共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の公職選挙法事件で韓国大法院(最高裁判所に相当)は有罪の趣旨で破棄差し戻し判決を下したが、これについて、共に民主党のシンクタンク「民主研究院」のパク・チンヨン元副院長は「三権分立というものはもう幕を下ろすべき時代ではないのか」と発言した。
パク・チンヨン元副院長は1日にCBSのユーチューブ番組「ザ・ロッカールーム」に出演し「行政府と立法府は選出された権力だが、司法府は選出されたものではない。だからもう少し共和的で慎重に合意する手続きを経るべきだ」「これを彼ら(司法府)は国会でやるように政派的に決めてしまった。こんなことなら司法府など必要だろうか」と述べた。
パク・チンヨン元副院長は「今後は任命される司法府から(選出される)司法府に転換すべき時期になったようだ」「司法府がなぜこのように壊れたかと言えば、尹錫悦(ユン・ソンニョル)=前大統領=のせいだ。尹錫悦政権発足後、極端な考えの人間たちを選び出して起用することが責任政治だという考えを持ち、大法官もそんな人間たちを選んで任命したからだ」と批判した。
パク・チンヨン元副院長はさらに「私の考えでは、あの人たちは全員が大法官の資格などない」「あの司法府の人間たちのせいで大韓民国が滅んでしまうだろう」とも主張した。
パク・チンヨン元副院長は「司法府をなくすべきか、あるいは国民が司法府の主人になるべきか」とした上で「(この問題をめぐって)欧米の民主主義以上に早く考えるべき時期が来たようだ」との考えを示した。
(引用ここまで)
共に民主党傘下のシンクタンク・民主研究院で副院長をしていた人物が「三権分立にはもう幕を下ろすべきではないか」「司法府の解体も考えるべき」と発言。
もちろん、イ・ジェミョンに対して大法院(最高裁に相当)が有罪前提の高裁差し戻しを命じたことに対しての反応です。
まあ、これについて「別に国会議員じゃない」という言いかたもできるかもしれませんが。
このパク・チンヨンという人物、実は2022年の大統領選挙でイ・ジェミョン陣営で広報担当をやっていたって経歴があるのですね。
あとムン・ジェイン政権下ではなんかやっていたはずなのですが、ちょっと資料が出てこない。
なので決して有象無象ではなく、共に民主党党内ではそれなりの地位のある人物といえます。2020年の総選挙では出馬したものの当選できなかったって経歴もあります。
そんな人物が「三権分立はもういらない時代だ」「司法府も国民に選出されるべき」って言ってしまえる。
あと共に民主党所属の国会議員が、例の判決を出した大法官(最高裁判所裁判官に相当)を弾劾すべしと言い出しています。
これが昨日のこと。
民主党の初当選者ら、大法院長弾劾手続きに突入(文化日報・朝鮮語)
司法府と戦うことをまったく厭わない。
まあ、さすがに「党としての態度としては弾劾は保留」って言い出していますけどね。
民主党「大法院長弾劾決定保留…大法院の行為は違憲・違法」(中央日報・朝鮮語)
初当選者に「弾劾だ!」って言わせてみて、社会の反応を探ってみたら反発が大きかったので一旦保留にしたってところかな。
取り得る手段をすべて取って、イ・ジェミョンを救おうとしている。
まさに「ウリとナム」。そしてウリとナムは三権分立の原則よりも強いってことが分かってもらえたのではないでしょうか。
まあ、なんというか「成熟した民主主義国家(笑)」ってヤツですわな。
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中味は長編記事。最新の記事は「韓国の次期大統領最有力候補、イ・ジェミョンの周辺での連続不審死、すべてピックアップしてみた 」となっています。
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