最近、尹錫悦、大統領と国民の支持率が上昇傾向にあるという世論調査が一つ二つ出てきて、政界がざわついている。 支持層結集効果には異見がない一方、専門家たちはこれら世論調査が全て自動応答システム(ARS)基盤という共通点から見て、強硬支持層の声が目立つ可能性を提起した。 これに対し、与党が拡大解釈を警戒しなければならないという助言も相次いでいる。 (中略)
6日、政界では最近公表された尹大統領と政党支持率の世論調査の結果をめぐって、甲論乙駁が起こっている。 前日発表された韓国世論評判研究所(KOPRA)がアジアトゥデイの依頼で3~4日、全国満18歳以上の男女1000人に尋ねた結果(回答率4.7%)、ユン大統領の支持率は40%と集計された。 支持しないという回答は60%だった。 (中略)
大統領権限の中止後、政党支持率だけを発表する「リアルメーター」では、1月1週目の国民の力の支持率が3週連続上昇し34.5%、民主党の支持率が同期間ずっと下落し、45.2%を記録したという結果(回答率4.9%)が出た。 国民の力の今回の支持率は戒厳事態以前の水準(11月4週目・32.3%)だ。 (中略)
明知大学校政治外交学科のシン・ユル教授は通話で「ARS調査は人の育成ではなく機械音を通じて尋ねることで、約5分の時間の間に質問を最後まで全て聞くことは容易ではない」として「選挙の時ではない平時には強硬支持層が主にARS調査に応答すると見ることができる。 相談員が直接電話で調査する電話面接調査で無党派層の回答比率が高いということがこれを傍証する」と説明した。
(引用ここまで)
X(旧Twitter)で昨日の「ユン大統領に対する支持率が40%超え」とのエントリ紹介ポストがなぜかバズりまして。
まあ、国会で弾劾決議が通っていて憲法裁判所からの弾劾決定を待っているだけの大統領がなんでそんなことになっているんだって話ですから耳目を集めるのは当然というか。
断頭台に乗せられている人物に人気が集まっている、ってことですからね。
その人気の理由はいくつか挙げられるので、ちょっと書いてみましょう。
まず、冒頭記事にあるように「設問や質問形式がユン支持者に有利だったのではないか」との部分。
質問が機械音声だったので、最後まで答えたのがユン支持者の比率が多いのではないかと。
これもまあ……なくはない。
ただ、その後に発表されたリアルメーターによる政党別支持率でも国民の力が34.5%の支持率で3週連続上昇。
逆に共に民主党への支持率は45.2%と3週連続で下落中。
傾向としては与党・国民の力への支持率が回復基調であり、共に民主党への支持率は下落基調にあるのは間違いないところです。
その大きな理由として野党・共に民主党が焦りすぎているってことが基本にあります。
ユン大統領の弾劾はすでに決定事項。
弾劾理由に内乱罪が入ろうと入るまいと戒厳令発令時点で憲法違反は間違いなく、弾劾は避けられない未来なのです。
このまま口を開けてさえいれば、大統領の座が野党に転がりこんでくるのは間違いない。
時期的には今年前半までには政権交代となるでしょう。
それなのに野党は無駄とも思える攻勢をかけていたのです。
大統領弾劾だけでは飽き足らず、ハン・ドクス国務総理も弾劾。
それ以外にも検事、閣僚、放送委員長まで延べ29回もの弾劾をかけて与党に圧力をかけ続けているのですね。
韓国野党、ここまで29回の弾劾案を提出……今後は閣僚への無限弾劾で大統領代行の拒否権自体を無効化する可能性も。これが「成熟した民主主義社会」ってヤツですか?(楽韓Web過去エントリ)
その最大の理由が共に民主党党首であり、次期大統領最有力候補であるイ・ジェミョンが持つ司法リスク。
今年半ばまでに公職選挙法違反で有罪になり、被選挙権が10年間停止となります。
イ・ジェミョンに大法院(最高裁に相当)から有罪判決が出るのも今年半ばまで。
ユン大統領の弾劾が決定するか、イ・ジェミョンが有罪判決を受けて被選挙権停止されるかのマッチレース状況。
といったわけで一刻も早く弾劾を成立させるために圧力をかけ続けてきた……のですが。 韓国国民にはその様子が嫌われてしまい、支持率が壍減していると。
20年ほど前にノ・ムヒョン大統領に対しても弾劾決議案が成立したのですが、当時は弾劾決議案自体に反感を持たれて総選挙で当時の与党は大敗。
国民の審判は為されたとして憲法裁判所はノ・ムヒョンへの弾劾を棄却しました。
当時とまったく同じことを共に民主党がやってしまい、国民からの反感を買いつつあると。
焦りすぎ、ですね。
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