韓国の今年4-6月期の雇用が1年前に比べて約25万件増にとどまった。雇用の増加も60歳以上の高齢層が牽引した。20代以下の青年層と経済の要となる40代の雇用は過去最大幅の減少となり、雇用の質の低下が懸念されている。
統計庁が20日に発表した「4-6月期の賃金勤労雇用動向」によると、4-6月期(5月基準)の全体の雇用は1年前に比べ25万4000件増だった。2022年1-3月期(75万2000件)から7期連続で減少した雇用増加幅は今年1-3月期(31万4000件)に前期(29万3000件)比で小幅増加したが、また20万人台に減少した。新型コロナが拡大した2020年4-6月期(21万1000件増)以降で増加幅が最も小さい。 (中略)
年齢帯別には20代以下の雇用が13万4000件減り、2017年に関連統計の作成を開始して以降、最大の減少幅となった。40代も5万6000件減り、過去最大の減少幅だった。統計庁のキム・ジウン行政統計課長は「2つの年齢帯ともに人口減少の影響があるうえ、20代以下はカフェ・飲食店(卸小売業)に、40代は建設業に従事する比率が高いが、両業界の事情が良くない点が複合的に作用した」と説明した。
一方、60代以上(26万1000件)、50代(12万4000件)、30代(5万9000件)では雇用が増えた。 (中略)
梨花女子大のソク・ビョンフン経済学部教授は「60代の雇用は政府が作った短期雇用であり、持続可能な雇用と見なしがたい」と指摘した。漢陽大のハ・ジュンギョン経済学科教授は「40代は経済生産性が高く、他の年齢帯を扶養する階層でもある。40代が失職してキャリアが断絶すれば韓国経済に相当な不安要因になる」と話した。
(引用ここまで)
第2四半期の雇用情勢が出てきました。
プラス25万件でほぼまるごとが60歳以上の雇用増。
この高齢者雇用の増加がなかったらマイナスになっているレベルで低調な雇用情勢となっています。
第1四半期に「20代以下の雇用減少が10万件を超えたのは雇用統計開始以来はじめて」とする統計が出ています。
韓国経済:20代の賃金労働雇用が前年同期比で10万件減少してしまう(楽韓Web過去エントリ)
まあ、年代別の雇用統計は2018年にはじまったので、そこまで新しい話でもないのですが。
10万件ちょいの減少で「雇用統計はじまって以来の減少幅」だったものが、今期は13万件の減少に。
2023年第4四半期からは9万7000件減少→10万2000件減少→13万4000件減少。
同様に40代の減少幅は前年同四半期比で2万4000件減少→3万2000件減少→5万6000件減少。
人口減少が続いているので雇用も減って当然なのですが、おそらく人口減の割合を上回るペースで雇用減が続いています。
……まあ、驚くべきペースで内需縮小に向かっているので、輸出企業に勤めている韓国人以外はそうとうに厳しいのが現実。
楽韓Webで延々と述べていた「韓国の不況は21世紀はじまって以来のもの」ってのが可視化されてきた感じですかね。
IMFからは経済政策に対して慎重な舵取りを要求されています。
【社説】尋常でないIMFの警告、規制改革に積極的に取り組むべき時=韓国(中央日報)
利下げペースをゆるめろとの助言。
ただまあ、金利高止まりで生活が苦しくなっている側面もあってこちらもだいぶ厳しそう。
で、挙げ句の果てに「韓国人が日本で就職できるようにしてください。相互主義で韓国での就職もしやすくするから」みたいなことを言い出しているっていうね。
【リセットコリア】韓日青年、労働市場の相互進入簡単にしよう(中央日報)
……いまの韓国のどこに日本人が就職できるすき間があるのやら。
15〜29歳の青年層における拡張失業率(短時間労働などを除いた「実質失業率」ともされる数字)が24.5%。
「自分にふさわしい仕事がない」ってふて寝を決めこんでいる若者を国内で働かせろよ。っていうか、そんなのを日本に連れてこられても困るんだってば……。
日韓漁業協定と同じ、日本の温情にすがりつくものにしかならないのは目に見えているのでお断りです。
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