統計庁が5日発表した「10月消費者物価動向」によりますと、先月の消費者物価指数は114.69(2020=100)で、1年前より1.3%上がりました。 これは2021年1月(-0.9%)以来、3年9カ月ぶりの最低水準で、物価上昇率は今年4月(-2.9%)3%を下回って以来、5カ月連続で2%台を記録し、安定傾向を見せています。
9月から続いた物価の1%台進入は、石油類と果物類価格下落の影響が大きいと分析されます。 ガソリンと軽油の価格がそれぞれ10.6%、16.1%下落し、リンゴやブドウなどの生鮮果物の価格も前年比で大幅に下がりました。 石油類は物価上昇率を0.46%ポイントも下げる効果を出したと見ています。 (中略)
夏場の猛暑と急激な気象変化が白菜や大根など必須野菜の価格に大きな影響を及ぼしたと見ています。 白菜はなんと51.5%、大根は52.1%上昇し、サンチュとトマトもそれぞれ49.3%、21.3%上がりました。 「金の白菜」とまで呼ばれる白菜はなかなか落ちる気配がなく、近づくキムジャンの季節を前に家計の負担だけを増すのが実情です。
野菜の価格のほか、個人サービスの物価まで前年比2.9%上がりました。 ここに外食物価は着実な上昇傾向に保険料、共同住宅管理費、構内食堂食事費のような必須生活費も同伴上昇傾向を示し、1%台物価上昇率とは相反する流れを見せています。
専門家たちは「果物と石油類の価格下落は肯定的だとしても、必須食料品と生活サービスの価格引き上げが続き体感物価負担を減らすのに限界を加えている」として「物価安定のためにはより具体的で実践的な政策調整が必要だ」と注文しました。
(引用ここまで)
先日、韓国の消費者物価指数(CPI)は2ヶ月連続で1%台に落ち着いた、との統計を紹介しました。
その統計そのものが怪しいって話の中で、ではあるのですが。
消費者物価指数が組み替えられたのはイ・ミョンバク政権時代。
やっぱり当時も高止まりする前年同月比のCPIをなんとかするために、「これまでのCPI算出方法は現実的ではなかった」との建前で算出方法、品目等を変更したのですね。
もちろん、効果は抜群であっという間にCPIが落ち着いたのでした。
まあ、現実はなにも変わってなかったのでインフレ気味の経済状況は続いてました。
んで、翻って現在。
CPIが1%台であれば、「インフレ退治に成功した!」として悠々と利下げがはじまってもよいはずなのです。
なにしろ世界のインフレ具合に対して、先駆けて「韓国にはもはやインフレは存在しない」って宣言できるレベルの数字になってますからね。
CPIが1%台ってのはそれくらいの強力な数字なんですよ。
でも、韓国銀行は年内の利下げに消極的だとされています。
「米国11月と12月に利下げ」投資銀行の見通し続くも…韓国は年内の利下げなさそう(中央日報)
アメリカはCPIが3%前後になったことを受けて利下げを敢行しているのですが。
なぜか1%台、それも10月のそれは1.3%との低い数字を叩き出した韓国が利下げに及び腰。
不思議ですね。
まあ、冒頭記事のように「実際の物価はとてつもない状況だ」って記事は山ほどあるので、現実のインフレ具合を見たらとてもじゃないけど利下げできないってことなんでしょう。
さすがに中央銀行(韓国銀行)は現実を見ているってことか……。
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