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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国で大騒ぎになっているELS投資問題、公共財団まで参加していて50億ウォンが半減以下の大損……一般的なんだなぁ

ELSに50億投資、公共財団…「半分の損失」に監査院が資料を要求(YTN・朝鮮語)
江原道の出捐機関である江原文化財団です。
文化芸術団体と芸術家の創作支援、そして財団の財政自立のために基金を運用します。
税金、出捐金で積み立てた基金の金額は217億ウォン。
安定した預金に91億ウォン、保険会社に76億ウォン入れました。

残りの50億ウォンは少し違いました。

金融機関を通じてもっと積極的に投資しました。 いわゆる株価連携証券、ELSでしたが、元金非保障型でした。
もちろん、ELSが売れた際にはかなり儲かっていました。
2015年から6〜7年間で9億ウォンほどふくれ上がりました。

問題は2021年に再預金を通じて投資した3年満期商品。
香港株価指数によって損益が決定される商品に10億ウォンずつ5回入れたが、これの損失が大きいです。
10億ウォン投資した1月に還付された商品は半分以下の4億4300万ウォンに過ぎませんでした。
残りの40億ウォンも4月に一つ、6月に二つ、7月最後まで順番に満期が到来します。んR もう少し見守らなければならないが、今のところ数十億の損害が避けられないものと見られます。

江原道庁関係者「(安定的な)普通預金に入れれば利子も出ないのに、一銭でも出捐金を節約するためには、積極的な資産管理をしなければならないのではないか。 このような助言のためにそれを(ELS投資)始めたそうです」

銀行でも危険度を知らせ、投機性商品であるだけに投資決定当時から様々な憂慮がありました。
再予置直前に開かれた財団基金管理委員会の会議録があります。 元金保障ができない高危険投資という憂慮からELS投資に乗り出した他の出捐機関がないという委員たちの指摘がありました。
基金管理委員会の運営自体が疎かだったという批判もあります。
財団実務陣が基金を再預置する過程で別途の承認が必要なく、会議で出てきた問題提起もやはり諮問程度であるだけで特別な拘束力がなかったためです。

キム・ジンテ(江原道知事)「後でそのような事実を確認し、それに対して監査まで行い、対策を立てていくところです。 当時の代表取締役については任期をこれ以上更新せずに交代したというお話を申し上げます。 即座に」

江原道議会で問題を初めて提起した後、昨年末に江原道の自主監査が進行され、最近監査院もやはり関連資料を要求するなど事前監査に着手しました。
江原道は当時、ELS投資を決めた財団の経営陣に対して背任の有無などを調べています。
(引用ここまで)


 韓国で大流行した(している)香港ハンセンH指数連動のELS、株価連動証券。
 1月、2月に満期を迎えた分については54%ほどの損が確定しています。
 100万円投資したら、46万円になって帰ってくると。

 ELSの仕組みについては以下のエントリで解説しています。

韓国で中国株連動の金融商品が暴落中……来年に満期を迎えて大損している消費者がいまさら「だまされた!」と大騒ぎ(楽韓Web過去エントリ)

 すごく簡単にいえば、「一定時期、定められた数字よりも上なら利息+元金がもらえる。ダメなら次の一定時期に移行。そこで定められた数字よりも〜を繰り返し、最終的にダメだったら損失が出る」といった金融商品。
 いわゆるノックインオプションを組み込んだもので、「投資」というよりは「投機」、もしくは「ただの博打」。


 今年の上半期だけで10兆ウォンが満期を迎える予定。ハンセンH指数は最近になって盛り返していますが、5年のチャートを見るとこんな感じ。
 2022年の10月にピンポイントで買ったのならなんとかなるかもしれませんが、2年満期のものが多いので現状は厳しいかな。

スクリーンショット 2024-03-03 14.52.21.png

 で、そのハンセンH指数連動のELSを江原道の公共財団、江原文化財団が買っていた(そして損を出している)とのニュース。
 ……いや、すごいね。

 50億ウォンを投資して、59億ウォンになり。再度10億ウォンずつ5回に分けて投資して、20億ウォンちょっとになりそうなのだそうです。
 FX戦士くるみちゃんかな?

 公共財団がこんな金融商品に手を出して儲けて、それに味をしめて再投資して損失を出すっていう。
 ここだけじゃなくて、ELSを買っているユーザーの9割が同じような金融商品に手を出していたって話がありましたが。
 韓国では投機が普通なんだな。

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韓国経済:格差の象徴となった「大企業の雇用率」わずかに13.9%、日本の1/3以下だった……そりゃ少子化も進むよね

カテゴリ:経済 コメント:(57)
大企業の雇用比重、OECD加盟国最低…[社説]これが入試競争·少子化問題を招いた(中央日報・朝鮮語)
韓国の大企業の雇用比重をさらに増やすべきだという国策研究院の主張が出た。 一部で主張する「大企業集中が激しい」という主張を正面から反論する内容だ。 中小企業が企業成長時に発生する追加規制負担のために成長を先送りする「ピーターパン症候群」を解決し良質の大企業働き口を増やす努力が必要だという提案だ。

韓国開発研究院(KDI)のコ·ヨンソン研究副院長は27日「より多くの大企業の働き口が必要だ」という題名の報告書を出した。 報告書によると、2021年の韓国の従事者250人以上の企業雇用の割合は13.9%で、関連統計のある経済協力開発機構(OECD)32の会員国の中で最も低いことが分かった。 大企業が全体の雇用に占める割合を計算してみると、OECD平均は32.2%だ。 韓国は主に300人を基準に大·中小企業を区分するが、OECDは250人を基準とする。

いわゆる先進国と比べると、韓国の大企業の雇用比重が極度に低かった。 米国が57.7%で最も高く、フランス(47.2%)、英国(46.4%)、日本(40.9%)なども40%を上回った。

事業体規模による賃金格差も大きい。 2022年5~9人の事業体の賃金は300人以上の事業体の54%に過ぎなかった。 中堅企業級(100~299人)事業体も71%水準にとどまった。

大企業という良質の雇用が制限され、過度な入試競争と深刻な少子化現象を招いた。 4年制一般大学を入学生の修能成績によって5つの分位に区分した後、1分位(下位20%)から5分位(上位20%)大学卒業生の平均賃金を年齢帯別に計算した結果も公開した。 5分位大学卒業者の賃金は1分位と比較して25〜29才で25%高かったが、40〜44才には51%まで格差が広がった。

上位圏の大学卒業者は大企業への就職、長期勤続などにおいて相対的に有利で、賃金格差を広げたことが分かった。 限定的な働き口を獲得するための競争が大学進学以前から始まり、私教育過熱まで招いた。 建国大のユン·ドンヨル経営学科教授は「大企業と中小企業間の格差があまりにも大きいうえに労働柔軟性が確保されないため、初めての職場が事実上生涯賃金を決める構造」と話した。
(引用ここまで)


 大企業(韓国の場合は従業員300人以上)での雇用割合は13.9%に過ぎず、OECD平均の数字である32.2%の半分以下であることが判明しました。
 さらにいうとアメリカの57.7%、フランス(47.2%)、イギリス(46.4%)、日本(40.9%)などにはおおよそ3倍以上の差がつけられている状況です。

 以前、30大財閥グループに入れるのはざっくり1.6%との数字が出ていました。
 60万人の卒業者に対して、1万人にも満たない雇用しかないのです。
韓国の新卒者が財閥に入れる確率、たったこれだけ! 驚愕の数字だった(楽韓Web過去エントリ)

 30大財閥に入れるのは63人にひとりくらいのとんでもない競争率。

 そしてその枠組みを「大企業」に広げても13.9%だけ。
 7人にひとりも入れない。
 実は問題はそこじゃないんですよね。


 こうした大企業と、そうでない企業の間には給与に圧倒的な差があるのです。
 かつてはサムスン電子と中小企業の格差は4倍でした。これは2015年の数字。
 約10年が経過したいま、格差が縮まっている要因がないので最低でも4倍あるでしょうし、それ以上の可能性すらあります。

 こうした格差が少子化の一因でもあるのですね。
 なんとか一流企業に就職できた人は「もうこんな思いは次世代に伝えたくない」って思うでしょうし。
 中小企業に勤めている人は「あれほど努力してもダメだった」と思うしかない。
 当然、結婚すら諦めざるを得ない状況。

 おまけに今年は新卒就職率21%
 いや、きっつ。
 そりゃ合計特殊出生率が0.72にもなるでしょうし、ここからまだ下がりもしますよ。

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韓国で「株価を高めるための政策が出るに違いない」との期待で株価上昇→出てきた政策は「飴も鞭もない」もので失望売りへ

[企業バリューアップ支援]証券街「ニンジンもムチもないのに誰が参加するのか」(朝鮮BIZ・朝鮮語)
政府が「コリアンディスカウント(韓国株式低評価)」を解消するとして野心的に出した企業バリューアップ(価値向上)支援方案がついに姿を現した。 しかし市場参加者たちは「時間をかけすぎたことにしては内容がない」として残念だという反応を示している。 企業の自発的な参加に焦点が当てられたが、これを可能にするインセンティブやペナルティー(不利益)が足りず、実効性がないという指摘が出ている。

26日、金融委員会が発表した企業バリューアップ支援方案によると、今回の政策には企業参加を強制できる公示義務化などが抜けた。 その代わり、年1回、上場企業のホームページや韓国取引所を通じて自主公示を行うことにした。 ガイドラインは勧告として自律的事項であり、インセンティブの提供などを通じて上場企業の自発的·積極的な参加を誘導するというものだ。

今回の支援策では重要な誘引策として挙げられた相続税引き下げ、配当所得分離課税、自社株焼却時の法人税減免など税制恩恵は除外された。 その代わり、金融委は毎年5月、企業バリューアップの表彰を行う方針だ。 表彰を受けた上場会社は、選定時の表彰日から3年間、税務調査猶予、研究開発(R&D)税額控除事前審査優待、法人税控除など5種の税政支援を受ける。

当初、市場は政府の証券市場浮揚意志がいつもより強いと見て、今回の支援方案に大きな期待をかけてきた。 金融株をはじめ、完成車メーカー·持株会社·公企業など、低(低)株価純資産比率(PBR)株(株)は、次々と上昇する循環買いが続いた。 しかし実際に支援方案が公開されると、これまで政府が明らかにした内容から大きく変わったことがなく「有名な祭りに食べ物はない」という評価が出ている。 同日、有価証券(コスピ)指数は外国人と機関の売りに1%台下落している。 (中略)

ある金融投資業界関係者は「市場はPBRが低い企業を列をなして浮揚策を探すようにさせる程度の強制力のある方案を期待した姿」とし「しかし金融委が今回の支援方案を発表し『企業バリューアップは一つや二つの措置で短期間になされるものではない』という話を継続するが、事実上実効性が大きくないということを自ら認めるのではないか」と話した。
(引用ここまで)


 年初来、KOSPIは下落を続けていたのですが、2月に入ったくらいから上げに転じました。

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 韓国政府が「低PBRを改善する方向性」を打ち出した日ですね。
 PBRは株価資産倍率のことで、ある企業の株価(総額)と、当該企業の持つ資産が同じなら1とされます。
 PBRが1未満であると「事業を継続するよりも、資産を売り払ってもらったほうがいい」と評価されている……といった形になります。
 株価の評価指数のひとつ。

 PBRの高い企業を見てみると、アップルは45.66倍。nVidiaは45.13倍。
 資産よりも株価のほうが高い、つまり企業の事業そのものや方針が評価されているというわけです。まあ、アップルもnVidiaも「設計はしても生産は外部に委託」するタイプの企業なので資産が軽い。
 分母が小さいのでPBRが高くても当然というべきか。
 トヨタは1.47倍、ファーストリテイリングで7.05倍。どうしても生産業は手持ちの資産自体が大きいので、PBRが低めになりがち。サムスン電子も1.5前後ですね。


 去年3月に東証は上場企業に対して「PBRが1倍未満の企業は改善するように」との要請を出しました。
 この要請に対応するためには3つほど手段が考えられます。

1)分母を小さくする=資産を縮小する
2)自社株買いを行って消却し、株価を高める
3)事業をがんばって株価を高める

 1は原則として論外ですが、2、3であれば株価が上昇することになる。
 この東証の要請を見て海外勢が買いに転じた部分も少なくないですね。
 実際にはPBR1倍未満のままであれば東証プライムからスタンダードに落ちるとかそういった罰則もないので「要請」に過ぎないのですが。

 韓国政府はこの東証の要請が効いた様子を見て、同じような政策を打ち出しています。

韓国の株価が反騰、その影には「日本の株価施策を丸パクリ」した疑惑が?(楽韓Web過去エントリ)

 PBRを高める=株価を高くするための政策、「バリューアッププログラム」が打ち出されるとの期待でKOSPIは上がっていたのですね。

 ところが、実際の政策方針が出たらなんの旨みもないものでしかなかった。
 まあ、実際のところは「株価を高めるだけの政策方針」は難しいですけどね。
 で、結果としてKOSPIが下落に転じた……と。

 「ごちそうが出るぞ!」と期待させるだけさせておいて、実際に出てきたのは「水1杯」って感じです。
 韓国の場合、最大の問題は財閥の支配構造。創業者一族で株の大半を抑えていることから「株価を上げることにメリットがない」のですよ。
 相続税が高くなるだけですからね。そこにメスが入らないかぎり、なんの意味もないでしょうね。

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韓国メディア「新NISAと円安で日経平均株価が史上最高値になった」……うーん、ちょっと違うかな

日本証券市場、「失われた34年」取り戻した… 歴代最高価格更新(韓国経済新聞・朝鮮語)
東京証券取引所で日経指数は前取引日より2.19%上がった3万9098.68で取引を終えた。 指数は一時、3万9156まで上昇した。 同指数が3万9000台を超えたのは史上初めて。 日経指数は先立ってバブル経済時代の1989年12月29日に終値3万8915、取引中3万8957で史上最高値を記録した経緯がある。 最高値の記録を更新するまで、34年2ヵ月がかかったことになる。

日経指数は今年に入ってすでに16%ほど上昇するなど強気の流れを見せてきた。 同期間、米国S&P500指数が約5%上昇、コスピ指数が0.07%下落したのとは対照的だ。 この日はNVIDIAなど米国主要半導体企業の実績が市場予想値を上回り、日本証券市場に関連株の買収勢が集中した。 日本経済新聞は「NVIDIAの実績好調に支えられ、半導体関連株に買収注文が流入したうえに輸出関連株も円安の支持を受けた」と報道した。

昨年から続いた日本証券市場の強気要因は、2つの要因が挙げられる。

まず、日本銀行の緩和的通貨政策のおかげで、輸出企業の利益が大幅に増えた。 日本経済新聞によると、今年第1四半期の日本上場企業1020社の純利益展望値は計43兆5000億円(約384兆6000億ウォン)で、歴代最大規模が予想される。 (中略)

日本の金融当局の株主親和政策の誘導と非課税制度の変化による小額投資の活性化も指数を押し上げた主な要因だ。

東京·大阪証券取引所を運営する日本取引所グループ(JPX)は昨年3300ヶ余りの上場企業に公文書を送り「株価純資産比率(PBR)が1倍を下回る場合、株価を引き上げるための具体方案を公示し実行してほしい」と要求した。 (中略)

今年から始まった新小額投資非課税制度(NISA)導入による日本個人投資家の取引増加も証券市場の押し上げに一役買っている。
(引用ここまで)


 今日、日経平均株価が終値での史上最高値を更新しました。
 終値で3万9098円。一気に3万9000円台にまできましたね。
 韓国でも大きく報じられています。

 韓国の代表的な経済紙である韓国経済新聞は冒頭記事以外にもいくつか関連記事を出しています。
 あるいは韓国とどこが違うのか、なぜこれほどに差がついたのかといった記事が多く出ていますね。
 そして多くの場合で冒頭記事のように日本株の高騰を円安と新NISAに求めています。
 まあ、それも間違いではないのですが。

 それよりも大きいのは日本企業が「稼げる力」をつけたこと。
 そして企業ガバナンスを改善して、海外の機関投資家から「投資しやすい対象」と見られたことだと考えています。


 個人的な話をしますが、三菱UFJFGを5000株近くじわじわと買い進めています。
 これは日本の金融機関が「日本国内だけを市場と考えていない」部分が大きいですね。
 三菱UFJFGの2022年度における経常収益率は国内50%、海外50%。
 モルガン・スタンレーに出資した積極性あたりから投資を考えてました。
 日本の低金利はすぐに終わるわけでもないので、金融機関は稼ぐ力を国外に求めるしかなかったのですが。
 三菱UFJはその筆頭といえるものでしょう。

 三菱UFJはその一例に過ぎないもので。
 日本以外で稼ぐ場所をしっかり持っている企業が買われています。トヨタ、ユニクロ、ソニー、任天堂、その他、半導体関連企業など。

 そして、「投資しやすい場」を提供するために企業ガバナンスを改善してきたわけです。
 正直なところ、まだ改善の余地はあるとは考えますが。
 2015年以降にアメリカ・イギリス式のコーポレートガバナンスコードを取り入れたことで海外の機関投資家が日本への投資をしやすい環境になったわけです。

 そこで日韓の違いを見てみましょうか。
 ちょっと前に書いた「財閥による支配構造」が解消されていない。
 正直、なにがあってもおかしくない。
 海外投資家からの視線から「市場の危険性」を見ると、あまり中国のそれと変わらないんじゃないでしょうか。

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日本のトヨタ、台湾のTSMCに差をつけられたサムスン電子の株価、その背景にあるのは「財閥支配」による株価低迷?

日本・台湾の大型株が乱高下しているが、三星電子は?(イーデイリー・朝鮮語)
アジア時価総額ビッグ3の順位がひっくり返った。 1位の台湾TSMCが人工知能(AI)ブームを基に独走を続けている中、日本のトヨタ自動車が7年ぶりにサムスン電子を抜いて2位を奪還した。 史上最大の業績達成を狙うトヨタとは違って、サムスン電子はAIの薫風をまともに活用できずにいるというのが悲喜を分けたものと見られる。

日本経済新聞によると、15日の終値基準でアジア時価総額1位の企業はTSMC(円基準86兆8000円)だ。 TSMCは台湾証券市場で同日だけで7.9%上昇し、史上最高値を更新した。 取引中の一時は上昇幅が9.8%に達した。

TSMCはAI時代の核心恩恵株に挙げられている。 AI学習·駆動に必要な最先端半導体をTSMCで委託生産しようとする需要が増えているためだ。 TSMCはAI半導体を中心に今年の売上が昨年より20%以上上昇するものと予想している。 (中略)

同日、トヨタ(55兆1000億円)も三星(サムスン)電子(54兆9000億円)を抜いてアジア時価総額2位に上がった。 今月6日、日本企業としては初めて時価総額50兆円を突破してから9日ぶりのことだ。 サムスン電子は2016年8月以降、7年6ヵ月ぶりにトヨタに遅れをとる羽目になった。 (中略)

台湾と日本の大型株が高空行進を繰り返す状況で、サムスン電子の株価は不振な要因は何だろうか。 市場ではサムスン電子がAIの薫風にまともに乗れずにいるという指摘が出ている。 AI用高帯域幅メモリー(HBM)市場では、三星電子のシェアは38%で、トップのSKハイニックス(53%)に押されている。 ファウンドリー事業でもTSMCに45.5%pシェアの差で遅れを取っている。
(引用ここまで)


 TSMCが時価総額でアジア1位となって久しいです。
 ドル建ての時価総額にどれだけの意味があるのかという気分がないではないですが。
 それでもニューヨーク市場のADRで30ドル台の頃から見守っていた企業の株価が120ドルを超えるものになっているのはなかなか感慨があります。
 個人的な想定では今頃200ドルくらいにはなっている予定だったのですが、地政学リスクが思ったよりも大きく評価されている感じですかね。
 半導体関連ではTSMCとアプライドマテリアル、信越化学工業を持っているのですが、「あー、あそこでnVidiaかASMLを選択していたらなぁ」とか思わなくもないです。
 余談。

 ついでアジアでの2位はトヨタ。この数ヶ月で1000円近く株価を伸ばしていて2位だったサムスン電子を追い抜きました。
 電気自動車が減速し、実用車としてのハイブリッドが評価されていて実際に売れていることが決算でも確認されたことが大きいのでしょう。
 少なくとも2020年代はハイブリッドが主流になるのだろうなといったところ。

 相対的に地位が低下しているのがサムスン電子。
 韓国からは「コリアディスカウントが行われている」とされています。


[コラム]サムスン・ハンファが示した「コリアディスカウント」の原因(ハンギョレ)

 空売り禁止等の手段がすっかり滑った後に、日本の東証と同様の「PBRを1倍以上にすべき」との施策を導入したことで、年初から続いていた下落基調を反転させることに成功しています。
 とはいえ、年初来ではまだマイナス。
 ……というか、中国株の動きとシンクロしているんですけどね。

 ハンギョレの記事では株価低迷の原因として「財閥支配があり、オーナー一家がすべてを支配していて硬直しているから韓国の株価は伸びないのだ」と指摘しています。

 間違いなく理由のひとつとしてあるでしょうね。
 相続を有利にするためには株価が高くならないほうがいいのですから。
 オーナー一族にしてみれば株価を高くするという動機に欠けているのです。

 わざわざ手持ち現金を減らして株を買い入れる自社株会なんてもっての他、というわけです。
 サムスン電子の配当利回りは1.98%と、利益に比べると高くない水準。
 その背景には「財閥のオーナー一家支配」があるのは間違いないでしょう。

 結果、韓国人は情報や自国通貨で買えるなどアクセスしやすいはずの国内株が上昇しないとの「被害」を受けているともいえます。
 まあ、その財閥支配の下で経済成長を遂げてきたのだから、そのくらいの不自由は甘受せよってことなのかもしれない。

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韓国で「中国株は行ける!」として買った金融商品、元本の半分も戻ってこなくて顧客涙目。今年上半期だけで10兆ウォンが半分以下になる模様。中には違法な販売手段もあったとされるものの……

銀行圏、香港ELS損失6000億を超える…「今後急増の見通し」(ニューシス・朝鮮語)
銀行圏で香港H指数(ハンセン中国企業指数)を基礎資産とする株価連係証券(ELS)損失規模が億ウォンを越えた。 4月までに満期到来額が次第に増え、指数が現水準を維持する場合、商品に加入した投資家の元金損失額が急増する展望だ。

17日、金融界によればKB国民·新韓·ハナ·NH農協·SC第一など5ヶ銀行の香港ELS満期到来元金は1月から15日まで1兆1746億ウォンと集計された。 このうち5384億ウォンが償還され、6362億ウォンの損失を記録した。 確定損失率は平均54.2%だった。

今年上半期、香港H関連ELS満期返済金額は10兆ウォン以上集中している。 月別のH指数ELS満期償還金額は1月9172億ウォンから2月1兆6586億ウォン、3月1兆8170億ウォンに続き、4月2兆5553億ウォンに次第に増える。 5月には1兆5608億ウォン、6月には1兆5118億ウォンが予定されている。

金融監督院(金監院)は5つの銀行と6つの証券会社など計11のH指数ELS主要販売会社に対する2次現場点検に入った。 先立って金融監督院は先月、国民·新韓·ハナ·農協·SC第一など5ヶ銀行と韓国投資·未来アセット·サムスン·KB·NH·新韓など6ヶ証券会社を対象に現場検査を実施した経緯がある。 当初、金融監督院は今月初めに現場検査を終える予定だったが、一部捕捉された不法要因に対する追加確認が必要だという判断に従って、2次検査を進めることにした。

当局は1次現場検査で一部不完全販売事例を確認した。 高齢層の老後保障用資金と近日中に治療目的でお金が支出されなければならない癌保険金などに対して元金が保障されるように投資勧誘をして金融消費者法(金融消費者法)の販売原則の中で適合性原則と説明義務に違反した素地がある事例が捉えられた。

また、証券会社の場合、窓口を訪れた消費者に対する説明や録音義務を履行せず、オンラインで販売したかのように、スマートフォンを代わりに操作して販売した事例も確認された。 一部の銀行は金融危機直後の過去10年の収益率を基準に商品を案内し「20年基準」原則を守らなかった。
(引用ここまで)


 ほとんど「ギャンブル」と言っていい香港ハンセンH指数連動のELS商品についての続報。
 ELSのシステムについては以下のエントリにざっくりとまとめてありますので参考にしてください。

韓国で中国株連動の金融商品が暴落中……来年に満期を迎えて大損している消費者がいまさら「だまされた!」と大騒ぎ(楽韓Web過去エントリ)

 今年に入ってからわずか一ヶ月半で1兆1746億ウォンもの満期がきて、うち返済されたのが5384億ウォンに過ぎなかったそうです。
 償還率45%強。
 ざっくり元本の半額以下になったと考えればよさそうです。

 しかも、これはいわゆる五大都市銀行に限ったもの。
 ELSははそれ以外の貯蓄銀行(預金もできるサラ金のようなもの)や証券会社でも販売ができたため、実際の被害額はさらに大きなものになっていただろうと推測できます。


 「被害」と書きましたが、実際に問題のある販売手段が確認されています。
 元金保証があるかのように勧誘した事例や、説明の録音が必要となる販売事例でも説明の録音を行わずに顧客のスマホでオンライン受付(この場合は録音が必要ない)した例などが確認されているとのこと。

 ただ、そうした例があったとしても、それがすべてであるとは思えないんですよね。
 韓国ではELS投資はそれなりに知られた手段で、今回の香港ハンセンH指数連動ELSも、購入した顧客の9割がすでに同様の商品の購入経験があったとされています。
 中には本当に半ばだまされる形で手元資金を持っていかれたような「被害」もあるのでしょうけども。
 ほとんどの場合は納得ずくで買っているんじゃないかなぁ。

 んで、今年の上半期に満期が来るのが10兆ウォンをわずかに超えるくらいの額。
 2月までの償還額がそのまま適用されるとしたら、戻ってくるのは4兆5000億ウォン前後。
 正直、中国本土の株が香港市場に上場しているものをまとめた香港ハンセンH指数が戻ってくるとも思えないので、さらにひどいことになる可能性のほうが高いですかね。

 それにしても日本円にして1兆円を超える額が半年でノックインオプションのある商品に費やされるとか尋常じゃないなぁ……。
 韓国人の激しい上昇志向を示している、ともいえるか。よく言えば。

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韓国経済:最低賃金をもらえないアルバイト、5人にひとり……地方ではさらにひどいことに

カテゴリ:経済 コメント:(33)
2024年になったが···アルバイト生5人に1人「最低時給の適用を受けられない」(韓経ビジネス・朝鮮語)
2024年度1月から最低時給が9,860ウォンに適用されたが、アルバイト生5人のうち1人は最低時給未満を受け取ることが分かった。 その上、時給が上がったにも関わらず賃金引き上げを体感できないという意見が過半数を越えた。 (中略)

今年に入って賃金引き上げを体感するという応答率は32.8%に過ぎなかった。 2024年基準の法定最低賃金は9860ウォンで、昨年対比2.5%上昇したにもかかわらず、アルバイト生10人中7人は実質的な賃金上昇を体感できなかった。

その理由としては「物価上昇」(50.0%、複数回答)が最も大きかった。 続いて▲賃金引き上げ幅が低調で(33.2%)▲実際の賃金引き上げが適用されず(19.1%)▲勤務時間縮小などで実質賃金が同じか減ったため(10.7%)の順につながった。

今年1月現在、アルバイトの時給を調査した結果、5人に1人(21.6%)は今年の法定最低時給の9860ウォンに満たない時給を受け取っていると集計された。 彼らのうち半分近く(46.9%)は昨年、法定最低賃金である9,620ウォンと同じように受け取っていると答えたことから見て、まだ法定基準に合わせた賃金引き上げがまともになされていないと予想される。

この他に33.4%は2024年法定最低賃金に準ずる9860ウォンを受け取っていると答え、1万ウォン以上2万ウォン未満の時給を適用されているという応答も36.5%に達した。
(引用ここまで)


 わりと楽韓Webで扱うことが多い最低賃金問題。
 2018年、2019年の2年間で30%近く引き上げられてからこっち、結果として時給は下落しています。
 というのも、週に15時間以上働けばもらえる1日分の週休手当というものがあるのですが。
 2018年以降、アルバイトは週15時間未満でのシフトが普通になり、これがもらえなくなりました。

最低賃金が一気に30%アップした韓国、アルバイトにちゃんと支払われているかというと……(楽韓Web過去エントリ)

 2店以上のチェーン店を展開しているオーナーなんかは、別々の店で15時間ずつ働かせて……とかやっているそうですよ。
 そもそも「週休手当? 苦しいから払わない」ってやっているところも多いそうで。

 冒頭記事では「アルバイトは5人にひとりが最低賃金をもらっていない」としていますが。
 これ、業種として全部だからでしょうね。
 コンビニとカフェとかに限定するともっと割合が増えると思います。


 それと最低賃金については地方と首都圏で大きく状況が異なります。
 韓国では全国で同じ最低賃金を導入しているのですが、首都圏では守られていても地方ではそうではないってパターンが多いのです。
 観光客が少なくなって青色吐息の済州島のパターンとか見てみましょうか。

「月にたった148万ウォン」、最低賃金を受け取れない5人未満の企業 女性労働者たち(JIBS・朝鮮語)

 済州島の5人未満の企業では、30%の女性労働者が最低賃金以下で働いている……と。
 これもすべての業種での統計のようなので、また業種別に見たら興味深い結果になると思いますけどね。

 それでも韓国の失業率は3.3%(23年12月)で前月比+0.5%Pと高くなったものの、まだ世界的な水準から見ても低いほう。
 楽韓Webでは「韓国は不況にある」としていますが、単純に失業率を見るとかなり低いままに見えます。
 なぜこうなっているのか、といった部分に言及した去年10月のニッセイ基礎研究所のコラムを置いて終わりにしましょう。

なぜ韓国の統計上の失業率は低いだろうか?(ニッセイ基礎研究所)

 自営業者の多さ、「ただ休んでいる」だけの人の多さなどが作用して、見た目の数字は低くなっている……との結論です。

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韓国サムスン電子、メモリでもスマホでも「超トップ企業」から滑り落ちていく……原因はムン・ジェイン政権下でのあれ

「サムスンに大変なことがあったに違いない」……「失われた10年」の結果は(韓国経済新聞・朝鮮語)
サムスン電子には創業・先代会長の時から降りてきた「宝石」のような事業がある。 それぞれ30年と11年間「世界チャンピオン」の座を守ってきたメモリー半導体とスマートフォンだ。 「超格差」というレッテルが貼られたこれらの品目は、ライバル会社には恐れを、職員には自負心を与えるサムスンの双頭馬車だった。

こうだったサムスンの「ワンツーパンチ」に異常兆候が現れたのは数年前からだった。 製品開発からマーケティング·販売に至るまでライバル企業との戦争で遅れを取り始めたのだ。(中略)サムスン電子のイ・ジェヨン会長が司法リスクにまつわる「失われた10年」の結果がサムスンに新しい宿題を抱かせた。 (中略)

昨年からは懸念が現実となった。 チャットGPTなど、生成型AIサービスに欠かせないHBM市場で2位のメーカーになったのだ。 HBMの最大顧客であるNVIDIAがSKハイニックスの製品だけを受け取ったことによるものだ。 ダブルデータレート5(DDR5)など一般のDラム状況も似ている。 ソウル龍山電子商店街など実物市場では「20%高くてもSKハイニックス製品が良い」という評価が出てくるほどだ。

そのため、人材も流出している。 HBMが代表的だ。 2018~2019年、サムスン電子がHBM事業部の力を抜いた結果、関連人材がライバル会社に大挙離脱したことが分かった。

もう一つの軸であるスマートフォンではアップルという「越えられない壁」に遮られ身動きが取れずにいる。 一時、三星-アップルの2強体制だった600ドル以上の「プレミアム」市場は、今やアップルだけの「一人市場」になった。 昨年アップルの売上占有率が71%に達したことだけを見ても分かる。 三星電子のシェアは17%水準に止まっている。 iPhoneに「高級製品」イメージを与えた影響が大きい。

サムスン電子は新興国で中低価格市場を主導し、出荷量基準シェア1位を2012年から11年間守った。 昨年はアップルに出荷量基準でも王冠を譲った。 サムスン電子の根事業である家電では「ビスポーク」以後に明確な看板製品がないのが残念だと指摘される。
(引用ここまで)


 サムスン電子に黄信号が灯っているとされています。
 半導体ファウンドリビジネスではTSMCに5〜6倍の大差をつけられている状況。
 スマホでは13年間保ってきたシェア世界一をアップルに奪われています。  メモリ価格が上がってきたので、一気に業績が復活するかと思いきや。そこまで伸びていないのが実情。半導体部門の成果給がゼロになるなどしていました。
 AI関連でも必要となる高域メモリ(HBM)はSKハイニックスがほぼ市場を独占してしまっている。

 それ以外でも製品に問題が出るなどしていますね。
 SSDのサムスン980PROでは異常なまでに早くに書きこみ寿命が来てしまうとの致命的な不具合がありました。

Samsung Issues Fix for Dying 980 Pro SSDs(Tom's Hardware・英語)

 唯一の朗報といえばサムスン物産と第一毛織の合併劇に対して、裁判所から「問題なかった」と認定されたくらいですかね。


 合併をパク・クネ政権から認めてもらうためにチェ・スンシルの娘に馬術用のとてつもない優良馬を買い与えるなどしていたとされていたのです。
 後述の実刑判決もこの循環出資解消のための合併が原因。
 その大元の合併劇がなんの問題もないと判断されてしまいました。

サムスン会長に無罪判決 株価操作などで起訴(CNN)

 かなり「無罪はあり得ない」って声もあるので控訴審以降も無罪判決が出るかは不明ですけどね。

 ともあれ、サムスン電子の経営が撚れているのは間違いないところ。
 その原因はムン・ジェイン政権下でのサムスングループへの圧力、司法リスクであったのも事実でしょう。
 韓国でもそのように報じられています。

7年間続いたサムスン電子の司法リスク…台湾TSMCは1位に、日本も大反撃(朝鮮日報)

 2017年に懲役5年の実刑判決で収監。
 翌年の高裁判決で減刑されて釈放されたものの、最高裁では審理差し戻し、高裁の差し戻し審で2021年に再度実刑で収監。
 半年で釈放されて、恩赦されたもののグループの動揺は少なくなかったでしょう。

 サムスン電子にかぎらず、韓国の財閥では極端なまでにトップダウンで経営方針が行われるので、トップが収監されていた期間が相当に効いているわけです。
 魔王ムン・ジェインの魔の手は人口動態だけじゃなく、トップ財閥までダメにしていた、というお話でした。

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