ずいぶん前のことだ。外国から来たお客さんがインターネットで何かをダウンロードしていて驚いた表情を浮かべた。おそらくファイル伝送速度が非常に速いためだと推測し、内心ではかなり嬉しく思った記憶がある。最近も大韓民国のインターネット速度が世界1、2位を争っていると考える人は多いだろう。
しかし、現実はかなり異なる。さらに最近、海外の民間調査機関が、韓国の超高速インターネットの平均伝送速度が世界34位に留まったという測定結果を発表した。もちろん、インターネット伝送速度は測定区間や時間帯、測定端末の種類および性能など多様な要素に影響を受けるため、今回の調査結果をそのまま信じることはできない。しかし、とにかく韓国よりもインターネット速度が速い国が増えているのは事実だ。
なぜ、このような現象が起こっているのだろうか。インターネットが盛んに構築された初期は、韓国国内の通信事業者にかなり有利な環境だった。国の面積が狭いうえ、人口が密集しているため、ネットワークの構築で直面する問題は少なかった。通信事業者は比較的少ない費用でネットワークを構築し、多くの加入者を誘致して収益を確保することができた。その上、当時のサービスはテキスト中心のEメール・ウェブが主流だったため、伝送するデータ量も多くなかった。
ところが、新しい形態のサービスが続々と登場し、環境が変わり始めた。イメージ中心のサービスを経て、最近はほとんどのインターネット・トラフィックを映画などの動画(ビデオ)サービスが占めている。動画サービスが急増し、インターネット・トラフィックは幾何級数的に増加している。 (中略)
この20年間、韓国のインターネット環境は改善し続けてきた。より速い伝送速度を提供し、より多くの加入者を誘致するための通信事業者が競争した結果だ。政府当局もインターネットが国家競争力と国民の生活の質に与える影響を考慮し、通信サービスの品質測定結果を毎年発表し、善意の競争を促進した。その過程で通信事業者は回線を拡張し、より良い性能と機能を備えた新しい装備を導入するなどの努力を傾けてきた。
しかし、最近このような努力が持続可能なのか疑問が生じる。増加する自動車の円滑な通行のために道路を無限に広げるのは不可能だろう。
(引用ここまで)
韓国のインターネット速度が世界から見て相対的に下落している、というニュース。
その原因をこの記事では「動画サービスが多くなったからトラフィックが混雑している」としているのですが。
実際の理由は韓国のマンション団地に個別の光回線を容れることができずに、VDSL止まりだからですよね。
一応、光回線網は整備されているんですが、ラストワンマイルが銅線なので速度がメガクラスにしかいかない。
二窓とかできない環境なのです。
4Kとかもかなり厳しいでしょうね。
この記事では言っていませんが「後進国にまで速度を抜かれた」くらいの言い様をしています。
インターネットの速度が自尊心(実際には虚栄心)の拠り所のひとつだったのですよ。
というか、韓国のインターネット発の文化なんてなにもない。
文化もなければ標準規格もない。
絵文字とかの文化面で世界的に影響を及ぼしたとか、通信方式に韓国が出てきたって話、とんと聞きませんね。
ただただ、コンテンツを消費して終わりだった。
速度に関していえばあとから整備されるほうが有利に決まってるんですよね。
逆に先行するサービスがあるほうが苦しくなるのは当然。
アフリカ諸国では固定電話よりも携帯電話の普及率が一気に高くなるように。
フランスではマルチメディア端末のミニテルというサービスがあって、インターネットの普及が遅れた。
ISDNが普及しつつあった日本ではADSLへの切替が遅かった。
2000年代前半、なにもないところからADSLが一気に普及した韓国は「我こそはインターネット大国」「日本はISDN止まり」なんて言っていたものでしたが。
20年経ってみたら「別に遅いまではいかなくても速くはない」ていどで収束。
……まあ、そのていどのものでしょ。
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