韓国では自営業者に対する融資が1000兆ウォンの大台を超えた。韓国銀行が22日発表した金融安定報告書によると、9月末時点で自営業者向けの貸出残高は1014兆2000億ウォン(約104兆円)だった。
自営業者向けの融資はコロナ流行初期の2020年第1四半期までは700兆ウォン前後だったが、超低金利でコロナによる影響を乗り越える過程で20年末には803兆5000億ウォン、21年末には909兆2000億ウォンに急増し、最終的に1000兆ウォンを突破した。自営業者向け融資の増加率は年14.3%で、同じ期間の家計向け融資の増加率(0.7%)を大幅に上回った。
自営業者向け融資の延滞率は9月末時点で0.19%にとどまり、依然低水準だが、コロナによる影響で自営業者を対象にした返済期限の延長、返済猶予など金融支援措置が実施されているためだ。韓国銀行は「金融支援が終了すれば、金融ぜい弱層の債務者を中心に不良債権リスク率が大幅に高まりかねない」と懸念した。
(引用ここまで)
韓国の自営業における貸付残高が1000兆ウォンを超えた、とのニュース。
以前から「現状のペースでは1000兆ウォンを今年中に達成してしまうだろう」とされていたのですが。
予想通りであった、というべきか。
現状、延滞率は0.19%と良好に見えるのですが、コロナ禍の返済期限延長、返済猶予があるからでしかない。
自営業者の大半がチキン店などの飲食業。一応、弁護士や税理士といったサムライ業、医者なども自営業者扱いではありますけどね。
当然、このコロナ禍でアホほど市場が縮小してしまって目も当てられない状況でした。
韓国の自営業者の割合は20〜25%ていど(統計によって異なる)。
これが一気に潰れたらえらいことになるわけで。
ムン・ジェイン政権は積極財政で支援を続けました。ただ、本来だったら潰れていた者に対しての支援で、いまだに元には戻らない状況下。
2020年初頭から2022年9月末までで増えた300兆ウォンの大半は不良債権化待ったなし。
以前も「新しい雷管になりつつある」という話をしましたが。
貸出先がどこであれ、不良債権化が進むと全体で貸し渋り、貸し剥がしが進むのです。
銀行も慈善事業じゃないんで。
いまのところ、「国の支援策」なのでまだなんとか表面張力でがんばっている……といったところですが。
次の一滴でどうなることやら。
それが次の金利上げになるのか、返済猶予終了になるのかは分かりませんが。
まあ……厳しい話ではあると思います。
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