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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国企業、「あんたのところの政局が不安定で怖いから商品代金は30日以内に支払ってくれ」と日本・ドイツの企業から言われてしまう……まあ、事実だしな

「10社に3社が輸出に打撃」…戒厳から1カ月、韓国中小企業が揺らぐ(中央日報)
仁川(インチョン)の機械メーカーA社は最近為替レートや政治的不確実性のために一日一日が不安だ。核心部品をドイツ・日本から輸入しなければならないが、コスト負担が日々増えているからだ。年商2000億ウォン(約216億円)以上の企業に成長して長期間取引してきた海外企業の態度も急変した。彼らは韓国の政治混乱を問題とみなし、通常180日以降に支払っていた輸入品の購入代金を30日内に決済してほしいと最近要請してきたのだ。 (中略)

半導体装備会社B社は戒厳の余波で400万ドル(約6億3256万円)規模の新規輸出契約が取りやめになる危機だ。長期間接触してきたドイツのバイヤーが先月契約直前に工場実態調査のために訪韓しようとしていた日程が取り消しになり、最終サインができなかった。戒厳と弾劾が続く韓国状況が不安だとして訪問を取りやめたのだ。 (中略)

慶北(キョンブク)にある自動車部品を製造する中小企業C社も、輸出契約を進めたインドおよび日本の完成車メーカーが最近韓国の製造安定性に疑問を呈し、政局が安定するまで交渉を暫定保留しようと通知してきた。納期を適時に合わせられるか心配だというのが理由だった。 (中略)

大企業も同じだ。ある素材関連の大企業関係者は「数十億~数百億ウォンの長期供給契約のためのミーティングが次々と取り消しとなり、数年後の売上に打撃が予想される」とし「海外の顧客にとっては日本・中国など他の選択肢があり、不確実性の大きな韓国企業にこだわる理由はない」と危機感を募らせた。 (中略)

急激なウォン安も致命的だ。大企業の中で今年の事業計画樹立時に現在の水準である1450~1500ウォン範囲で対ドルの為替レートを予測して適用した企業は10社中1社(11.1%)にすぎなかった。 (中略)

高金利と急激に進むウォン安は特に中小企業にとって大きな負担となる。5大都市銀行の中小企業信用貸出金利(新規取扱額平均金利)は先月公示基準で年5.16~6.26%だ。韓国銀行の二度の利下げ直前である昨年9月末(年5.11~6.06%)に比べてむしろ最大0.2%ポイント上昇した。信用格付けが低い場合(6等級以下)は貸出金利が年12%を超えるところもある。

昨年末、銀行圏が健全性管理を強化して融資の門が狭くなったことも中小企業には打撃だ。
(引用ここまで)


 韓国での中小企業の扱いはそりゃひどいもんだとの話は何度となくしてきています。
 ちなみに韓国における中小企業の定義は「従業員300人未満」となっています。資本金とか関係なし。

 大企業から見ると賃金は半分。なんならぎりぎり最低賃金。

韓国で雇用の大半を占める中小企業の職員、ほぼ最低賃金しかもらえていなかった(楽韓Web過去エントリ)

 学生らは「中小企業に入っても未来がないから就職浪人する」「大学を休学する」なんてこともよくやります。

韓国の20代就活生、10人に7人は「中小企業に合格しても大企業に再挑戦する」と答え、希望企業に就職できるまで休学も就職浪人も辞さない構え……そこにある韓国経済の闇とは?(楽韓Web過去エントリ)

 就職浪人を親族らも黙認します。大企業以外は入ってもどうにもならないことを知ってますからね。
 就職浪人したところで大企業に入れる可能性が上がるわけではないのですが、それでも「中小企業に入るよりマシ」なのが実情なのでしょう。


   それでも韓国の企業全体の99%が中小企業ですし、雇用の80%以上が中小企業によるもの。
 韓国経済の実際は中小企業が担っているといっても過言ではないでしょう。

 その中小企業が現在の政局混乱に影響を受けている、とのニュース。
 ……まあ、いくら「実際にはなんの問題もない」って言ったところで、そしてそれが本当の話であったとしても。
 外から見たら──

・「大統領が弾劾されて職務停止」
・「その代行である国務総理も弾劾された」
・「現在は序列3位の財務相が大統領代行をしている」
・「なんならその財務相も弾劾される可能性がある」
・「大統領官邸では警備員と警察が大統領逮捕を巡って衝突している」

 ……商売相手から「政局混乱で未来が見通せない」と言われたら反論できませんわな。
 「掛け売りじゃなくて現金決済で」って言われてもしかたがないレベル。
 最初の「30日以内支払い」はまだ優しさが感じられますわ。

 金利は高止まりしているのにウォン安が続いているっていう謎の状況下。
 まあ、「聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい」ってところですかね。

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韓国シンクタンク「政局不安による経済心理の萎縮は深刻」……もともとの不況にさらに政情不安定の重し、か

韓国開発研「政局不安による家計・企業の心理萎縮、朴槿恵政権当時より深刻」(中央日報)
韓国開発研究院(KDI)は8日、今年1月の経済動向を発表し、「最近の韓国経済は生産増加傾向が鈍化し、景気の回復が遅れる中、不確実性拡大による経済心理萎縮で景気の下方リスクが増大する状況」と明らかにした。昨年1月の発表(「半導体を中心に景気不振が徐々に緩和」など)と比べて新年最初の診断が明確に否定的に変わった。

KDIは経済心理が萎縮する主な理由に国内政治状況を選んだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が先月3日に非常戒厳を宣言した後に解除して以降、弾劾政局を迎えているからだ。KDIが経済動向を発表しながら政治変数に言及するのは異例だ。それだけ現状況を深刻に見ているということだ。

過去の朴槿恵大統領弾劾政局よりも最近の家計・企業の心理萎縮がさらに深刻だと、KDIは説明した。消費者心理指数は2016年10月(102.7)から2017年1月(93.3)までの3カ月間に9.4ポイント下落した。ところが最近は昨年11月(100.7)から12月(88.4)までの1カ月間に12.3ポイントも落ちた。消費者心理指数は100より高ければ長期平均より楽観的で、100より低ければ悲観的という意味だ。朴槿恵大統領当時と比較して最近の景気は良くないため、家計と企業が政治変数にさらに敏感に反応していると解釈される。 (中略)

KDIは内需景気全般について「建設業を中心に微弱な流れ」と説明した。建設業生産は先月まで前月比で7カ月連続減少している。建設業が他の産業生産の基盤の役割をするという点では深刻性が大きい。産業研究院は2日の報告書で「沈滞局面に入った韓国経済が一日も早く回復するためには、関連産業への波及効果が大きい建設投資を拡大しなければいけない」と提案した。建設業に5兆ウォンを投資すれば、製造業など関連産業全体に5兆580億ウォン規模の生産を誘発し、全産業で5万4000人ほどの雇用を創出する効果が期待されると説明しながらだ。
(引用ここまで)


 まあ、せやろうなとしか言いようがない統計が出てきました。
 いわく「政情が不安定なことで経済が廻っていない」と。
 ……でしょうね。

 それでなくても韓国の現状は不況の真っ只中。
 楽韓Web的には「これまで見たことがないレベルの不況」です。
 リーマンショックとかコロナ禍はまだ分かるんですよ。明らかな原因があるので。
 あるいは通貨危機も韓国に原因があったとはいえ、原因が明確になっていた不況のひとつといえるかな。

 現状の不況は別に政情不安が元じゃないですからね。
 不況であったところに、さらに政情不安がやってきた……ってところですから。


 その不況の上に政情が不安定で、政府からの支援がなにも望めないっていうね。
 これ、だいぶきついですね。

 特にきついのが前々からいわれている不動産不況。
 不動産が売れていないのでまず建設業がダメになっている。建設関連は雇用に効くんですよ。人がいないとどうにもならない産業なので。
 結果、雇用にも悪影響が出まくっている。

 さらに新築に引っ越すとなれば家電や家具も動く。
 実需で不動産に流動性があるのって経済に効いてくるのですが、その不動産がなんとも動いていない。
 金利も下げられないからプチバブルすら起こせない。
 それに加えて政情混乱。……これはきついな。

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韓国人「ウォンも韓国株も一斉に売りが入っている。政情が安定しないからだ」……それだけでもないとは思うけども、まあ政情不安も大きな要因か

カテゴリ:経済 コメント:(62)
韓国、連続弾劾で経済パニック…1ドル=1480ウォン台、株価急落(中央日報)
27日の外国為替市場で一時1ドル=1486ウォンまでウォン安ドル高が進み、1ドル=1500ウォンに近づいている。「韓悳洙(ハン・ドクス)弾劾」で韓国国内の政治が混乱しているうえ、米国経済の好調でドル高が続いているからだ。ウォン安ドル高にKOSPI(韓国総合株価指数)も2400台まで下落した。

27日のソウル外国為替市場で韓国ウォンは終値(午後3時30分)基準で前営業日比2.7ウォン値下がりした1ドル=1467.5ウォンで取引を終えた。4日連続で値下がりし、終値基準で今年の最安値だ。特に一時は20ウォン以上も値下がりし、今年の最安値となる1ドル=1486ウォンまで下落した。最大の要因は「韓悳洙弾劾案」だった。特に「韓悳洙弾劾案」に国務委員が集団で反発し、ウォン安ドル高が進んだ。

この日午前、崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は政府ソウル庁舎で主要国務委員と臨時国務委員懇談会を開き、「国家的な非常状況の中で薄氷の上を歩んでいる経済と民生は『権限代行の権限代行』という政治的不確実性拡大に耐えることができない」と明らかにした。 (中略)

ウォン安ドル高が進行する中、国内株式市場も大きく揺れた。この日、KOSPIは前日比1.02%安の2404.77で取引を終えた。外国人投資家が1748億ウォン、機関も1152億ウォンの売り越しとなった。個人が2149億ウォンの買い越しとなったが、指数の下落は防げなかった。KOSDAQは1.43%安の665.97で引けた。新韓投資証券のイ・ジェウォン研究員は「ウォン安ドル高が進む中、大統領権限代行の弾劾という過去にない政治リスクの影響で外国人と機関の資金離脱が表れている」と説明した。
(引用ここまで)


 まだ30日の大納会が各国とも残っていますが、ざっくりと今年の株式指標を見てみましょうか。

 まず日本。日経平均株価は年初来で21%の上昇。
 円安に起因する企業収益の増加、自社株買いなどが多かったために8月の暴落はあったものの健やかに過ごせた1年だったといっていいんじゃないでしょうか。

スクリーンショット 2024-12-29 12.39.10.png

 続いてアメリカのS&P500。
 年初来で25.89%の上昇。基本、右肩上がりでアメリカ経済の底堅さを感じさせてくれました。
 まあ、一部のIT企業が突出して高くなっているだけだって話もありますが……。

スクリーンショット 2024-12-29 12.40.31.png

 チャートの最後は韓国のKOSPI。
 韓国を代表する株価指数で上場企業全体の伸びを見る指標となっています。
 年初来で-9.93%。8月の暴落時をさらに下回る結果ですね。

スクリーンショット 2024-12-29 12.39.49.png

 これは正直きつい。最大手であるサムスン電子の株価が奮わないのが主因といえるとは思います。

 他国のそれを見てみると、イギリスのFTSE100も5.55%上昇。インド、ベトナムも上昇。
 ただし、「ヨーロッパの病人」に返り咲いたドイツDAXが19.17%上昇。「アジアの病人」ともいえる中国の上海総合指数は14.78%上昇。
 下落しているのって、韓国のKOSPIとフランスのCAC40くらいじゃないですかね。


 世界的に株式市場への資金流入がある中、韓国市場からは資金が流出しているわけです。
 ふたつ理由があると思っていまして。

 実際に韓国企業への信頼というか、将来性への疑問が出ている。
 技術面では中国企業に追いつかれているし、生産面ではすでに追い抜かれている。
 メモリ製造でもCXMTがDRAMを、YMTCがNANDフラッシュを製造しています。
 歩留まりや性能はともかく、価格競争力は中国共産党からの支援もあってだいぶ強め。
 そうした「韓国企業の価値毀損」が近い将来にあるのではないかと思われていることがまずあります。
 株価はそうしたものを先取りすることが多いですからね。

 そしてもうひとつの原因が弾劾連発。
 もはや政権が経済を引っ張ることができないと見られているから。
 少なくとも来年前半まではこんな状況が続くのですから、なにも決められない。
 そりゃ外国人機関投資家も逃げますわ。
 「まともな政権運営がされるまで退避」ってだけでも相当な額でしょ。

 「大統領が弾劾されても代理の国務総理の元、国家運営は問題なく行います」って宣言すらできないうちに国務総理が弾劾される。
 週替わり国家元首でなにができるんだっていう。

 追伸・飛行機事故についてはこれといって扱う予定はありません。
 サンフランシスコ空港でのアシアナ機の着陸失敗のように「韓国社会が原因」とかいうものであれば別ですが。

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韓国企業「週52時間の労働時間上限は研究職には過度な規制だ。国会で規制緩和を論議してほしい」→えーっと、その国会ですが……あの体たらくです

カテゴリ:経済 コメント:(44)
「TSMCは12時間労働延長…。週52時間解放してほしい」(アジア経済・朝鮮語)
半導体など先端戦略産業企業の過半が週52時間勤労時間制度をはじめとする韓国規制が競争国より過度だと見るという調査結果が出た。

大韓商工会議所は最近、半導体、二次電池、バイオ、ディスプレイなど先端戦略産業企業433社を対象に「先端戦略産業規制体感度調査」をした結果、韓国先端産業規制水準が競争国より過度だと認識している企業は53.7%だったと25日明らかにした。 「似ている」と答えた企業は23.7%、「過度ではない」と答えた企業は22.6%だった。 (中略)

規制履行負担可否に対しては72.9%が「負担になる」と答えた。 業種別ではバイオが83.6%で最も高かった。 二次電池は73.6%、半導体·ディスプレーはそれぞれ67.3%だった。 (中略)

「人材規制」が後に続いた。 先端戦略産業の特性上、熟練した専門人材の確保が必須だが、週52時間勤務制のために制約が多いという主張だ。 B社関係者は「台湾ファウンドリー(半導体委託生産)業者TSMCは労使が合意すれば一日の勤務時間を12時間まで増やすことができ、徹夜でR&Dに邁進しているが、私たちは週52時間勤務制に足を引っ張られている」とし、「国家で育成する先端戦略産業だけでも勤務時間の残業·特別勤務イシューに例外を適用してほしい」と話した。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン政権の労働に対する政策って基本的に「労働者に優しく」を標榜していたものでした。
 まあ、やりすぎて労働組合が暴走するなんてことも多数ありましたけどね。

韓国の「世界最悪」と呼ばれる労組、労働争議で相手役員をフルボッコで流血沙汰 → 大統領と近しいので無罪放免(楽韓Web過去エントリ)

 ろくに経済成長もしていないのに最低賃金を2年で30%も上昇させていましたし。
 労働時の事故に対しても企業側の責任を強く問う法律を作ってもいましたね。  さらに労働時間を週に52時間までに制限する法律も作りました。

 で、この52時間の規制がかなりきついことになっている、とのニュース。


 肉体労働で週52時間はなかなかにきついですが、研究職であれば週休2日で10時間ちょいの労働でしかない。残業2時間半ってところかな。
 研究が佳境になっているのであれば「肝心なところで帰宅しなくちゃいけない」状況になってしまう。

 その一方でTSMCなんかは「1日に12時間働ける企業戦士募集中」ってやっているのです。
 日本でも「残業をいとわない人材求む」ってやってます。

TSMC、博士獲得へ全国行脚 「昼夜問わず仕事できる人材」(日経ビジネス)

 リゲインのCMのような「ジャパニーズビジネスマン」を欲しがっているわけです。

 そのTSMCをライバル視しているサムスン電子やSKハイニクスも半導体の研究職をもっと働かせたいのですが、週52時間以上の労働はかっちり「違法」となるのです。

 で、今月の頭に終わった通常国会でそのあたりの「研究職にかぎり52時間以上の労働を特例として認める」法案が論議される予定だったのですが。
 予定だったのですが……ね。
 いま、その国会はあんなんなっちゃっているので。

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韓国、半導体市況の悪化で来年の輸出に赤信号が灯る……それでも大統領代理の弾劾は明日決定予定

8.3%→1.5%韓国輸出の曲がり角、来年は落ちることしか残されていない(中央日報・朝鮮語)
韓国経済成長の核心軸である輸出が揺れている。 今年に入って11月までの輸出は8.3%(1~11月基準)増加したが、来年は輸出増加率が1%台に落ち込むという見通しが出てからだ。 半導体輸出に対する依存度が過度に高く、米国·中国に偏った輸出戦略の構造的限界を突破しなければならないという指摘が出ている。

23日、中央日報が5機関(貿易協会·産業研究院·韓国銀行·韓国開発研究院(KDI)·金融研究院)の2025年輸出増加率展望値平均を出した結果、1.5%にとどまったことが分かった。 最も否定的に見た展望値は0.4%(金融研)で、最も高い展望値も2.2%(産業研究院)で、今年の4分の1水準だ。 5機関の来年の輸出額展望値の平均(6987億ドル)で、今年の政府目標値(7000億ドル)を来年も上回ることができない可能性が高いと見た。

来年の輸出展望が暗くなった最大の理由は半導体だ。 今年の半導体輸出は過去最高の1390億ドル(半導体協会推定)を記録し、全体輸出の20%ほどを占めた。 半導体の輸出を除けば、今年11月までの輸出増加率(8.3%)は1.6%へと大幅に下がる。 それだけ半導体効果が大きいという意味だ。 (中略)

韓国が中国から輸入するメモリー半導体は2015年55億ドルから着実に増え、2022年には185億ドルに達する。 産業研究院のキム·ヤンパン研究委員は「メモリー強国である韓国が中国から輸入するメモリーチップ物量は全て貿易戦争によるものであり、韓国の半導体輸出が増加したように見える錯視効果を起こす」と話した。 (中略)

輸出が低迷すれば、韓国経済全般が成長動力を失うだろうという懸念も高まっている。 貿易協会のチョ·サンヒョン国際貿易通商研究院長は「今年の韓国国内総生産(GDP)成長率2.3%(第3四半期基準)のうち純輸出が寄与した割合を計算すると、2.3%ポイント、内需は-0.1%ポイントで計算される」とし「韓国経済を輸出が強く牽引したが、来年に輸出増加率が下がれば経済成長の動力が大きく消える恐れがある」と分析した。
(引用ここまで)


 半導体サイクルが妙に短くなっていて、特にメモリについては今年前半は旺盛な需要があったのですが第4四半期はどうやら供給が需要を上回りそうとの予測が出ています。
 んで、来年の第1四半期はさらに供給が上回って、下落が続きそうと。

 ですが第2四半期くらいからは拮抗して、第3四半期からはまた需要が上回るのではないか……と。
 以前は2年以上の周期だったのですが、下手をしたら1年くらいまで周期が短くなっている感じですね。
 その結果として、韓国の輸出伸び率が大幅に下落するのではないかとの予測記事。


 半導体だけで国の命運が左右されすぎているんですよね。
 あと外需だけでどうにかしようとしすぎている。今年の第3四半期は成長率0.1%と「マイナスにならなかった」だけの結果に終わりましたが。

韓国の経済成長率「3Qでも0.5%は行くはず……行ってくれ!」→輸出不調、内需は萎れて0.1%と「ぎりぎりマイナスではない」レベルに(楽韓Web過去エントリ)

 GDPへの寄与率は輸出が2.3%で、内需はマイナス0.1%。
 内需がいかんせん弱すぎる。
 まあ、「外需に比べて内需は市場が小さいから無視してもいい」って考えかたもあるのかもしれませんけどね。
 国内で商売している人は救われないよね……。

 引用外になりますが、「100が好況と不況の均衡した数値」であるところのPSIは全体で81。
 造船だけが100。
 それ以外の主要業種ですべて100未満。
 でもまあ、ハン・ドクス国務総理の弾劾案提出が決まったのでまだまだ政局争い優先のままです。

「裁判官任命しない」というハン・ドクスに… 民主、弾劾案発議(国民日報・朝鮮語)

 さっそく明日票決だそうで。まあ、弾劾はすでに既定路線。
 新たな大統領代行はチェ・サンモク経済副首相兼企画財政部長官(財務相に相当)となります。
 行くところまでいけばいいさ。

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韓国メディア「日本のエンゲル係数が28%になった。日本人はますます貧しくなっているのだ」……そしてここからが本題ですが、韓国のエンゲル係数は……

カテゴリ:経済 コメント:(97)
なぜ日本国民はますます貧しくなっているのか(ソウル新聞・朝鮮語)
東京杉並区阿佐ヶ谷市のある大型マートでは青森、茨城、千葉産(産)新米5キロ1袋を3595〜3898円(3万3600〜36400ウォン)で売っていた。 昨年は1500〜1800円(1万4000〜1万6800ウォン)水準だった。 スーパーで会った近藤さん(68)は「高くても高すぎる」と言い、財布の紐をゆるめるのが怖いと話した。 日本は昨夏、不作によるコメ供給難でいわゆる「コメ騒動」を経験した。 10月から本格的に新米が流通し、状況は好転したものの、2倍以上値上がりしたコメ価格は依然として下がる兆しを見せていない。

日本の食卓物価が天井知らずに急騰し、消費支出の中で食料品費が占める比率である「エンゲル指数」も同時に上がっている。 賃金と所得が物価上昇の勢いに追いつけず、それだけ日本国民も生活が苦しくなったという話だ。 世界3位の大国である日本国民のエンゲル指数がかえって高まっている理由はどこにあるのだろうか。 (中略)

エンゲル指数が高くなったからといって、単に日本国民が貧しくなったとは言い難い。 エンゲル指数が20%以下の米国でも、医療費の負担が大きく、食費の割合が相対的に小さく見える傾向がある。 ただし日本の急騰するエンゲル指数の中には賃金停滞、高齢化、為替レート脆弱性など日本が抱いている各種社会·構造的課題が複合的に絡まっているという点で注目される。 (中略)

65歳以上の高齢者と共働き世帯が増加し、加工調理食品の利用人口が増える点もエンゲル指数を引き上げている。 実質賃金が停滞したために共働き世帯の家事時間が短くなり、高い加工食品や半調理食品に対する依存度が大きくなっているという説明だ。
(引用ここまで)


 ちょっと面白い記事を見つけたのでピックアップ。
 ソウル新聞が「なぜ日本人はますます貧しくなっているのか」とする記事を掲載。
 その論拠になっているのが、日本のエンゲル係数が28%に達したというもの。

 もうこれは何度か語っているのですが、原因として挙げられるのが年金生活者が多くなっていることから収入が少なくなったこと。
 および、教育費や住宅ローンといった大きな支出がなくなったことで収入に対する食料費が高くなったことが原因です。
 高齢化が主因ですね。

 同様にアメリカでは医療費負担が高く、エンゲル係数を引き下げる要因となっています。
 でもまあ、韓国では「日本は貧しくなった」ことは喜ばしいこととして語られるので、このような中味を呻吟することなく報道されているわけです。


 その一方で、「韓国もひどいのでは?」との報道もありまして。


物価高で低所得層の食費負担↑…日本もエンゲル指数上昇(中央日報)

 こちらの中央日報の記事では「日本」という形で語られています。
 先日も書いたことですが、韓国のエンゲル係数は外食費と酒類購入費用が組み入れられていない参考値でしかなく、2021年で12.8%となっています。

 この記事では外食費、酒類購入費を組み入れた場合、エンゲル係数は28.9%となる(だろう)とされています。
 日本よりも上……というか、この場合は下というべきか。

 しかも、韓国の場合は本格的な高齢社会の到達はこれからなのです。
 人口の21%以上が65歳以上の高齢者となる超高齢社会にはまだ到達しておらず、26年頃になるだろうとの予測になっています。

 日本は2007年に超高齢社会に突入しているので、もうすでに17年のキャリア。
 超高齢社会のベテランとでもいうべきか(自虐)。
 それよりもまだ超高齢社会にすらなっていない段階でエンゲル係数が日本よりも高い韓国って……ってなりますわな。

 しかも、韓国はいま現在で21世紀に入ってから最悪の不況に面しています。
 冒頭記事のコメントもそうした「いや、俺たちは日本どころの騒ぎじゃないぞ」ってものが大半。
 まあ、「日本が貧しい」って喜んでいるような状況じゃないんですよ。まず足元を見ろよって話ですかね。

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戒厳令以降の政情不安定さで韓国ウォンがだだ下がり。ついに「マジノ線」である外貨準備高4000億ドルを下回って「IMFのトラウマスイッチ」が入る寸前に

カテゴリ:経済 コメント:(72)
ウォン相場守ろうとしたが…4000億ドルのマジノ線が揺れる=韓国(中央日報)
ウォン安ドル高時代に韓国政府の外国為替対応能力が試験台に上がった。外貨準備高だけでなく、外国為替平衡基金まで動員するなど対応に出た。だが過去のマジノ線まで崩しかねない「緊急処方」の性格で警告音が鳴っている。

12月3日の非常戒厳事態から14日の大統領弾劾に至るまで為替相場は株式市場とともに最も速く大きく揺れ動いた。3日に非常戒厳を宣言した直後にはウォン相場が1ドル=1443.51ウォンまで落ち込んだ。外国為替当局が火消しに出たが、弾劾案を可決した後の16日も1435ウォンで取引を終えた。先月から続いた1ドル=1400ウォン台が「ニューノーマル(新しい標準)」として定着する様相だ。

為替相場は経済の体力を反映する。ウォン下落が経済のファンダメンタルズ(基礎体力)低下と関連するならば軽く見る問題ではない。その上対外依存度が高い韓国が為替危機に弱い点も考慮しなければならない。ウォン相場が1400ウォンを超えたのは1990年に為替相場変動制を導入してから通貨危機があった1997年、世界的金融危機があった2008年、レゴランド事態と米国の利上げがあった2022年の3回だ。それでも企画財政部と韓国銀行は「ウォン安に問題はない」と釈明してきた。

現在のウォン安ドル高のリスクは過去と違い複合危機である点が特徴だ。漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「過去の1400ウォン台の相場が外部変数にともなう危機だったなら現在は米中覇権競争と第2次トランプ政権発足という外部変数だけでなく経済の柱である輸出が揺れるところに弾劾政局という内部変数まで重なった点で違いがある」と話した。

問題は政府の釈明と違い、外貨準備高と外国為替平衡基金による対応手段がいずれも揺れている点だ。韓国銀行によると、外貨準備高は先月末基準4153億9000万ドルを記録した。政府が非常戒厳事態以降の為替対応に積極的に出ただけに外貨準備高が減った可能性が大きい。外貨準備高は2021年10月に4692億1000万ドルで過去最大を記録してから3年にわたり減少している。

外貨準備高が十分ならば国の信用度が上がり海外調達費用を低くする効果がある。通貨危機まで体験した韓国は「心理的マジノ線」である外貨準備高4000億ドルの確保に特に敏感だ。外貨準備高が4000億ドルを下回ったのは2018年5月が最後だ。
(引用ここまで・太字引用者)


 あー、太字部分が韓国人の基本認識なのか……。
 だから「日本は円安で滅びた」みたいな記事や、韓国人の意識があるわけですね。
 確かに韓国の場合は通貨危機で国が滅びたからなぁ。

 でも、その際のウォン安は「国が滅びたからウォン安になった」のであって、「ウォン安が原因で国が滅びた」のではないのですけどね。
 やりたい放題やって、「危機だ!」ってなったら国庫に1ドルも残ってなかったっていう。
 「国家が破産する日」って映画では、アメリカの陰謀だみたいな描写をしてましたね。

 ま、それはともかく。
 戒厳令からこっち、通貨が不安定になってて外貨準備高が4000億ドルを割りこみそうだ、とのニュースがぽつぽつと出はじめています。

韓国・外貨準備高が危機的水準に?…「非常戒厳」の余波で4000億ドル割れの懸念(KOREA WAVE)

 「4000億ドル」が韓国における「マジノ線」となっているのですね。


 ハードカレンシーを持たない韓国の場合、外貨準備高こそが生命線であるとの認識なのです。
 経済構造が徹底した外需頼りでもあるので「国の裏書き」が重要になるわけですよ。
 以前から「4000億ドルを保つことこそが大事」としています。

韓銀総裁「適切な時点でアメリカとの通貨スワップ協定は結ばれる。まだその時が来ていないだけだ」とドル流動性に自信。また「アメリカの政策金利に自動的に追随はしない」とも発言(楽韓Web過去エントリ)

 この過去エントリでもイ・チャンヨン韓銀総裁が「外貨準備高は4000億ドル以上ある、充分な量だ」と述べていました。
 逆説的に4000億ドル以下になると不安定さを露呈する、とも読めますね。

 上記の通貨危機からIMF管理下に置かれたことは韓国にとってトラウマといってもいい出来事です。
 そして外貨準備高が減るたびに、反比例してトラウマメーターが上昇していくのです。
 現在はトラウマメーターが出番を待っている、ってところですね。
 もう電源は入って暖機運転まで済ませている感じかな。

 あと4000億ドルって聞いてなんか聞き覚えがあるなと思ったらイーロン・マスクの個人資産でしたわ。

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ユン大統領弾劾で、経済政策も180度転換か。チェコへの原発輸出、ガス田開発、半導体支援策などにストップがかかる可能性も

【尹弾劾訴追】原発復興からガス田、半導体まで……ユン産業政策の動力弱化(聯合ニュース・朝鮮語)
尹錫悦、大統領に対する国会弾劾訴追案が14日可決されたことにより、原発産業復興、「大王鯨」ガス田開発、半導体産業支援など「ユン·ソクヨル票」産業政策動力が弱化する展望だ。

半導体業界は政府の半導体支援政策弱化が国家対抗戦様相で繰り広げられる世界的競争激化の中で、ややもすると競争力強化のための「ゴールデンタイム」を逃す結果につながりかねないと憂慮する。

政府と業界によると、まず新規大型原発3基の建設を含めた第11次電力需給基本計画(電基本)の確定日程が不透明になった。

政府は2038年までに少なくとも3基の新規大型原発を建設し、2035年からは初の小型モジュール原子炉(SMR)を稼動する内容を盛り込んだ第11次電気本案をまとめ、早ければ今月中に国会報告の手続きを経て確定する計画だった。

政府はさらに、直ちに新しい原発敷地選定作業に着手しようとした。

しかし、尹錫悦、政府の国政動力が弱まり、原発建設に否定的な共に民主党が主導する野党が政局の主導権を握ることになり、電気本が国会報告の敷居を越えることができないという観測が出ている。 (中略)

弾劾政局は来年3月が期限であるチェコ原発輸出契約の確定にも影響を与えるという観測もある。

チェコ当局はまだ韓国と契約推進方針に変わりがないという立場だ。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領が弾劾されたことで、これまでやってきた経済政策もすべて覆されそうだとするニュース。
 ここでは原発、ガス田開発、半導体支援について書かれていますね。
 引用部分では原発のところまでになっていますが、その他の事業もそれぞれ潰されそうです。

 特にチェコへの原発輸出までなくなりそうだ、としています。
 日本の常識では「そんなことある?」って思えるかもしれませんが。
 韓国の場合ではあるのです。

 パク・クネ大統領(当時)がUAEとの原発輸出を成功させて、契約した日を「原子力発電の日」とするほどに韓国は盛り上がったのですよ。
 ただし、原発の警備は韓国兵が行うとか、建設費は韓国からの借款で行う等のアゴアシつき。
 しかも、借款については韓国国内でそんな巨額の融資ができるところがなくて、逆ざやで国外から借りてきて、UAEにまた貸しせざるを得なかったっていう。

UAEでの韓国原発受注、派兵と60年の運転保証と9000億円借款を合わせたバリューセットだった(楽韓Web過去エントリ)

 そこまでして「輸出実績」を積もうとしたのですね。
 それをすべてひっくり返そうとしたのがムン・ジェイン政権でした。


 この騒動で相互にかなりの高位者が訪問を繰り返していました
 UAEの皇太子側近が訪韓したり、韓国側からは大統領秘書室長(かなり高位の閣僚。ムン・ジェインの懐刀)がUAEを訪問するなどしていたのですが。
 韓国がUAEに「軍事協力をするには国会での批准が必要」って言い出して、「国会での批准が必要っていうならなんでもやってこい」って言われて有耶無耶になったのでした。

 ちなみにUAEに輸出した韓国製原子炉(バラカ発電所)ですが、コアキャッチャーと深層防御防護壁が装備されていないことを欧州の研究者が指摘しています。
 このあたりの意味は各自で調べてね♪

 こんな感じで過去の政権の実績を「潰せるものなら潰したい」のが韓国の政権交代というものなのです。
 実際、イ・ミョンバクが推進した科学ベルト政策(基礎科学研究院)や、拙速だったと評価されているもののあるていどは結果を出した資源外交はムン・ジェイン政権下で潰されています

 同様に韓国人が一瞬だけかなり舞い上がったガス田開発なんかも潰されることでしょう。
 原発でベース電源が確保できないってことは、半導体戦略もイチから青写真の描き直しです。
 ……今回の政権交代は3年っていう短いペースだったので産業界も大変ですね。

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