韓国野党・共に民主党は20日「崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行副首相に対する弾劾訴追の手続きを開始する」と発表した。19日までの馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補者の任命を求めた共に民主党の要求を崔相穆代行が受け入れなかったからだ。 (中略)
ところが憲法裁判所が同日、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理への弾劾審判について今月24日に決定を下すと発表したため「共に民主党は空振りに終わりそうだ」との声が相次いでいる。政界関係者や法律に詳しい専門家などの間では「憲法裁判所は韓悳洙首相に対する弾劾を棄却あるいは却下するだろう」との見方が有力視されている。もし憲法裁判所が韓悳洙首相の職務復帰を認めた場合、韓悳洙首相は大統領権限代行に就任するため、崔相穆代行を弾劾訴追しても共に民主党は何も得られないからだ。 (中略)
政界からは「共に民主党には憲法裁判所内の情報が不十分なようだ」との見方が相次いでいる。共に民主党執行部も先日、国会法制司法委員会所属の幹部議員らに「憲法裁判所の弾劾審判に関する情報が足りない」として情報収集を求めたという。ある政界関係者は「共に民主党による崔相穆代行の弾劾訴追強行の動きを見ると、韓悳洙首相の弾劾審判宣告期日を予想できる情報が得られていなかったようだ」と指摘した。
(引用ここまで)
昨日の昼くらいに野党・共に民主党が中心になって現在の大統領代行であるチェ・サンモク企画財政部長官(財務相に相当)兼副首相の弾劾方針を決定しました。
現政権になってから記念すべき30回目の弾劾決議案提出ですわ。
で、同じ日の夕方に最初の大統領代行であったハン・ドクス国務総理に対する憲法裁判所からの審判宣告日が24日と発表されています。
大統領代行に対して弾劾して圧力を加えようとしたところ、憲法裁判所からはしごを外された形になりました。
チェ・サンモク長官を弾劾して大統領代行としての職務を停止にしたところで、ハン・ドクス総理が大統領代行に戻ってくるので意味はゼロになってしまったのですね。
このことから、共に民主党と憲法裁判所の間にコネクションはほぼないことが判明したといってもいいでしょう。
共に民主党としては、現在8人の憲法裁判官を子飼いの裁判官を加えて9人体制にして弾劾認容、ユン大統領の罷免に天秤を傾けようとしていたわけですが。
チェ・サンモク長官がそれを拒絶しているのです。
ちなみにこの判断については「違法である」と憲法裁判所が認めています。
大統領代行の憲法裁判官任命保留は「国会の権限侵害」 任命要求は却下=韓国憲法裁(聯合ニュース)
それでもチェ長官は憲法裁判官の任命をしていないことから、弾劾に至ったわけです。
ただ、この弾劾もハン首相に対する弾劾決議案の却下、もしくは棄却によって完全に無意味になったのですね。
ハン・ドクス首相への弾劾判断宣告日が24日、月曜日。
イ・ジェミョンに対する公職選挙法違反の高裁判決日が26日、水曜日。
これを考えるとユン大統領の宣告日が26日よりも前になることはなさそうです。
というかユン大統領への弾劾可否について結論そのものが出てない感じですね。
月をまたぐ可能性すら出てきたなぁ……。
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