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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国左派紙「ユン政権が無能なせいで日本に経済成長率で追い抜かれそうなのだ!」

カテゴリ:経済 コメント:(50)
タグ: 韓国経済
[社説]日本に逆転された韓国の経済成長率、政策パラダイムを変えるべき(ハンギョレ)
 今年の韓国の経済成長率が「失われた30年の国」日本に逆転されるものとみられる。韓国の成長率が日本より低くなるのはアジア通貨危機以来初めてで、25年ぶりのことだ。

 経済協力開発機構(OECD)は19日に発表した経済見通しで、今年の韓国の経済成長率を6月の見通しと同じ1.5%と予想した。一方、米国(1.6→2.2%)や日本(1.3→1.8%)、フランス(0.8→1.0%)など世界主要国の見通しは上方修正した。世界経済と主要20カ国・地域(G20)の成長率見通しも6月より0.3ポイントずつ引き上げた。さらに悲観的なのは、韓国経済に対するOECDの見通しがむしろ高い方だという点だ。韓国政府と韓国銀行、国際通貨基金(IMF)の見通しは1.4%、アジア開発銀行(ADB)の見通しは1.3%だ。

 韓国経済の不振が続いている最大の理由が輸出景気の低迷であるのは周知の事実だ。問題は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が現実を直視せずに「上低下高」(上半期よりも下半期の成長率が上がること)という希望的観測で経済政策を展開しているということだ。政府が上低下高の根拠に挙げた中国経済の持ち直しは事実上遠のいている。中国は習近平主席の「共同富裕」政策を明らかにしてから、不動産市場のバブルの解消に取り組んでおり、景気浮揚に限界がある。 (中略)

 このように困難な時であるほど、政府は長期的な観点で企業と家計が再跳躍できる足がかりを作らなければならない。ところが、尹錫悦政権はその反対方向に進んでいる。理念的な富裕層減税で史上最悪の税収パンクを引き起こし、未来のための技術貯蓄ともいえる研究開発(R&D)予算を真っ先に削減した。
(引用ここまで)


 通貨危機発生後、25年ぶりに日本に経済成長率で追い抜かれると予測されています。
 左派紙であるハンギョレはこれをあたかも「ユン政権が無能だから」との文脈で描こうとしているのですが。
 だいぶ無理がある気がしますね。

 韓国の四半期毎の経済成長率はこんな感じ。
 2021年の+1.3%が大きいように見えますが、これは前四半期が-1.4%だったので跳ね上がったように見えるだけ。まあ、その期はまだコロナ禍だったことも大きいですけどね。

2021年 1-3月期 +1.3%
2021年 4-6月期 +0.7%
2021年 7-9月期 +0.3%
2021 年10-12月期 +1.1%
2022年 1-3月期 +0.7%
2022年 4-6月期 +0.6% ※ユン政権発足
2022年 7-9月期 +0.3%
2022年 10-12月期 -0.4%
2023年 1-3月期 +0.3%
2023年 4-6 月期+0.6%

 ただ、ムン・ジェイン政権下ではメモリ価格の高値安定を享受していたのですよ。
 DRAM価格が雪崩を打って値下がりをはじめたのは22年の中頃からでしたからね。
 それでいてあの体たらくかよっていう話もありますが。


 経済面における中国への傾倒、半導体(というかメモリ)頼りの経済構造を選択したのはあくまでもムン政権の方向性なんですよね。まあ、なんならそれ以前のパク・クネ政権からの方向性ですらある。

 2020年の経済成長率がマイナス1.0%で済んだのは「K防疫で自国の被害を最小限にして、経済への波及を抑えこんだ」という設定だったのですが。
 コロナ禍での巣ごもり需要の恩恵をこれでもかとばかりに受けた結果の数字であったことは分かりきった事実。
 ムン政権の後期は経済的にぐだぐだになるはずが「コロナ禍だったからしょうがない」って大目に見られている上に「メモリやディスプレイ価格がアホほど高騰した」ことであたかも経済政策がうまくいっているように錯覚してしまった部分がある。

 それが中国のリスタート失敗、というかもう不可逆にリスタート不可能なんじゃないかってレベルになっていることと、メモリ価格の下落のダブルパンチ。
 あと前期は原油価格が70ドルくらいで安定していたのですが、7月になってから右肩上がりでダメージが蓄積してきている。

 「悪いのはユン政権だ」って言われても……まあ、ひとつの瑕疵、間違いもないのかと言われたらそんなこともないでしょうが。
 そんなんで日本をダシに使われてもな、というのが実際のところですね。

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メモリ不況、中国不況で韓国の輸出幅減少、G20で最悪のものとなる……なお輸入はそれ以上に減っている「不況黒字」が生じている模様

韓国の輸出減少幅…G20で最悪(中央日報)
韓国企画財政部と経済協力開発機構(OECD)などが24日に明らかにしたところによると、7月の韓国の輸出額は前年同月より15.5%減少した。OECD加盟37カ国のうちまだ統計が出ていないコロンビアを除くと4番目に輸出減少幅が大きかった。

ノルウェーが50.2%減、エストニアが19.4%減、リトアニアが16.4%減の順だった。主要20カ国(G20)に含まれる国では韓国の輸出額減少幅が最も大きかった。

7月の輸出額減少幅はG20の6.4%減、G7の0.9%減と比較すると差が目立つ。世界の輸出が鈍化したとはいうが韓国の不振が大きかったという意味だ。6月を除くと今年は1月から7月までいずれも前年比の輸出額減少幅がOECD加盟国で4位以内に入った。

輸入は輸出よりも急速に減っている。韓国の7月の輸入額は1年前より25.4%減少した。OECD加盟国のうち最大の減少幅だ。
(引用ここまで)


 韓国の輸出入が減少の一途を辿っている、とのニュース。
 これは厳しいなぁ。

 韓国経済における稼ぎ頭のDRAM、NANDフラッシュメモリは価格がL字を描いています。
 どうやら底にはついたようですが、そのまま。
 そもそもV字回復は難しいとされていたのですが、ここまで底に貼りついたままになるとは。
 NANDフラッシュメモリはちょこっと上振れしているのですが、それでも一時期の好況から見ると「作れば作るほど赤字がかさむ」状況であるのは間違いないところ。


 それに加えて対中貿易が振るわないのも大きな要因。
 もちろん、中国がもはや韓国の中間材を必要としなくなっている部分も少なくないのですが。
 韓国経済の大黒柱がこうして傷ついているわけです。
 それでもまだ貿易黒字はキープしているのですが、それは輸出の減少よりも輸入の減少が激しいからという不況黒字の形。

 もうちょっと内需を拡大していればっていうのはノ・ムヒョン政権時代から言われて続けてきたことなのですが。
 金大中政権は通貨危機後のIMF管理下に置かれた韓国経済の処理をするために、輸出拡大路線を執ったのはどうしようもなかった部分があります。
 アホほどウォン安になりましたしね。
 で、あるていど立て直せたノ・ムヒョン政権時代こそ内需拡大に向かうべきだったのですが、嬉々として輸出拡大に向かってたからなぁ。

 ついでにいうとその内需部分も金利が上がって苦しそうです。

韓国、家計債務どうする…9月の銀行貸付金利が急上昇、最高年7%突破(ハンギョレ)

 政策金利が上がっても、政府指令で抑えこんでいた市中金利が上昇の兆しを見せています。
 すでに「月300万ウォンの返済になる」レベルの7%に到達しているところも少なくないとのこと。
 なんだろ、四面楚歌?

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韓国の大手都市銀行に「イランリスク」、アメリカの制裁一部解除で1兆3000億ウォンの現金が一気に引き出される事態に

カテゴリ:経済 コメント:(62)
ウリィ銀行「イランリスク」···巨額の資金を1兆ウォン払い、さらには700億ウォン返済まで(ニューデイリー・朝鮮語)
米国とイランが凍結資金の解除に合意し、韓国銀行とウリィ銀行、IBK企業銀行などに預けられたイラン原油決済代金約60億ドル(7兆9500億ウォン)が移転手続きを踏んでいる。

低利で縛られていた資金が海外に一気に流出し、銀行の資金調達競争力が落ちるという懸念が出ている。

5日、金融界によると、ウリィ銀行はイラン中央銀行名義で預けられた資金1兆ウォンとイラン商業銀行名義の資金3000億ウォンを保有している。

今回の凍結資金の解除を受け、ウリィ銀行はイランとの交易で使われた資金約1兆ウォンとそれに対する利子を最近イラン中央銀行に送った。イラン商業銀行の資金である3000億ウォンは、まだ移転作業が完了していない状態だ。 (中略)

その上、昨年ウリィ銀行職員が横領した700億ウォン規模の資金はイラン民間企業がウリィ銀行に預けた預託金だった。ウリィ銀行は横領資金を回収できないまま、自主資金でイラン企業に返済を終えた。
(引用ここまで)


 昨今、インドがロシア産の原油を輸入しまくっていることが報じられています。
 で、インド当局は「支払いはルピー建て」「インド国内の銀行に預金する」との手段をとっています。
 かなり腹黒いやりかたですね。
 で、実はこのやりようにはひな形がありまして。
 それがイランと韓国の取引。

 イランの原油輸出がアメリカの制裁にひっかかった際──

「うちに原油売るといいよ」
「でもドル渡すと制裁にひっかかるからウォン建てで支払うよ」
「韓国国内の銀行にウォン建てで預金して、韓国からの輸入代金に使う用途に使おっか」

 で、イランに8兆ウォンに及ぶ預金をさせていたのですが。
 けっきょく制裁が厳しくなって完全に預金封鎖になり、イラン側からは「話が違う!」となったわけです。
 おまけにイランの預金にまともな金利をつけないなんてこともやってきた。


 韓国の預金封鎖に対してイランの革命防衛隊が韓国のタンカーを拿捕したことについてイランメディアが喝采を上げたなんてこともありました。

イランメディア「韓国という泥棒を捕まえてやったぞ!」とタンカー拿捕に喝采……まあ、それもそもはずで……(楽韓Web過去エントリ)
イラン政府関係者「韓国を侮辱する必要があった」とタンカー拿捕について語る(楽韓Web過去エントリ)

 他の国も預金封鎖はされているのですが、韓国のやりようがあくどすぎたってことですね。
 で、これらの預けられていた8兆ウォンに及ぶ金額がアメリカとの交渉で解除されることになって大パニック(←イマココ)、と。

 中でもウリ銀行については預金から1兆3000億ウォンが減ることになって「イランリスク」が噂されるようになっているわけです。
 先日、セマウル金庫で取りつけ騒ぎが起こったように、韓国では金融機関に対して「敏感な時期」が続いています。
 規模的に見ればそこまで危険ではないと思えるのですが、金融危機はなにがトリガーになるかなんて分からないものですから……。

 あ、記事引用部分の銀行職員による横領についてはこのあとにピックアップします。
 なんでこれをピックアップしていなかったのかも分からないくらいのニュースでした。

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韓国の大企業500社、2/3が「新規採用はない、もしくは未定」……経済が閉塞してますね

カテゴリ:経済 コメント:(69)
タグ: 韓国経済
500大企業の64%は「下半期採用していないか未定」(アジア経済・朝鮮語)
大企業10社のうち6社が下半期の新規採用計画がないか未定であることが分かった。 グローバル景気低迷や中国発経済危機への懸念などの影響で、企業心理が萎縮したためだ。

11日、全国経済人連合会は世論調査会社のリサーチアンドリサーチに依頼、売上高500大企業を対象に「2023年下半期大卒新規採用計画」を調査した結果、このように明らかにした。

今回の調査で回答企業10社のうち6社以上(64.6%)は、今年下半期の新規採用計画を立てられなかったり(48.0%)、採用しない(16.6%)と答えた。 新規採用計画を立てた比重は35.4%で、昨年と採用規模をほぼ同じにするという企業が57.8%で多数だった。 昨年より減らしたり(24.4%)増やす(17.8%)という回答が後に続いた。 (中略)

各企業は、今年の大卒就職競争が昨年より激しくなるものと予想している。今年の大卒新規採用予想競争率は平均81対1だった。昨年の大卒新規採用競争率は、回答企業の平均77対1だった。

昨年、大卒新規入社者の21.9%は経歴を持って新入に志願した「中古新入」であることが分かった。彼らの経歴期間は平均1.4年だった。全経連は「企業が経営環境に早く対応する実務型人材を好み、新入社員採用にも職務経験のある人を優遇する雰囲気が現れている」と説明した。
(引用ここまで)


 韓国の大企業のうち、64%は雇用をしないか未定。
 新規雇用があるとされている35.4%のうち、去年と同じにするとの答えは57.8%。
 減らすが24.4%。増やすが17.8%。
 全体の100分率にすると──

・採用しない 16.6%
・現在未定 48.0%
・去年と同程度 20.5%
・新規雇用を減らす 8.6%
・新規雇用を増やす 6.3%

 あー、どこかで見た風景ですね。
 30年くらい前の日本で氷河期世代が食らっていたアレ。
 あまりにも不況なので雇用を守るために新規雇用をなくしているヤツ。


 これやっちゃうと中流層ががんがん減っていくんですよね。
 実際に日本のデフレも購買力の低下がもたらした部分がある。
 その負債は数十年に渡って呪いのようにまとわりつく。あと少子化促進の効果もあるんですよね。

 韓国を理解するためのキーワードとして「分断」を上げていますが、今回は「正規職 VS 非正規職」というものもありまして。
 明白な違いが見てとれる、と。

非正規職出産率、正規職の「3分の1」にとどまる(国際新聞)

 韓国の大企業の正規職と中小企業の非正規には2015年時点で4倍の賃金差がありました。
 そりゃ正規職の椅子が売買されたり、それで詐欺事件とか起きますわ。

韓国人「8000万ウォン出せば大企業の正規職に就けるよ?」→詐欺だったものの……(楽韓Web過去エントリ)

 公務員都市である世宗市が合計特殊出生率でトップ(とはいえ最新の数字で0.94)なのも「経済状態」こそが韓国の少子化の理由なんですよね。
 そしてそれがよくなることはなさそうだ、と。

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韓国で広がる「9月危機説」、不動産プロジェクトが立ちゆかなくなって不況がやってくるとのストーリー……でもそれ、ちょっとおかしいんですよね

韓国、「9月危機」ないというが…第2金融圏の延滞率急騰に緊張(中央日報)
第2金融圏と呼ばれる銀行以外の金融機関で延滞率の上昇が止まらなくなっている。韓国政府の鎮火にも「9月危機説」が静まらない理由だ。高金利の余波が続く中で第2金融圏から資金を多く借り入れている零細自営業者への貸付がコロナ禍貸付支援終了もあり不健全化するという懸念が出ている。

金融監督院が4日に明らかにしたところによると、相互金融組合(農協、水協、信用協同組合、山林組合)の延滞率は6月末に2.8%を記録した。昨年末の1.52%より1.28ポイント上昇した。不動産景気不振の余波により不動産プロジェクトファイナンス(PF)で延滞が増えたためだ。相互金融の企業向け貸付延滞率は6月末に4.12%で6カ月前の2.23%から1.98ポイント上がった。

この日金融監督院が発表した相互金融の延滞率は、同じ相互金融だが行政安全部が所管のセマウル金庫の延滞率は除外された数値だ。しかし延滞率悪化の様相は「危機説」まで出ているセマウル金庫と似ている。行政安全部によるとセマウル金庫の6月末の延滞率は5.41%だ。昨年末の3.59%より1.82ポイント上がった。やはり不動産PF貸付不良の余波で企業向け貸付の延滞率は6カ月で5.61%から8.34%に2.73ポイント上昇した。

他の第2金融圏の延滞率も上昇傾向だ。6月末基準で貯蓄銀行の延滞率は5.33%で昨年末の3.41%より1.92ポイント上昇した。カード会社の延滞率も同じ期間に1.2%から1.58%に上がった。
(引用ここまで)


 わりと韓国メディアでも取り上げられている「9月危機」の話。
 プロジェクトファイナンス ── いわゆる「不動産開発計画、プロジェクトそのものを担保にして融資してもらう金融商品」── 要は無担保融資でしかないのですが。
 その期日が一斉に来るので不良債権が一気に増えて、金融危機になるだろう……というもの。
 ……うーん、どうなんですかね。

 記事中にあるように延滞率も上がってますし。
 セマウル金庫が取りつけ騒ぎを起こしたように、金融不安も拡大中です。

韓国経済:セマウル金庫に流動性危機説、取りつけ騒ぎが出はじめる(楽韓Web過去エントリ)

 そもそも、セマウル金庫が取りつけ騒ぎを起こした発端もプロジェクトファイナンスの延滞率が上昇しているとの報道からでした。


 現状、韓国では常に金融危機の間際にあるといっても過言ではないでしょう。

 なので……9月危機といってもピンとこないというか。
 いや、そのていどの危機だったらもう来ているよというべきか。

 ある一点が明確なスタート地点として危機が起きるんじゃないんですよ。
 韓国ではIMF管理下に置かれたことによって不況がスタートした、みたいな認識があるのでこうした「○月危機」みたいなものが取り沙汰されるのですが。

 別にIMF管理下に置かれたから不況になったわけでもないし、今回もプロジェクトファイナンスの延滞率が高くなったから不況になるわけでもない。
 ……っていうか、製造業のBSIが67って時点でもう普通に不況ですからね?

 韓国っていま不況の最中にあるんですよ。
 別に9月になったからどうこう関係なしに。

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韓国の半導体不況がどれほどきついのか、数字を出してみた……これはきつい

カテゴリ:経済 コメント:(50)
貿易収支3カ月連続「不況型黒字」···半導体、緩やかな回復に「負傷」の危険(ニュース1・朝鮮語)
=韓国貿易収支が3ヶ月連続「不況型黒字」を記録した中で半導体業況回復が遅い姿を見せている。当初、第3四半期の反騰が予想された半導体業況は8月まで確実な上昇勢を描くことができず下落傾向を継続した。

産業通商資源部が1日発表した「2023年8月輸出入動向」によると、先月の韓国輸出は518億7000万ドル、輸入510億ドルで、8億7000万ドルの貿易収支黒字を記録した。

輸出が11ヶ月連続減少したが、エネルギーと原材料価格下落などの影響で輸入がさらに大きく減った形態の「不況型黒字」を示した。

先月、韓国の輸出は半導体不振に続き石油・石油化学製品も不振により前年同月比8.4%減少した、

半導体輸出は先月21%減の86億ドルを記録し、11ヵ月連続減少傾向を続けた。今年7月33.7%減少したことより改善の流れを見せたものの、依然苦戦している様子だ。

産業通商資源部は第1四半期平均69億ドル、第2四半期平均75億ドルを輸出した半導体が7~8月平均80億ドルを記録し改善の流れを続けたと分析した。

輸出物量はある程度回復したが、価格回復は遅い。7月の半導体輸出物量指数は358.55(2015=100)で前年同月より4.0%上昇し3ヶ月連続上昇傾向を記録したが半導体輸出物価指数は1年前より37.6%低かった。

市場調査機関のDRAMエクスチェンジによると、PC向けDRAM汎用製品であるDDR48Gbの同日基準固定取引価格は平均1.30ドルで、前月(1.34ドル)比2.99%下落した。4月以後、5ヶ月連続下落傾向だ。
(引用ここまで)


 15ヶ月連続で続いた貿易赤字のあと、3ヶ月連続で貿易黒字を計上。
 韓国経済に再起の兆しか……ともされています。
 実際、半導体輸出も前月(7月)比で15%上昇しているとの話。
 メディアによっては「明るい前兆では」ともしています。

3ヶ月連続貿易黒字...半導体輸出1ヶ月15%増(朝鮮日報・朝鮮語)

 ただ、DRAMの契約価格は冒頭記事の引用にあるように下落しています。
 ではなにが起きたのかというと、iPhone15用に使うDRAMが増えただけじゃないかな……と。
 いや、iPhoneシリーズの力はとんでもないものがありまして。 

 メモリの単価が落ちたのに輸出物量が増えて、かつ全体額が上がった理由ってそれくらいしか思い浮かばないんですよね。
 ま、なんともいえないところではありますが。


 さて推測はともかく。
 事実関係をさくっとさらうと去年は6、7、8月の半導体輸出は123億、112億、107億ドルほどあって。
 今年が89億、74億、86億ドル。
 んで、去年10月に100億ドルを切ってから一度も復帰できていない。

 さらっと計算したのですが、去年と今年の1〜8月期の半導体輸出額を比べてみたところこんな感じになりました。

2022 907億ドル
2023 593億ドル

 8ヶ月間で314億ドルの減少。35%減。
 こりゃきつい。

 日本の自動車輸出額が2022年総額で1300億ドルくらい。台数で381万台。
 ざっくり丸めて1ヶ月に108億ドル、32万台ってところ。
 8ヶ月分だと864億ドルくらいで去年の韓国の半導体輸出額にほぼ相当します。
 そのうち、3ヶ月分の売上が消滅したわけですからね。しかも、生産数は同じかそれ以上になっているわけですから。

 そりゃ不況にもなるか……。きっつ。

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ムーディーズ、「半導体メモリ市場、底を打ったものの回復は難しい」と判断、韓国経済はしらばくこのままってこと?

カテゴリ:経済 コメント:(41)
ムーディーズ「半導体、底を打ったけれど早い回復は難しい」(ニューシス・朝鮮語)
30日、国際信用評価会社ムーディーズ報告書によると、最近の半導体経済サイクル周期を見ると、ダウンターン(不況)を経てから短時間で早く回復した過去とは異なり、2017年以降はダウンターンのゴールが深まり、回復が緩やかな曲線を描くトレンドだ。

ムーディーズはこの現象を「長期低迷、静かな回復」と評した。最近、半導体周期は下降局面に入る時には急激に下落し、回復傾向は速度が遅いという解釈だ。

ムーディーズは台湾と韓国を中心に半導体部門が底を打ったと判断したが、今回の下降局面でも似たような推移を見せ回復する顛末だ。

ムーディーズは「メモリー半導体在庫過剰は5月を基点に緩和される傾向で台湾と韓国などで在庫が減少する反騰シグナルが感知されているが、早い回復傾向転換は難しいだろう」と明らかにした。

在庫減少以後、価格上昇が続くべきだが、メモリー半導体市場価格面ではまだ確実な反騰信号が見えない。
(引用ここまで)


 えー、メモリはまったく反騰の様子を見せまていません。
 以前は「今年の第2四半期にも」とされていましたし。
 なんなら「下半期になったら反騰する」とされていました。

 見事なくらいにぴくりともしない状況です。
 これだけ円安になっているのにDRAMもNANDフラッシュメモリも円建てで下落している。
 卸値がどれだけ下落しているのかって話ですね。

 ちょっと前に1万2000円で買った1TBのSN770が9000円。ぐぬぬ。




 まあ……PS5で使えているからいいんだけど。


 韓国の経済状況がよろしくない、特に製造業のBSI(景況感指数)が67にまで下落したのは半導体メモリの価格が上昇しないからとされています。

韓国経済、半導体不況で立ちゆかなくなる……実際の景況感指数(BSI)を見てみると……(楽韓Web過去エントリ)

 製造業BSIが67ってちょっとまともな数字じゃないですからね。

 メモリ価格が上がらないこと、それと中国経済のリオープンが遅れていることから韓国経済の成長率が落ちこんでいます。
 25年ぶりに日韓の経済成長率が逆転されそうだというのも、だいたい7割くらいメモリ価格の問題。

日本のGDP成長率1.5%に焦る韓国、「25年ぶりに日韓の成長率が逆転してしまうかも」(楽韓Web過去エントリ)

 で、ムーディーズは「当分メモリ価格は上がらないんじゃないの」と判断した、と。
 ……勝ち筋がどこにもないなぁ。 

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韓国経済、半導体不況で立ちゆかなくなる……実際の景況感指数(BSI)を見てみると……

カテゴリ:経済 コメント:(51)
タグ: 韓国経済 BSI
半導体不振に製造業体感試合「急落」… 「より悪化する可能性があります」(韓国経済新聞・朝鮮語)
韓国銀行が23日に発表した「8月、企業景気実査指数(BSI)および経済心理指数(ESI)調査結果」によると、今月の製造業業況BSIは前月より5ポイント下落した67を記録した。今月の製造業業況BSI水準は2月63を記録した後6ヶ月ぶりに最も低いものだ。去る5月と6月73を示し、7月72、8月67で2ヶ月連続下落した。

BSIは現在、経営状況に対する起業家の判断と見通しに基づいて算出された統計だ。否定的な応答が肯定的な応答より多い場合、指数は100を下回ります。

企業人が製造業の景気が悪くなったと見たのは半導体景気回復が当初予想より遅れているからだ。業種別BSIを見ると、半導体価格の回復遅延・受注減少の影響で電子・映像・通信装備が8ポイント下落した。中国の鉄鋼需要不振の影響を受けた一次金属は12ポイント下がり、中国内需回復税が遅れるにつれ、化学物質・製品は8ポイント下落した。

特に中小企業の下落傾向が急上昇した。製造業の状況BSIを企業規模・形態別にみると、大企業は2ポイント下落するにとどまった反面、中小企業は8ポイントも下がった。ファン・ヒジン韓銀統計調査チーム長は「電子・映像・通信装備業種で半導体設備、基板製造などを行う中小企業の業況BSIが大きく悪化した」と説明した。

サービス業など非製造業体感競技も3カ月連続で下落した。8月の非製造業業況BSIは75となった。前月比1ポイント下落した。3ヶ月連続で降りる。前方産業の不振により需要が減少し、専門・科学・技術サービス業BSIが8ポイント悪化した。原材料価格の上昇で住宅部門の収益性が悪くなり、建設業も3ポイント下がった。海外旅行需要の増加で国内旅行需要が減ったため、芸術、スポーツ・レジャー関連サービス業の体感景気は11ポイント下落した。

製造業と非製造業を総合した全産業業況BSIは8月71で、7月比3ポイント下落した。
(引用ここまで)


 製造業のBSIが67まで下落。
 きっつ。
 BSIは簡単にいえば「景気がいい」「景気が悪い」との回答が拮抗すれば100になるという数字。
 100を下回れば「景気が悪い」と判断する材料にできるわけです。
 その数値が67。うーむ。

 日本の統計は取り方が違う(景気のいい、悪いが拮抗すると0扱い)のですが。
 コロナ禍の2020年4〜6月期に-44.3%ポイントになったことがあります。
 韓国の景況感はそれに近いくらいの悪さ、といえるのでしょう。

 あ、ちなみに日本の製造業の4〜6月期のBSIは+5.9。韓国的に書けば105.9になります。


 とにかくメモリが売れていません。
 スマホ需要が全世界的に一巡して、かつ中国の不況で買い替え需要が起きづらくなっている。
 中国経済への依存がまずい方向に作用してますね。
 かつては「4-6月期には反騰する」としていたものが「下半期には」になり。
 さらに「年内には反騰が期待される」になりつつある。

半導体メモリー「年内は下落、大手減産も供給過剰続く」(日経新聞)

 下落幅は緩くなったものの、このように「年内いっぱいまで下落を続けるだろう」という予測も出てきました。
 メモリにオールインしている韓国経済は年内いっぱい復活しない、との話ですね。

 いや、これはきつい。
 少なくとも年内まではこの「コロナ禍での日本よりちょっとマシ」レベルの景況感のままってことですから。

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