米国とさらに密着する日本を見ながら、ある科学者が思い浮かんだ。 日本の現代科学技術の父である仁科芳雄博士(1890〜1951)だ。 日本初のノーベル科学賞受賞者である湯川英樹、2番目の受賞者である朝永振一郎が彼の弟子だ。
仁科は日本が世界に誇る理研(RIKEN・理化学研究所)の地位を20世紀初めに確立した人物だ。 今は米国に押されたが、00年代に入って計算速度世界1位を2度も席巻したスーパーコンピューター「富岳」を開発したのが理研だ。 仁科は理研で量子力学を日本で最初に研究をはじめている。 (中略)
日本のJAXAも理研に劣らない研究所だ。 (中略)
グローバルトップレベルの研究をするなら、理研やJAXA程度の外国の研究所と拘束力のある協定くらいは結ぶのが常識だ。韓国の科学技術研究所はこのような常識に反する。 (中略)
米国が組んでいる新しい国際秩序で各国が生き残るために全力投球しているが、韓国だけが孤島のように孤立している。 ドナルド・トランプ米大統領が日本を最高に待遇するのには、それなりの理由がある。 米国に劣らず蓄積された科学技術に向けた尊重と確固たる自由民主主義体制に対する連帯意識のためだ。現実的には財政的連帯も一役買っている。 表面に現れる防衛費分担金のほかにも、日本が米国に支給する秘密兵器購買費は韓国の2〜3倍以上と知られている。韓国の今年の国防予算約61兆ウォンのうち、ほとんどが武器購買で構成された防衛力改善費は約18兆ウォン。日本が米国にどれだけ多くの金を送っているのか推定できる部分だ。 南部のホワイトハウスと呼ばれるフロリダ・マーラーゴの自宅で、トランプ氏がソフトバンクの孫正義会長を呼び、5000億ドルの人工知能(AI)プロジェクトを発表したのも、このような背景があるからこそ可能なことだ。
AIと量子、宇宙航空、エネルギーなどすべての未来産業で急浮上している中国に対抗するカードとして、日本と科学技術協力を挙げる専門家が多い。 ユ・サンイム科学技術情報通信部長官もその一人だ。 ちょうどユ長官がまもなく日本を訪問し、両国政府が一緒に運営する技術取引プラットフォームを作ろうと提案する計画だという。 当然、理研も訪問対象地に含まれた。 安保だけでなく技術覇権戦争でも朝中露に対抗する力は韓日米協力から探さなければならない。
(引用ここまで)
科学関連を主として執筆しているらしい韓国経済新聞の記者によるコラム。
朝永振一郎はともかく、湯川秀樹は仁科芳雄の弟子ではない気がしましたが。
交流はあったはずですけども。
まあ、それはともかく。
理研やJAXAのように基礎科学を行っている日本と、韓国の科学界は手を組むべきだ……との主旨。
んーっとね。
それで、日本が得られるものってなんかあるんですかね?
たとえばTSMCが日本に進出したのって、ソニー製のイメージセンサをコントロールする半導体が必要だったからって部分があります。
地産地消……とはちょっと違うか。
供給までのタイムラグを最低限にするために、イメージセンサの工場の近くに、コントローラを工場を建設する。
アップルが必要とするイメージセンサ供給をスムースにする施策ですね。
ソニーにも、その他の日本企業にも、そしてTSMCにもアップルにも利点がある。
だからこそわざわざ日本に進出したわけです。
で、日本が韓国と基礎科学で提携するとして。
韓国は得られるものが多いでしょうね。理研にもKEKにも加速器があります。
韓国でなんかよくわからんハイブリッド加速器にしてしまって二進も三進もいかなくなったようなものではなく。
ニホニウムは理研の加速器で発見されたものですからね。
で、韓国から日本が得られるものってなによ、って話なのですが。
まさかまだ宗主国として慈悲を振る舞えとか?
基礎科学なんて自分たちのものにするしかないんじゃないですかね。
応用もそうやって日本から安易に運んできて、けっきょく中国に追い抜かれているわけで。
やめておいたほうがいいんじゃない? 身につかないよ?
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