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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国で下落する不動産価格に「保証金が返せない!」とギブアップするオーナーが続出……入居人は「銀行に借りて保証金を支払ったのに……」とこちらも困り顔

釜山で大規模な「チョンセ詐欺」……オーナー夫婦の連絡が途絶える(SBS・朝鮮語)
釜山に住む30代のA氏は先月、オーナーから一通の手紙を受け取りました。
事業が難しくなり貸出が延滞され、すべての金融取引が止まって賃借人からの連絡を受けにくいという内容でした。

Aさん(釜山チョンセ詐欺被害者)「家主夫婦がずっと連絡が途絶えて探してみたら、持っている建物の1軒のうち、3階と4階が競売にかけられたそうです」

チョンセ契約の代理をした仲介補助員は該当物件が安全だと再度安心させました。

Aさん「多世帯はちょっと危ないんじゃないですか?」「ちょっと怖いんですが」

仲介補助員「今まで100%、オーナーがお金を払えなかったことはありません」

同じ仲介会社を通じて契約したまた別の30代被害者、借用証を書いて契約を2ヶ月だけ延長してほしいというオーナーからの要請も受け入れたが、結局オーナーとの連絡が途切れました。

Bさん(釜山チョンセ詐欺被害者)「実はその言葉を本当に信じていました。 (保証金返還を)できる能力になると信じていたから、契約延長もした。 まるでバカみたいなことをしてしまった」

釜山蓮堤区と東莱区、南区と金井区など、このオーナー夫婦が所有しているヴィラとオフィステルの少なくとも7軒ですでに保証金未返還申告が受け付けられました。

被害世帯だけで100余世帯、被害額は60億〜70億ウォン以上と予想されます。
(引用ここまで)


 ちょっと前に韓国の賃貸用建物、ヴィラの価格が下落していて売ることもできずに塩漬けにするしかないオーナーが続出しているとのニュースをお伝えしました。

韓国で「比較的安い不動産投資」だった小世帯アパートの価格下落で利回りマイナスに……「建物を売ることもできずに塩漬けするしかない」家主が続出(楽韓Web過去エントリ)

 少なくないオーナーが「ギャップ投資」と呼ばれる手法で多数の不動産を所有しています。
 不動産投資に規模を持たせることで低利回りでも大きく儲けようとの手法ですね。

 要は「1.不動産を買う」→「2.貸し出しに回してチョンセ(不動産価格の7〜8割にあたる高額保証金)を得る」→「3.保証金で不動産を買う」→1に戻る──といった手法。

 コロナ禍で空前の低金利時代に突入した際に、この手法を駆使して少なければ数件ていど、場合によっては100件以上、なんなら1000件の不動産を所有していたオーナーも少なからずいました。
 不動産が右肩上がりで高騰していた時代は、チョンセ(保証金)も不動産価格につれて上がっていたので「2年後に次の入居人が見つかれば、その人の出すチョンセで前のチョンセを返してもまだお釣りが出る」状況だったのですが……。


 ムン・ジェイン政権が終わり、不動産価格は下落に転じました。
 特にマンションよりも人気のないヴィラや多世帯住宅(どちらも日本でいうところのアパートに相当)、オフィステル(オフィス用途として売られているが、実際には住居扱いされている不動産の一種)は価格下落が止まらない状況になっています。

 結果、当然のように不動産価格にスライドする形で保証金であるチョンセも下落し、もはや「次の入居人が見つかったところで、前の住人にチョンセが返せない」事態になりつつあります。
 これが冒頭記事でいうところの「チョンセ詐欺」状態。
 ここまでは仁川などソウルの外縁で生じていましたが、釜山にも飛び火してきたと。

 「チョンセが下落して、前の入居人に返せない」というのが1件や2件なら、オーナーの個人資産から充当させることもできるでしょうが。
 記事のように100件を超えるような部屋数のオーナーには無理ゲーと化してしまったわけです。
 これまで彼らに財をもたらしていた規模が、そのままマイナスに働くようになったのですから、ひとたまりもない。
 去年4月の時点で「チョンセが戻ってこない危険性のある不動産は20万件以上に及ぶ」とされていましたが、現在ではそれ以上になっていることでしょうね。

 こうした事態をひとくくりに「チョンセ詐欺」としていますが、別にオーナー側も詐欺を働こうとしていたわけでもないと思います。
 不動産オーナーとして儲け続けるほうがはるかによいのですから。
 これまでの韓国では「不動産を持ちさえすれば勝ち組」だったのですが、もはやそんなことはない。
 「不動産不敗神話」の時代は終わったということになるのでしょうね。

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貧しいとされる韓国の高齢者、貧困率は40%を超える状況に対して「所得不平等のひどさが反映されている」との分析も

カテゴリ:経済 コメント:(32)
「高齢者貧困率」圧倒的1位? 所得不平等が激しいという意味(韓経ビジネス・朝鮮語)
2023年11月、経済協力開発機構(OECD)が興味深い資料を発表した。 「大まかな年金2023(Pensions at a glance 2023)」という報告書で、韓国の高齢者貧困率は40.4%でOECD38ヶ国の中で圧倒的な1位を占めていると指摘したのだ。

米国は22.8%でエストニア、ラトビア、リトアニアに次いで5位の国だが、韓国の半分の水準に過ぎない。 38カ国のうち5位の国が韓国の半分程度にしかならないため、韓国の高齢者貧困率がどれほど高い水準なのか分かる。 (中略)

OECDでいう貧困率の定義は「中位世帯の処分可能所得より50%未満の割合」だ。 言い換えれば、すべての世帯を所得基準で一列に並べた時、最も中間にある世帯の処分可能所得より半分未満の世帯は貧困と見るのだ。 (中略)

ある国で貧困率が高いということは、その国の所得不平等が激しいという意味と同じだ。 我が国がここに属するのだ。 所得が高い人と所得が低い人の差が激しいが、その所得が低い人が主に老人層に多いという意味でもある。

高齢者層だけでなく、全階層を含めた貧困率でも、韓国は38ヵ国のうち9位に当たる。 結局、韓国の問題は所得不平等が深刻だということだ。
(引用ここまで)


 韓国の66歳以上における所得貧困率が40.4%。
 76歳以上では50%以上であるとの統計が出てました。

韓国の高齢者貧困率、OECD1位の「屈辱」…76歳以上の半分が貧困層(中央日報)

 まあ、いつもの数字といえばいつもの数字。
 ただ、66歳以上の数字については微妙に改善傾向にあるのも間違いないところ。

韓国の高齢者貧困率、いまだにOECDでトップを突っ走る……日本、アメリカの2倍以上(楽韓Web過去エントリ)
 この過去エントリの数字を見ると2018年では43.4%。4年で3%P以上改善できているわけです。
 少しずつですが、年金が受けられる層が増えていると判断しています。


 しかし、韓経ビジネスではこの統計に異を唱えています。
 「この40%の人々の全員が廃紙回収のリアカーを引いているわけでもない。からくりがあるのだ」
 「相対的貧困率は中位所得の半分以下の層のことだ。我が国では貧富の差が激しいのでこのような状況になっているのだ」と。
 ……なるほど。

 「資産はあっても収入が低いのであれば、相対的貧困層に押し込められる」と。
 さらに「財閥総帥級のとんでもない収入が、数字を引き上げている」ともしています。
 65歳以上の平均収入が4054万ウォンであるのに比べ、中央値は2693万ウォンと乖離率が50%以上。
 まあ、たしかに財閥総帥は身体が動くかぎりは引退しませんからね……それが平均を押し上げているっていうのもすごい話だけども。

 最終的には「老後に備えて投資おすすめ」って締められているので、そういう記事なんでしょうけども。
 韓国の現実の一面ではありますかね。

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サムスン電子、15年ぶりの最悪の決算に株価下落……市場からは「今年こそはメモリ価格が戻るはずだ」と評価されるものの……

サムスン電子、第4四半期アーニングショック…「半導体の回復は鈍い」(ハンギョレ)
 サムスン電子が「半導体寒波」の影響で昨年の年間営業利益が10兆ウォンを下回る15年来最悪の経営成績表を出した。主力の半導体の業況は昨年下半期から回復傾向を見せているものの、業績改善の幅と速度は予想より緩やかで遅い。昨年第4四半期の実績も「アーニングショック」水準だ。

 サムスン電子は9日、連結基準で昨年1年間の営業利益が6兆5400億ウォン(約7100億円)となり、前年比で84.92%減少したという暫定集計を公示した。売上は258兆1600億ウォン(約28.2兆円)で、前年比14.58%減少。サムスン電子の年間営業利益が10兆ウォンを下回ったのは、グローバル金融危機に見舞われた2008年(6兆319億ウォン)以来15年ぶりのことだ。 (中略)

 サムスン電子はこの日、事業部門別実績は公開しなかったが、主力の半導体部門(DS)の収益改善が予想より鈍いと証券街は見ている。半導体部門の営業損失は昨年第3四半期までに12兆6900億ウォンに達し、昨年第4四半期にも1兆~2兆ウォンの赤字を出したとみられる。年間赤字は14兆ウォン(約1.5兆円)前後と推算される。

 メモリーの減産にともなう固定費増加で半導体部門の赤字改善が予想に大幅に達しなかったという分析が出ている。ダオル投資証券のコ・ヨンミン研究員は「減産にともなう単位当たりのコストアップによる固定費負担を念頭に置けば、昨年第4四半期には売上の拡大幅より利益改善幅は小さいだろう」とみた。メリッツ証券は「メモリー出荷量の増加で売上成長は達成したが、旧型在庫製品の原価構造が実績改善に障害物として作用したとみられる」と分析した。

 半導体市況は昨年下半期から減産効果が可視化し、過剰在庫が緩和され底を打って反騰する傾向だ。メモリー出荷量が増え平均販売単価(ASP)が上昇したことで赤字幅が減ってはいるが、需要の回復傾向がそれほど強くはないということが問題だ。
(引用ここまで)


 サムスン電子の第4四半期決算が思っていたよりも奮わず、株価も年初につけた7万9600ウォン(52週最高値)から今日の終値が7万3600ウォンと6000ウォンの下落。
 ここ1年の株価の値動きはこんな感じ。
 6万ウォンを切っていた去年年初から比べれば1万ウォン以上の上昇幅で、市場全体がサムスン電子の決算に期待してた様子が見てとれるのですけどね。

スクリーンショット 2024-01-10 18.04.55.png

 最大の問題は「メモリ市場が上がってきた!」とされていたにも関わらず、そこまであがらなかったこと。
 ただ、DRAM、NANDフラッシュともに減産が効いていることは間違いなく、最安値からは上昇しています。

半導体メモリー、2年半ぶり値上がり 減産で市況反転(日経新聞)

 DRAMは11月比で10月比11%上昇、NANDが12%上昇。
 半導体関連株も上昇しています。
   ただ、思ったような値上がり具合にはなっていないのも確か。


 結果としてアーニングショックとして市場に受け止められてしまったと。
 2023年の営業利益は6.5兆ウォン。
 年間の営業利益が10兆ウォンを超えられなかったのはリーマンショックの2008年以来はじめてのこと。

 市場は「AI時代に必須となるHMBの引き合いが高くなることから利益は高くなる」としています。
 ……うーん、微妙。
 HBMの引き合いは去年からあったはずなのです。
 でも、部門別の赤字転落を救えるほどではなかったし、従業員の成果給はゼロになった。
 メモリの基本的な売り方はあくまでも多売であって、「高品質品をお届け」ではないと思うのですけどね。

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韓国で広がる不況、「ひとりで店舗運営する自営業」が次々と廃業へ……

カテゴリ:経済 コメント:(73)
[ルポ]不況直撃、釜山「一人社長」続々と廃業(釜山日報・朝鮮語)
釜山市釜山鎮区田浦洞(プサンシ·プサンジング·チョンポドン)で果物屋を経営しているAさん。 新型コロナウイルス感染症が流行していた時期に通っていた旅行会社を辞め、昨年、彫刻果物を売る小包装果物店を開いた。 人件費でも節約するためにアルバイトもなしに「一人」昼夜を問わず働いた。 しかし、物価と銀行の利子まで上がり、借金だけが積もっていった。 A氏は「賃貸料は上がり続けているが、高金利で貸出利子に耐えるのがとても難しい」として「これ以上回し止めするところもない」と話した。 A氏は来月廃業する予定だ。 西面地下商店街で男性服とアクセサリー売場を運営する自営業者B氏の事情も似ている。 B氏は「COVID-19が終われば景気が回復すると信じたが、平日の売上が10万ウォンにもならない日が多い」として「店を買収する人も見つからず、そのまま廃業するつもり」と話した。 B氏の売り場の横には「賃貸」という垂れ幕がかかった売り場があちこちに並んでいる。

崖っぷちに追い込まれた釜山の「一人社長」たちが直撃弾を受けている。 高物価·高金利など景気不況が続いている中で、コロナパンデミック時期「生計を立てるため」藁をもつかむ心情で自営業に飛び込んだ人々が崩れているということだ。 特に自営業の大部分を占め、最も脆弱な輪である釜山の「雇用のない一人自営業者」は1年ぶりに3万人も急激に減った。 (中略)

全国と比べると、釜山の雇用のない自営業者の減少傾向はさらに目立つ。 統計庁資料によれば、先月基準で全国の雇用なき自営業者は426万8000人で前年同月対比1.7%減った。 同時期、釜山の雇用なき自営業者の数は9.4%減少した。 蔚山(ウルサン)と慶尚南道(キョンサンナムド)に比べても釜山の方が深刻だ。 蔚山の雇用なき自営業者数は6万5000人で、前年同月対比むしろ8000人増え、14.4%増加した。 慶尚南道の雇用なき自営業者数は33万4000人で、前年同月比1万9000人減り、5.4%減少した。 (中略)

このように釜山の自営業者の打撃が大きいのはコロナパンデミックを迎え産業構造が脆弱な釜山で自営業者が急激に増えたが、以後景気悪化で自営業者が先に直撃弾を受けたものと分析される。 新型コロナウイルス感染症の時期に政府と地方自治体の支援などで無理に抑えてきた問題が不景気が長くなり、底から出てきたわけだ。
(引用ここまで)


 幾度となく「いまの韓国は21世紀になってはじめてくらいのレベルで不況下にある」との話をしてきました。
 その中でも韓国を象徴する不動産については何度か語ってきましたが、ついに民事再生手続きを開始する建設企業が出てきたことでそれも証明されたかと思います。

 もうひとつは半導体不況でしたが、こちらは地味にですが値上がりをはじめてようやくメモリ不況を脱するのではないかとの観測。
 メモリ専業のマイクロンの株も11月からこっち、だいぶ上がってきています。
 SKハイニクスも同様。
 サムスン電子はメモリ専業ではないのでなんともいえませんが、こちらも株価は上昇基調です。

 さて、もうひとつ大きな柱が韓国にはありまして。
 それは就業者の20%とも25%ともいわれる自営業者。
 まあ、柱というか……。


 自営業といっても、弁護士等の士業や医者も自営業なんでピンキリなんですが。
 ここで語られているのは企業に就職しても45歳で肩を叩かれて、やむなく年金の出る63歳(将来的には65歳)まで自営業を続ける人々が少なからずいるあっち側。
 特に飲食店経営、それも店員なしでやっている人々。

 まあ、こういう言いかたもどうかと思うのですが、経済においては底辺にいる人々にあたります。
 そうした人々が暮らせなくなっているのが現状なのですね。
 全国基準で1.7%減少し、特に釜山では10%近くの減少幅となったっていう。

 不況で最初に被害にあうのはこうした脆弱層。
 思えば民主党政権下でも弱い人々から被害に遭っていたっけ……。
 あれと同様のことが韓国で起こっている、と聞けばだいたい現状の不況度合いが分かるんじゃないでしょうかね。

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韓国で中国株連動の金融商品が暴落中……来年に満期を迎えて大損している消費者がいまさら「だまされた!」と大騒ぎ

カテゴリ:経済 コメント:(44)
香港の次は日本? ELSはなぜ指数の高値で売られたのか(ハンギョレ・朝鮮語)
香港エイチ(H)指数を基礎資産とする株価連携証券(ELS)の損失が来年から本格化する見通しだ。 事実上、指数の高点で投資が行われた背景には、顧客を相手に商品を売らなければならない銀行支店の雰囲気などが位置しているという分析が出ている。

H指数は2021年2月17日、1万2228.63で最高値を記録した後、下落している。 昨年10月末には5千以下まで下がり、高い指数で投資した株価連携証券の相当数がノックイン区間(損失発生区間)に進入した。 株価連携証券は商品ごとに詳細内容は異なるが、基礎資産が一定水準以下に下がれば元金損失の危険が発生する。 指数の高点投資が大規模な損失につながる理由だ。 実際、指数が5000台に落ちた現在は損失危険と不完全販売論難などが起き、銀行がH指数株価連係証券販売を中断した状態だ。

代わりに最近は、日本の日経225指数を基礎資産とする株価連携証券の発行量が増えた。 韓国預託決済院によると、昨年第3四半期6401億ウォンにとどまった日経225指数株価連携証券の発行量は、今年第1四半期1兆8324億ウォン、第2四半期2兆4118億ウォン、第3四半期3兆2036億ウォンなどと増加している。 同期間、日経225指数は上昇し、現在3万3千台で騰落中だ。 指数が今のように好況を継続すれば問題はないが、もし今が高点ならばH指数と同様に満期時に損失が発生する恐れがある。

このように基礎資産価格が高い時、むしろ株価連携証券が多く発行される背景には、顧客を相手に商品を販売する銀行がある。 投資が安全だと説得するためには株価水準が高い方がむしろ良いということだ。 資本市場研究院のイ·ヒョソプ金融産業室長は「販売当時、指数が高点だったか否かは事後に分かる部分ではあるが、顧客心理を考えてみれば指数が低い時は商品が安全だと感じることが難しい。 逆に「この国の経済がこんなに良いのに50%も落ちるだろうか」と説得することが容易なのだ」と話した。

H指数株価連携証券投資家が集まったオンラインコミュニティ証言もこのような雰囲気を後押しする。 損失を控えた投資家の中では「中国という国が滅びるのでなければ損失を被ることはない」という説明を聞いたという人が多い。 国家経済のファンダメンタル(基礎体力)が良い時にお金を入れるようにという勧誘が実際の投資につながったものと見られる。 一例として2021年6月に加入したというある投資家はオンライン文で「指数が高すぎるのではないか、不安だ、他のものはないかと尋ねたが、大きな国が滅びるだろうかと(投資を)勧めた」と書いた。
(引用ここまで)


 ELS(株価連携証券)とは一種の金融商品で、その多くは「一定の時期に、株価指数が一定の数字を超えているかどうか」の勝負をするものです。
 「勝負」と書きましたが、実際の運用のしかたを見てもまさに「丁半博打」です。

 ELSには多くの場合、数度のチェックポイントがあり、その時々で事前に設定されていた一定の数字を超えていれば「元金+利息」が支払われます。
 1年満期の利息は3%に設定されたELSを100万円買ったとしましょう。

 買ってから2ヶ月後に最初のチェックポイント。
 この時点で元の95%を上回っていたら、その時点の年利換算利息と元本100万円が手に入って早期償還されて終了、といった形。
 残念なことに設定されていた地点で、設定されていた数字を下回っていれば次のチェックポイントに向かいます。
 次のチェックポイントはまた2ヶ月後で今度は開始時の90%を上回っていたら、利息と元本が得られます。
 それでもだめならまた2ヶ月後で開始時の80%……といった形式のものとなります。

 ELSはこのように「ステップダウン」してハードルが低くなっていく商品が多いとされています。
 ただし、最後のチェックポイントでも上回ることができなければ、元本は最後のチェックポイントでの割合に従って償還されます。
 これが基本ルール。




 現在、問題になっている香港ハンセン指数連動の場合を見てみましょう。
 ハンセン指数は去年の8月から10月にかけて25%の暴落を起こし、その後、今年の1月末までに1.5倍に膨れ上がる暴騰を見せました。
 ここ2年間のチャートこんな感じ。

スクリーンショット 2023-12-28 11.38.43.png

 1月の暴騰後、段階を経て25%ほど下落しています。
 これ以外にもH指数(香港市場に上場している中国本土の企業株指数)もあり、こちらも大きく数字を下げています。
 あれは我々には救えぬものじゃ。

 一応、ESLには元本保証型(もしくは一部保証型)もあるのですが、韓国で販売されているELSの6割ていどが非保証型。
 非保証型のほうが利益が大きいからですね。
 韓国の不動産ローンで7〜8割が変動金利なのと同じ理由です。

 さて、今年の1月の暴騰時に満期1年の香港ハンセン指数連動ELSを買ったとしたら。
 元本保証型でないかぎりは、指数に従って元本から25%下落のお金が戻ってきます。
 100万円投資していたとしたら、75万円になるというわけですね。
 それ以外にもオプションの設定で「早期償還できない場合は元本没収」なんてものもあるそうで。

 で、いつものように「販売側に『絶対儲かる』みたいな文言で売ったのではないか」「高齢者の生活資金を奪ったのではないか」みたいな話になって、「元本を保証せよ!」とやっているわけです。
 まあ、売る側としてみたら指数が高い時のほうが売りやすい。「こんな高くなっているんですから下落しませんよ。損なんてしないしない」と。
 でも、その口車に乗ってELS買う判断をしたのは消費者ですからね。

 それでもどうやら韓国政府が動いて保護されてしまうようですが。
 総選挙に向けての徳政令っすなー。
 投資は自己責任でね!
 あと日本を見るな。

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韓国経済:自営業者に「金利を取り過ぎた」として銀行が最大300万ウォンのキャッシュバック……投資の失敗もフォローするなど、ユン・ソンニョル政権はお金配り政権となるのか?

カテゴリ:経済 コメント:(36)
自営業者187万人、1人当たり85万ウォンずつ返してもらう(韓国経済新聞・朝鮮語)
銀行圏が来年2月から自営業者と小商工人を対象に納付した利子を1人当り最大300万ウォンまで返すことにした。 年4%を超える金利で銀行から個人事業者融資を受けた187万人が平均85万ウォンを返してもらうものと予想される。 個別銀行が利子を返したことはあるが、銀行圏全体が利子をキャッシュバックするのは今回が初めてだ。 (中略)

利子還付は20日基準で個人事業者貸出を保有した自営業者と小商工人187万人が対象だ。 貸出金2億ウォンを限度に1年間年4%を超過した利子納付額の90%(減免率)を支給する。 借主当たりの還付限度は300万ウォンで、1人当たり平均85万ウォンを返してもらうものと推算される。 個人事業者貸出を扱わない産業銀行と輸出入銀行を除いた18銀行が参加する。 別に申請する必要なく、銀行が対象者を選定して通知し、利子を返す。 利子還付を除く4000億ウォンは自営業者·小商工人電気料金と賃借料支援、脆弱階層貸出拡大のための庶民金融振興院出捐などに使う。

ユン・ソクヨル大統領の10月の銀行圏「鐘の役割」批判以後に推進された今回の支援案を巡り高金利に押さえつけられた内需景気回復に役立つという期待と共に市場経済歪曲を煽るという憂慮が出ている。 (中略)

対象を選定する際、貸出者の所得や資産が抜けた点と自営業者でないか、ノンバンクから貸出を受けた脆弱借主は支援対象から除外され、公平性論難も提起されている。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル政権が本格的に「お金配り」をはじめました。
 ちょっと前まで9月危機が叫ばれていました。「コロナ禍で無利子借入ができていた融資に金利がつきはじめる」のが9月で、これに対応できない自営業者等が破綻するのではないかとされていたものです。
 そこからの不良債権多発が生じて、ドミノが倒れはじめることでプロジェクトファイナンスにも波及するのではないかともされていました。
 ま、実際にはそこまでの大騒ぎにはならず、粛々と自営業者が店を畳んでいるだけだったのですが。

韓国経済:自営業者の負債額、延滞額、延滞率とも史上最悪を記録……カードローンで借金を返す自転車操業に突入する自営業者も多数(楽韓さんWeb過去エントリ)

 自転車操業せざるをえなくなっているので、利子を返そう……とするプロジェクトが開始されました。
 都市銀行、地方銀行で借金をしていて、かつ4%以上の金利で借金をしていた自営業者は4%を超える分の金利がキャッシュバックされるそうです。
 なんで4%以上なのかとか、なんで都市銀行、地方銀行だけなのかっていうのは……財源の問題でしょうね。

 これ以外にも香港市場のハンセン指数が1月から右肩下がりで下がってまして。
 それと連動した金融商品もまた暴落していて、韓国でけっこうな問題になっています。

来年上半期に満期8兆ウォン…「香港ELS」爆弾爆発するか=韓国(中央日報)

 普通に考えれば「投資は自己責任で」案件なのですが。
 どうやらこれについても救済の方向に向かうようです。

韓国ネットメディア「投資商品の結果において、『自己責任』という基準が揺れている」(シンシアリーのブログ)

 KIKOの時もけっきょくは救済されていました。
 今回もハンセン指数が高騰していれば利益を受け取っていたくせに、自分たちが大負けすると「卑怯な商品だ!」って言い出す。

 ……そりゃ条約も約束も守らないよ。
 投資ですらこうなんですから。


 というか、都市銀行・地方銀行等の第1金融圏から借入のできる自営業者がどれだけいるのかって話でもあります。
 話題になっているプロジェクトファイナンスでも、もはや都市銀行や地方銀行は引き受けず、貯蓄銀行や証券会社が引き受けているものが多数となっています。

 なので、自営業者も多くは「借りるためのハードルが低い」第2金融圏である貯蓄銀行で借り入れていると思うのですけどね。
 零細業者だったら貯蓄銀行で借りられるかどうかすらも怪しいところです。

 要は「銀行で借入のできる、すなわち生き残れる可能性がある自営業者だけは生き残らせよう。キックバックOK」って判断か。
 だいぶシビアな世界になってきたな。

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サムスン電子職員に衝撃、半導体部門の成果給ゼロに! 韓国メディアは「来年からはまた上昇気流に乗れるはず」とするものの……

カテゴリ:経済 コメント:(29)
「半導体の時が来た」……サムスンより株価が上昇する「素・部・装株」(マネートゥデイ・朝鮮語)
半導体業況回復が本格化し、半導体素材・部品・装備銘柄の株価も上昇傾向に乗った。 AI(人工知能)サービスの高度化に伴い、高帯域幅メモリー(HBM)供給量が不足するという展望に金利引き下げモメンタムまで加わったおかげだ。 国内メモリー企業の活躍が予想され、特に半導体検査関連銘柄に対する期待感が高まっている。

18日午後12時5分基準、コスダック市場でTFEは前取引日対比2900ウォン(8.84%)上がった3万57700ウォンで取引されている。 ハナマイクロンは7.22%、K&Jは7.20%、マイクロコンテクソルは5.38%、ネオセムは9.48%、LTCは7.03%上昇している。 コスピ市場が息抜きを続け、三星電子(-0.14%)やSKハイニックス(-0.43%)など大型半導体株が乱高下している中でも、中小型素材・部品・装備銘柄は強い上昇傾向を見せている。

12月、米国公開市場委員会(FOMC)会議の結果、連邦準備制度(連準・Fed)が来年金利引き下げを示唆し、最近AIモメンタムが強くなった影響だ。 フィラデルフィア半導体指数は先週9.1%上昇し、歴史的な新高値(4117)を記録した。 この日、インベスティングドットコムによると、米国債金利引き上げなどで金融市場の雰囲気が全般的に悪化した10月30日、終値基準で3185.2まで下がったが、以後反騰を始め最高値を記録した。

今年の株式市場でAI半導体業種のテーマは、HBMを皮切りにオンデバイスAI、CXL(コンピューティングエクスプレスリンク)などに移動している。 オンデバイスAIとは、機器に搭載(On-Device)されたAIという意味だ。 来年から商用化製品が発売され、証券街の期待を集めている。 サムスン電子が来年1月に発売するサムスンギャラクシーS24シリーズは、世界初のオンデバイスAI搭載スマートフォンになるものと見られる。

CXLは次世代メモリー技術で、中央処理装置(CPU)とメモリー半導体をつなぐ最先端インターフェースだ。 サムスン電子が関連商標を多数出願し、市場先取りに乗り出すと急激に注目される。

グローバルクラウドサービス企業が生成型AIを利用してAIサービスを高度化し、シェア拡大競争に乗り出し、HBM供給不足も目前に迫っている。 結局、今後のメモリー市場のカギはHBMの量産競争力になる見通しだ。 したがって、技術競争力を持つサムスン電子とSKハイニックスの独寡占供給構造が予想される。
(引用ここまで)


 FOMCで「まだしばらくは金利据え置き。来年には利下げもあるかな」といっただいぶハト派な予測が示されたことから、「来年は株式市場に資金が戻ってくる」との方向性でほぼ固まりました。
 日本は一気に円高になったことから悪影響も見られているのですが、アメリカの株高につられる形で行って戻ってを繰り返しています。

 それらの意向に加え、2024年には半導体好況が見込まれています。
 楽韓さんの持っている信越化学工業株やアプライドマテリアルズなどの株価が跳ねています。
 TSMCやアップルなども上がっていますが、むしろ関連企業のほうが上がっている感じですね。
 1ヶ月スパンで見るとサムスン電子株は乱高下(1%未満の上げ)、SKハイニクスはちょい上げ(+6%)ってところ。

 その状況は韓国でも同じだそうで、韓国でいうところの素・部・装(素材、部品、装備)関連企業が上昇しています。
 個人的な見立てではなんともいえないところ。
 来年の半導体好況についてはAI関連は間違いなくくるとは思うのですが。
 それをいうなら今年もAI関連だけは数字がよかったんだよなぁとも感じます。
 でもまあ、少なくともメモリメーカーが今年より悪くなることはないか。


 ちなみにサムスン電子の半導体部門については成果給がゼロになるだろうとのこと。

薄くなった成果給封筒にサムスン電子半導体職員ら表情固く(朝鮮BIZ・朝鮮語)

 どれだけ半導体不況があったとしても、サムスン電子の半導体部門で成果給ゼロなんて事態はこれまでなかったと思うのですが。少なくとも21世紀になってからこっち、まったく記憶にないです。
 2009年前後のグレートリセッション ── リーマンショック時であってですら少なくなったとはいえあったはず。その時に「メモリ部門、やっぱり強いなぁ」って思った覚えがあります。

 成果給ゼロということは、ファウンドリ事業も振るわなかったということなのでしょう。
 ま、現状では大手発注元がGoogleくらいしかおらんしね。

 それをどこまで盛り返すのか、といった部分なのですが。
 個人的にはメモリは見込み薄かも……と予測しています。少なくとも来年は。

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韓国の経済成長率、これまでの「マイナス成長に陥るのは2050年代以降」との予測を覆して「2040年代にもマイナス成長突入があり得る」との予測を韓国銀行が発表……とにかく人口問題が厳しい

カテゴリ:経済 コメント:(47)
10年早くなった0%台の成長···「生産性を上げなければ2046年に逆成長」(ソウル経済・朝鮮語)
韓国銀行経済研究院が今回の報告書で、韓国経済の0%台の低成長時期を2030年代と見込んだが、衝撃的だという評価が支配的だ。 従来の経済協力開発機構(OECD)などの報告書は、韓国経済の0%台の成長またはマイナス転換時期を2050年代前後と見込んだためだ。 直近に展望を出した韓国開発研究院(KDI)も悲観的シナリオで2031~2040年の0.9%成長を予測したが、逆成長まで進むとは予想しなかった。 これまでの悲観的展望より逆成長時点がなんと10年以上繰り上げられたのだ。

韓銀のチョ・テヒョン経済研究院副院長は、このような悲観的な成長見通しと関連し、「総合的な生産性を楽観するのは難しいからだ」と評価した。 チョ副院長は総要素生産性が資本投入寄与度の60%程度である中間シナリオで2026〜2050年総要素生産性の向上寄与度を0.2〜0.5%と仮定した。 「高い生産性シナリオ」は2026〜2050年0.4〜0.8%、「低い生産性シナリオ」は2026〜2050年0.1〜0.3%程度だ。

チョ副院長は「最近のグローバル状況を見れば今後の総要素生産性に対して楽観的に展望することが躊躇される」として「グローバル金融危機を経てOECD主要国の総要素生産性増加率がほとんど微々たる役割に留まっている」と説明した。 OECD21ヶ国を分析した結果、2011〜2019年の成長率は1.7%だが、総要素生産性寄与度は0.2%水準だ。 (中略)

高齢層の経済活動参加率が今後さらに低くなる低位推計人口に近づくと、2030年代は0.5%、2040年代-0.3%などで逆成長速度はさらに速くなりかねない。

これはKDIなど他の機関と相当な差を見せた分析だ。 KDIは総要素生産性増加率が1.0%に維持されると評価した。 西江大学のイ·ユンス教授と亜洲大学のハン·ジョンソク教授が今年7月、国民経済諮問会議に提出した報告書でも、総要素生産性増加率は1.0%水準を維持すると見た。 分析の結果、成長率は2040年0.97%に下落するが、2070年(0.38%)まで逆成長は現れない。

チョ副院長は、このような悲観的なシナリオを避けるためには、生産性を高めなければならないと指摘した。 人口減少と平均勤労時間縮小、資本投入増加率の緩やかな下落傾向など他の変数が全て否定的であるだけに成長率を高めるためには生産性改善がなされなければならないという理由からだ。 (中略)

生産性はもちろん、労働と資本投入増加率下落速度を緩和しようとする努力も並行しなければならない。 国内総生産(GDP)対比建設資産比率が高くなるのも問題だ。 建設·不動産に対する過度な期待や投資は経済的資源の分配悪化につながるだけに、大規模新都市開発に慎重でなければならないと指摘した。 人口減少に対する全方位的な対応も同時に要求した。
(引用ここまで)


 韓国銀行から2040年代には基本的な成長率がマイナス成長になるであろう、との予測が出てきました。
 「生産性を向上させなければ厳しい」との判断ですね。
 ま、このあたりは日本も同じではありますが。

 世界でももっとも速度の速い少子高齢化社会を辿っている韓国の場合、どんな情勢になるのか見えない部分も大きいのです。
 合計特殊出生率が0.7を割るかどうかが今年の焦点ですからね?
 そんな数字、想定されたことがないでしょうからね。

 楽韓Webは2002年にスタートしたのですが、その時は2020年に韓国の人口減少がはじまるとか思いもしませんでしたからね。ちなみに2000年くらいから1.5前後だったものが一気に1.1台に落ちたのが2002年。
 こうして思うといろんな意味で記念的な年だったといえるかな。


 1.18にまで下落して2010年くらいから増加に転じて2012年には1.3まで増えたのですが、その後に登場した魔王ムン・ジェインの登場によって1をあっさりと割り込み、0.x台が日常となったわけです。
 以降、さまざまな経済予測が出てはいるのですが、どうもこの0.7台前後に落ち着くのではないかと感じられる合計特殊出生率を組み込んだ予測ではないようです。
 まあ、大元の韓国政府が「2025年の0.65を底にして反発する」ってしている以上、それを無視した統計や予測を作ることもできないんでしょうけども。
 率はどうにかなっても数はもうどうにもならない気がするけどなぁ。

 あ、そうそう。
 同じように急激な少子化で経済の縮小が予想されている中国ですが。
 経済について批判的な言論については罰されることになるようです。

中国 経済への批判的論評なども処罰の可能性を示唆 国家安全省(NHK)

 さすがの斜め上というか、考えかたそのものの枠組みが違いますね。
 韓国もこれを見習って……というか、もうすでに統計改竄をしていたか。50歩100歩だったわ。

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