第55代大韓サッカー協会会長選挙を翌日に控え、裁判所がホ・ジョンム候補が出した大韓サッカー協会長選挙禁止仮処分を認めた。
ソウル中央地裁民事50部(金尚勲部長判事)は7日、「この事件の選挙には選挙の公正性を著しく侵害し、それによって選挙の結果に影響を及ぼしたと認められる重大な手続き的違法があると判断される」として、許前監督の手をあげた。
続けて「サッカー協会は選挙を管理·運営する委員会の委員に委嘱された人が誰なのか公開せず、選挙の選挙日頃まで委員会が定款および選挙管理規定に符合して構成されたのか確認できなかった」と指摘した。
また「選挙人団194人中80%を超過する160人が選挙管理規定により抽選で構成され、選挙人団抽選の公正性・透明性が債務者の会長選出に会員の意思がきちんと反映されるための核心的な部分に該当する」と話した。 (中略)
「選挙人に抽選された会員の中で21人に対しては個人情報同意をしないという理由で選挙人から排除した」として「個人情報同意を受ける時間が不足したとしても選挙人を補充しようとする何の努力もしないまま194人で構成されなければならなかった選挙人はそれより約10%少ない173人で構成された」と叱責した。 (中略)
一方、4選に挑戦するチョン・モンギュ候補は「50億ウォン寄付」の公約を出したが、裁判所が選挙禁止仮処分を引用したために会長当選に赤信号が灯った。
チョン候補は7日、報道資料を出し、「核心公約である大韓民国サッカー総合センターの完成に向け、大韓サッカー協会に50億ウォンを寄付することにした」と明らかにした。
(引用ここまで)
チョン・モンギュ大韓サッカー協会会長は監督選任の手段等で糾弾され、韓国政府からは「資格停止以上の懲戒をすべき」と要求されるまで至っていたのですが。
まあ、監督選任云々以前に日本に大差をつけられている現状が問題であるのですけどね。実際のところは。
韓国政府、サッカー協会会長に「資格停止」以上の懲戒を要求……FIFAから「ワールドカップ出場権剥奪」は発動するか?(楽韓Web過去エントリ)
それにもかかわらず、チョン・モンギュは協会会長選挙に出馬を表明していまして。
「今期で最後にして、任期後半からは後継者への引き継ぎも行う」とは宣言しているものの、この逆境下で会長選挙に出られる面の皮の厚さがすごいと評判でした。
たぶん3センチくらいはある。
で、その対抗候補に元韓国代表監督であるホ・ジョンム氏が立候補したのですが。
サッカー協会の選挙運営委員会が投票資格のあるメンバーのリストを公開しない、194人の投票者が必要とされているのに173人だけに投票させようとするなどしていたのですよ。
明らかにチョン・モンギュに有利なように工作していたと思われるのですね。
で、ホ・ジョンムが裁判所に「会長選挙を停止しなければならない」として仮処分申請をしていたのですが。
なんと投票日前日に「投票停止」の仮処分決定が下されました。
まあ、スポーツ団体は税金が投入される公的団体ですから公正性が求められるのは当然といえば当然なのですが。
わりと意外ではありましたね。
チョン・モンギュといえば旧現代グループに所属していた現代産業開発の元会長。現代グループの創業者であるチョン・ジュヨンの甥。
同じくサッカー協会会長を歴任した従兄弟のチョン・モンジュンほどではないですが、韓国財界における大物のひとりとはいえます。
なので「なんでも通る」と思っていたのですが。
韓国社会もそれなりに「公正さ」を気にするようになったのだなぁ。
まあ、(見た目)「公正な選挙」をやったからといってチョン・モンギュが勝たないってわけでもないとは思いますが。
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