「大企業の系列金融圏だけで15年を働いた。外から見れば派手ですね。年俸も高いでした。でもその当時、人間らしい生活を享受することができたのかと考えてみると、あまりそうでなかったと思います。今は年俸ははるかに減少したが心理的に余裕もできたし、公共のために生きていると思うとやりがいも感じます」
大学卒業以来、大企業系列の損害保険会社と証券会社を通ったパク・ソングォン(49)氏は、2012年に会社を辞めた後、昨年から行政職(7級)の公務員にソウル市庁で働いている。
朴氏が公務員になろうと決心した理由のひとつは、公務員という職種が持っている特性、安定性が高いながらも公益のためのという点であった。彼は入社以来、1998年の通貨危機と2008年に米国のサブプライム問題の2つの大激動を体験した。そのたびに最初に打撃を受けて構造調整をしていたのが、この金融機関であった。パクさんは「10年周期で世界経済がサイクルを取っていたそのたびにやめたり、あるいは大幅に損害を被って会社を去る人が多かった」とし「こうして勤めていた同僚や先輩たちが一瞬にして失業者になることを見ることは自分のことでもあるようで大変だった」と述べた。
大企業、金融系列会社が給料も多く華やかに見えるが、実際はそうでないとした。パクさんは「40代を超えると、そろそろ名誉退職の話が出てきて、他の仕事を見つける必要がある」とし「民間金融社である事実上、株主ないしは会社の利益拡大が最大の目的なのですが、それが公共の利益に合致するのかと考えたときに心理的な葛藤をしている自分を見つけることがあった」と述べた。
パク氏が公務員を選択した別の理由は、自分の時間さえあれば性別、年齢、学歴などのいくつかの条件にも制約を受けずに試験を受けることができ、合格すればすぐに仕事をすることができるという点である。彼は公務員試験を「大韓民国社会で最も平等な条件で競争をすることができる試験」と言う。彼は「事実、40代で退職してしまえば自分がしていた業種で、もう少し条件を下げるか、身分を下げるしかない。例えば正規職であたら契約社員や非正規職に再就職すること以外に方法がない」とし「創業に向かった周囲の人々を見ると、小規模自営業のオーナーとして改行する場合には10に9は滅びたケース」と述べた。パクさんは「そんな状勢であれば、いっそのことどのような条件にも依存しない公務員試験に一度挑戦してみるのがいいと考えた」と述べた。
パクさんの公務員試験への受験準備を半信半疑だった周りの人も、今では彼の境遇を羨望する。彼は二回受けるだけで試験に合格した。パクさんは「大学を卒業してからしばらく経っているので、頭も錆びて勉強ができるのかと心配している人が多かった」とし「勉強する間に歳だけとるんじゃないかとも言われたが、今は多くの人が羨望している」と述べた。
パクさんのほか、中年の年齢に公職を選択する人は増えている。ソウルのある税務署に有名法務法人で弁護士として活動していたA(56)氏が7級税務公務員として働いている。 Aさんは、ソウル大法学部出身で行政考試と司法試験を合格した公認会計士(CPA)の資格まで持っている。
来る25日、ソウル市7・9級公務員を選ぶ試験が行われる。今回の試験の競争率は87.6対1で歴代2位を記録した。受験者の中で40代は7174人、50代以上は869人に達した。パクさんは「適切な勉強をしていて試験を受ける人であれば、実際に合格する人の割合は、3~4対1ていど」とし「結局、自分自身との戦いのようだ」と述べた。
パクさんは「安定した定年保障や年金のといった安定性を考えていないとすれば嘘になるが、市民に奉仕するという初心を失わないために努力している」とし「公務員も同じ職場生活であるため、生活が繰り返されていくと、マニュアル通りになってマンネリに陥ることが場合がしばしばある」と述べた。続いて彼は「他の人々が大切にしてもしなくても、最終的には公的な領域で市民と国民のために貢献をして奉仕することが公務員としての役割だと思う」とし「このようなものがまったくなく、個人的ないくつかの目的のためにのみ公務員という職業を考えてすることはもう一度考えてみるべきだと受験生たちに言ってあげたい」と付け加えた。
公務員という職業は、民間金融機関だけで働いていたパクさんに、別の満足感を与えている。パクさんは「私の仕事を熱心にして、また私の仕事でやりがいを感じながら奉仕の精神を持って仕事をしてみると、公共の利益に貢献になるというそれなりの確信が生じる」とし「以前の会社で働くときのように持つような、公共利益に合致しているのかというような疑問を持つ必要がない」と説明した。彼は「公務員であった両親を見ながら下位職公務員が大きく社会的に認められたり地位があるわけではない(今後の仕事をしながら)誇り、社会に貢献したというやりがい感をたくさん感じることができるだろう」と語った。
(引用ここまで)
いくつか面白い事実が見えたのでピックアップした記事です。
まず、この土曜日に公務員試験があって、7・9級試験の採用倍率が87.6対1で過去2番目の倍率となっていること。
不況になればなるほど公務員志望が増えるのはどの世界でも共通していることでしょうけども、本当に厳しい状況になっているのだなと。
7・9級試験というのが「7~9級」なのか「7級と9級」なのかが分からないのですけど。
9級単体だと時として倍率が1000倍を越えることもあるというのは以前にも書きましたね。
韓国の公務員は1~9級に分かれていて、9級は公務員といっても初任給が120万ウォンちょっとというレベル。この記事のパクさんが合格した7級だと160万ウォンちょっと。
まあ、第一金融圏で勤めていたのであれば、1/3とかかな。
それと韓国の地方公務員試験は学歴不問、年齢不問、性別不問なのです。
以前は30代前半くらいまでという年齢制限があったのですが2010年くらいに撤廃されたのです。
だからこそ、いつまで経っても公務員試験を受けるために3畳ほどの考試院(コシウォン)で暮らして、公務員試験を受け続けて20代を終わらせる人間が多数いるのです。
韓国は基本的に「一度負けたら終わり」の社会なのですが、一応は地方公務員試験がそういった敗者復活戦の最後の支えになっているのですね。
とはいえ、こうして40代とか50代の新任公務員が生まれているのであれば、若い人間にとっては絶望の自乗であるわけですけども。
おまけに9級の120万ウォンじゃまともな生活はできそうにないけどなぁ……。
定員まで勤められるし、年金も充実しているそうですけどね。
この記事へのコメント
774 2016年06月24日 23:41
その余裕は金融機関で稼いだお金があるからですよね。
それと、この方は四十台といえど金融機関の最前線で働き続け、
学歴を見るに7級の試験を受ける人の中ではかなり上位なのではないでしょうか?
Fラン卒の大学生とか、こういう方が受験していると知れば絶望だろうなぁ。
ななし 2016年06月24日 23:50
⬅公共の職について満足 までが目的。
いつもの通り。
ななし 2016年06月24日 23:55
どうせ指導者・指導者層が利権を貪る独裁者になるのなら、政府に国民を食わせる責任がある共産主義の方がまだましなのでは?
名無しさん 2016年06月24日 23:58
あれだよ 2016年06月25日 00:03
本格的に大騒ぎになるのは週明けだけど、株価と為替は既に大騒ぎ。
週明けに電車止まります。
昨年末、一度予想したけど、やっぱりなんか今年はやばい年になりそう。
負の連鎖しか見えてこないのは、なんだろなぁ( ̄◇ ̄;)
ゾンビ化した韓国に死ぬ予定はなくても、切り捨てないと生き残れない時には、バッサリバッサリやられることでしょう。ナームー(ー人 ー;)
名無しですが 2016年06月25日 00:11
「定員」までは勤められませんよ。
「定年」だよね。
わ 2016年06月25日 00:47
と思う私は、心が汚れてるんでしょうか(笑)
2016年06月25日 01:30
軍事速報の准将 2016年06月25日 02:03
直近の役所利用ではマイナンバーカードの発行で、事前予約必須(土日なし)で時間通り行っても30分ほど待たされ、システムの不調でまた30分…
直接の市民向けサービスだけでないのは分かってますが、印象は悪いです。マスゾエ騒ぎの後なので特に
韓国での事情は知る由もありませんが、公務員というだけでこれだけ語れるのは、さすが儒教の本場といったとこですか
役所言葉の作文には合わないかもしれませんが、あちらでは美辞麗句の装飾が必須スキル。結果は素人には読めない文章となっても、一般人に対しての暗号として機能するなら、それはそれでいいのかな
警察、消防、救急など仕事が明確だったなら立派な抱負も分かりますが「公務員」でそれが語れるのは、肩書きこそが本分だからでしょう
しかし「公」のない社会のパブリックサーバント「公の下僕」とは何を主として仕えるのか。理想に挫折する姿ではなく、国の代紋でこすく稼ぐことに汲々とする姿しか想像できません
韓国ウォッチャーとは深淵をのぞく行為です
名無し 2016年06月25日 02:29
実際に公務員を定年退職と定年間近で辞めた人に聞いたら両者共に約2万円でした。
本当かどうかは不明ですが、それでも優遇されている法だそうです。
がんばれ ラクカンさん 2016年06月25日 02:45
コリアンウォッチャーの2002からやってるとリンク切れ多いから
名無し 2016年06月25日 04:27
違法人 2016年06月25日 06:18
ケルカピア級航宙高速巡洋艦 2016年06月25日 06:50
権兵衛 2016年06月25日 07:18
傾奇者 2016年06月25日 07:34
エル 2016年06月25日 07:43
南朝鮮が「共産化」したからといって、国民を食べさせる義務を負うことはないのは、北を見れば一目瞭然。
北朝鮮の場合は、「主体思想」という似非共産主義だけど、南も同じように一部の者が国民を支配する都合のよいシステムとして、共産主義の体制だけ利用することになるはず。
へ 2016年06月25日 08:07
そううまくいくものではない。
名無し 2016年06月25日 08:31
海外在住 2016年06月25日 08:35
いま、日本で働こうという風潮があるのだそうですが、戦前の例と同様に、朝鮮半島に棲息する生物を雇用した企業は何十年か後には「強制連行で奴隷にされた。」等と訴えられるのですよね。
こんな連中とは、助けない、教えない、関わらない、以外に無いと思うのですが。
まる 2016年06月25日 10:46
どんな世界だろうと、うまく立ち回って
生き抜く人間がいる。
その知恵が回るか回らないかの話
経済の話は日本も身にしみる部分
反面教師の部分も多々あるよ。
ちょこ 2016年06月25日 14:27
名無しさん 2016年06月26日 06:41
あ 2016年06月26日 13:14
犬 2016年06月28日 18:18
年齢制限なくしても対した影響はないんだろ
20代棒にふってまでってのは等級が上位のクラスだろうし、弁護士試験みたいなもんやろ