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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国で20代の非正規雇用が増え、正規雇用はごっそりと減少……あれ、「人口減で雇用情勢はよくなる」って設定はどうしたんですかね?

カテゴリ:経済 コメント:(33)
20代非正規労働者の割合 過去最高43%に=韓国(聯合ニュース)
 20代の非正規労働者の数(8月)は10年前の2014年は106万9000人だったが、17年が115万7000人、20年が128万3000人、昨年が142万3000人と増え続けている。

 一方、正規職は14年の227万人から18年は235万3000人に増加したが、20年に211万6000人に減少し、今年は192万9000人と統計開始以来、初めて200万人を割り込んだ。

 ここ10年間に正規職は34万6000人減少し、非正規は39万2000人増加した。 (中略)

 20代の就業率は58.2%から61.7%に上昇。8月では最も高くなったが、非正規の増加がけん引したことになる。
(引用ここまで)


 韓国で20代の雇用で非正規職が増え、正規職がごっそりと減少しているとの統計が出ました。

 現在の20代の人口はちょっとピックアップできていないのですが、現状で20歳代となる1994〜2003年の出生数は625万7000人ちょっと。
 現在の30代(1984〜1993年)の出生数は666万7000人ほど。
 つまり、10年間で41万人ほどの人口減少。率では6%ほど減少しているわけです。

 ですが、10年前と比べて正規職が34万6000人減少。
 非正規職が39万2000人増加。
 よく「人口減で雇用情勢はよくなるだろう」なんて予測が出ていたものですが。
 世代で41万人が減ってもこんな情勢だと。


 非正規雇用って基本的に「雇用の安全弁」です。
 雇用側から見たときに、ですけどね。
 企業側が「とてもじゃないけど正規職は用意できない」状況に陥っていると判断すべきでしょう。

 引用外では「若者が就職の選択肢に『短時間労働で済む』との理由で非正規を考えるようになった」ってあるのですが。
 ……どうだろうなぁ。
 たとえばアベノミクスでは「非正規も正規雇用も増えた」だったのですね。要は雇用全体が増えた。民主党政権時代がひどすぎたって話でもあるのですが。
 このパターンだったら「選択肢として非正規を選んだ」ともいえると思うのですが。

 正規雇用がごっそりと減って、非正規雇用が増えたってのは単に企業側が採用に及び腰になっているってだけじゃないかなって感じです。
 20代で本当に非正規を選択肢として選ぶのかって思いますけどね。自分の20代を考えてみると。

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失業率2.1%、見た目は完全雇用状態の韓国が「底なしの不況感」に囚われている理由とは?

カテゴリ:経済 コメント:(47)
雇用・成長は良い? 体感景気「暗鬱」…韓国版「バイブセッション」懸念(中央日報)
半導体の輸出好調、雇用率が過去最高、1%台の物価上昇率…。

韓国政府が景気回復動向を強調するたびに言及される経済指標だ。一言で韓国経済の状態は「悪くない」ということだ。しかし経済の主体は表面的に表れた指標と体感景気の隔たりが大きいと反論している。 (中略)

表面的な指標は良好だ。統計庁によると、9月基準の雇用率は1年前に比べ0.1ポイント上昇した63.3%だった。1982年の月間統計作成以降、9月基準で最も高い。同じ期間、失業率は0.2ポイント下落の2.1%と、完全雇用水準に達したという評価が出ている。 (中略)

しかし経済主体の景気認識は全く違った。企業景気実体調査指数(BSI)に消費者動向指数(CSI)を反映した経済心理指数(ESI、循環変動値)は2022年7月(100.1)以降100を超えていない。経済心理指数は民間経済主体の経済心理を表す指数で、数値が100未満なら過去の平均より悲観的であることを表す。今年に入ってからは1-10まで93を維持している。 (中略)

例えば雇用の場合、8月基準で全体の賃金勤労者のうち非正規職が占める比率は38.2%だった。2003年以降で2番目に高い。正規職との賃金格差は174万8000ウォン(約19万円)と過去最大になった。「財政雇用」と指摘される60歳以上の就職が増え、雇用錯視現象も表れている。雇用構造が新型コロナ事態以降に変わった影響もあるが、質的な部分は過去より悪化したという指摘が出る背景だ。
(引用ここまで)


 韓国が21世紀になってからこっち、最悪の不況を迎えているって話を何度かしています。
 ただ、韓国における雇用指標は悪くない……ように見えてしまっている。
 雇用率は63.3%。
 失業率は2.1%。

 見た目上はほぼ完全雇用状態。
 ただ、その実態は「求職もせずにただ休んでいるだけ」の人口が250万人を突破している。

韓国、半年以上職探しを続けている「長期失業者」の割合が25年ぶりの値に……本当にきつい不況下にあるんですよ(楽韓Web過去エントリ)

 8月時点で256万7000人。
 韓国人の5%、生産年齢人口の7%が「ただ休んでいる」だけ。


 ついで、記事中にある60歳以上の雇用状況はこんな感じ。

【社説】韓国の60代就業者が過去最多…制度的支援を準備する時だ(中央日報)

 この「60代就業者」によって、雇用率も失業率もごまかされている部分があるのですね。
 「完全雇用状態に見える」だけ。
 結果として景況感、心理指数は冷えこんだまま。底冷えしたまま戻らない。

 韓国人が感じている「景気の悪さ」は一般的な雇用統計からは見えてこないわけです。
 逆に根深いってことでもありますねー。

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韓国の経済成長率「3Qでも0.5%は行くはず……行ってくれ!」→輸出不調、内需は萎れて0.1%と「ぎりぎりマイナスではない」レベルに

カテゴリ:経済 コメント:(55)
輸出さえ萎れた……0.1%「成長ショック」(韓国経済新聞・朝鮮語)
今年第3四半期の韓国経済は0.1%の成長に止まった。 内需はやや回復したものの、経済を支えてきた輸出は後退した。 当初予想した第3四半期成長率0.5%に大きく及ばない「成長ショック」が現れ、年間成長率展望の相当幅下方調整が避けられないという分析が出ている。

24日、韓国銀行(韓銀)が発表した今年第3四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.1%増加した。 第1四半期の1.3%「急成長」以後、第2四半期-0.2%の逆成長を経て再び増加傾向に転じた。

しかし、増加幅は期待に及ばなかった。 これに先立って韓銀は、第3四半期の成長率を前期比0.5%と展望した。 実際の成長率が展望値の5分の1水準に止まった。 前年同期比成長率は1.5%だった。 これも同様に、予測値(2.0%)を0.5ポイント下回った。

輸出が低迷した影響が大きかった。 第3四半期の輸出は前四半期比0.4%減少した。 2022年第4四半期(-3.7%)以後、1年9ヵ月ぶりに後退した。 (中略)

輸入が増加する中で輸出が縮小し、第2四半期-0.1%だった純輸出の成長寄与度は-0.8%ポイントまで減少幅が大きくなった。 対外部門が韓国経済成長の足を引っ張る水準に達したのだ。

輸出不振は、半導体などITと非IT部門を問わず、全方位に現れている。 IT部門は輸出が増加傾向を維持してはいるが、増加幅は鈍化した。 (中略)

心配の大きかった内需は、やや回復する様子を見せている。 第3四半期の内需の成長寄与度は0.9%ポイントと集計された。 (中略)

投資も好調だった。 設備投資は成長率に0.6%ポイント寄与した。 半導体調整器に企業が半導体製造装備投資を増やし、機械類投資が増えた影響だ。 航空機への投資も増加した。 建設投資は不振を免れなかった。 建物建設と土木建設が共に低迷し、成長率を0.4%ポイント引き下げた。
(引用ここまで)


 韓国の第3四半期における経済成長率が発表されました。
 プラス0.1%。
 ……マイナスにならなかっただけって感じですね。
 ちなみに第2四半期はマイナス0.2%。第1四半期がプラス1.3%と思いのほか高かった影響もありますが。まあ、そこから元に戻っただけって感じ。
 第1四半期の伸びが大きかったので、ざっくりと2%台の成長も望める可能性もあり。

 でもまあ、韓国銀行は0.5%の成長を予想していたわけですよ。
 それが0.1%。ネガティブサプライズでした。
 延々とストライキやっている製造業と、価格の伸びが止まってしまった半導体(メモリ)の問題ですね。



 内需は伸びたのですが、これも前期がマイナスだったことが大きな要因かな。
 その中でも建設関連がマイナスなのは痛い。
 2Qも建設投資はマイナス1.1%ポイントの減少、3Qでもマイナス0.4%ポイント。
 いまだに韓国の不動産景気が悪いことが裏付けられたといえますね。

 楽韓Webでは韓国の景気が悪いって話を延々としてきていますが、その傍証のひとつと言えるのではないでしょうか。
 単純に景気が悪いのではなく、構造的に落ちこんでいる。「沈滞」の状況にあるんですよね。

 あ、そうそう。ドル建てのひとりあたりGDPが日本を追い越したってことで、また関連記事がいっぱい出ているんですが。
 そんな中でちょっと面白いタイトルがあったのでお伝えしておきましょう。

「体感できないのは私だけ?」…IMF「韓国1人当たりGDP、日本を余裕で追い抜く」(毎日経済・朝鮮語)

 記事の中では体感できない云々については言及していないのですが。
 まあ、少なくない韓国人の本音でしょう。

 まあ……けっこう多くの人間が日本に来ていて、それなりに見聞していて「これで我々よりもGDP少ない……の?」ってなっているでしょうね。
 多少なりとも地方都市を見れば特に。
 韓国の地方、見るも無惨ですからね……。

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韓国で「フリーターで月100万ウォンだけ稼いで実家で暮らす」、子供部屋韓国人が多数発生中……もはや競争に疲れ切ったか

カテゴリ:経済 コメント:(60)
「月100万ウォンだけ稼ぎます」…。20~30代の「急変」した理由(韓国経済新聞・朝鮮語)
17日、ハンギョンドットコムがジョブコリアに依頼して行ったアンケート結果を見ると、7年前の調査よりフリーター族の割合が増加したことが確認された。 アンケートに参加した求職者·大学生·アルバイト生949人の内、自らをフリーター族と明らかにした回答者は60.6%(575人)に達した。 ジョブコリアが2017年に実施した調査当時(56%)より4.6%ポイント増加した数値だ。

特に、20~30代が占める割合が圧倒的だった。 全体回答者のうち20~30代は85.7%(493人)に達した。 このうち、自発的にフリーター族になった44.8%(221人)を除いた残りは、半分以上は仕方なくアルバロだけを生活していることが分かった。

釜慶大学メディアコミュニケーション学部のイ·サンヨン教授は先立って地域労働社会研究所主催セミナーで「人生に対する自由を追求しながら組織生活を忌避する自発的フリーターと正規職と非正規職の差別、景気低迷などで就職できない非自発的フリーターに区分される」と説明した。

彼らがフリーター族になった最も決定的な理由は就職難だ。 該当年齢帯の約40%(200人·複数回答)が「就職が難しくて」フリーター族になったと答えた。

続いて「直ちに生計費·小遣いを稼がなければならないので」37.1%、「組織·社会生活なしに自由に暮らしたくて」36.5%、「語学研修·大学院など特定目的があって」14.8%の順と現れた。 12.1%は金銭的な欲がなく、11.8%は毎日出勤できないため、フリーター族として生きていると答えた。 (中略)

20〜30代のフリーター族の月収は50万ウォン未満から300万ウォンまで千差万別だった。 最も多い割合を占めた回答は月50万〜100万ウォン未満で27.6%(136人)だった。 月100万〜150万ウォン未満は24.5%、月150万〜200万ウォン未満は19.3%と集計された。 8.5%は毎月200万〜250万ウォン未満の収入を上げた。 月250万〜300万ウォン未満は2.6%に止まった。 その他は0.8%だ。 (中略)

問題は自発的な場合とは異なり、非自発的にフリーター族になった青年たちが労働市場の死角地帯に放置されかねないということだ。 (中略)

実際に統計庁の調査によれば20~34才の青年が初めての就職に成功するのに所要される期間は平均14ヶ月で、2018年以後最長期間がかかった。 初就職まで3年以上かかった青年は87万7000人で、昨年より12万2000人増加した。 逆に3ヶ月未満の場合は同期間325万5000人から16万9000人減少した308万6000人を記録した。
(引用ここまで)


 韓国で「フリーター」が増えている、との統計が出ています。
 ……そりゃまあそうでしょうね。
 とにかく現状の韓国では就職ができないのです。
 大手企業の正規職は夢のまた夢。非正規中小では大手企業の1/4ほどの賃金しかもらえない。
 それなのに大手企業の雇用割合は全体の10.8%でしかない。

韓国経済:大企業の新規就労者、前年同月比で5000人しか増えない……大企業と中小企業の給与格差はほぼ倍、さらに正規と非正規の差もほぼ倍……なのに大企業に就職できているのはわずか全就労者の10%だけ(楽韓Web過去エントリ)

 あの受験地獄をすべて勝ち抜いて、かつ大学でスペックを積んで、14ヶ月の就職活動を経ても10.8%しか大企業の受け入れ口はない。
 ちなみに日本は40%超。アメリカでは50%超。


 それでいて40代半ばで役員コースが開かれてなければ肩たたきされてチキン屋オアダイ。
 この行く末が見えているんだったら、そりゃ優秀な学生はみんな医者になろうとするわ……。
 で、そうした競争からすべり落ちた20代、30代がフリーターになりつつある、と。

 月に50万ウォンから100万ウォン稼いで「とりあえずの生活費を確保する」のだそうですよ。
 実家がある人は実家にずっといると。

「独立の考えはありません」……増える2030カンガルー族(京幾日報・朝鮮語)

 親のすねをとことんまでかじって、フリーターとして暮らすのでしょう。
 「子供部屋韓国人」ですね。

 とてつもなく優秀である、っていうなら韓国っていう国はあるていど過ごしやすいのでしょうけども。
 そうでない人々にはもはや暮らすべき場所ではなくなりつつありますね。

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イメージセンサでも半導体ファウンドリでも「1位から大きく引き離された業界2位」でしかなくなったサムスン電子、かつてのようなごり押しは企業風土ではなくなったのか

ソニーG、画像センサーで首位維持 高機能スマホが拡大(日経新聞)
日本経済新聞社がまとめた2023年の世界市場における「主要商品・サービスシェア調査」によると、スマートフォンのカメラなどに搭載するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)画像センサーの出荷額でソニーグループが52.5%と過半のシェアを握った。

22年は2位の韓国サムスン電子とのシェアの差は29.2ポイントだったが、37ポイント差に広がった。
(引用ここまで)


 イメージセンサーの世界シェアがデータとして出てきまして。
 以下のようになっているとのこと。括弧内は22年比。

・1位 ソニー 52.5%(+5.5%P)
・2位 サムスン電子 15.5%(-2.3%P)
・3位 オムニビジョン 11.4%(+0.3%P)
・4位 オンセミ 6.7%(+0.2%P)

 ここから見えてくるのは「あれ、もしかしてサムスン電子のイメージセンサー搭載しているのってほとんど自社スマホ?」って感触ですね。
 Xiaomi社製のスマートフォンに搭載されているイメージセンサーはサムスン電子製のものですが、中華スマホの多くはこれから中国製センサーに切り替わっていく模様(共産党の命令なので)。

 サムスン電子は以前から「イメージセンサーでシェア1位になる」って言ってはいたのですが、だいぶ迷走気味。
 スマホ用センサーで2億画素とかやってて「本当にそれがユーザーの求めているもの?」ってなってます。画像1枚55MBとかありますからね。
 通常時は1200万画素で、本気を出したときだけ2億画素で撮れるって仕様がほとんどですが。

 ソニーはアップルを抑えているのは大きいですね。TSMCの大分工場もソニーとアップルありきでの建設でしたし。


 もうひとつシェアの話題。
 2Qの半導体受託企業のマーケットシェアが出てきまして。
 こんな感じ。括弧内は1Q比。

・1位 TSMC 62.3%(+0.6%P)
・2位 サムスン電子 11.5%(+0.5%P)
・3位 SMIC 5.7%(±0%P)
・4位 UMC 5.3%(-0.4%P)
・5位 グローバルファウンドリーズ 4.9%(-0.2%P)
 ソース:TREND FORCE

 もうすっかりTSMCにはもう追いつくとかどうとかいうレベルではなくなりましたね。
 「一応、2位にいる」ってだけの状況。イメージセンサーのそれとほぼ同じです。

 イ・ゴンヒが会長を務めていた時代のサムスン電子はもっと恐ろしい企業だった感じがするのですよね。
 ごり押しにごり押しを重ねてシェアを奪ってくるやりかた。
 イ・ジェヨン指揮下になってからその辺が弱くなった。

 ……まあ、ムン・ジェイン政権下で収監されたのも大きな原因のひとつだとは思いますけどね。
 プロポフォールに逃げたりするくらいにプレッシャーがあるのも理解できなくはない。
 けどまあ、トップダウンが社是の企業でトップが弱くなると、こうなっちゃうのか……って感じではあります。

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韓国国内で「独自の金融機能を搭載できる」ほどにシェアを持ったサムスン電子のスマートフォン。ただし、その未来は明るくない模様

ギャラクシー同士で端末を合わせるだけで口座振り込み…韓国サムスン、ウォレットの機能を拡充(KOREA WAVE)
韓国サムスン電子はサムスンウォレットに「タップ振り込み」機能を導入し、「ギャラクシー」のサムスンウォレット利用者同士が端末の背面を合わせるだけで簡単・迅速に相手の口座に振り込みができるようになった。

この機能を利用すれば、振り込み時に相手に口座番号を尋ねたり、入力したりする手間も省け、誤送金のリスクも減少する。

この振り込みは、スマートフォンに搭載された近距離無線通信(NFC)技術をもとに実行される。
(引用ここまで)


 韓国で「ギャラクシー同士ならお金のやり取りができる機能」が搭載されるとのニュース。
 ちょっと疑問に思いませんかね。
 Androidの基本機能ではなく、サムスン電子のギャラクシー独自の機能でそんなことをやってどうするのかと。
 基本的に同一機種のiPhoneであればともかく。

 実は韓国ではサムスン電子のスマートフォンのシェアは73%。

昨年のスマホ販売 サムスンがシェア73%で1位=韓国(聯合ニュース)

 ほとんどがギャラクシーなのです。というわけで、好きなように韓国市場で立ち振る舞うことができるのですね。
 ちなみに残りのシェアのうち25%がiPhone。



 残り2%くらいを中華製Andoroidなどで分け合っている模様。  ただし、若者はかなりiPhoneへと傾倒しているようです。

「彼はいい人、でもiPhoneではなくAndroidを使っているから0点ね」とのネットミームに見るサムスン電子、ギャラクシー衰退の兆し。20代はアメリカでは90%が、韓国でも65%がiPhoneユーザーとの結果も(楽韓Web過去エントリ)

 韓国でも20代のiPhone使用率は65%に達してて、サムスン電子が「もうこれは覆せないのでは……」となっているほどにシェアが固まってしまっている。
 スマートフォン事業については韓国国内で数千万台のシェアを基礎として持っていて、各国でシェアを伸ばすってのがこれまでのサムスン電子のやりかただったわけですが。

 それが通用しなくなりつつある。
 未来への展望が開けていないので「サムスン電子だけ冬景色」とか呼ばれるようになってしまったのですね。

サムスン電だけ「冬」から抜け出せない理由とは(ハンギョレ)

 大企業が死ぬほど嫌いなハンギョレの記事とはいえ、それなりには説得力があるかな。
 本当だったら半導体受託事業が未来への大きな柱になるはずだったのですけどね。

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韓国の農協、漁協などで一気に増加する利息延滞率……2年半前の4倍に。コロナ禍での緊急融資が返済できなくなった模様

カテゴリ:経済 コメント:(43)
不良爆弾になった「地域組合」…農協·水協·山林組合の不良債権だけで15兆ウォン(韓国経済TV・朝鮮語)
農協と水協、山林組合など職能基盤相互金融圏地域組合の貸出規模が400兆ウォンに肉迫する中で、延滞率が急騰し健全性に「赤信号」が灯った。 政界では地域組合が金融当局の監視から外れた「死角地帯」にあったために事態が大きくなったとし、彼らを当局の被監督対象に指定しようという動きが感知される。

7日、共に民主党のユン・ジュンビョン議員室によれば農協と水協、山林組合地域組合らの総貸出は6月末基準で391兆ウォンと集計された。 これは3年6ヶ月前(2021年末)対比で43兆ウォン急増した数値だ。 セマウル金庫と合算した全体相互金融圏の総与信規模は600兆ウォン台と推算される。

金融界が不動産PF不良と景気悪化で不良率上昇という流れ弾をむかえた中で、相互金融の被害はより深刻だった。 総与信規模が348兆5,498億ウォンに達する農協の貸出延滞率は3.81%で、2021年末(0.88%)対比4倍に跳ね上がった。 個別単位組合の中で最高延滞率は37.61%と集計された。

水協の単位組合の平均延滞率は2021年1.64%から今年6月6.08%に、山林組合の単位組合は同期間1.50%から5.63%に跳ね上がった。 3機関とも貸出増加率より急激に不良率が悪化した状態だ。

個別組合の経営状態も不安を加重させている。 昨年末基準で山林組合は140ヵ所のうち半分に近い64ヵ所(45.7%)が赤字だった。 水協は24.4%の22ヵ所、農協は19ヵ所(1.7%)が赤字状態だ。

積もっていく延滞金に各組合中央会では行動に出た。 農協中央会は来月、入札を通じて15兆ウォンに達する不良債権のうち、一部を不良債権投資専門機関に割引売却する予定だ。 中央会が債券を外部売却するのは今回が初めてだ。

金融界では、これらの相互金融が法的に金融会社に分類されず、事実上、管理の死角地帯にあるという指摘が出ている。 農協と信協、山林組合は農林部が管理し、セマウル金庫は行安部が管理する状況で金融当局は相互金融協委員会を通じて「協議監督」形式で間接的な要請程度しかできないためだ。

それさえも農協と信協、山林組合は信用事業に限り金融委の監督と金融監督院の監査を受けるが、農協の次の規模を保有したセマウル金庫はこれさえも該当しない。 責務構造図など各種金融会社の内部統制管理対策も彼らには適用されない。
(引用ここまで)


 韓国の一次産業が不況に耐えることができていない、との数字が出てきています。
 日本の農協や漁協がそれぞれJAバンク、JFマリンバンクといった金融機関を持っているように、韓国のそれも金融機関を持っています。
 で、不況下で貸出延滞率が4倍前後になっているとのこと。

●貸出延滞率
    2021/12  2024/06
・農協 0.88% → 3.81%
・水協 1.64% → 6.08%
・山組 1.50% → 5.63%

 2021年年末といったらコロナ禍で統制がもっとも激しかった頃。
 韓国で累積感染者数が100万人を突破したのが22年2月。その1ヶ月後にはだいたい、1日に30〜50万人くらいが感染してましたっけ。

 この頃は自営業者に向けてばんばんと無利息、超低利息の融資が行われていたのですが。
 あくまでも「緊急融資」で無利息の期間はだいたい2〜3年くらい。つまり、この頃に借りていた融資が返せなくなっている……と。


 ……詰んでません?
 ちなみにシャインマスカットの作付面積がアホほど広がったのがこの時期だったりします。
 個別農協で延滞率37.61%ってところがあるんですが、これぶどう農家が多いところだったりしないかな。
 知らんけど。

 農協の他、水協、山林協でも一気に延滞率は4倍前後悪化。
 自営業の時にも書きましたが、もはや韓国国内の景気は国内産業を支えることができないところにまできているのです。

 ようやく韓国経済が不況に陥っているって話は浸透してきたようですが、まだまだ「これからが本当の地獄だ……」ってとこです。

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韓国、半年以上職探しを続けている「長期失業者」の割合が25年ぶりの値に……本当にきつい不況下にあるんですよ

カテゴリ:経済 コメント:(43)
タグ: 韓国経済 不況
韓国、長期失業者の割合が25年ぶり最高…失業者の5人に1人が「6カ月以上無職」(ハンギョレ)
 8月に集計された韓国の失業者のうち、5人に1人が6カ月以上求職活動をしたにも関わらず働き口を得られなかった「長期失業者」であることがわかった。長期失業者はここ6カ月にわたり増加傾向を示しているが、失業者全体に占める長期失業者の割合はアジア通貨危機以来最も高い水準だ。希望する仕事を見つけられない「仕事ミスマッチ」と雇用鈍化・内需不振など経済状況の影響が複合的に作用した結果とみられる。 (中略)

 働き口を探すために長い時間を浪費しなければならない長期失業者が増えた背景には、求職者が望む良質の仕事が足りない「仕事ミスマッチ」の影響があるとみられる。8月基準で、直前の職場を1年未満で退職した長期失業者の退社理由のうち「時間・報酬などの作業条件が不満」は24.7%に達した。「臨時または季節的仕事の完了」(26.4%)に続き2番目に多い理由だったが、自発的な退社理由としては最も高い割合を記録した。

 長期失業者の割合の増加は、最近の雇用市場の困難さを示すもう一つの指標である「休んでいる」人口の増加とつながる。長期間働き口を見つけられなかった失業者が求職を放棄すれば、非経済活動人口に分類されるが、経済活動を放棄した特別な理由を明らかにしない場合には「休んでいる」人口に分類されるためだ。8月基準の「休んでいる」人口は昨年より24万5千人(10.6%)増えた256万7千人と集計された。これは統計作成が始まった2003年以後、8月基準で過去最も高い水準だ。

 内需不振、雇用鈍化など景気回復の不振が反映された結果という意見もある。
(引用ここまで)


 韓国、泥沼の不況シリーズ。
 失業したまま6ヶ月が経過した失業者の割合が通貨危機後では最悪の数字となった、とのこと。
 8月の数字として1999年の20.1%以来で最悪の20.0%。
 25年ぶりの悪さ。

 まあ、通貨危機の頃はもちろんもっとやばかったんでしょうけども。
 その余波が韓国内を漂っていた頃と同じくらいには現状はやばいってことです。
 なんでこんなに延々と職探しをしているかっていうと、大企業(雇用者250人以上)の雇用が10.8%しかないから。

韓国経済:大企業の新規就労者、前年同月比で5000人しか増えない……大企業と中小企業の給与格差はほぼ倍、さらに正規と非正規の差もほぼ倍……なのに大企業に就職できているのはわずか全就労者の10%だけ(楽韓Web過去エントリ)

 下手に中小企業の非正規なんかに就職した日には、大企業の正社員と比べて1/4の給料しかもらえないわけですよ。そりゃ必死になるでしょ。


 さらにいうともっとまともな給料のもらえる30大財閥とかだともっと狭き門。
 日本なんか話にならないくらいの競争社会なわけですよ。
 で、その競争社会に疲れ果てて、「ただ休んでいる」だけの人々が256万7000人にまで達したと。
 ……韓国の生産年齢人口が3657万人。
 その7%が「ただ休んでいる」のです。

 ま、働きたくてもまともな給料がもらえないから、なにもしてないって話なんでしょうけどね。
 「自分にふさわしい職がないので休むしかないのだ」ってアレ。
 まるで両班っすなー。問題は両班と違ってタバコをくゆらしていても収入が入ってくるわけじゃないってことくらいですか。

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