Kカルチャーの成長基盤が揺れているとの警告音が随所で現れている。 全世界が熱狂した韓国映画とウェブトゥーン、大衆音楽分野の成長勢が止まり、一部では後退する姿だ。 質の高い文化商品を持続的に作り出すことができるように制度的な後押しが必要だという指摘が出ている。
大きな危険信号のひとつは、Kコンテンツの主要源泉の役割をするウェブトゥーン市場の縮小だ。 17日、韓国漫画映像振興院によると、昨年登録された作品数は計1万8792作品で、前年(2万141作品)比6.7%減少した。 国内34個のプラットフォームで連載情報が確認された作品を統計分析した結果だ。 新作数の減少幅はさらに大きい。 昨年登録されたウェブトゥーンの新作数は1万4723本と集計された。 1年前(1万7245個)より14.6%減少した。
パンデミック状況で反射利益を得て2023年まで好調を見せたウェブトゥーン産業は消費不振などの余波で成長勢が折れた姿だ。 (中略)
全世界を席巻しているKポップ市場にも赤信号が灯った。 ハンターチャートが集計した昨年のKポップアルバムの総販売量は8777万枚で、1年前(1億359万枚)より15.3%減少した。 特にインドネシア、タイなどKポップの主要消費国に挙げられる東南アジアでKポップの地位も以前のようではない。 最近、日本経済新聞(日経)によると、東南アジア諸国のオンライン音源サイトで自国曲の消費比重が増えた反面、韓国曲のシェアは落ちていることが分かった。 特にインドネシアの場合、自国曲のシェアは2021年23%から昨年35%へと12%ポイント上昇した。 一方、同期間、韓国曲の消費シェアは12%から8%へと4%ポイント減少した。
日経は「現地システムのデジタル化で製作費などが節減され、ネチズンが自国の曲をより簡単に消費できる環境が造成されたため」と解説した。 これに対し、韓国の芸能事務所は新人アイドルグループに東南アジア現地メンバーを起用する形で対応している。
国内映画市場の低迷は長期化している。 映画館入場券統合電算網によると、昨年、国内で映画を見た観客数は計1億2313万人だった。 1年前(1億2514万)より1.6%減少した。 年間最大観客数を記録した2019年(2億2668万人)と比べると、45.7%減少した数値だ。 OTTの拡大や内需不振などの影響が続いている。 これに対し、国内最大のマルチプレックスであるCJ CGVは最近、希望退職を実施した。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延した2021年以降、4年ぶりのことだ。
Kカルチャーの先行きも不透明だ。 未来の食べ物創出のための投資規模が減ったためだ。
(引用ここまで)
まずはNASDAQに上場しているウェブトゥーン社の株価動向でも見ていただきましょうかね。

【Webtoon Entertainment inc.のチャート】 ※TradingView提供のチャート
公募価格21ドルでスタートして、上場当日終値が22.83ドルと上々のスタートを遂げたのですが。
わずか1ヶ月後に大暴落。
ほぼ10ドルに届いた底値からじわじわと14ドル近辺まで上げてきたところで、先月発表の決算内容が悪くてまた暴落。
現在では9ドル前後を行ったり来たりしています。
これだと公募価格あたりで株を買う権利を持たせるストックオプションがなんの意味も持っていないので、優秀な人材をキープできない可能性が高いですね。
アメリカ株については現在の地合自体があまりよろしくはないのですが、それでもウェブトゥーン社の株価下落具合はちょっと尋常じゃありません。
このひどい株価下落がなにを意味しているか、ですが。
投資家がウェブトゥーンに未来がないと感じている、ってことです。
まあ、韓国国内ですでに配信数が下落に転じていて、日本では日本のマンガが売れているだけ、北米では課金してもらえないから紙の本を出版することで一息ついている。
「スマホで見るのに適したフォーマット」って設定はどこに行ったんだ、と問われているのですね。
K-POPが東南アジアで強かったのも過去のことってなってまして。
記事中にある日経の記事はこちらですね。
花開く東南アジアPOP(日経新聞)
2021年にK-POPのシェアはタイで15%ほど、インドネシアでは12%ほどだったものが、2024年にはどちらも一桁台に落ちている。
っていうか、「東南アジアでは圧倒的人気だ!」とか言っていたのに、グラフ見たらアメリカの曲のがよっぽど人気だわな。
映画については……ぱっとしないね。
去年の大ヒット作が「破墓/パミョ」だったことでお察しください。
韓国映画今年の1位作品、破墓(パミョ)を見てきた……シナリオが雑すぎない?(楽韓Web過去エントリ)
あれがランキング1位だったかになっちゃうんじゃきついわ。なんか最近公開されたボン・ジュノの新作も酷評されているらしいですけどね。
なんかこう、ホントにぱっとしない。「多様性」を重視する時代の最盛期に「パラサイト 半地下の家族」ってあだ花が咲いただけだったのではって感じです。
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