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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国経済:「未経験の20代、給料がピークになる40代の雇用が激減……」「そうだ、日本と韓国の若者たちの就職を相互にできるようにすれば!」……冗談は人口減少だけにしてくれないかな

カテゴリ:経済 コメント:(87)
内需不振の直撃弾…20代・40代の雇用が過去最大減少=韓国(中央日報)
韓国の今年4-6月期の雇用が1年前に比べて約25万件増にとどまった。雇用の増加も60歳以上の高齢層が牽引した。20代以下の青年層と経済の要となる40代の雇用は過去最大幅の減少となり、雇用の質の低下が懸念されている。

統計庁が20日に発表した「4-6月期の賃金勤労雇用動向」によると、4-6月期(5月基準)の全体の雇用は1年前に比べ25万4000件増だった。2022年1-3月期(75万2000件)から7期連続で減少した雇用増加幅は今年1-3月期(31万4000件)に前期(29万3000件)比で小幅増加したが、また20万人台に減少した。新型コロナが拡大した2020年4-6月期(21万1000件増)以降で増加幅が最も小さい。 (中略)

年齢帯別には20代以下の雇用が13万4000件減り、2017年に関連統計の作成を開始して以降、最大の減少幅となった。40代も5万6000件減り、過去最大の減少幅だった。統計庁のキム・ジウン行政統計課長は「2つの年齢帯ともに人口減少の影響があるうえ、20代以下はカフェ・飲食店(卸小売業)に、40代は建設業に従事する比率が高いが、両業界の事情が良くない点が複合的に作用した」と説明した。

一方、60代以上(26万1000件)、50代(12万4000件)、30代(5万9000件)では雇用が増えた。 (中略)

梨花女子大のソク・ビョンフン経済学部教授は「60代の雇用は政府が作った短期雇用であり、持続可能な雇用と見なしがたい」と指摘した。漢陽大のハ・ジュンギョン経済学科教授は「40代は経済生産性が高く、他の年齢帯を扶養する階層でもある。40代が失職してキャリアが断絶すれば韓国経済に相当な不安要因になる」と話した。
(引用ここまで)


 第2四半期の雇用情勢が出てきました。
 プラス25万件でほぼまるごとが60歳以上の雇用増。
 この高齢者雇用の増加がなかったらマイナスになっているレベルで低調な雇用情勢となっています。
 第1四半期に「20代以下の雇用減少が10万件を超えたのは雇用統計開始以来はじめて」とする統計が出ています。

韓国経済:20代の賃金労働雇用が前年同期比で10万件減少してしまう(楽韓Web過去エントリ)

 まあ、年代別の雇用統計は2018年にはじまったので、そこまで新しい話でもないのですが。
 10万件ちょいの減少で「雇用統計はじまって以来の減少幅」だったものが、今期は13万件の減少に。

 2023年第4四半期からは9万7000件減少→10万2000件減少→13万4000件減少。
 同様に40代の減少幅は前年同四半期比で2万4000件減少→3万2000件減少→5万6000件減少。


 人口減少が続いているので雇用も減って当然なのですが、おそらく人口減の割合を上回るペースで雇用減が続いています。
 ……まあ、驚くべきペースで内需縮小に向かっているので、輸出企業に勤めている韓国人以外はそうとうに厳しいのが現実。
 楽韓Webで延々と述べていた「韓国の不況は21世紀はじまって以来のもの」ってのが可視化されてきた感じですかね。

 IMFからは経済政策に対して慎重な舵取りを要求されています。

【社説】尋常でないIMFの警告、規制改革に積極的に取り組むべき時=韓国(中央日報)

 利下げペースをゆるめろとの助言。
 ただまあ、金利高止まりで生活が苦しくなっている側面もあってこちらもだいぶ厳しそう。

 で、挙げ句の果てに「韓国人が日本で就職できるようにしてください。相互主義で韓国での就職もしやすくするから」みたいなことを言い出しているっていうね。

【リセットコリア】韓日青年、労働市場の相互進入簡単にしよう(中央日報)

 ……いまの韓国のどこに日本人が就職できるすき間があるのやら。
 15〜29歳の青年層における拡張失業率(短時間労働などを除いた「実質失業率」ともされる数字)が24.5%。
 「自分にふさわしい仕事がない」ってふて寝を決めこんでいる若者を国内で働かせろよ。っていうか、そんなのを日本に連れてこられても困るんだってば……。
 日韓漁業協定と同じ、日本の温情にすがりつくものにしかならないのは目に見えているのでお断りです。

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日本のエンゲル係数は高齢化社会の影響で30%超え、それに比べて韓国は12%? 異常に低く見えるのには理由があります

カテゴリ:経済 コメント:(75)
食料品価格の高騰する日本…エンゲル係数G7のうち1位(韓国経済新聞・朝鮮語)
日本が主要7ヵ国(G7)のうち、家計支出で食費が占める割合であるエンゲル係数が最も高いことが分かった。 共働き世帯と高齢層が増えたことに伴うもので、家計負担が加重されているという指摘が出ている。

17日付の日本経済新聞によると、日本のエンゲル係数は2022年基準で26%で、米国、英国、ドイツ、フランスなどを超え、G7の中で最も高かった。 今年7~9月には28.7%まで上昇し、1982年以来の最高値を記録した。 日本のエンゲル係数は00年代まで下落傾向を見せたが、10年代から上昇している。

日本は可処分所得の増加率が他の先進国より振るわないうえ、支出で食費が占める割合が高い高齢層が急増し、エンゲル係数が急騰したものと分析される。
(引用ここまで)


 日本のエンゲル係数が30%になったとの報道がありまして。
 X(旧Twitter)で「日本が貧しくなったからだ」みたいな論調が見られています。
   で、楽韓さんはそれに対してこんな話をしています。



 要するに「収入が低くなっている(年金暮らし)高齢者が増えたので『消費支出中の食料費割合』であるエンゲル係数が上昇している」ってことですね。
 これは7年ほど前にニッセイ基礎研究所で述べられていることで、一応こちらでもリンクしておきましょう。

エンゲル係数の上昇を考える(ニッセイ基礎研究所)

 日本は世界に冠たる高齢者社会であるために、食生活の内容が大きく変化しなければエンゲル係数は上昇するわけです。
 詳しくはレポートを読んでくださいな。

 まあ、そもそもが19世紀半ばに作られた指標が21世紀も四半世紀が過ぎようとしている現代に通用するのかって話なんですけどね。
 たとえばアメリカとかは医療費とかが高いので「支出に占める食料費の割合が相対的に低くなっている」部分もあるのですが、これが豊かさを意味しているのか……っていうね。


 さて、上記のツイート元が引用(盗用?)しているグラフは、こちらのコラムからのもの。

主要国のエンゲル係数推移(社会実情データ図録)

 で、このグラフで韓国が異様に低いのですが。
 2022年で12%くらいですかね。
 韓国人が高価な食料を買わなくていい生活をしている、ってわけではないのです。

 この数字、単純に「外食費を除いている」数字です。あと酒類も。
 グラフ欄外にも書いてありますけどね。

 ……いや、そんな数字を出してどうなるんだとか、なんの意味があるんだとかいろいろ言えるとは思うのですが。
 実際にその数字を出しているので。
 一応、外食費込みの数字も出ていてそちらは28%前後。

 なので、韓国のエンゲル係数は見た目上は低くなっているのです。グラフでも(参考)とありますが、まあ……まさに参考でしかないわけですね。

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韓国、アメリカによる「為替監視国」へ1年ぶりの再指定、「為替操作をするなよ」と釘を刺される……逆説的には輸出がそれなりに戻ってきたってことにはなるかな?

1ドル=1400ウォン超だが…米財務省、韓国を為替「監視対象」指定(中央日報)
米国が韓国を為替「監視リスト(monitoring list)」に指定した。為替市場に介入する可能性がある要注意対象に含めたということだ。トランプ政権2期目に向けて解決するべき経済政策方程式の難度がさらに高まった。

米財務省は14日(現地時間)に議会に報告した半期報告書「主要貿易対象国のマクロ経済および通貨政策」で韓国を「監視リスト」に入れた。中国・日本・シンガポール・台湾・ベトナム・ドイツなど7カ国も共に指定した。このうち今回の監視リストに新しく追加されたのは韓国だけだ。

初めて監視対象になったわけではない。韓国は2016年上半期から昨年上半期まで2019年上半期を除いて毎回「監視リスト」に入っていた。昨年下半期と今年上半期は除外されたが、今回また指定された。財務省は報告書で「韓国は為替市場状態が無秩序で例外的な状況であるだけに市場介入を制限しなければいけない」と明らかにした。政府が為替市場にむやみに介入してはいけないという「警告状」を出したということだ。

米国は2015年に制定した貿易促進権限法に基づき、自国との貿易規模が大きい上位20カ国のマクロ・通貨政策を評価し、一定基準に該当する場合は為替操作国(深層分析対象国)または監視対象国に指定してきた。具体的に▼商品・サービスなど対米貿易黒字150億ドル以上▼経常黒字が国内総生産(GDP)の3%以上▼8カ月間でGDP2%超過のドル買い--の3つの条件をすべて満たせば為替操作国、2つを満たせば監視対象国に指定する。

韓国は今年6月末基準で対米貿易黒字が5000億ドルと、1年前の380億ドルから大幅に増えた。同じ期間、GDPに対する経常黒字の比率も0.2%から3.7%に増加し、2つの要件を満たした。最後の要件の市場介入は同じ期間90億ドル(GDPの0.5%)で該当しなかった。
(引用ここまで)


 韓国がアメリカの指定する為替監視国に再指定。
 ここ1年ほど、為替監視国からは外れていました。というのは半導体不況で全体的な貿易額が減少し、対米黒字も減少していたからなのですね。
 それがメモリ価格の上昇でここ1年ほど輸出が戻ってきたので再指定と。

 監視国からの指定が外れた当時、「ようやく韓国の誠意が通じた」みたいな記事がぽつぽつと出ていたのですが。
 実際にはテクニカルに「条件を満たしていれば監視国、操作国へ指定」して、条件から外れれば指定解除ってなるだけのものでした。
 まあ、それでもアメリカは韓国に対しては「為替操作を大概にしておけよ」って釘刺しはいつも忘れていませんけどね。


 今回は「商品・サービスなど対米貿易黒字150億ドル以上」「経常黒字が国内総生産(GDP)の3%以上」というふたつの条件に抵触しています。
 メモリ価格はここのところ頭打ちにはなっていますが、一時期の最悪時と比べればまだだいぶマシ。
 結果として、為替監視国への復帰となったわけです。

 逆説的に現在の韓国における不況が、輸出不振ではなく内需縮小によって起きていることが確認できたってことになりますかね。
 輸出企業にいればまだなんとかなったのでしょうが、内需関連では目も当てられない状況ですからね。
 あと輸出企業も石油化学とか中国とやっていることがもろかぶりのところもだいぶ辛い。

 下手に為替操作するようなことをやめないと「はい、為替操作国指定ね」ってなって解除までえらい譲歩を強いられることになるので気をつけたほうがよいですよ、と。

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韓国メディア「法律では定年延長も議論されているが、現実のサラリーマンは新たな45歳定年時代を迎えている」……実質45歳定年制度の結果、若年層の就職も難しくなっているって話をしましょうか

カテゴリ:経済 コメント:(43)
定年延長どころか「会社から出て行け」…40~50代の半分が切られる新たな45歳定年時代=韓国(中央日報)
大企業の部長まで務めて従業員20人ほどの中小企業役員になったソンさん(46)。彼は最近社長との面談で「仕事を減らすからパートタイムで働いてほしい」という通知を受けた。事実上「年俸を減らしたい。会社を出てほしい」という意味だった。彼は「名誉どころか希望すら全く反映されない『不名誉退職』勧告。中小企業なので(大企業のように)訴える方法もない」と打ち明けた。社長が退社を勧めたため同僚の視線も見違えるように冷たくなった。彼は「転職するにしても経歴をもっと積むのが有利なのでひとまず耐えている」と話した。

経済の柱である40~50代の中高年層の会社員に吹く「辞職勧告」の風は激しい。景気不況を迎えてこうした気流が水面に浮上したのは大企業だ。だが表にはよく現れない中小企業も体感温度は冷たい。サムスン電子人事チーム長(専務)を務めたイ・グンミョン元人事革新処長は1997年の通貨危機時代に起きた「45歳定年」のように、低成長の流れと40~50代の退社がかみ合わさった「新45歳定年」の時代がきたと診断した。

韓国統計庁のマイクロデータを分析した結果、今年6月末基準で、過去1年以内に退社した40~50代の失業者のうち、「非自発的」失業者が占める割合は50.8%となった。2014年の42.3%から10年間で8.5ポイント増えた。全年齢層で非自発的失業者が占める割合の44.4%より6.4ポイント高い。非自発的失業は職場の休廃業、名誉退職・早期退職・整理解雇、臨時・季節雇用終了、「仕事がない」または、事業不振などの理由で退社した場合だ。言い換えれば40~50代の失業者の半分が意思と関係なく仕事を辞めたという意味だ。 (中略)

企業が45歳定年退職を押しつける背景は景気低迷にともなう業績不振が最初に挙げられる。 (中略)

ここに年功序列型賃金構造という構造的な問題もある。経済協力開発機構(OECD)によると、勤続年数が10年から20年に増える時に韓国の労働者の平均賃金上昇率は15.1%で現れた(2019年基準)。OECD主要28カ国で最も高い。平均賃金上昇率の5.9%だけでなく、米国の9.6%、日本の11.1%とも対比される。

経済が高度に成長している時は問題ない。だが低成長時代に入り込むと企業の立場では40~50代が会社の経営に負担になる人材になった。賃金が高い上に会社の人材構造で占める割合も大きいためだ。
(引用ここまで)


 韓国で「新たな45歳定年」が定着しつつある、とのニュース。
 なんでも「これまでの傾向とは異なっている」って話になっているのですけどね。
 給与負担の大きな40歳以降の社員を役員以外はさくっと切って、身軽になろうとする方向性はなにひとつ変わっていないような気がするのですが。
 45歳で肩を叩かれる側にとっては、なにひとつ変化ないわけだし。

 実はこの方針で割を食っているのははじめて就職する若年層であるって話をしましょうか。
 45歳といえばサラリーマンとしてはまだまだ現役。司馬遼太郎は40代を「体力と知識が均衡する10年間」って言ってましたね。
 「坂の上の雲」はその10年を費やして書かれた大作でした。

 つまり、「まだまだ現役」の社員を切った場合、必要になるのは「それなりに実務ができる人材」なのですね。
 「経験のある人材」ばかりが重用されて、はじめて就職する若者にとって就職戦線は圧倒的に不利なものになりつつある。


 ソウル大学をはじめとしたSKY(ソウル大学、高麗大学、延世大学)の理系を卒業しているってのならともかく、そうじゃない有象無象にとってはもはや大企業(従業員300人以上)への就職のハードルはとてつもなく高いものになっているわけです。
   財閥への就職なんて夢のまた夢。

 最後の希望はそうした大企業に非正規としてインターンで入って、経験を積んだ上で正社員転換制度を使うとか……ですが。
 まあ、その前に雇い止めとかされそうですね。

 若者も45歳以上の会社員も幸せになれない社会、か。
 記事によると40〜50代の失職者の半分が「非自発的失業者」である、とされています。
 楽韓Webでは延々と「韓国は21世紀がはじまって以降で最悪の不況下にある」としてきましたが、こうした部分からもその現状が伺えるのではないでしょうか。

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韓国、消費者物価指数が1%台になって「インフレ退治」に成功……か? なぜか中央銀行は「年内の利下げなし」との判断、ふしぎだなー

1%台の物価にもこの「金の白菜」は何? 高騰する野菜価格「大変だね」(JIBS・朝鮮語)
統計庁が5日発表した「10月消費者物価動向」によりますと、先月の消費者物価指数は114.69(2020=100)で、1年前より1.3%上がりました。 これは2021年1月(-0.9%)以来、3年9カ月ぶりの最低水準で、物価上昇率は今年4月(-2.9%)3%を下回って以来、5カ月連続で2%台を記録し、安定傾向を見せています。

9月から続いた物価の1%台進入は、石油類と果物類価格下落の影響が大きいと分析されます。 ガソリンと軽油の価格がそれぞれ10.6%、16.1%下落し、リンゴやブドウなどの生鮮果物の価格も前年比で大幅に下がりました。 石油類は物価上昇率を0.46%ポイントも下げる効果を出したと見ています。 (中略)

夏場の猛暑と急激な気象変化が白菜や大根など必須野菜の価格に大きな影響を及ぼしたと見ています。 白菜はなんと51.5%、大根は52.1%上昇し、サンチュとトマトもそれぞれ49.3%、21.3%上がりました。 「金の白菜」とまで呼ばれる白菜はなかなか落ちる気配がなく、近づくキムジャンの季節を前に家計の負担だけを増すのが実情です。

野菜の価格のほか、個人サービスの物価まで前年比2.9%上がりました。 ここに外食物価は着実な上昇傾向に保険料、共同住宅管理費、構内食堂食事費のような必須生活費も同伴上昇傾向を示し、1%台物価上昇率とは相反する流れを見せています。

専門家たちは「果物と石油類の価格下落は肯定的だとしても、必須食料品と生活サービスの価格引き上げが続き体感物価負担を減らすのに限界を加えている」として「物価安定のためにはより具体的で実践的な政策調整が必要だ」と注文しました。
(引用ここまで)


 先日、韓国の消費者物価指数(CPI)は2ヶ月連続で1%台に落ち着いた、との統計を紹介しました。
 その統計そのものが怪しいって話の中で、ではあるのですが。
 消費者物価指数が組み替えられたのはイ・ミョンバク政権時代。

 やっぱり当時も高止まりする前年同月比のCPIをなんとかするために、「これまでのCPI算出方法は現実的ではなかった」との建前で算出方法、品目等を変更したのですね。
 もちろん、効果は抜群であっという間にCPIが落ち着いたのでした。
 まあ、現実はなにも変わってなかったのでインフレ気味の経済状況は続いてました。

 んで、翻って現在。
 CPIが1%台であれば、「インフレ退治に成功した!」として悠々と利下げがはじまってもよいはずなのです。


 なにしろ世界のインフレ具合に対して、先駆けて「韓国にはもはやインフレは存在しない」って宣言できるレベルの数字になってますからね。
 CPIが1%台ってのはそれくらいの強力な数字なんですよ。
 でも、韓国銀行は年内の利下げに消極的だとされています。

「米国11月と12月に利下げ」投資銀行の見通し続くも…韓国は年内の利下げなさそう(中央日報)

 アメリカはCPIが3%前後になったことを受けて利下げを敢行しているのですが。
 なぜか1%台、それも10月のそれは1.3%との低い数字を叩き出した韓国が利下げに及び腰。
 不思議ですね。

 まあ、冒頭記事のように「実際の物価はとてつもない状況だ」って記事は山ほどあるので、現実のインフレ具合を見たらとてもじゃないけど利下げできないってことなんでしょう。
 さすがに中央銀行(韓国銀行)は現実を見ているってことか……。

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韓国経済:世界で好調な株式市場についていけていない韓国市場。日本の株価はプラス14%、アメリカはプラス20%なのに韓国はマイナス5%……ね、不況でしょ?

カテゴリ:経済 コメント:(58)
今年のアリの平均31%の損失… 残りの2ヵ月、反転可能か(朝鮮BIZ・朝鮮語)
個人投資家が今年1月から10月まで最も多く買い越した銘柄100個の平均収益率がマイナス(-)30%以下であることが分かった。 世界証券市場のうち最下位水準のコスピ指数(-3.7%)とコスダック指数(-14.3%)の下落率よりはるかに悪い投資成績だ。 買い越し上位100銘柄のうち93銘柄が評価損失状態であることが分かった。 証券街では、米大統領選挙の結果と金融投資所得税の施行可否の確定などによる不確実性の解消で、今年に残った2ヵ月間、雰囲気の反転を成し遂げることができるか注目している。

2日、朝鮮ビズが今年10月末までに個人買い越し規模が大きいコスピ·コスダック市場100銘柄の株価とネイバーペイ「私の資産サービス」に連動した投資家の平均買収価格を比較した結果、平均損失率が31.23%と集計された。 6月末、同じ基準で分析した当時の平均損失率22.57%より損失規模がさらに悪化した。
(引用ここまで)


 韓国の株式市場で買われている上位100位までの株売買をしていた場合、今年の損益はマイナス31%であったとのニュース。
 韓国の個人投資家は巨象に対抗する蟻のような存在だとして「アリ」と呼ばれています。
 彼ら韓国人投資家は根本的には国内株よりもアメリカ株を好むのですが、まあそれでも投資しやすい(為替リスクのない)韓国株もそれなりに買っています。

 で、指標的にどうだったかというと。
 今週末までの成績で──

●日本
日経平均株価 33288.29 → 38053.67(+14.32%
 TOPIX    2378.78 → 2644.26(+11.16%

●アメリカ
S&P500 4742.83→5728.80(+20.79%
NASDAQ 14756.94→18239.92(+23.53%

●韓国
KOSPI 2669.81→2542.36(-4.77%
KOSDAQ 878.93→729.05(-17.06%

 eMaxis全世界株式は年初から23.8%の上昇。
 世界的に株式市場は好況でしたが、韓国はそうではなったようで。
 中国はいまのところテコ入れがうまくいってて年初来だと上海総合指数で10%ほどの上昇具合。


 買われている上位10位の企業で、株価がプラスだったのはSKハイニックスと柳韓洋行(製薬企業)だけ。あとはおしなべて20%以上の下落。
 上位100企業のうち、10月末時点で年初来がマイナスなのが93企業。
 これはきつい。

 でもまあ、この株価の成績を見れば現状の韓国経済、さらには数ヶ月先の韓国経済の姿が見えてくるんじゃないでしょうか。
 さんざん、楽韓Webでは「韓国は21世紀になってからこっち、最悪の不況期にある」って話をしていますが、いまひとつこう他のメディアからはそうした話が伝わっていない。
 韓国は不況下にあってだいぶ空気が淀んでいるのですが、そうした空気感とかは伝わりませんからね。

 ただ、株価はだいぶ正直にそうした韓国経済の動向を伝えているのではないかと感じます。
 100銘柄中93企業が株価マイナスはがちでやばいっすよ。ホントに……。

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韓国の20代就活生、10人に7人は「中小企業に合格しても大企業に再挑戦する」と答え、希望企業に就職できるまで休学も就職浪人も辞さない構え……そこにある韓国経済の闇とは?

「Z世代就任生」10人中7人「中小企業に合格しても大企業再挑戦」(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)
Z世代就職準備生10人のうち7人は、中小企業に合格しても大企業に再挑戦する意向があることが分かった。

採用プラットフォームキャッチがZ世代就活生1447人を対象に「最終不合格になった大企業再挑戦」vs「最終合格した中小企業入社」を主題にアンケート調査を行った。 その結果、「大企業再挑戦」を選んだ比重が71%と集計された。 「中小企業入社」は29%に過ぎなかった。

大企業再挑戦を選択した理由としては「夢を実現するために」(42%)が最も多く、「望む企業でなければ満足できないと思って」が30%で後に続いた。 その他に△初めての職場が重要で(13%)△少しだけ努力すればいいと思って(10%)△急いで就職する必要はないと思って(5%)などがあった。 (中略)

合わせてZ世代求職者51%は希望企業に合格するために最大「1年」まで就職準備をする意向があると答え、「2年」まで可能だという応答は36%であった。 続いて「3年」が10%、「5年以上」も3%を占めた。

目標企業の就職のために休学や卒業猶予を選択する割合も62%に達した。 このうち「1年(2学期)」を休学または卒業猶予した割合が48%で最も高かった。 続いて「6カ月(1学期)」35%、「1年6カ月(3学期)」11%の順だった。 「2年以上(4学期)」進行する場合も6%を占めた。
(引用ここまで)


 世論調査、というよりはアンケートの類いですがちょっと興味深い数字が出てきたのでご紹介しましょう。
 Z世代、現在の20代以下は「中小企業に受かったとしても、大企業を受け続ける」とする割合が7割を超えた(71%)というもの。
 「中小企業に入る」としたのはわずか29%。

 ここで勘違いしてはいけないのは、韓国の中小企業はおおよそ大企業(従業員300人以上)の半分ていどの賃金しか出せないって事実があること。

韓国経済:大企業の新規就労者、前年同月比で5000人しか増えない……大企業と中小企業の給与格差はほぼ倍、さらに正規と非正規の差もほぼ倍……なのに大企業に就職できているのはわずか全就労者の10%だけ(楽韓Web過去エントリ)

 日本だと平均で大企業の8掛けと9掛けくらいですが、韓国では圧倒的な賃金格差があるのです。
 これが「大企業と中小企業」ではなく、「財閥と中小企業」になったりするとさらに差は広がります。
 さらに上の過去エントリにあるように、正規と非正規の差もほぼ倍。


 それでも非正規雇用を選ぶ若者がいて、それに対して韓国メディアは「働き方に多様性が出てきたから」みたいな意見をさかんに報じているのですが。

韓国で20代の非正規雇用が増え、正規雇用はごっそりと減少……あれ、「人口減で雇用情勢はよくなる」って設定はどうしたんですかね?(楽韓Web過去エントリ)

 そうした人々はもう就活に疲れ果てて「日銭が稼げればなんでもいい」ってなっているんじゃないかと感じています。

 「大企業でなければ就職しない」「1年(51%)や2年(36%)くらいであれば就職活動を続ける」「就職できないのなら1年(48%)くらいは休学する」って延々とやり続ける。
 子供の頃から延々と勉強を続けてきて、世界一過酷ともされる大学受験を潜り抜けてもまだ「スペック」やらなんやらを積み重ねなくちゃならない。
 そして就職活動に際してもここまでいろいろやって、1年から3年くらいは優に費やすつもりで取り組まないとダメ。

 就職しても役員になれなかったら20年前後でぽいっと捨てられる未来が待っている。
 ……そりゃ燃え尽きても不思議じゃないでしょ。

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韓国経済:不況下にあって大統領支持率はついに10%台を記録、口では「ゆるやかに回復している」とするものの結果は……

カテゴリ:経済 コメント:(48)
タグ: 韓国経済
【時視各角】韓国経済不振、弁明だけするのか(中央日報)
「韓国経済は確実に生き返っています」(8月29日国政ブリーフィング)

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のこの言葉を記憶する国民に、7-9月期の成長率0.1%はショックだ。韓国銀行の予想値0.5%の5分の1だ。これで今年の韓国経済は韓国政府の成長見通しである2.6%は言うまでもなく、韓国銀行が予想した2.4%の成長も難しくなった。 (中略)

企画財政部は6カ月にわたり「緩やかな内需回復の兆しを見せている」(月刊経済動向)と診断してきた。それが大統領の自信の背景になったのだろう。その間に成長率は4-6月期にマイナス0.2%、7-9月期に0.1%を記録した。結局だれの話が正しいのか。 (中略)

もっと大きいことは経済の基礎体力である潜在成長率の急落だ。経済協力開発機構(OECD)が推定した韓国の潜在成長率は今年2.0%。韓国より経済規模が15倍も大きい米国の2.1%に追い越された。 (中略)

成長不振も潜在成長率下落も「仕方がない」ことではない。やらなければならない仕事をやらず、やってはならないことをやって出てきた結果だけのことだ。さらに改革が切実になった。
(引用ここまで)


 韓国の不況が根深い、どうにも覆しようがないところにきている……とのコラム。
 具体的にどのくらい経済情勢がよろしくないのか。
 ユン大統領(政権)支持率が10%台になるほどには悪いです。

尹大統領支持率 就任後最低の19%=夫人巡る問題の影響続く(聯合ニュース)

 もちろん、タイトルにあるように夫人を巡る各種問題はあるのですが。
 経済さえ好調ならこんなん問題にならないレベルのものでしかないです。

 政権のやるべきことってなにかといったら、1に経済、2に経済。まああとは福祉とか外交とかもありますが、そんなのは9番目、10番目に来るものでしかない。一般有権者にとっては。
 経済が苦しいからこそ、こうして不支持が広がっているのです。


 「なんで不況なのに日本への観光客は引きも切らないのだ」って話が出たりしますね。
 20代、30代に至っては週末弾丸旅行で日本旅行をしているではないか、と。
 彼らはあくまでも「就職できているからこそ週末弾丸旅行ができる」のです。

 では、就職できていない人々は?
 20代の人口は約620万人。そのうち、40万人近くが「ただ休んでいる」だけ。

韓国の20~30代「ただ休んでいる」人口先月は66万人、40~50代初めて上回る(中央日報)

 そして場合によってはソウル大ディープフェイク事件の犯人のようになったり。
   あるいは靖国神社を爆破しようとしたチョン・チャンハンになったり。
 それらの能動的な行動を取らないのであれば「求職もせずにただ休んでいる」状況だったりするのです。

 これが中国であれば(日本学校にかぎらず)子供を襲撃する犯人になっていたりもするわけです。
 不況下の中国で、そうした事件はもう枚挙に暇がないほどに起きています。
 韓国ではこうした「弱者への(物理的な)襲撃」は起きていませんけどね。単に文化的な違いである感じがします。

 そういう意味では「まだ治安において不安定要素になるほどではない」とはいえるかもしれませんが。
 個人的にはもうそろそろやばいんじゃないかなぁ……と感じています。

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