韓国南西部の務安国際空港で着陸に失敗した済州(チェジュ)航空機の残骸から回収されたフライトレコーダーとボイスレコーダーには、胴体着陸して壁に激突する直前のデータが記録されておらず、同国史上最悪の航空事故の原因究明に役立つ情報を得られなかった。
韓国国土交通省の11日の発表資料によると、ボーイング737ー800型機が滑走路の端の構造物に激突する約4分前から、フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダーのいずれもデータ保存が停止していた。
(引用ここまで)
フライトレコーダー、ボイスレコーダーに衝突4分前からの記録なし。
つまり、両方のエンジンが停止して電源を失ったってことですね。
最初の着陸ではランディングギアが出ていたってことですから、ゴーアラウンドで再着陸しようとした際にもうひとつのエンジン推力を失って胴体着陸を強いられた……と。
航空機事故の基本なんですが、確率が少ないものであっても起こりうる事態は起き得るのです。
今回だと──
・バードストライクで片方のエンジンを喪失。
・着陸しようとするも失敗してゴーアラウンド。
・ゴーアラウンド中にもう片方のエンジン喪失。
・やむなく本来の着陸方向とは逆に胴体着陸を試みる。
・電源喪失でフラップも動かせず、リバーサーも動作しない。
・胴体着陸自体はうまくいったものの、減速できない。
・滑っていった先にコンクリート製のローカライザー基礎があって衝突爆発。
こういった経緯だったことが判明した、ってことですね。
……最後がひどい。
最後の最後まで機長はなんとかしようとしていた。
そして動画を見ても最良の判断をしていたと思われます。
これが日本やアメリカの空港だったら「奇跡の生還」が望めたのですが。
最終的に「韓国だったから大半の乗客が亡くなった」ってのが結論ですね。
まあ、分かっていたことですけども。
なんかこう、ひどい話ですね。
いつものことではあっても。
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