23日の政策金利の決定を控え、韓国銀行(韓銀)の悩みが深まっている。米国の緊縮基調が続く中、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「利下げ」圧力が強まっているからだ。
先月13日、韓銀金融通貨委員会は政策金利を0.25%(ベビーステップ)引き上げて3.5%とした。数日後に李昌ヨン(イ・チャンヨン)韓銀総裁が海外記者懇談会で「金利はすでに高い水準」と言及するなどハト派(緩和選好)カラーを表すと、市場は2月の据え置きおよび年内引き下げの可能性にベッティングし始めた。
しかし今月初めに発表された米国雇用指標と1月の消費者物価上昇率、米小売販売などが市場の予測値を上回り、状況は変わった。米連邦準備制度理事会(FRB)が長期間にわたり利上げ基調を維持すると予想され、韓米の政策金利差が拡大する可能性が高まった。これを受け、今月初め1ドル=1210ウォン台だった為替レートは16日、1ドル=1284.8ウォンまでウォン安ドル高が進み、3年国債の利回りも15日に3.502%と1カ月ぶりに政策金利を上回った。
5%前後の物価上昇率にウォン安ドル高まで考慮すると、政策金利を引き上げるのが正しい手続きだ。しかし冷え込んでいく景気を活性化し、高金利による庶民の利子負担を減らすべきという圧力が強い。市場が政策金利据え置きを予想する理由だ。
まず1月の消費者物価上昇率が5.2%と予想値をやや上回ったが、暖房費など公共料金引き上げ要因が大きかったため、上半期には安定的に4%台に入るという見方が出ている。NH投資証券のカン・スンウォン研究員は「追加引き上げの可能性は残しておくものの、2月には据え置いて、その間の利上げ効果を確認する時間を持つのではないだろうか」とし「4-6月期に家賃が下方安定に入れば物価の管理に大きな負担はないとみる」と述べた。ただ「為替レートが変数になるかもしれないが、ウォン安ドルが急激に進む可能性は少ないとみる」と話した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「銀行の高金利で国民の苦痛が大きい」と指摘するなど政府の圧力が強まる点も負担だ。シティのキム・ジンウク首席エコノミストは「韓銀がタカ派的な(緊縮選好)信号を出しながら政策金利を据え置くと予想する」とし「尹政権が緊縮通貨政策のマイナスな影響を憂慮するとみられる」と明らかにした。
少数ではあるが、2月の政策金利引き上げを予想する声もある。LG経営研究院のチョ・ヨンム研究委員は「0.25%引き上げを予想する」とし「物価が依然として落ち着かず、世界的な通貨緊縮の動きが続いているため」と話した。米国が現在4.5-4.75%の政策金利を年内に5.25-5.5%まで引き上げる場合、韓米の金利差が現在の1.25%から2%まで広がる。歴代最大逆転幅は2000年5-10月の1.5%だ。韓米の金利差が大きくなれば安全資産のドルの価値がさらに高まり、資本流出が懸念される。また輸入物価を引き上げ、物価上昇につながる。
(引用ここまで)
韓国の金利政策がどうなるか、との予測ニュース。
景気はしなびつつある……というか、半導体不況が韓国を直撃しています。
輸出は世界の他の国々よりも大きく減少していた、との分析が出ています。
韓国の輸出不振、他の国々より深刻だった(ハンギョレ)
この記事でも去年の第4四半期の貿易総額で半導体が前年同期比-44.5%となっています。
韓国経済の屋台骨を支えているのがメモリ半導体だったわけですが。
とりあえず現状ではDRAM、NANDフラッシュの価格が上向く感触はゼロ。
サムスン電子は系列のサムスンディスプレーから20兆ウォンを借り入れて半導体投資をすると発表しています。
……キャッシュフロー、そんなに悪化してるんか。
サムスン電子「半導体投資」でサムスンディスプレーから20兆ウォン借り入れ(中央日報)
とまあ、確実に景気は悪化しつつあります。
政府の景気判断も「景気鈍化」に転じています。
韓国、物価高に輸出不振…政府の診断が「景気鈍化懸念」から「景気鈍化」へ(中央日報)
景気鈍化に転じたこと、また金利が高止まりしていることから政府からは利下げを期待しているようです。
先日も「銀行は暴利を貪っている」ってユン・ソンニョル大統領が言ってたほどですから。
不動産ローンの金利を下げたい、というのも
ただ問題はアメリカとの政策金利の差で。
3月もアメリカは金利上げてくるでしょうしね。現状、韓国の政策金利が3.5%、アメリカは4.5%。
アメリカは場合によっては6%まで上げるのでは、ともされています。
年内利下げは難しいだろうなぁ。
キャピタルフライトがどのくらいの規模で起きるのか。ちょっと見物ではありますね。
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