大統領が自らの官邸に「籠城」を続けるなか、韓国世論も変化しようとしている。世論調査会社リアルメーターによれば、「共に民主党」と「国民の力」の支持率の差は、大統領弾劾訴追案が国会で可決された12月第2週には52.4%対25.7%とダブルスコアに近い状態まで開いていたが、わずか3週間後の1月第1週には45.2%対34.4%まで縮小した。この与党の支持率は尹が戒厳令を宣布する直前の調査をわずかながら上回る。尹と与党は戒厳令宣布と大統領弾劾のダメージから急速に立ち直りつつあるように見える。 (中略)
このような韓国世論の急速な変化をもたらしたものは何か。明らかなのは、弾劾訴追案可決の後も大統領代行を務めていた首相を弾劾するなど、強硬な姿勢に終始する野党、とりわけその代表である李の政治指導に対する忌避感情であろう。
選挙法違反をはじめとする数々の嫌疑を抱える李の、自らの事件の判決が出る前に大統領選挙を実施したい、という思惑がその性急な行動の背景にあるのは明らかだ。そのあまりに政治的野心をむき出しにした行動が、逆に保守派を尹と与党の下に結集させている。
そして、ここから分かることがある。それは程度の差こそあれ、こと法的な手続きを軽視して、自らの政治的利益を拙速に追求しようとしている、という点においては、韓国の与野党が実は同じ方向性を有している、ということである。
大統領は憲法の規定を無視して戒厳令を宣布し、国会の閉鎖を試み、野党代表は法的処罰の結果として公民権を失うことを避けるために、裁判の結果が出る前に自らの大統領就任を模索する。そこで犠牲にされているのは、この国における「法の支配」であり、それに支えられた民主主義である。
(引用ここまで)
神戸大学教授の木村幹教授による韓国の現状解説。
いまの状況をよく語られていると思います。
特に「与党も野党も『法の支配』と『民主主義』を軽視している」って部分はぽんと膝を叩く文言。
イ・ジェミョンの公民権喪失が先か。
それともユン大統領の弾劾にともなう大統領選が先か。
マッチレース具合にじれているんですよね。
結果、控訴状を受け取らないとかやってますし。
大統領代行の代行をまたまた弾劾するとか言っています。
なんだったら「ユン大統領の支持率は40%」って発表した世論調査企業を「訴えてやる!」とかまでやってますからね。
共に民主党、「尹大統領支持率40%」と発表した韓国世論評判研究所を告発へ(朝鮮日報)
じゃあ、キム・オジュンの作った世論調査企業とかどうなるんだって話なんですが。
韓国の世論調査企業は選挙委員会に登録されていて、かつ質問が公開されているのでそのあたりでごまかしようがないんですよね。
でも、告発すると息巻いている。
実際、それくらい余裕がないんですよ。
大統領が弾劾されたあとは粛々と手続きを進めるだけでいいはずなのに、藪をつついて蛇を出した上に、その蛇に足までつけようとしている始末。
「弾劾29連発とかどうなってんだ」って韓国人からも声があがりつつある。
結果として「イ・ジェミョンだけはダメだ」って世論が勃興してきているのですね。
……まあ、他の候補者にぱっとした人物がいないので、いまだに次期大統領候補の中ではイ・ジェミョンがダントツなのですが。
それでも30%台前半とかの支持率しかない。
もし、与党が割れずにちゃんと統一候補を出すことができれば、また風が変わってくる可能性すらあります。
それくらい、野党側も失着しているんですよね。
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