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カテゴリ:経済の記事一覧

暗号資産に熱狂していた韓国人、ビットコインの暴落で市場規模が半減へ……

カテゴリ:経済 コメント:(66)
半減した暗号資産市場…韓国内の時価総額半年で55兆ウォンから23兆ウォンに(中央日報)
韓国国内で取引される暗号資産の時価総額は6月末基準で23兆ウォンと調査された。昨年末の時価総額55兆2000億ウォンの半分水準だ。上半期の1日平均取引額も5兆3000億ウォンで昨年下半期の11兆3000億ウォンの半分にも満たなかった。米連邦準備制度理事会(FRB)の緊縮などで市場の流動性が枯れているところに、ルナ・テラ暴落問題などによる信頼下落が影響を及ぼした。 (中略)

今年に入り暗号資産市場は大きく萎縮した。上半期の暗号資産取引所の取引額は951兆ウォンと集計された。昨年下半期の取引額2073兆ウォンの半分に満たない規模だ。1日平均取引額も昨年下半期の11兆3000億ウォンから今年上半期は5兆3000億ウォンに減った。FIUによると21日基準で取引額は2兆7000億ウォン水準にとどまる。 (中略)

暗号資産価格下落で保有者の資産も大幅に減った。全利用者のうち100万ウォン以下の資産を保有する割合は昨年末の56%から17ポイント増えた73%となった。1000万ウォン以上保有する人の割合は昨年末の15%から7%に減った。一方、韓国の取引所に上場された暗号資産は1371種類だった。取引所間で重複上場された暗号資産を除くと638種類だ。上半期だけで154件の新規上場と147件の上場廃止があった。
(引用ここまで)


 ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨・暗号通貨)の下落が激しいことになっていまして。
 去年の11月には7万ドルに届こうかという勢いで「ビットコインに投資しないヤツはバカ」くらいの話が出てましたが。
 手元の数字だと1万8500ドル前後ですね。
 まあ、水物に投資するものじゃない、ということがよく分かります。

 その一方で韓国は暗号資産投資大国として、一時期は他国よりも20%も高くビットコインが取引されていたことすらあります。
 2021年基準ではウォン建てでの暗号資産の取引は世界で3位の量があったほどです。
 韓国人の9人にひとりは暗号資産を所有していた、とされるほどでした。

 その原因はいくつかありまして。
 本来だったら不動産投資をしたかった層が、ムン・ジェイン政権の間にあまりにも不動産が高騰してしまったために代替として暗号資産へ投資したという側面もあります。


 また、韓国の若者は階層脱出のために攻撃的に暗号資産への投資を行っており、借金をしてまで暗号資産に投資しているという側面もありました。
 近年では値がさのビットコインではなく、雑コイン(ジャブコイン)と呼ばれる上場したばかりの仮想資産を狙うことでも知られていましたね。

 そして、ビットコインは最高値の1/4ほどになってしまい。
 崩壊したルナ・テラの共同創業者には逮捕状が発行され、かつその資産は凍結されています。
 一時期は「韓国の英雄」とされるほどの扱いだったのですが。

Terraの共同創業者らに韓国当局が逮捕状--資本市場法の違反容疑で(CNET Japan)
韓国当局、テラ共同創業者関連の100億円弱のビットコインを凍結へ(コインデスクジャパン)

 兵どもの夢の跡、といった感じ。
 資産という卵をひとつのかごに入れるな、という教訓は正しいのだなぁ……ということが理解できるのではないでしょうか。
 あとレバレッジを効かせるな、使うなら短期決戦にしろという感じかな。
 はー、怖い怖い。

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ブルームバーグ「今回のドル高で再度のアジア通貨危機が懸念される。危険なのはフィリピン、タイ、そして韓国」

カテゴリ:経済 コメント:(86)
タグ: 韓国経済
ブルームバーグ「アジア通貨危機懸念、ウォンとバーツが最も弱い」(中央日報)
アジアに25年ぶりに「第2の通貨危機」の不安が押し寄せている。地域経済の2本の軸である人民元と円の価値下落が続くなら資本のアジア離脱を加速化し、1997年に発生した通貨危機が再演されかねないとブルームバーグが25日に報道した。 (中略)

人民元と円の急落傾向が続く場合、アジア市場には後遺症を呼びかねない。米資産運用会社BNYメロンによると、人民元はアジア通貨国指数で占める割合が4分の1を超える。世界で3番目に多く取引される通貨である円は新興国通貨に大きな影響を及ぼす。円とモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が挙げた新興国通貨間の相関関係指数は先週0.9で、2015年以降で最も高い。

こうした状況で人民元と円がともに下落すればアジア金融市場で急激な資本流出が発生する可能性がある。みずほ銀行のビシュヌ・バラタン経済戦略責任者は「円と人民元の弱化はアジア全体の通貨市場の不安を引き起こす。(アジアは)すでに2008年の世界金融危機水準のストレスへ向かっている。次の段階は1997年のアジア通貨危機水準になるだろう」と警告した。

専門家らは臨界点までいくらも残っていないとみる。ゴールドマン・サックスの首席通貨戦略家を務めたジム・オニール氏は「『1ドル=150円』を突破すれば1997年の通貨危機水準の混乱が現れかねない。資本がアジアから大挙離脱するトリガーポイントになるだろう」と主張した。 (中略)

ブルームバーグはアジア通貨危機に脆弱で貿易状況が良くない国を挙げた。マッコーリー・キャピタルのトラン・トゥイ・レ氏は「韓国のウォン、フィリピンのペソ、タイのバーツなど経常収支赤字状態にある国の通貨が最も脆弱だろう」と話した。
(引用ここまで)


 ブルームバーグが中国元と日本円が下落することによって、むしろ周辺国の為替に被害が出るだろうとの予測記事を掲載しています。

Crisis Level Risks Loom in Asia as Major Currencies Crack(ブルームバーグ・英語)

 もっとも脆弱な通貨として「韓国ウォン、フィリピンペソ、タイバーツ」の3つが挙げられています。
 ……でしょうね、といったところ。

 じゃあ、なんで日本は大丈夫なのかというと。
 以前にドル売り介入のあった24年前とは日本の体質が変わっているからですね。
 山一証券や拓銀の経営破綻といった大きな金融体系の不安があったから円安になったわけで。
 今回はそういった要因ではなく、一方的なドル高。
 インフレ率も2%ていど。さほど大きな対策が求められるような状況でもない。

 今回のドル売り円買いでも日銀は大儲けしているはずです。
 これで賃上げに向かわないならスタグフレーションの懸念もありますが。まあ、いうても2%だしね……。


 タイ、フィリピンについては知見が少ないのでなんともいえませんが。
 韓国が危険なのはこれから半導体不況が起きそうなタイミングであるということ。
 韓国の貿易依存度は63.51%。
 そして半導体は輸出品目のうちの約2割を占めている最重要産業。

 2019年にもちらっと半導体不況が訪れたのですが、その際にも韓国の経済状況は明白に悪化していました。
 その後、コロナ禍でどうなるかと思われたのですが、巣ごもり特需と半導体不足で引き合いがひどいことになって復活したのですけどね。

 すでにメモリについてはこれだけ円安になっているにもかかわらず、日本での市価は半年前の半額になってます。

相場調査9月第4週(AKIBA PC HOTLINE!)
相場調査3月第3週(AKIBA PC HOTLINE!)

 ま、こうした市価はスポット価格なので全体を表してはいませんが、企業同士のコントラクト価格も下落の一途であるのは間違いないところ。

 ひとつの重圧はなんとか耐えられるのですが。
 複合的にあっちからもこっちからも重圧がかかるとあっさりと潰れるなんてことがあるのが企業というもの。
 特に今回は大規模な戦争というパラメータが入ってきてしまっていて、どうなるかさっぱり分からない。

 ただまあ……半導体に関していうなら市況が復活しそうなのは来年遅くとかだろうなぁ。
 見せてもらおうか、実質G8の実力とやらを。

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韓国銀行総裁「通貨スワップ協定は不要」「痛くもない腹を探られる」「しかし情報交換はしている」……微妙なラインの説明だなぁ

韓米通貨スワップは不要 現時点での要請は副作用招く=韓国中銀総裁(聯合ニュース)
韓国銀行(中央銀行)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は26日、国会企画財政委員会の全体会議で、米国と通貨交換(スワップ)協定の締結を推進しているのかについて、「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が話しているように『情報交換』があるということはお伝えできる状況」と説明した。

 李氏は「FRBには通貨スワップ(締結のための)内部基準がある。グローバルドル市場で流動性不足の問題がある時、それ(スワップ)を検討することになっている。2度の(韓米間の)通貨スワップも、わが国とだけ締結したのではなく、ドルの流動性が足りない時、9カ国と同時に締結した。FRBが(ドルの流動性など条件が合っているか)モニタリングしている」と述べた。 (中略)

 また李氏は、現時点では通貨スワップは必要ない状況だが、不安な国民がスワップ協定締結を求めているとし、「FRBの(通貨スワップ締結の)前提条件に合っている時に協議するのは良いが、まるで韓国に何か問題があるかのように(条件に合っていない時期に)協定締結を求めれば、かえって副作用があり、低姿勢になりかねない」と強調した。
(引用ここまで)


 韓国銀行の総裁が「米韓通貨スワップ協定は必要ない」「国民は不安だとして要求しているが、痛くもない腹を探られることになる」「FRBと情報交換はしている」と市場を牽制するような発言をしています。
 正直、微妙なラインをついてきた発言ではあるのですよ。
 ロイター通信はこの一連の発言について「通貨スワップがあるほうがよい」と報道しています。

韓国中銀総裁、FRBとの通貨スワップ「あるのは良いこと」(ロイター)

 それくらい、どちらともとれるようなレベルでの発言だったということでしょう。
 そして韓国銀行や韓国政府の中でも意見が割れているのでしょうね。
 つい先日、「通貨スワップ協定が決定した!」というフェイクニュースがありました
 このニュースがあったのが9月21日。


 即日、韓国銀行は否定声明を出して沈静化させたのですけどね。
 その翌日にも「韓銀が通貨スワップ協定を推進することを決定した」というニュースが出ているほどです。

韓国銀行、3度目の韓米通貨スワップ進める方針…米国の立場は?(ハンギョレ)

 「より積極的に韓国が締結を持ちかけている」のだそうで。
 ちなみにこの記事はあの48秒の米韓首脳会談よりも前のもの。
 記事中で「今度開催される米韓首脳会談の議題に通貨スワップ協定が加えられた」と堂々と語ってます(笑)。

 韓国側が述べていた「通貨スワップ協定じゃないにしても為替への協力体制」ってどうなったんでしょうかね?
 FRBとの「情報交換」がそれなんでしょうか。
 だとしたら、それまで情報交換もできなかったってことになるからさすがにそれはないか。

 個人的には年末から来年にかけて予想されている半導体不況が、韓国にけっこうなダメージを与えそうな感じがしているんですけどね。
 さてはて。

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韓国とアメリカの政策金利が逆転、その数字が意味する衝撃とは? なお、変動金利がまだまだ増えている模様……

「韓米金利逆転、過去とは異なる衝撃」 韓国を一気に襲う5大リスクとは(朝鮮日報)
消費者物価上昇率が一時9%を越えるほど深刻化したインフレを抑えるための米連邦準備理事会(FRB)による攻撃的な利上げが続き、韓国の政策金利が米国を下回るという金利逆転現象が7月に続いて再び発生した。FRBが21日、3回連続で「ジャイアントステップ(0.75%利上げ)」を断行し、米国の政策金利(3.00-3.25%)は韓国(2.50%)を0.75ポイント上回った。

 米国の金利が韓国を上回ったことで、安全でしかも金利が高い米国へと投資資金が流出し、韓国資本市場に衝撃を与え、大幅にウォン安が進むという懸念が強まっている。 (中略)

 秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相は「過度に不安に思う必要はない」とし、金融監督院も「急激な資金流出の可能性は低い」として、不安を静めようと努力している。過去には韓米の政策金利が逆転しても、打撃が大きくなかったというのが根拠だ。でも、本当に安心してもよいのだろうか。専門家の多くは、過去の逆転期とは異なり、今は物価高、ウォン安に加え、資本市場と家計債務の「バブル」が膨らんでいる状況にあり、韓国経済に大きな衝撃をもたらす危険があると指摘する。 (中略)

 家計債務が1869兆ウォンに膨らみ、韓銀がFRBに追随して攻撃的な利上げを行いにくいことも問題だ。05-07年は家計債務が600兆ウォン台にすぎなかった。 (中略)

金利上昇で株式や不動産など資産価格が下落し、投資資金が海外に流出する危険がさらに高まった。(中略)ソウル大学経済学部のアン・ドンヒョン教授は「韓国など新興国は米国の利上げ速度に追随すると景気低迷懸念が高まり、追随しないとインフレを防ぐことが非常に難しい状況に直面している」と指摘した。
(引用ここまで)


 FRBが政策金利を3.0〜3.25%に上げ、さらに年末には4%になるだろうとの予測がされています。
 現在の韓国の政策金利は2.5%。
 年末までに4%に追随するには0.5%を3回繰り返す必要があります。
 さて、「世界最悪の家計債務国家(総額がGDP超え)」である韓国がどこまで追随できるのか。ちょっとした見ものです。

 現状でも変動金利住宅ローンは6%台前半になっています。
 以前に「7%台になれば月々の返済額は300万ウォンに達する」とされていましたが、それがもはや現実的なところにまで近づいている。

 ちなみに韓国全体の家計債務のうち、78.4%が変動金利であるとされています。

ますます大きくなる変動金利爆弾… 比重78.4%、8年4ヶ月ぶりに最大(聯合ニュース)

 いまだに変動金利の比重が増えているってどういうこと……。
 いまは苦しくてもまた低金利時代がくると予想してるんですかね。
 現状で都市銀行の不動産ローンの変動金利は4.070~6.330%といったところだそうです。


 あ、それと韓国でも太陽光発電投資というものがありまして。
 貸出残高は5.6兆ウォンに及ぶのだそうですよ。けっこうなバブルですね。
 干拓地のメガソーラー(渡り鳥の糞で発電できず)なんかもその一環なのでしょう。
 その貸出残高の90%が変動金利だそうですよ。

5.6兆太陽光ローンの90%が変動金利… 「返済不能の懸念」(ニューシス・朝鮮語)

 太陽光事業の収益性が悪化しているとのことで、ダブルパンチで不良債権化が危惧されている、と。
 なんでこう変動金利大好きなんですかね。

 「変動金利が78%〜」の聯合ニュースの記事によると、固定金利よりも0.3%ほどお得だから……とのことですが。
 確実に「最悪、国家がなんとかしてくれる」というモラルハザードがすでに生じている部分はあると思われます。徳政令を繰り返してますからね。

 ちなみに家計債務とは別腹で自営業の抱える債務も1000兆ウォンに迫っています。
 韓国のGDPが2165兆ウォン。
 家計債務がその1.04倍に達して。
 かつ自営業がその半分ほどの借金を抱えている。総額は3000兆ウォン超え。
 しかもコロナ禍で糸目をつけずにじゃぶじゃぶ貸しつけた……か。

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韓国メディア「通貨スワップ協定が必要だ」「でもあっても効果はないかも」……そのブドウは酸っぱいに決まってますよね?

息の根をつかむ為替レート、米韓通貨スワップ協定ひとつもできないのか(東亞日報・朝鮮語)
21日、ソウル外国為替市場でウォン・ドル為替レートは前日より4.7ウォン上がった1,394.2ウォンに締め切った。為替レートは米国の緊縮が加速するという懸念にドルが強勢を見せて6月1,300ウォンを突破した後約3か月ぶりに100ウォン近く走った。最近、外国為替当局もドルを売却する実介入に乗り出すなど、1,400ウォン阻止のための総力戦に突入したが上昇カーブを破ることはできなかった。

これに韓米通貨スワップ締結が緊急だという指摘が大きくなっている。 (中略)

韓米通貨スワップの実効性に対する懐疑的な視点も存在する。米国と常設通貨スワップを結んだイギリスやユーロ圏、日本などでもドルが強勢を見せているため、通貨スワップが万病薬にはならないとのことだ。イ・チャンヨン韓国銀行総裁も「韓国の通貨価値だけが下落する状況ではない」とし「韓米通貨スワップが強ドルの勢いを防ぐことができるというのは誤解」と話した。
(引用ここまで)


 FRBが政策金利を予想通りに0.75ポイント引き上げて、現在のアメリカの政策金利は3.0〜3.25%となりました。
 現在の韓国の政策金利は2.5%で最低でも0.5%の差をつけられた状況。

 先日も語りましたが、韓国は「家計債務がGDPを超えている」かつ、「不動産ローンの7割以上が変動金利を選択している」という事情からこれ以上の金利上昇は厳しいところがあります。
 投資ファンドはそのあたりの韓国における独自事情を理解して「もう利上げは厳しい」と判断して攻勢をかけている、といった話もすでに出てますね。

 で、これ以上のウォン安を防衛するための最後の盾として通貨スワップ協定が期待されているわけです。
 「48秒の米韓首脳会談で通貨スワップ協定をお願いした」なんて話をするほどに求めているのですよ。


 ただ、韓国国内からは「通貨スワップ協定が締結できたとしても効果はないのではないのだろうか」との声もぽちぽち上がってきています。
 まあ、アメリカと常設スワップ協定を結んでいる日本、イギリス、ユーロ圏、スイスなんかも対ドルでがんがん安くなっているのでそう思うのでしょうけども。
 実際問題、あるとないとじゃ大違いですからね?

 利上げをミリほどもしない日本の円がウォンとさほど変わらないくらいしか下がっていないのも「いざとなったら日本は襲いかかってくる」くらいに認識されているからでしょうしね。
 日本が締結しているドル円スワップは無期限、無制限ですから。
 まあ、それでもそれを原資に介入するなんてことはできはしませんが。

 先日、韓国の聯合ニュースが「今週中にもアメリカとの通貨スワップ協定が締結される」というデマを流して、韓国銀行がそれを即座に否定するなんて茶番劇があったのですが。

韓国中銀、米FRBとの新たな通貨スワップ協定巡る報道否定(ロイター)

 こうした幻を見るほどに通貨スワップ協定を欲しているのだなぁ……というわけです。

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韓国メディア「為替投機勢は『韓国には国内事情からこれ以上の利上げはない』と見定めて攻勢をかけようとしている」「その解決方法は米韓通貨スワップ協定だ!」……またそれか

【9月19日付社説】必要性増した「韓米通貨スワップ」、首脳外交で合意を(朝鮮日報)
これまで韓国政府は「ウォンだけでなく、主要国通貨が全て対ドルで下落している」と説明してきたが、8月以降は状況が変わった。8月初め以降、ウォンは対ドルで5.9%も下落した。ユーロ(-1%)、英ポンド貨(-4.1%)、カナダドル(-1.4%)、オーストラリアドル(-1.3%)など先進国通貨は言うに及ばず、中国人民元(-2.7%)に比べても下落幅が約2倍に達した。

 国際的な為替投機勢力は、米国が攻撃的に利上げを行っても、1800兆ウォン(約186兆円)の家計債務が足かせとなる韓国政府・韓銀は利上げに追随しにくく、韓米間の金利逆転とウォン安が続くという計算しているはずだ。政府・韓銀は数回にわたる口先介入にもウォン売りが続くと、外貨準備を放出し、為替レート1400ウォンの防衛に乗り出している。

 しかし、米国は来年上半期までに政策金利を4%台まで引き上げるとみられ、さらにドル高が深刻化すれば、ウォン相場は1500ウォンまで下落する可能性も排除できない。韓国企業と家計は1998年の通貨危機、2008年の金融危機以外にそんな為替相場を経験したことがない。ウォン安は物価を押し上げ、弱者階層の生活苦が増すほか、外国人の投資資金流出を生み、金融不安を触発する。

 政府・韓銀は、ウォン安を防ぐための緊急対策を講じなければならない。まずは為替相場を安定させる効果が明確な韓米通貨スワップの推進に全力投球する必要がある。
(引用ここまで)


   おや、朝鮮日報も社説で「米韓通貨スワップ協定を早く!」という一派に加わりました。
 それ自体は昨日も伝えたのですが、その中味がちょっと面白かったのでピックアップしてみました。

 すなわち、「外国の為替投機勢力はもはや韓国政府が利上げに向かえないことを知っている」という部分。
 家計負債がGDPを超えているただひとつの国である韓国は、これ以上の利上げを行うと多くの家庭が経済的に崩壊すると見ているのですね。
 そして、問題はそれが事実でありウォン売り介入自体も難しいのが最大の問題です。

 ウォン高ならいくらでも介入しようと思えばできるのですよ。手元にあるウォンを売ればいいだけの話ですから。
 ただ、今回はウォン安であって介入するには手持ちの乏しいドルを売らなければならない。


 日本ですら「どこまで機動的に介入できるのかは難しい側面がある」とされています。

外貨準備、大半はすぐ使えず? 円買い介入に意外な制約(日経新聞)

 ましてや「外貨準備高にどれほど真水があるのか」ともされている韓国の場合、介入すればするほど「手持ちが少なくなっている」ことを宣言するようなものです。

 まあ、こういう構造的な問題が分かっていたからこそ、経済学者や評論家は「一刻も早く米韓通貨スワップ協定を結ぶべき」とか「日韓関係を改善して日本とも通貨スワップ協定を結ぶのだ」と警告していたのですが。

 投資ファンドの立場にしてみれば、動きがあるものほどおいしい獲物になるのです。
 彼らがもっとも嫌うのが凪。
 動きがあればこそ、なんらかの商機が生まれるわけです。
 そんな中、韓国政府は片手を縛られた状態でこの状況を戦わなければならない。
 そりゃま、利上げしてもウォン安基調が止まらないのも当然ですね。

 これから韓国政府が取り得るコースは3つあります。

・アメリカに追随して利上げしてウォン安をなだらかにする → 不動産ローンを抱える国民は月300万ウォン返済コースで不動産バブル崩壊へ。
・利上げせずに放置する → 原材料、燃料費が高騰してインフレ率爆上げ。
・米韓通貨スワップ協定締結 → アメリカにその気はゼロ。

 さあ、どこに活路があるのか。

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韓国メディア「アメリカは首脳会談の時の約束を守れ! 金融安定に協力するって言っただろ!」……せやろか

通貨スワップしないのか、できないのか(韓国経済新聞・朝鮮語)
今の世界の為替市場はまるで巨大な賭博場のようだ。 賭け金(金利を引き上げる余力)があれば生き残って、なかったら死ななければならない非情なゲーム状況だ。 米国が物価高を抑えると述べ、先に金利引き上げのレースを開始した、猫も杓子も「コール」を叫んでいる。 それによって巨大な「マネームーブ」が始まっており、掛け金が落ちた国々から倒れている。 (中略)

韓国も物価急騰と資本流出に対応して金利引き上げにドライブをかけている。一方、経常収支、外国為替保有額などファンダメンタルがよいため、過去のような危機状況を心配する必要はないという主張を忘れない。しかし、状況はそんなに容易ではないようだ。 (中略)

外国為替市場の混乱が危機に転移するのを防ぐ方法は3つある。金利をいくら引き上げても問題のない基礎体力を育てるか、海外資金を吸い上げる投資魅力国にするのが定石だ。しかしこの経路は時間もエネルギーも多くかかる。

即時的には有事に備えた「消防ホース」が必要に見える。そのうちのひとつが韓米通貨スワップだ。(中略)しないのか、できないか分からないが、締結当事者である韓銀側は、「その可能性も、必要もない」と断言する。

また、他の代案として浮上したのが通貨協力体系構築だ。 この5月21日の韓米首脳会談の際、両国は秩序ある外国為替市場に向けてさらに緊密に協議していくと共同声明を発表した。 通貨スワップより少し明確な保険という評価が出た。 しかしどういうことか、その後なしのつぶてだ。 (中略)

韓国と米国は経済・安全保障はもちろん、技術・価値まで共有することにしたグローバル包括的戦略同盟だ。そうした次元で数十兆ウォンの対米投資とインド・太平洋経済フレームワーク(IPEF)参加などを約束したのだ。ちょうどユン・ソクヨル大統領が今回の海外出張時に米国大統領に会う可能性が大きくなっている。外国為替市場などでお互いに聞きたい話をやりとりする席になることを期待したい。
(引用ここまで)


 韓国側の焦りが手に取るように分かる記事。
 特に2008〜9年にかけてのリーマンショック、グレートリセッション時、一時期1ドル=1600ウォンを超えたほどのウォン安に見舞われたのですが。
 アメリカが通貨スワップ協定を結んだこと、日本が通貨スワップ協定の枠を拡大したことでどうにか一息つくことができました。

 そうした盾を持つことができずに、韓国が沈んだのが1997年のアジア通貨危機。
 IMF管理下に置かれたトラウマはいまの40代以上にはきつく刻まれているのでしょう。
 市井から「通貨スワップ協定を一刻も早く」とか「そのために日韓関係改善すべきだ」といった声が上がるのも理解できなくはないですかね。

 アメリカの消費者物価が8.3%上昇したこともあって、9月のFOMCではまた0.75%の利上げが確実視されています。
 韓国にはもうその利上げに追随する体力的な余裕はありません。



 今回、アメリカが0.75%の利上げをするのであれば3.0〜3.25%となり、米韓の政策金利が完全に逆転します。
 韓国も上げようと思えば上げられるのですが。

 0.75%に追随すれば不動産ローンの変動金利上昇に耐えきれず、売却する選択を選ぶ人が多数出てくることでしょう。
 ローン支払いが月300万ウォン以上になることは間違いないですからね。
 10年以上、下手をするとそれ以上の長い間に渡って膨らませてきた不動産バブルの崩壊が目の前に迫っているのです。
 ……できて0.25%かなぁ。

 で、韓国人としては通貨スワップ協定をなんとしてでも結びたいという考えかたになるわけです。
 通貨スワップ協定が結べないにせよ、米韓首脳会談で「外国為替市場の発展について緊密に協議する必要性を認識する」って言ったじゃないか、と。
 あの約束はどうなったんだ、と叫んでいるわけです。
 その後、IPEFにも加入したし、サムスン電子やヒュンダイ自動車が多額の投資を約束しているのに……と。

 実際には米韓首脳会談後の共同声明を見てみると、「緊密に協議する」という話はだいぶあやふやな代物です。
 どちらかというと韓国の市場介入を監視しているという話ではないか、との感触すら受けます。
 韓国の思惑は「常設か、それに準じた通貨スワップ協定がほしい」ということなのですが。
 一方的なドル供給のための通貨スワップ協定は、現状のドル回収に邁進するFRBの方針とは相容れないものです。

 「アメリカは約束を守れ」みたいな話をしているのですが、自分が約束を守らないからこういう扱いを受けるんだよな。
 世界は日本と韓国のやりとりを見てますからね。間違いなく。
 だからこそ「約束」と受け取られる確約を避け、あやふやな文言に終始しているというわけでしょう。

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韓国はすでに中国なしでは生きていけない、サムスン電子、SKハイニクスも巨額投資を行っている……チップ4が成就できない最大原因になりつつある

カテゴリ:経済 コメント:(85)
サムスンの半導体は中国の工場で生産されている…韓国が「中国なしでは生きていけない国」になったワケ(プレジデントオンライン)
端的に、韓国は中国抜きに「経済安保」ができるのか。個人的に、現状ではできないと思っています。韓国では未だ「経済」と「安保」をそれぞれ別のものとして考える人が多く、例えば米韓首脳会談で「安保」について半導体やバッテリー関連の話が出てくると、「それは経済なのに、なんで安保云々の話をするのか」と反感を示す人もいます。

これは中国に経済を依存し、米国に安保を依存するという、いわゆる「戦略的曖昧さ(どちら側なのかはっきりせず、両方から得をする)」に慣れているからです。 (中略)

韓国は経済安保の話が出ると、とりあえず半導体とバッテリーの話をしますが、調べてみると、サムスンなども含めて韓国半導体企業は、中国の工場である程度作ってから韓国に送って(これも韓国からすると「輸入」にカウントされます)、そこに相応の工程を加えて完成させるシステムになっています。 (中略)

関連データがいろんな形で手に入りますが、もっとも分かりやすく書いてあるのは、2022年1月12日の京郷新聞の記事です。記事によると、韓国の中国からの半導体関連輸入は、金額基準で半導体関連輸入全体の39.5%におよびます。

バッテリー分野では、なんと99.3%。これは、そもそも中国で完成させる工程になっており、完成品を韓国が輸入してくるからです。もし何かの理由で、中国がこれらの輸送を遮断すると、韓国の半導体・バッテリー生産プロセスは致命的なダメージを受けるわけです。
(引用ここまで)


 シンシアリーさんの近著である「尹錫悦大統領の仮面」からの抜粋記事だそうです。
 韓国の半導体、バッテリー製造はすでに中国とがっちり組みすぎていて再編することが難しい……との要旨。
 まあ、実際問題として韓国が中国と離れられるかと問われれば難しいだろうな、とは感じます。

 記事にあるバッテリー、半導体の依存についてもかなり大きい。
 サムスン電子、SKハイニクスは巨大な工場を中国に建設済みで、それぞれNANDフラッシュとDRAMを生産しています。
 それぞれの2021年に決定された中国の半導体工場への投資額だけでも450億ドル、200億ドルとされています。
 各国が中国への新規投資に及び腰の状況でもさらっと巨額投資をしてしまっている。

 かつ中国では製品の組み立てもあるので、いわば地産地消の体制が整っているわけです。


 先日の記事で「バイデン政権の最重要政策はチップ4」という話をしましたが。
 個人的にもその成就は難しいかな、とも感じます。
 Diplomat誌にも「ペーパープランとしては最強だが、実際には無理じゃね」という記事が掲載されていますね。

The Chip 4 Alliance Might Work on Paper, But Problems Will Persist(Diplomat・英語)

 まあ、それでもTSMCの日本、アメリカ、サムスン電子のアメリカへの投資等でそれなりのサプライチェーン安定化は目指せそうかな。
 中国封じこめで100点が取れなくても、60点で十分ではないかと。

 経済でがっちり組んでいるほうが戦争の要因にならないなんて声もあるのでしょうが。
 歴史的に見ても経済的相互依存が戦争を起こさないようにできることはない、が正解。どうしたって戦争が起きる時は起きる、とウクライナ戦争は我々に教えてくれています。

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