相互RSS募集中です

カテゴリ:経済の記事一覧

世界最大級の暗号資産取引所であったFTX破綻に気を揉む韓国人……最大のアクセスは韓国からか

カテゴリ:経済 コメント:(46)
FTX破産に気をもむ投資家…韓国人が最も多いか(中央日報)
破綻した暗号資産取引所FTXの利用者のうち韓国人の割合が最も高いという海外業者の分析が出てきた。個人投資家の投資金回収は容易ではない見通しだ。

ウェブサイト分析業者のアースウェブが8月基準でFTX取引所にアクセスした利用者の国籍を分類した結果、韓国が6.21%で最も多かった。次いでシンガポールが5.26%、ドイツが4.2%、ロシアが3.66%、日本が3.56%などの順だった。

また別のウェブサイト分析業者シミラーウェブは8~10月にFTXサイトで発生したトラフィックのうち韓国が6.01%で2位を占めたと明らかにした。日本が7.01%で最も多く、ドイツが5.38%、とシンガポールが4.95%などとなった。米国人はFTX.USを利用するためアースウェブとシミラーウェブの調査には含まれていない。

モバイルデータ分析業者IGSワークスによると、7日基準でFTXモバイルアプリの1日当たり韓国人利用者数は約8300人だ。業界ではこれを根拠にパソコンでの利用者まで合わせ1日に1万人を超える韓国人がアクセスしていると推定する。

FTX取引所から投資金を引き出せなかった韓国人被害者も出ている。15日に中央日報と通話した投資家のAさんは「FTXだけで取引に対応する暗号資産や派生商品があり利用したが、大手取引所で突然出金できなくなるとは思わなかった」と話した。

ネット配信者のBさんも12日の個人配信で「FTXの破産申請で合計10万ドル(約1400万円)を引き出せなくなった」と話した。

これに対してある暗号資産取引所関係者は「ほとんどが海外の相場照会のためアクセスした可能性が大きい」と話した。続けて「海外取引所と国内取引所の相場差益、いわゆるキムチプレミアムを得るために保有した暗号資産の一部を海外取引所の電子ウォレットに保管する需要もあると理解している」と付け加えた。

FTXの破産手続きが進んでいるが個人投資家の投資金回収ははっきりしない。FTXが裁判所に提出した破産申請書によると、負債規模は最大500億ドルに達する。ブルームバーグは14日、「大手投資会社のソフトバンクまでFTXに投資した1億ドルを全額損失処理した」と報道した。 (中略)

フィナンシャル・タイムズによると、ニューヨーク証券取引所に上場されたコインベースをはじめとする複数の暗号資産取引所は利用者に十分な準備金を保有していると知らせている。追加の暗号資産引き出しが発生するのを防ぐためだ。同紙は「世界最大ステーブルコインのテザーは10~13日に約30億ドルの払い戻しが発生するなど暗号資産市場で多くの利用者が資金を引き出している」と伝えた。
(引用ここまで)


 暗号通貨取引所のFTXが破綻したことで、顧客の資金は凍結されています。
 FTXは取引高3位ともされていた大手の暗号通貨取引所。
 さらにはハッキングを受けて資産が流出しているとのこと。

破綻したFTXから巨額の暗号資産が消失、その“犯人”はブロックチェーンがあぶり出す(WIRED)

 暗号資産取引所なんてこんなもんだよな、という気がしないでもない。
 で、FTXにもっとも資産を預けていたのは韓国人であるとの話が出ています。

 以前から韓国人は「最後の賭け」として暗号資産に少なくない投資をしています。
 あまりにも韓国人がビットコインの購入に積極的であったこともあって、韓国の取引所では通常よりも高い「キムチプレミアム」が20%ほど乗せられることもあるほどでした。
 ただ、現在では高価になってしまったビットコインはあまり韓国人の興味を惹いておらず、韓国国内で新規発行される雑コイン(アルトコイン)の取引が大きくなっていますね。


 ただ、「新規投資金額が少なくなった」だけで、これまでの投資額が減っているわけでもない。
 特に若者層では「借金してでも投資」みたいな方向性がありました。
 それが今回のFTX破綻でどうなるのか……と。

 個人投資家が何人か破産する、で終わりかなぁ。
 韓国人がなぜ借金してまでの投資を行っているかというと、「土の匙」からの階層脱出のためです。
 なので今回のFTX破綻で脱落する個人が出るだけで大きな傾向自体は変化しないだろう、と考えます。
 別に韓国社会になんらかの変化があったわけでもないですしね。
 これまでと同様、ハイリスクハイリターンを求めて投資し続けるのでしょう。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

「ひとりあたりGDPで日本を追い越した」はずの韓国経済、なんとも脆弱だったのはこんな理由があったからだった

カテゴリ:経済 コメント:(104)
「為替レートの恐怖」「借金の恐怖」の間で韓国銀行が困惑している(新東亜・朝鮮語)
ブルームバーグなどのメディアは、外為取引者らの発言を引用し、最近、ウォン-ドルレートが急騰するのは韓国経済の悲観論にその背景があると報道した。

悲観論は海外依存度が高い経済構造に由来する。 2020年GDP対比輸出と輸入は69%に達する。 同年主要国のうち、米国(23%)、日本(31%)、中国(35%)などは、そのほとんどが我々より低い。 連準の攻撃的な緊縮の通貨政策によるグローバル経済の低迷可能性がウォンの価値を落としているという意味だ。 さらに、輸出市場で競争する通貨の円と人民元の価値下落は、ウォンを引き降ろすもうひとつの要因だ。

一般的に経済が成熟するに従って貿易依存の割合は減少する。 しかし、韓国の場合は貿易の割合が依然として高いのは消費の割合が低くなる傾向と無縁ではない。 韓国のGDP比での家計や家計に奉仕する非営利団体消費支出は2002年の56%を頂点にして2014年50%未満に落ちた後、2021年には46%に下落した。 このような現象は、消費が安定的である米国(70%)、日本(55%)など他の先進国とは全く違う様子だ。 成長動力として消費の役割が日増しに萎縮していることを意味する。

消費の割合が低くなる傾向は増えている家計負債と密接な関連がある。 2002年LGカード事態をきっかけに、家計負債(GDP比60%)は韓国経済を論じる際には無視できない存在になった。 国際決済銀行によると2022年1月期の韓国の家計負債はGDP比105%を超過し、世界で最も高い水準を記録した。 日本(69%)、中国(61%)、米国(77%)よりはるかに高い。

金融が発展すれば消費者金融が活性化され、内需を促進して成長に寄与する。 家計負債と経済成長の関係を究明した国際通貨基金(IMF)の資料によると、家計負債が経済成長に寄与する臨界区間はGDP比35〜70%水準だ。 家計の借金が臨界区間を超えれば、負債償還圧力が高まっており、成長を促進する効果は半減され、最終的に成長を疎外するオーバーハングが起きる。

家計負債と住宅価格が経済活動に及ぼす波及効果を分析したIMFの別の研究は、所得比家計負債の割合が高い時に住宅価格の下落は、単に住宅価格だけ下落した場合よりも4倍消費が萎縮し、さらに成長と失業に及ぼす否定的な波及効果が少なくとも5年が持続されると報告した。
(引用ここまで)


 かなり長い韓国経済についてのコラムなんですが、内需と貿易依存率についてだけピックアップしてみました。
 なんとなーく「こういうイメージだよなぁ」と韓国の経済構造に関して感じていたものをびしっと指摘していますね。
 「内需が少なく、貿易依存率が高いので外からの衝撃に弱いし、内側からの衝撃にも弱い」と。
 で、その結果として現在のようなことになっている、と。

 韓国経済の持つ脆弱さというのは資源国でもないのに貿易依存率が高いことに起因していることが大きいのですね。
 自称G8なので他のG7各国の貿易依存率でも見てみましょうか。

アメリカ 19.97%
イギリス 34.41%
イタリア 52.89%
カナダ  50.84%
ドイツ  71.13%
日本   29.96%
フランス 44.80%

韓国      68.05%
メキシコ    78.31%
ギリシャ    58.04%
スペイン    55.21%
オーストラリア 35.16%


 オーストラリアが意外と低いのは輸出はしていても輸入には頼っていないからですかね。
 ドイツは本当にひどい……。
 あと金融国は大きくなりがち。


 ひとりあたりのGDPが日本を超えた云々言っていても、なんとも脆弱さが漂うのはこういう部分が大きいからなのですね。

 そしてIMFが指摘する「家計負債が国内経済の稼働エンジンとして通用するのは35〜70%」という指摘もひどい。いや、事実なんでしょうけど。
 じゃあ、世界で唯一GDP越えを果たしている韓国はどうなるんだっていう。
 いやまあ、単純に可処分所得が減少して国内消費がさらに小さくなるだけなんですけども。

 その次の「家計負債が高い場合に不動産価格が下落した場合の消費への影響は、単に不動産価格が下落しただけの場合に比べて4倍も消費へのダメージが大きい」「その影響は経済成長と雇用に少なくとも5年は持続する」っていうのもきつい。
 韓国の場合、すべてがあてはまっているんですよね。

 先日の「毎月、不動産ローンを返した後にはインスタントラーメンしか食べられない」って30代のインタビューを紹介しましたが。
 まあ、ここ10年以上というもの不動産開発とその周辺ばかりを伸ばすための政策しか打ち出してこなかったのだからそうなるよなぁ……。
 よくもまあ、ここまで延命できたというべきかもしれません。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「ソウルの不動産価格は最大で50%下落する。しかし、そこから立ち直るので日本のバブル崩壊とは事情が異なる」……そうかぁ?

マンションの売買・賃貸が歴代最大の下落...取引崖が深刻化(YTN・朝鮮語)
ソウル江南の再建築の象徴と呼ばれる銀馬マンション。
最近、ソウル市で整備計画案が審議を通過し、再建築に弾みがついているが、住宅価格はかえって落ちています。
占有面積76平方メートルが先月19億9000万ウォンで売られ、20億ウォン台が崩れました。
昨年最高に26億3500万ウォンに比べて6億5000万ウォン近く急落したものです。

江南区大峙洞の不動産仲介業者:「19億5000万にも(売りが)います。 探してる方はあるが、ほぼ動きはありません。もう少し落ちるのではないかと見ていたようです」

ソウル市内最大規模団地で有名な松坡区可楽洞(ヘリオシティ占有面積84平方メートルも最近、17億800万ウォンで売れました。
最高取引価格だった23億8000万ウォンから6億ウォン程度下落したものです。
実際、今週ソウルのマンション売買価格は23週連続下落し、10年4ヵ月ぶりに最も大きな下げ幅を記録しました。
全国と首都圏マンションの売買価格も韓国不動産員が時価調査を開始した2012年5月以後、一番大きく落ちました。

キム・ギュチョン/韓国投資証券資産継承研究所長「相次ぐ金利の引き上げと買収の萎縮により、売り急ぎの物件も取引が容易でなく、取引の崖が深刻化し、しばらくは価格の下落が持続する見通しです」

ソウルのマンション取引件数は激減傾向を見せているこの9月には614件で、昨年同期間の22.8%に減少しました。
金利引き上げで保証金融資の利子負担が重くなってチョンセのウォルセ(訳注:通常の家賃)化が早まり、保証金も調査開始以降歴代最大の下げ幅を記録しました。
9月、全国の売れ残りマンションは4万1604件と1年前と比較して3倍に増え、今年初めよりは2倍近く増加しました。

専門家らは不動産市場状況が深刻だと述べ、政府は手遅れになる前に特段の対策を立てなければならないと主張しました。

コ・ジョンワン/韓国資産管理研究院院長:LTV規制緩和とPF支援対策にもかかわらず、市場の反応は温かったうえ、資金難はさらに悪化しているためにDSRの上方修正や信用収縮の緩和など、より積極的な対策が必要です」

不動産市場のハードランディングへの懸念が高まる中、政府がどんな対策を出すのか注目が集まっています。
(引用ここまで)


 ソウルの不動産下落が止まらない、という最近は週イチくらいでレギュラー化しているニュース。
 江南地区の再開発対象マンションですら下落している、っていうのは解説が必要ですかね。

 再開発が許可されるとさらに大規模なマンションになり、新築になるので高価で取引されることが期待されるのです。
 というわけで再開発が決まった古いマンションは却って高騰するなんてことがパターンなのですね。特に江南では。

 ところがそうしたマンションなのに、価格が下落している。
 それも数億ウォン単位で。

 ちなみに記事中にある「ヘリオシティ」はそうした経緯を経て約1万世帯が入居しているソウルでも指折りの大規模マンション。84棟が一ヶ所に建設されています。駅近。
 韓国では「あのヘリオシティ」として知られているのですが、そのヘリオシティですら最高値から28%の下落。


 というわけで不動産価格下落に対して政府はなんとかしろ、という声が出ているものの。
 ムン・ジェイン政権下の最初の4年間でソウルの不動産価格は2倍になったので、下落して当然というか。
 これが本来の状態ともいえるかもしれませんね。

 なお、韓国の不動産界隈では「最大で50%落ちても不思議はない」とされています。

「最悪の場合、住宅価格50%暴落だが、日本式長期低迷の可能性は低い」(朝鮮日報)

 50%下落して、数年経てば上昇基調に転じるだろう。韓国は日本とは違う、とのことですが。
 まあ……「財産の9割が不動産」とされる韓国でそこまで下落して立ち直れるのか、という気がしなくもないです。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国の狂乱不動産に踊らされてマンションを買った30代「利上げがきつくてローン支払後はインスタントラーメンしか食べられない……」と嘆く……なお、まだ金利は上昇する模様

カテゴリ:経済 コメント:(81)
「インスタントラーメンばかり」…アパート購入の若者、高金利と物価高の二重苦=韓国(中央日報)
融資を受けてアパートを購入した若者が高金利と住宅価格下落に苦しんでいる。ある30代の男性は「実際に居住するために購入したアパートの価格が1年も経たないうちに1億ウォン(1000万円)も落ちた」とし「さらに高金利により利子負担が増え、インスタントラーメン中心の食生活をしている」と打ち明けた。

33歳の会社員Aさんは4日、CBSラジオ番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」のインタビューに匿名で応じた。Aさんは昨年3月、大田(テジョン)の30坪のアパートを7億ウォンで購入し、うち半分以上の4億5000万ウォンを住宅担保融資などを利用して用意した。

Aさんは「実際に居住する目的で購入し、当時の金利は2%台序盤だった」とし「毎月のようにアパートの価格が上昇し、周囲では『いま買わなければ購入がさらに難しくなる』という声が多かった。そのような話を繰り返し聞いたので購入を決めた。大きな理由はなかった」と語った。

2%台だった金利は現在5%台まで上がった。 (中略)

Aさんは「住宅担保貸出だけではなく、複数の融資を受けていて、その金利も一斉に上昇して1カ月間に出ていく金額がかなり増えた」とし「もともと(利子は)すべて合わせて180万ウォンほどだったが、今では200万ウォン台半ばに増えた」と明らかにした。

 Aさんは「給料日にはほとんどそこにお金が出ていくので、他の消費がほとんどできない。それで外食やデリバリーアプリのようなものはすべて消した。家でインスタントラーメンを食べながら暮らしている」と話した。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン政権下における(都市部のみでの)異常なほどの不動産高騰に踊らされてマンションを買ってしまった30代男性が「利払いがきつすぎてインスタントラーメンしか食べられない」とテレビのインタビューで話した、とのこと。
 ただ、この人の支払い状況はマシなほうで、変動金利もまだ5%台ほど。
 であればまだなんとか、とも思えます。

 以前に標準的なモデルケースとなっていたのは「年末までに7%台になるとローン支払いで300万ウォンが出て行く」というものでしたから。
 今月の24日に予定されている次の金融通貨委員会でまた0.5%ポイント上がることは既定路線なので、7%にほど近くなるのも間違いないでしょうけども。


 引用外ですが、7億ウォンで購入したマンションはすでに1億ウォンほど取引価格が下落しているそうです。
 本人は「取引価格は気にしない。見てもなにも変わらないから」と言っていますが。
 まあ……もう買ってしまった以上はローンを支払い続けるか、売却するかの2択ですからね。
 これからソウル近辺以外のマンション価格が上がる余地があるのかどうか。

 この記事の男性が買ったのは一応、都市圏といえないこともない大田。KTXでソウルから1時間といった場所。
 うーん、難しそう。
 一応、公的機関がいくつかある場所なのですけどね。

 以前も報道があったように、韓国では第2の都市である釜山ですら消滅可能都市とされていますから。
 韓国の地方都市はこの先、どうやって生き延びるのかを本気になって考えるフェイズになるのでしょうね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

FRBの利上げで韓国経済はさらに細い綱渡りを強いられることに……国内からはレゴランドショック以降の資金調達難がじわりと進んでいる模様

「実弾」惜しんだか…韓国の10月の外貨準備高27億ドル減、減少幅大きく縮小(中央日報)
10月の外貨準備高は27億ドルほど減少した。3カ月連続の減少だ。ただ減少幅は歴代級だった9月より大幅に縮小した。

韓国銀行は3日、10月末基準で韓国の外貨準備高が4140億1000万ドルで前月より27億6000万ドル減少したと明らかにした。3カ月連続減少傾向だ。減少幅は過去2番目に大幅な減少となった9月の197億ドルより縮小した。月間減少幅が最も大きかったのは金融危機当時の2008年10月に記録した274億ドルだ。 (中略)

ウォン相場防衛に向けた「実弾」の減少も少なかった。韓国銀行は「9月に比べ10月は外為市場の偏りが緩和され変動性緩和措置規模が大幅に減少した」と明らかにした。9月末に1ドル=1434.80ウォンまでウォン安が進んだが、10月末には1419.30ウォンまで回復しやや安定した姿を見せた。 (中略)

専門家らは、外貨準備高減少幅は減ったが安心するのは早い状況だと懸念を示した。貿易収支が7カ月連続赤字を記録している上に経常収支赤字も懸念しなければならないためだ。経常収支が赤字に転落するというのはドルが国外に流出するという意味だ。

延世(ヨンセ)大学経済学部の成太胤(ソン・テユン)教授は「経常収支が黒字ならば外国為替確保がそれなりに安定的かもしれないがいまは期待するのが難しい状況。通貨価値下落でも外貨準備高をより保守的に管理しなければならない状況」と助言した。
(引用ここまで)


 10月の外貨準備高の減少額は27億ドルとだいぶ少なくなった、とのニュース。
 今日、FRBはFOMCを開催し、またもや0.75%ポイントの政策金利の利上げを発表。
 これでアメリカの政策金利は3.75〜4.00%。
 韓国の政策金利とは1%ポイントの差がつきました。

 10月に通貨防衛でさほど大きな動きが出なかったのは10月にFOMCがなかったこと、および10月に韓国が利上げをしたことで金利差が小さくなった(0.25%P)ことが大きな要因として挙げられるでしょうね。
 ただ、今月は前述のようにすでにアメリカが金利を上げており、韓国はそれに追随しきれないことが確実視されています。
 さらに12月にもFOMCはあるので年内に1%の差が出ることになりますかね。


 韓国はこれまで以上にきわどい綱渡りを強いられることになるわけですが。
 キャピタルフライトを起こさないためにはあるていどはアメリカに追随して金利を上げるしかない。
 金利が上がれば不動産不況は強まり、家計負債も企業負債も大きくなる。
 これまで伝えてきたとおりですね。

 さらにそこにレゴランドショックともいえる韓国国内の資金流動不全が加わりつつあるわけで……。
 韓国の大手生命保険企業がコールオプションの行使を見合わせるとの声明を出しました。

  韓国債券、世界市場からそっぽ? 興国生命5億ドルのコールオプション行使見合わせ(中央日報)
世界の金融市場で韓国債券に対する投資心理が冷え込む兆しが現れており企業のドル資金調達に警告ランプが灯った。

2日の金融投資業界などによると、興国生命は9日に予定していた5億ドル規模の外貨ハイブリッド証券に対し早期中途償還コールオプションを行使しないことにした。金利上昇、取引萎縮などで早期償還に向けた新規債券の発行が不如意になってだ。韓国の金融機関が発行したハイブリッド証券の早期償還が見合わせられたのは2009年のウリィ銀行の劣後債から13年ぶりだ。
(引用ここまで)

 コールオプションを行使しないことは不渡りになるわけでもない、早期償還という選択(オプション)をしないだけ……ともいえるのですが。
 早期償還に合わせた借り換えを諦めて実際の期日まで待つ。
 それで状況が好転するのを見守りたい、という選択なのでしょう。

 問題は韓国の債券市場がそこまで冷えこんでいることを世界に知らしめてしまった、ということですかね。
 楽韓Webでは長らく「次の不況は韓国国内ものが要因となる」「かつてのカード大乱のような形になる」と話してきましたし、その大きな要因となるのは不動産の価格下落だろうとも話してきました。
 今回のレゴランドショック→興国生命のコールオプション行使見合わせで、大きめのドミノのコマが「かちり」と音を立てた感じがします。
 次のドミノが倒れずに支えきれるかどうか、見どころですかね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国企業、負債増加速度が世界2位……個人の借金もGDP越え、国家債務も急増……どうするのこれ

カテゴリ:経済 コメント:(105)
韓国の負債増加速度世界2位…窮地に追い込まれる韓国企業(中央日報)
国際金融協会(IIF)が最近発表した「世界負債報告書」によると、韓国の非金融企業の国内総生産(GDP)比負債比率は4-6月期基準で117.9%を記録した。IIFが比較した35カ国のうち、香港の279.8%、シンガポールの161.9%、中国の157.1%に次いで4番目に高かった。

韓国企業は負債比率も高いが、増加速度も速かった。韓国企業の負債比率は1年前より6.2ポイント上昇し、ベトナムの7.3ポイントに次いで負債増加速度が2番目に速かった。同じ期間に韓国より負債比率が高かった香港は24.9ポイント、シンガポールは7.8ポイント、中国は0.4ポイント、それぞれ負債比率が下落した。負債比率順位も同じ期間に6位から4位に上がった。

韓国企業の負債増加速度はなかなか下がらずにいる。韓国銀行によると6月末の企業信用は2476兆3000億ウォンで1年前より10.8%増加した。企業信用増加率は昨年末に10.5%で2桁台になってからなかなかブレーキがかからずにいる。これに対し家計信用増加率は昨年4-6月期に10.5%でピークに達し、今年4-6月期には3.2%まで落ちた。

特に最近では社債発行で資金を調達した大企業まで銀行に集まり企業向け貸付が急速に増えている。韓国銀行によると1~9月の企業向け貸付は89兆8000億ウォン増えた。特に大企業への貸付は27兆9000億ウォン増え、昨年の年間貸付増加額7兆7000億ウォンを超えた。 (中略)

負債が増えても売り上げや営業利益がそれだけ増加すれば問題がない。ただし最近では状況が良くない方向に流れている。企業向け貸付の質も良くない。銀行より金利が高いノンバンクの貸付がさらに速いスピードで増えた。韓国銀行によると4-6月期の銀行の企業向け貸付は1年前より10.3%増えた。これに対しノンバンクの企業向け貸付は28.3%増えて増加速度がはるかに速かった。
(引用ここまで)


 韓国企業の負債増加速度が世界で2番目に高い、とのニュース。
 まあ、借金することがすべて悪いというわけではないのですよね。
 十分にインフレと経済成長率が噛みあっているのであれば、借金の実際の金額は小さくなっていくのですから。
 というわけで増加速度1位のベトナムを見てみると、コロナ禍の2年間では2%台だったものの、今年の経済成長率は7.0%が予想されています。

 で、韓国はどうなのと見てみると今年の経済成長率は2.6%を達成できるかどうかといったところ。
 さらに「利益で借金の利息すら返せない」とされるゾンビ企業の増加具合がひどいことになっています。
 シンシアリーさんの最初の著作である恥韓論に「2011年、営業利益で借金の利息が返せない上場企業の割合は31.6%」とあります。
 これが去年の2021年7〜9月期には39.1%に達しているとのこと。

 つまり、借金で日々の営業をやりくりしているのにそれを上回る利益すら生み出せていないわけですよ。


 韓国の「借金」は企業債務、国家債務、家計債務の3つすべてが増加方向になっています。
 1本の矢は弱いが3本の矢になるともっと弱い。

 家計債務は全世界の中で唯一GDP超えを達成し、全世帯の1/6が可処分所得をすべて返済に廻しても返せないという限界世帯。
 しかも、これらの数字はまだ政策金利が上がる前の段階でこれですからね。
 変動金利選択が7〜8割に達しているという中、実際の負担はさらに増えているわけで。

 もうひとつ、影の主役ともいえる自営業者による負債もありますか。こちらも順調に伸びています。今年6月の時点で1000兆ウォンを超えてましたね
 家計債務が韓国のGDPに等しい2000兆ウォン以上、自営業者による負債は1000兆ウォン。
 しかも、高額な借金となるチョンセ(約1000兆ウォン)はこの統計の中に入っていないという恐ろしさ→シンシアリーのブログ

 すでに不良債権化が進み、銀行からは貸し渋り、貸し剥がしがはじまっているとの報道もあります。
 記事にも「ノンバンクの貸し付けが増えている」とあります。
 いわゆる第1金融圏、都市銀行・地方銀行等は企業への貸し付けをしたくないのが本音なのでしょう。
 そこにするっと第2金融圏、ノンバンクが入りこんできている……と。
 まだ不況の入り口にしか立っていないと思われる状況でこれ。

 来年からは世界不況があるのではともされています。
 外需頼りの韓国経済の構造上、もっともやばい事態に追い詰められそうなのですが。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国経済:第3四半期の成長率プラス0.3%で胸をなで下ろす現政権……ただ、ここからが問題で……

カテゴリ:経済 コメント:(44)
韓国7~9月期のGDP成長率0.3% 消費と設備投資が増加(聯合ニュース)
韓国銀行(中央銀行)が27日発表した韓国の7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%増加した。新型コロナウイルス対策の行動制限の解除などにより民間消費が増え、設備投資も伸びた。一方で輸入が輸出の増加率を大きく上回り、GDPの押し下げ要因となった。 (中略)

 韓国銀行は9月に、7~9月期と10~12月期の成長率がそれぞれ0.1~0.2%なら、今年の成長率予測(2.6%)に達するとの見方を示していた。7~9月期の速報値なら、年間の2.6%達成は十分に可能性がある。
(引用ここまで)


 韓国の第3四半期の経済成長率はプラス0.3%を確保。
 ユン政権も胸をなで下ろしているのではないでしょうかね。半導体の市況は思ったよりも早く、かつ強い勢いで悪くなっています。
 それでもなんとかプラス成長ができたというのはもう御の字。

 ただ、次からはきついかなぁ……というのも実際。
 半導体、それもメモリ専業のSKハイニックスは一気に業績を悪化させています。

SKハイニックスの7~9月純利益67%減 23年は投資半減(日経新聞)

 特にSKハイニックスは中国工場の割合が多く、アメリカからの半導体規制の余波をもろに食らう可能性が高いのです。
 メモリ製造は最新プロセスを導入していってなんぼっていう側面があるので、アメリカの規制によって最新機器を導入できない中国工場のダメージはかなりきついと予想されます。


 その一方で韓国経済を一手に支えるサムスン電子も同様に減益。

サムスン電子7~9月期営業益 31.4%減の約1.1兆円(聯合ニュース)

 サムスン電子は半導体だけではないのでまだダメージは少ないようですが。
 半導体、それもメモリの市況はぐっと悪くなっています。

 DRAM、NANDフラッシュともにここまで一気に冷えこむことあったかなと記憶をたぐる必要があるほどです。
 まあ、あったとは思うので「前例がないほど」ではないのでしょうが。
 それでもかなり冷えこみがきついのは間違いないところ。

 内需のエンジンであった不動産需要が冷えこみ、かつ外需で最大の柱となっていたメモリが一気に冷えこむ。
 さらに第3四半期で成長の核となった消費の伸びが新型コロナの再流行でまた落ちこむ可能性が出ています。
 今日発表の新規感染者数は約3万5000人。これで1週間連続で前週同日の数字を上回ったことになります。完全に再流行。

韓国の新規コロナ感染者3万4987人 前週比約1万人増=近く第7波か(聯合ニュース)

 第4四半期から来年にかけてが一番きついことになりそうですね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→


韓国の債券市場をどん底に陥れた「江原道のレゴランド債権保障取り消し」、大元ではなにがあったのかというと……

カテゴリ:経済 コメント:(96)
[コラム]「レゴランド」巻き込んだ権力闘争、そのような政治は必ず失敗する(ハンギョレ)
 企業手形(CP)市場で爆弾を爆発させたのは、国民の力所属のキム・ジンテ江原道知事だ。江原道はチェ・ムンスン知事時代に江原中島開発公社を通じてレゴランド開発に乗り出し、そのために調達した2050億ウォン(約212億円)の支払いを保証した。ところが6・1地方選挙で新たに当選したキム知事が、9月末に返せないと宣言してしまったのだ。資金調達のために資産流動化企業手形(ABCP)を発行した特殊目的会社は不渡りを出した。この企業手形は証券会社10社、資産運用会社1社が保有している。

 江原道の年間予算は8兆ウォン(約8280億円)台だ。そのような地方自治体が支払いえを保証し、最高の信用格付け(A1)を得た企業手形が不渡りになると考えた投資家は、ほとんどいなかっただろう。キム知事は「(レゴランド開発)事業は不透明だった」とし「不義と不公正を江原道から根絶する」と述べた。大義名分が何であれ、市場の信頼を裏切るような行動が企業手形市場を麻痺させることを全く知らなかったのだろうか。

 地方自治体が支払いを保証して信用を高めた流動化証券は、今年上半期だけで1兆3000億ウォン(約1350億円)分に達する。江原道はレゴランド開発用の2050億ウォンだけでなく、これら全ての流動化証券の信用を危機に陥れた。地方自治体が保証したものでさえ金が受け取れないリスクが高まっている中、建設会社が支払い保証した企業手形の購入を証券会社が避けるのは当然だ。金融委員会が債権市場安定ファンドを再稼動するなどの対策に乗り出したことで、キム知事は21日に「予算を編成し、遅くとも来年1月29日までには江原道が返済する」と述べた。しかし、一度崩れた信頼が回復するまでには少なからぬ時間がかかるだろう。
(引用ここまで)


 韓国レゴランド三部作ともいえる韓国国内の社債市場をメタメタにしたニュース。
 まず、債券市場が不信感で一杯になったのは、2050億ウォンのレゴランド開発のための企業手形を不渡りにしたことがきっかけであったといえます。

 地方自治体である江原道が裏書きをしていたにも関わらず、施工企業を実質的に倒産させて企業再生手続きに廻してしまったのですね。
 それと同時期に韓国電力が4000億ウォン規模の社債を高利率で発行したことで資金がそこに集中してしまい、一気に市場が冷えこんだというのが現状。

 じゃあ、そもそもなんで江原道はレゴランド施工企業の企業手形を不渡りにしてしまったのか、という根本的な問題。
 それは6月の統一地方選挙で前知事(共に民主党所属)を破った現職知事(国民の力所属)が「前知事が行ったレゴランド開発が不透明だから」として「金を出さない」と決めてしまったのですね。
 つまり、政争の具として社債の裏書きをほっぽり出したのです。


 以前から何度も何度も書いていますが、江原道は韓国のド田舎です。
 江原道にある平昌で行われた冬季オリンピックも「なんでこんななにもない地の果てでわざわざオリンピック開催するの?」って言われるレベルのド田舎。
 寒風が吹きさらすのでそれで作られるイカの干物が名物って土地柄。
 「平昌、それは最後のフロンティア」とか書けるレベルの田舎でした。
 いや、田舎なのはいまでも変わらないのですけども。
 江原道とソウルで同規模のマンション価格を比べると7倍差があるなんて報道もありましたね。

 レゴランドのある春川にはソウルから無賃乗車率がやばいと噂の準高速鉄道のITX青春に乗って約1時間。
 もともとはハローキティのテーマパークも併設する予定(その後断念)で、いつものように周辺の不動産開発を含めたものだったのです。

 韓国でこうした不動産開発は疑惑にまみれるのが常。
 まあ、実際怪しい部分はあるのだとは思いますが。

 たとえそうだったとしても、政争の具として裏書きを投げ出して韓国全体の債券市場を自分たちの土地と同じくらいの極寒に陥れるとはさすが江原道。
 寒いのには慣れているのかもしれませんね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→