東京杉並区阿佐ヶ谷市のある大型マートでは青森、茨城、千葉産(産)新米5キロ1袋を3595〜3898円(3万3600〜36400ウォン)で売っていた。 昨年は1500〜1800円(1万4000〜1万6800ウォン)水準だった。 スーパーで会った近藤さん(68)は「高くても高すぎる」と言い、財布の紐をゆるめるのが怖いと話した。 日本は昨夏、不作によるコメ供給難でいわゆる「コメ騒動」を経験した。 10月から本格的に新米が流通し、状況は好転したものの、2倍以上値上がりしたコメ価格は依然として下がる兆しを見せていない。
日本の食卓物価が天井知らずに急騰し、消費支出の中で食料品費が占める比率である「エンゲル指数」も同時に上がっている。 賃金と所得が物価上昇の勢いに追いつけず、それだけ日本国民も生活が苦しくなったという話だ。 世界3位の大国である日本国民のエンゲル指数がかえって高まっている理由はどこにあるのだろうか。 (中略)
エンゲル指数が高くなったからといって、単に日本国民が貧しくなったとは言い難い。 エンゲル指数が20%以下の米国でも、医療費の負担が大きく、食費の割合が相対的に小さく見える傾向がある。 ただし日本の急騰するエンゲル指数の中には賃金停滞、高齢化、為替レート脆弱性など日本が抱いている各種社会·構造的課題が複合的に絡まっているという点で注目される。 (中略)
65歳以上の高齢者と共働き世帯が増加し、加工調理食品の利用人口が増える点もエンゲル指数を引き上げている。 実質賃金が停滞したために共働き世帯の家事時間が短くなり、高い加工食品や半調理食品に対する依存度が大きくなっているという説明だ。
(引用ここまで)
ちょっと面白い記事を見つけたのでピックアップ。
ソウル新聞が「なぜ日本人はますます貧しくなっているのか」とする記事を掲載。
その論拠になっているのが、日本のエンゲル係数が28%に達したというもの。
もうこれは何度か語っているのですが、原因として挙げられるのが年金生活者が多くなっていることから収入が少なくなったこと。
および、教育費や住宅ローンといった大きな支出がなくなったことで収入に対する食料費が高くなったことが原因です。
高齢化が主因ですね。
同様にアメリカでは医療費負担が高く、エンゲル係数を引き下げる要因となっています。
でもまあ、韓国では「日本は貧しくなった」ことは喜ばしいこととして語られるので、このような中味を呻吟することなく報道されているわけです。
その一方で、「韓国もひどいのでは?」との報道もありまして。
物価高で低所得層の食費負担↑…日本もエンゲル指数上昇(中央日報)
こちらの中央日報の記事では「日本も」という形で語られています。
先日も書いたことですが、韓国のエンゲル係数は外食費と酒類購入費用が組み入れられていない参考値でしかなく、2021年で12.8%となっています。
この記事では外食費、酒類購入費を組み入れた場合、エンゲル係数は28.9%となる(だろう)とされています。
日本よりも上……というか、この場合は下というべきか。
しかも、韓国の場合は本格的な高齢社会の到達はこれからなのです。
人口の21%以上が65歳以上の高齢者となる超高齢社会にはまだ到達しておらず、26年頃になるだろうとの予測になっています。
日本は2007年に超高齢社会に突入しているので、もうすでに17年のキャリア。
超高齢社会のベテランとでもいうべきか(自虐)。
それよりもまだ超高齢社会にすらなっていない段階でエンゲル係数が日本よりも高い韓国って……ってなりますわな。
しかも、韓国はいま現在で21世紀に入ってから最悪の不況に面しています。
冒頭記事のコメントもそうした「いや、俺たちは日本どころの騒ぎじゃないぞ」ってものが大半。
まあ、「日本が貧しい」って喜んでいるような状況じゃないんですよ。まず足元を見ろよって話ですかね。
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