとアメリカで話題に……「日本中心の奇異な外交に固執」「国際的に孤立」したことが弾劾理由?

「日本中心の奇異な外交政策に固執」 共に民主党が発議した尹大統領弾劾訴追案の内容に米専門家「弾劾事由にはなり得ない」(朝鮮日報)
 ハリー・ハリス前駐韓米国大使は9日、米国営放送VOA(ボイス・オブ・アメリカ)に対し「私は尹大統領による日本との外交がいかに重要かを長い間主張してきた」「日本は韓国との強力かつ肯定的な関係の重要性を理解しているが、韓国も日本との強力かつ肯定的な関係を維持することの重要性を理解するよう願っている」と述べた。

 最大野党「共に民主党」が4日に発議した弾劾訴追案には「いわゆる価値外交という名の下に地政学的なバランスを度外視して北朝鮮、中国、ロシアを敵視し、日本中心の奇異な外交政策に固執し、日本に傾倒した人物を政府の主要な職位に任命するなどの政策を展開した」として「(こうした政策によって)北東アジアでの孤立を招き、戦争の危機を引き起こし、国家の安全保障と国民保護の義務をかなぐり捨ててきた」と書かれている。

 エバンス・リビア元米筆頭国務次官補代理(東アジア太平洋担当)はVOAに対し「弾劾案には最大の成果の一つである日韓両国間の信頼回復や3カ国(韓米日)のパートナーシップが盛り込まれていた」とした上で「非常に衝撃的だった(disturbing)」と述べた。マイケル・オハンロン米ブルッキングス研究所上級研究員は「韓米日の関係が改善している状況で、野党のこのような主張は誤っている」と指摘した。また、ケネス・ワインスタイン米ハドソン研究所日本部長は「戒厳令の宣言を理由に尹大統領が弾劾されるべきだという主張はあり得るが、尹大統領が外交的に韓国を孤立させたという主張は事実ではない」と述べた。
(引用ここまで)


 個人的にとても興味深かった1回目の弾劾決議案の文面。

・「いわゆる価値外交という名の下に地政学的なバランスを度外視して北朝鮮、中国、ロシアを敵視し、日本中心の奇異な外交政策に固執し、日本に傾倒した人物を政府の主要な職位に任命するなどの政策を展開した」
・「北東アジアでの孤立を招き、戦争の危機を引き起こし、国家の安全保障と国民保護の義務をかなぐり捨ててきた」


 弾劾理由として「日本と親しくした」ことが挙げられているんですよね。
 これ、左派の世界観としてとても興味深い。
 「日本と親しくしたので大統領として不適切で弾劾だ」って言ってるのと同じことですから。

 次の大統領が彼らの中から出るとしたら、この世界観のまま外交が展開されるわけですよ。
 ……いや、これまったく大げさな話ではないですからね。


 Voice of Americaでハリー・ハリス前駐韓アメリカ大使や元外交官僚が非難しているのも、そういった世界観で外交が行われることへの危惧があるからこそ、です。
 対日本にかぎった話ではなく。

 「ユン大統領が外交的孤立を招いた」としていますが、そんなことはまったくない。
 なんなら外交的孤立はムン政権時代のほうがよほどひどかったですからね。
 板門店での米朝会談で扉を閉められたり、別室に案内されたり。

 後日に出版されたジョン・ボルトン大統領特別補佐官の回顧録でも、マイク・ポンペオ国務長官の回顧録でも同様に「あいつ、同席しようとしてたんだけど無視したったわ」って述べられてましたからね。
 中国でひとり飯食わせられてたりもしましたっけ。
 日本での扱いは言うまでもないレベル。

 でも、ムン政権時代ではなく、ユン政権時代こそが「外交的に孤立している」って世界線で彼らは生きているわけです。
 そして、おそらく来年の春頃からのイ・ジェミョン政権ではその世界線での外交が繰り広げられるのです。

 ……楽しみですね。
 あ、ちなみに昨日発議された弾劾案第2弾ではそのあたりの外交云々ってことはまるっと抜け落ちてます。

[全文]野党6党の第2次尹大統領弾劾訴追案(ニューシス・朝鮮語)

 さすがに非難されたって理解したようですね。
 さらにいうと最初の「弾劾決議案で『日本を中心とした外交云々』とあったから与党・国民の力は採決時に退出した」って話をしている人もいるようですが。
 そんなことはまったく関係なく、ただの政局です。

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「韓国の民主主義は成熟している」……その「成熟した民主主義国家」で起きた政治関連の嫌がらせを見てみよう!

尹氏ら母校、制服着用を免除 前国防相も同窓、生徒に嫌がらせ―韓国(時事通信)
韓国の尹錫悦大統領が3日に宣言した「非常戒厳」に絡み、尹氏の母校であるソウルの沖岩高校が、当面制服着用を免除する対応を取った。非常戒厳を同校出身者らが首謀したとみられており、同校は「生徒たちが不当な扱いを受けないため」としている。

同校は私立の名門校で、尹氏と共に非常戒厳を首謀したとされ、検察に身柄を拘束された金龍顕前国防相は、尹氏の1年先輩。内乱容疑で告発され、8日に辞任した李祥敏前行政安全相は尹氏の4年後輩だ。非常戒厳宣言後に主要政治家の逮捕を命じた疑いが持たれている呂寅兄前防諜(ぼうちょう)司令官も同窓生。

9日から終業式が開かれる来年2月6日まで、自由な服装を認める。
(引用ここまで)


 韓国の「素晴らしく成熟した民主主義」についての記事を何本か。
 まず、ユン大統領、キム前国防部長官の母校が制服の着用を取りやめた、とのニュース。
 在校生徒に「卵を投げられる」「悪口を言われる」等の嫌がらせがあるので、当該の高校の生徒だと分からないように私服登校を認めると。
 いやぁ、成熟してますなぁ。
 成熟しまくって腐ってきてんじゃないかってくらいに成熟してます。

 続いてもう一本。

弾劾訴追案採決をボイコットした韓国与党議員らの自宅・事務所前に葬儀用花輪・生卵投げ付け…カッターナイフも(朝鮮日報)

 こちらは7日の弾劾決議案に反対した与党・国民の力所属の議員に向けての嫌がらせ。
 葬儀用花輪を出すのはもうおなじみですね。え、馴染んでない?
 おかしいな、韓国ではありふれた風景なんですけどね?

謹んで故人の冥福を祈ります─事務所への葬儀花輪は韓国K-POPファンの変質の象徴?(ニューズウィーク)

 別にこれ一件ではないですよ、もちろん。


 大手事務所のHYBEとかSMエンターテインメントはこうして葬儀用の花輪の洗礼を受けるのはもう日常茶飯事です。



 なにか気に入らなければ即花輪。
 政治家だろうが芸能事務所だろうが。
 今回もそのように毎度恒例の儀式が行われたにすぎません。いや、民主主義を体現してますね。

 もうひとつ行ってみましょうか。

戒厳に乗じて政界発フェイクニュースに…普段は何も言わない在韓大使館が先を争ってコメント(中央日報)

 祖国革新党(チョ・グクが党代表の第3政党)所属の議員が「このままだと来年韓国で開催されるAPECに、ファイブアイズの国々がボイコットすると言っている」とのフェイクニュースを流して、それぞれの大使館が「フェイクニュースです」って表明しているっていう。
 これ、なんで駐韓大使館が対応に追われたかっていうと、「おまえらの政局にうちの国を巻き込むな」ってことですね。
 そんな外交の初歩の初歩すら知らない連中が「議員でござい」ってやっているってわけです。
 いやー、成熟してますね。
 「韓国の成熟した民主主義」に関してお伝えしました。
 明日は弾劾決議案採決(1週間ぶり2回目)となります。一応、速報予定。

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