「地球一周(4万120キロ)をディーゼル潜水艦と核推進潜水艦が行くとしたら、どれくらいかかるでしょうか。 ディーゼルが6〜8ノットの速度で140日余りかかるのに対して、原子力潜水艦は40日余りかかります。 英国のマーガレット・サッチャー元首相がフォークランド戦争後、保有していたディーゼル潜水艦をすべて退役させた理由です」(ムン・グンシク漢陽大学特任教授)
12日、国会議員会館で国民の力のユ・ヨンウォン議員が代表を務める「ムグンファフォーラム」討論会が開かれた。 韓国の原子力潜水艦導入の可能性と関連して、国内専門家たちは技術的限界よりは韓米原子力協定のような「国際政治的問題」で原因を指摘した。 現在、韓国が核推進潜水艦保有のために取れる現実的戦略は、中国牽制のために作られた米·英·オーストラリア3国安保同盟体「オーカス」(AUKUS)加入にあるということで意見がまとまったという評価だ。 韓国の優秀な造船業能力を基盤に外交力を活用し、オーカス3国に韓国が加入できるよう知恵を集める必要があるという分析だ。 (中略)
韓国が核推進潜水艦を保有しようとした歴史は相当ある。 韓国軍は03年、原子力潜水艦(SSX)建造事業を盧武鉉(当時)大統領に報告し、約3兆5000億ウォンを投入、06年の概念設計、07年の建造着手、12年から実戦配備を計画した。 2017年、文在寅当時の大統領がドナルド·トランプ米大統領に韓米首脳会談で核推進潜水艦と関連した技術支援要請をしたが、米国が呼応しなかったと伝えられた。
国産原子力潜水艦導入と関連して最も障害物として指摘される部分は「韓米原子力協定」だ。 韓米原子力協定第13条は「協定により移転·生産されたすべての核物質は核兵器、核爆発装置の研究·開発やいかなる軍事的目的のためにも利用されない」とされている。 このため、ウランを使用する原子力潜水艦の導入も難しい足かせとなっている。
だが、2021年にスタートした米·英·オーストラリア3国安保同盟体「オーカス」(AUKUS)を通じてオーストラリアの核推進潜水艦導入が決定されたのは、国内外交安保専門家たちに韓国の核潜水艦保有「アイディア」を提供したという評価だ。 当時、バイデン米大統領は、2030年代初めからオーストラリアにバージニア級核推進潜水艦3隻(最多5隻)を販売すると公言した。
オーカスは原子力潜水艦をオーストラリアに提供する「ピラー1」と銀の6つの技術分野(サイバー、人工知能、量子コンピュータ、海底技術、極超音速ミサイル、電子戦)及び2つの機能分野(革新、情報共有)を協力国と共同開発する「ピラー2」に分けて運営される。 (中略)
すでに昨年、オーカス3周年首脳会談共同声明でオーカス3国は「カナダ、ニュージーランド、韓国と『第2軸(ピラー2)』協力協議を進行中」と言及している。 結局、同日のフォーラムでは、「オーカス・ピラー2」に対する韓国の参加が、核推進潜水艦開発の機会として働くだろうということで意見が一致した。
(引用ここまで)
韓国の軍事的念願は3つあります。
まず、独自の戦闘機を持つこと。
もうひとつは空母保有をすること。
まず、このふたつについてさくっと書きましょうかね。
韓国には「一定の規模を持ち、かつ陣容を持っている軍」として世界に認められたい部分があるのです。
独自の戦闘機についていえば、F-5を輸入して「これが我々が開発した制空號だ!」なーんてやっていたことがあります。対北喧伝で。全斗煥政権の頃です。
……いや、信じがたいと思うかもしれませんが。
本当のことなのですよ、これ。
いわゆる「韓国独自技術」(捏造)の源流を探ってみる(楽韓Web過去エントリ)
それくらいに「独自の戦闘機」を欲しているのは間違いないところ。
空母についてはムン・ジェイン政権で「軽空母+F-35B」との形で研究を進めていたものをユン政権は(いつもの易姓革命で)叩き潰して「中型空母+KF-21N(KF-21の艦載機版)」にするとかやってました。
次期政権でこれがまた変わっていくのも、またいとおかし。
もうひとつの念願が原子力潜水艦の保有です。あと核兵器保有。
というかですね、原潜保有するってことはSLBMを持ちたいってことで、かつSLBMに核弾頭を搭載したいってことなんですよ。
あと空母と共に外洋に出るつもりがある、シーレーン防衛に携わるつもりがあるってことなんですが……そんな気はひとつもないんだろうなぁ。
原潜についてはノ・ムヒョン政権時代から言い出していて、ムン・ジェイン政権でも何度か俎上に上がっていました。
まあ、記事にあるように米韓原子力協定があるので、まず核燃料に手が出せないのでどうにもならないってオチではあるのですけども。
今回は「AUKUSに加入すればいいんだ!」とか言い出していると。
……んー、AUKUSピラー2に加入できたとして、そっちは「最新技術の提携」なのであまり韓国の野望にとっては意味がないというか。
それ以前に左派政権になっちゃったらピラー2への加入すらどうなるか覚束ないわけで。
「AUKUSに入ってしまったら制約もある」みたいなことを記事の引用外で書いているのですが。
だいぶ杞憂。まあ、もしかしたらトランプ2次政権で「韓国も好きにやれ」みたいに言われる可能性はなくもないからいろいろアプローチしてみるとよいのではないですかね。
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