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カテゴリ:IT/技術関連の記事一覧

韓国メディア「なぜバフェットはサムスン電子ではなくTSMCを選んだのだ!」……そりゃ投資に値するって考えたからじゃないかな?

'チャイナラン'受益国だった韓証券市場に冷たい水?バフェットのTSMCベットのバタフライ効果(朝鮮BIZ・朝鮮語)
「なぜウォーレン・バフェットがこの時点でTSMCを買ったのかよく分からない。買うのであればサムスン電子も一緒に少し買うべきでは。バフェットの中を知ることはできないので、苦しいですね」

最近出会った金融投資業界の高位関係者は、ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイが台湾の半導体ファウンドリ(委託生産)企業TSMCに50億ドル(約6兆7600億ウォン)の投資をしたことが韓国市場に「悪材料」になるのはないか心配していた。 (中略)

バフェットの投資が国内証券市場の悪材になることを懸念するのは、TSMCが中国リスクと直接的な関係があるところだからだ。最近、中国は習近平主席の3連任が確定し、台湾との葛藤が高まっており、政治的不確実性も広がっている。5年以内に台湾と中国が戦争するという不安感を助長する噂も多い。外国人投資家らはこのような不安感のため別名「チャイナラン」と呼ばれる中国や台湾などの市場から資金を差し引いてグローバルファンドはこの資金を韓国市場などに再投資する可能性も提起された。 (中略)

しかし、台湾企業のTSMCバフェットの選択を受けたのは、外国人に「チャイナラン」をあげる必要がないというシグナルになることもある。また、バフェットが同じ半導体業種に属する韓国のサムスン電子とSKハイニックスよりTSMCの競争力をより高く評価したという分析も出ている。
(引用ここまで)


 韓国では「なぜウォーレン・バフェットはTSMCにだけ投資したのだ」という声が出ているとのニュース。
 ……うーん、半導体ファウンドリ(受託企業)としては世界一、それも2位のサムスンの3倍以上のシェアを持つ圧倒的な巨人だからじゃないですかね?
 サムスン電子はファウンドリ事業に対して「注力する」と何度もアピールしていますが、どっちにしてもメモリ事業がメインでしかない。

 TSMCの強みは最新プロセスを確実に、歩留まりが高い状態で立ち上げるところにあります。
 Snapdragon 8 Gen 1の歩留まりが35%にしかならなかったサムスンの比ではないですよ。

 韓国では3nmプロセスでTSMCからnVidia、クアルコムといった大規模顧客を取り戻すことになった、とのニュースが出ていますが。
 かなり眉につばをつけて見たほうがいいかな、という気がしています。


 リーカーとして著名なミンチー・クオ氏は7月の時点でクアルコムは2024年までTSMCにハイエンドチップ製造を委託するとし、さらに少なくともプロセス製造の優位性は2025年までこの状態は続くとしています。



 2025年以降はまだ予測不可能ということかな。
 韓国経済新聞とミンチー・クオ氏だったらどちらに信頼性を置くかというと、ミンチー・クオ氏かなぁ……大手マスコミより個人による発信のほうが信頼性が高くなっているっていうすごい時代になってますね。

 また、次期iPhoneに搭載されるであろう3nmプロセス採用のチップについても、アップルはTSMCに委託するだろうとされています。

大きくなるTSMC帝国… アップル、3ナノもサムスンではなくTSMCへ委託(韓国経済新聞・朝鮮語)

 というわけで「半導体への投資」を考慮するのであればTSMCに投資するのは妙味があると思われるのです。まあ、バフェットじゃなくともそう感じるでしょ。楽韓さんですらそうしているのですから。
 地政学的リスクはアメリカ、日本への投資で分散させつつありますしね。

 ここのところ、アメリカ−日本、台湾−日本の半導体についての話が出つつあるのですが、これらの動きもちょっと面白いところ。
 韓国をスルーしているのです。対中リスクを避けるには韓国を避けたほうがよいとされている感触がありますね。

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韓国メディア「サムスン電子が3nmプロセスでnVidia、クアルコムといった大手顧客を取り戻す!」→ではその3nmプロセスの歩留まりを見てみよう

ファウンドリ反転信号弾を撃ったサムスン… 「大物級」顧客を確保した(韓国経済新聞・朝鮮語)
サムスン電子ファウンドリ事業部がNVIDIAとQualcomm、IBM、Baiduなどを3ナノメートル(nm・1nmは10億分の1m )プロセス顧客として確保した。約1~2年の開発過程を経て、早ければ2024年頃から供給が行われる見通しだ。スマートフォン、サーバーなどに入る高性能半導体がサムスン電子の3nmファウンドリ(半導体受託生産)工場で量産されるという意味だ。

22日、半導体業界によると、サムスン電子ファウンドリ事業部は、高性能コンピューティング(HPC)チップを設計する5~6社の米国・中国ファブレス(半導体設計専門)メーカーと3nmプロセス用半導体を共に開発している。IBM(サーバー用中央処理装置)、NVIDIA(グラフィック処理装置)、Qualcomm(スマートフォン用アプリケーションプロセッサ)、Baidu(クラウドデータセンター用人工知能チップ)などが代表的なファブレスの顧客会社だ。

これらの顧客会社は、3nmのプロセス技術力、複数のサプライチェーン確保の必要性などを総合的に考慮し、サムスン電子を委託生産業者として落点したことが分かった。業界では最近TSMCに押されたサムスン電子が3nmプロセスを通じて反転のきっかけを設けるという見通しが出ている。 (中略)

米国と中国の葛藤で特に台湾の地政学的リスクが高まっているのもサムスン電子ファウンドリ事業には肯定的な要因と評価される。サムスン電子の上級関係者は「指定学的問題が浮上し、顧客会社が「第2のファウンドリメーカー」を望んでいる」と説明した。ある半導体後工程(OSAT)企業の高位関係者は「私たちも地政学的リスクのため台湾投資計画を撤回した」と話した。
(引用ここまで)


 韓国経済新聞が「サムスン電子の最新ファウンドリである3nmプロセスに魅力を感じた大手顧客が戻ってくる!」とのスクープ。
 曰く「nVidia、クアルコム、IBM、バイドゥなどの大手顧客が最新プロセスでの製造を委託するだろう」と。
 特にnVidia、クアルコムの名前が目を惹きますね。

 このふたつの企業はサムスン電子でそれぞれRTX3000シリーズ(8nm)、Snapdragon 888/8 Gen 1(5nm)といったひとつ前の最新チップ製造をサムスン電子に委託していました。
 結果、いつまで経っても歩留まりが上がらずに、現在はTSMCの顧客となっています。
 それが戻ってくるのだ、という希望的観測に満ちた記事となっています。

 うーん、微妙。
 nVidia、クアルコムが離脱したのは歩留まりが上がらなかったからだ、という見方が一般的。
 当時、サムスン電子の4nmプロセスの歩留まりは35%、それもクアルコムの技術者がファブに常駐してこの数字だったそうです。
 正直、ビジネスになっているのが不思議なくらいの数字といえます。


 さて、ゲームチェンジャーとされている3nmプロセスではどうかというと……。

三星携手美企 Silicon Frontline Technology 改善 3 纳米良率,希望赶超台积电(ITハウス・台湾語)

 こちらはサムスン電子は3nmプロセスの歩留まりをあげるためにシリコンフロンティアテクノロジー社と協業し、TSMCに追いつくことを希望している……といった記事。
 大元は台湾のDigiTimesっぽいのですが、そちらは有料記事だったので孫引きのこちらで。

 この記事によると3nmプロセスの歩留まりは20%に至っていない、とのこと。
 100個の半導体を製造した場合、正常に動作するものが20個に満たない、というわけです。
 商売になっていないのでは?

 サムスン電子が「3nmプロセスの量産体制を整えた」とプレスリリースしたのが6月ですから半年近く経過してもまだこれ。
 ……まあ、当時から「実際には量産体制なんかできてないんじゃね?」って噂はされてましたけどね。

   あ、それともうひとつ。
 今回のスクープをした韓国経済は「サムスンバイオロジクスがファイザーのmRNAワクチンを受託生産する!」ってスクープをして、数時間後に削除したことがあります。
 というか、nVidiaって必ずしも最新プロセスで製造しないんだよね……。
 RTX3000シリーズは8nmでしたし(当時最新は7nm)、4000シリーズもTSMCの5nmでの製造とされています。TSMCの最新プロセスはアップルに独占されているという部分はあるにしても。

 うん、まあそのなんだ。
 3nmの立ち上げにはさしものTSMCも苦しんでるみたいなのでがんばってね。

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テスラ「半導体製造はTSMCに委託するわ」とサムスン電子のファウンドリから離脱、大手顧客の離脱はnVidia、クアルコムに続いて3社目

「テスラ、おまえもか?」… テスラ、次世代半導体サムスン電子の代わりにTSMCに発注(デジタルデイリー・朝鮮語)
テスラがシステム半導体受託生産(ファウンドリ)会社を、三星電子からTSMCに変更するという観測が出た。 台湾メディアが「テスラが4nm及び5nm工程製品をTSMCに任せる」と報道した。 事実なら、三星電子にはクアルコムエヌビディアに続き再び大規模顧客企業の離脱である。

21日、台湾経済日報によると、TSMCはテスラ次世代の完全自律走行(FSD)チップを受注した。

テスラはこれまで三星電子ファウンドリーを主に活用してきた。 FSDチップは14nm工程で開始し、7nm工程に進化した状態だ。 TSMCが受注した次世代FSDチップは4/5nm工程である。

経済日報は「TSMCへの注文量は1万5000個程度と予想される」と「テスラはTSMC上位7つの顧客会社に入るだろう」だと把握した。 (中略)

一方、三星電子は4/5nm、ファウンドリー工程は問題がないという立場だ。 サムスン電子は今月10月「三星(サムスン)、ファウンドリーフォーラム」を通じて「関連工程について一部問題があったが、正常化した」と明らかにした。

しかし、クアルコムエヌビディアなどについては、関連工程を使用する製品をTSMCで作ることにした。 テスラも同じ決定を下したことが正しければ三星電子の釈明にもかかわらず市場の信頼はまだであるわけだ。
(引用ここまで)


 サムスン電子が半導体ファウンドリ事業を推しに推していることは既報ですが、すでにクアルコム、nVidiaという大手顧客が離脱
 どちらも最新チップはTSMCで製造しています。
 Snapdragon 8 Gen 2、RTX40x0シリーズがTSMCで製造されてて、TSMCにすることで同じ(とされている)4nmプロセスでも集積度が上がっているそうです。

TSMCの4nmで製造され、ユニークな構成のCPUを内蔵するSnapdragon 8 Gen 2、GPUの大きな性能向上を確認(PC Watch)

 相変わらずTSMCはすげえなぁ……。

 で、サムスン電子の大手顧客だったテスラもこれからTSMCに変更しようとしている、というニュース。


 「どちらを選ぶのか」ではなくて、サムスン電子から離脱しているというのが痛いところ。
 実際のユーザーが「ダメだこりゃ」って匙を投げているわけですから。
 これを覆すのはなかなか難しい。

 なんでもバフェットがTSMC株を50億ドル買ったそうですわ。
 ここのところ業績は好調でも株価は下落基調だったので、いいチャンスだとみたということでしょう。

バフェット氏のTSMC株50億ドル相当取得、投資開始の好機示唆(ブルームバーグ)

 いまだに有力顧客として残っているのってGoogleくらいですかね。
 まあ、TSMCが強すぎるという話でもあるか。

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韓国の「通信インフラ」となっていたカカオトーク、サーバの火事でなにもかも不通になる……IT大国っすなぁ……

カテゴリ:IT/技術関連 コメント:(92)
韓国の国民的メッセンジャー「カカオトーク」障害3日目…同時にポータルなども停止(ハンギョレ)
 SK C&Cの板橋(パンギョ)データセンターの火災で、「国民的メッセンジャー」といわれるカカオトークが使用できなくなってから3日が過ぎても完全復旧せず、利用者の不便と被害が広がるなか、利用者、政府、政界およびIT業界からは「国民の日常生活の土台であり主要な行政サービスまで代行しているカカオトークが、サーバー(サービス用コンピュータ)の二重化(ミラーリング、2台のサーバーが同機能を他の場所で同時に遂行)体制も備えないまま運営されていたなんてありえない」という指摘が広がっている。関連法・制度の整備や監督を疎かにしていた政府への批判の声も高まっている。

 国会の科学技術情報放送通信委員会のチョ・スンレ議員(野党「共に民主党」)は17日、CBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」のインタビューで、「カカオはサービス運営に必要なデータをすべてバックアップしていたと言っているが、実際には正常化が遅延した」とし、「これは、システム復旧には至らなかったという意味だが、ならば、いくらデータをバックアップしていたとしても(災害対応の側面では)意味がない」と指摘した。さらに、「カカオトークのサービスは無料サービスなので、災害復旧システム構築のための投資を出し渋っていたものとみられる」と批判した。 (中略)

 業界の専門家はまた「火災は災害対応訓練の際に発生の可能性が最も高いとみられる状況であるにもかかわらず、予測できず対応が遅かったというのでは話にならない」と批判した。ある外国系クラウド企業の関係者は「このような大規模なサービスを運営する企業が、これほどまで二重化作業の手配をしていなかったということは信じられない」と述べた。この関係者は「特にダウムのポータルやウェブトゥーンだけでなく、暗号資産(仮想通貨)の取引所(アップビット)のログインまでカカオトークのアカウントを使うようにして認証システムを統合していたというのに、認証サービスやサーバーを分離しておかず、一度にダウンしたというのはあきれてしまう」と付け加えた。 (中略)

「カカオトークほどのサービスの核心機能は、リアルタイムバックアップ体制を備えておき、火災はもちろん地震や洪水などにも備えておかなければならない。これができていなかったというのは、本当におかしなことだ」と述べた。

 国民生活に密接な行政サービスまでカカオトークなどを通じて行われている状況であるだけに、今回の件で、カカオにサービスを安定的に提供する義務と責任を厳しく課す方法や、制度的な装置が設けられなければならないという指摘も出ている。
(引用ここまで)


 韓国のカカオトーク(カトク)をはじめとする、カカオのサービスがサーバー設置箇所の火災でなんもかんもダメになりまして。
 カカオトークについてはいまだに完全復旧していないっていう。

 カカオトークは日本でいえばLINEと同様の無料のメッセージ、通話アプリ。
 政府からの公報なんかでも使われますし、さらにいえば省庁が記者らにグループチャットで公式見解を述べるなんてことにも使われます。
 たとえば火器管制レーダー照射事件でマスコミに対しての説明がぐだぐだに変遷していましたが、あれは国防部のサイトに掲載されたものではなくてカカオトークでの説明でした。

 言ってみればインフラと化しているわけですね。
 別アプリでも同じサーバを使用していてタクシーを呼ぶことや、オンラインバンクのカカオバンクが利用できなくなっていたりするそうです。
 あと仮想通貨の取引所でもログインにカカオのIDが使用されていたとのことで、そちらにも入れなくなったとか。


 当初は「あー、火事でもさすがになんかバックアップサーバあるだろ」とか思ってピックアップしていなかったのですが。
 どうやら一切、なんのバックアップもしていなかった模様。

 以前、高速鉄道が脱線した際に「線路の保守要請が14回あったのに、実際の保守は7回だけだった」なんてことがありましたね。
 そのときに「事故が起きてしまうまで、事故は起きていないのだから保守なんて無駄」というのが韓国の考えかただと述べました。
 あと繰り返される地下鉄のホームドア保守での事故でも「ほら、再発した」ってなったのですが。

 増長性とか考えないんですよ、基本的に。
 こうして実際に火災が起きてから考える。それでカバーしきれなかったらそれはそれでしょうがない。
 で、こうなった。

 韓国では劣勢のLINEがシェアを伸ばしている、なんてニュースもあります。

「カカオトークユーザー200万離脱…ラインは85万・テレグラム22万↑」(聯合ニュース・朝鮮語)

 基本的にこうあってはいけない、ということを全部やっているっぽいなぁ。
 だからこそインターネットが全土で落ちたりブラックアウトで停電したりするような国になっているわけですが。

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韓国メディア「くっ、TSMC、TSMC! どいつもこいつもTSMC! なぜヤツを認めてサムスンを認めねえんだ!」……性能が低いからでは?

米エヌビディア・クアルコムが再び台湾TSMCに発注、韓国サムスンのファウンドリーはなぜ劣勢なのか(朝鮮日報)
半導体メーカーのエヌビディアが新しいグラフィック処理装置(GPU)の製造をファウンドリー(半導体受託生産)世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)に発注した。GPUはコンピューターグラフィックや人工知能(AI)の演算に欠かせない半導体だ。前世代の製品はサムスン電子に製造を発注したが、新製品は発注先をTSMCに戻したのだ。 (中略)

米クアルコムは11月に発売するスマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)である「スナップドラゴン8」第2世代(Gen 2)の製造をTSMCに任せた。クアルコムは昨年末、同第1世代(Gen 1)の製造をサムスン電子に発注したが、今年5月にTSMCに乗り換え、次のモデルでもTSMCを選んだ格好だ。半導体業界ではサムスン電子製のチップが発熱と性能低下の問題に直面したため、クアルコムがTSMCを選んだとの分析が聞かれる。 (中略)

顧客獲得戦で押され、サムスン電子とTSMCのファウンドリー市場におけるシェアの差はますます拡大している。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第1四半期のTSMCのシェアは53.6%、サムスン電子は16.3%だった。サムスン電子がファウンドリー事業に本格参入した19年第1四半期には両社の差が29ポイントだったが、現在は37.3ポイントに広がった。 (中略)

顧客獲得戦で押され、サムスン電子とTSMCのファウンドリー市場におけるシェアの差はますます拡大している。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第1四半期のTSMCのシェアは53.6%、サムスン電子は16.3%だった。サムスン電子がファウンドリー事業に本格参入した19年第1四半期には両社の差が29ポイントだったが、現在は37.3ポイントに広がった。
(引用ここまで)


 エヌビディアの次期グラフィックチップであるRTX4000シリーズはTSMC製造とアナウンスされています。
 さらにクアルコムのSnapdragon 8シリーズともにTSMCが製造することになりました。
 どちらもサムスン電子のファウンドリから逃げてきた陣営となります。

 さらにAMDのZEN4アーキテクチャとなるRyzen 7000シリーズもTSMC。
 AppleのiPhone、Macに搭載されているチップもすべてTSMC。
 インテルもTSMCに一部製造を委託するのではないか、とまでされている状況です。

 韓国メディアからは「なぜこれほどまでに差がついているのか、といった記事が朝鮮日報にかぎらずぽつぽつ出ています。
 まあ、簡単にいえばTSMCのほうがはるかにいい仕事をしてくるから、なのですね。

 クアルコムがサムスンに委託したスマートフォンの心臓部であるSnapdragon 8 Gen1というハイエンドチップは発熱、バッテリー消費共に問題外の代物でした。
 歩留まりも上がらなかったためにクアルコムは同業他社のMediaTekの追随を許してしまい、ついには今年になってSoCのシェアで逆転されたと報道されています。
 結果、クアルコムはTSMCに製造委託するしかなくなった(そして発熱と歩留まりについてはかなり解決された模様)。


 いま、大手でサムスンに委託しているのはGoogleくらいですかね?
 GoogleのPIXEL6シリーズはそこそこにいい出来ですが、ボリュームがあるかといったらそういうわけでもなく。いいところ出荷台数で500万〜1000万台ていど。
 ちなみにAppleのiPhone製造台数は1年で2億台以上。
 桁が違いますね。

 しっかり製造してくれるのであれば、委託側はTSMCだろうがサムスンだろうがかまわないのですよ。
 とはいえ、スマホで競合しているAppleがサムスンに委託することはもはやないでしょうけども。

 サムスンは「新しいプロセスでTSMCをリードした」としていますが。
 業界からは眉唾で見られてます
 まあ……これまでの実績が実績なのでしかたないですね。

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韓国、「日本の富岳よりも高速」なスーパーコンピュータの導入を推進……なお2年後

韓国、日本の理化学研究所「富岳」よりも高速のスパコン導入推進…2024年世界10位内に(中央日報)
韓国科学技術情報通信部は22日、国家超高性能コンピュータ6号機の構築・運営計画が予備妥当性調査を通過したことを受けて事業を本格的に推進すると明らかにした。

韓国政府は2930億ウォン(約300億円)の予算を投じて600ペタフロップス(PF)級以上の理論性能を備えたスパコン6号機の構築作業を完了する計画だ。

これは、現在、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が運営しているスパコン5号機「ヌリオン」の理論性能25.7ペタフロップスよりも約23倍の速度だ。また、現在世界スパコン性能2位の日本理化学研究所の「富岳」(理論性能537ペタフロップス)よりも速い。

韓国政府は世界各国がスパコンの性能を引き続き高めている傾向を考慮すると、韓国スパコン6号機は2024年を基準として世界5~10位に入るだろうと予想した。
(引用ここまで)


 うーん。
 韓国が2024年を目標にスーパーコンピュータを新たに導入することを決定。
 600ペタフロップス(計算速度)を超えるものを導入する、と。

   2年前の2位はIBMのSummit。ピーク性能は200ペタフロップス。
 Summitは今年6月のリストでは4位にいることから、現在の2位相当の性能であればトップ10に入れるだろう……という目論見のようですが。
 どうかなー?
 難しい気もしますし、その一方である理由で「TOP500の10位以内」に入れる可能性もあります。

 現在のTOP500での1位はFrontierという機種でヒューレット・パッカード(旧クレイ)が製造したものなのですが。
 初のエクサ級スパコンとして登場したものです。
 ここからエクサ級スパコンがアメリカと中国から続々と登場する予定。
 600ペタフロップス(0.6エクサフロップス)のスパコンでは登場時はなんとかトップ10に入れたとしてもその次では20位くらいになる感じ。

 ここ何年かはエクサ級に向けて研究が進んでいる段階だったので、ランキングが停滞していた部分もありました。
 というわけでTOP500は富岳がトップであり続けていたのですが。
 エクサ級が一気に出てくるんじゃないかなぁ。
 ただ、中国製スパコンは中国の意向としてTOP500に掲載しないという可能性もあるので「TOP500の10位以内」には入れるかもしれませんね。


 あ、ちなみに韓国の場合は開発するとかじゃなくて、スーパーコンピュータの製造企業であるクレイ社(現在はヒューレット・パッカードに買収済)にオーダーを出すというだけの話です。
 一応、AlphaGoに韓国人棋士が負けた際に「韓国型スーパーコンピュータを作る」とか言い出したこともありますし、「1000億ウォンを投入して独自のスーパーコンピュータを作る」なんて宣言したこともあるのですが。
 その後の話はとんと聞きません。
 現状、韓国で導入されているスパコンはどれもクレイ社が製造したもの。

 日本と違って独自のスパコンを作れないことにだいぶコンプレックスを抱いているようなのですが。
 別にどこ製だろうとやることが変わるわけでもないのですから。クレイ社のスパコン買えばいいと思うんですけどね。

 あ、日本の場合はまた別で。
 トップを狙える開発力があるのですから、1位じゃなくっちゃダメなんですよ。少なくとも性能として目指すのであれば。
 まあ、いろいろと経緯を知りたいのでKスパコンもがんばって製造してほしいのですけどね。個人的には。
 それにしても「2年後に導入するスパコンであっても『富岳よりも上』が条件」みたいなことになるとはなんというか。度し難いわ。

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サムスン電子のファウンドリ、あまりにも歩留まりが上がらずにnVidia、クアルコムともにTSMCに逃げてしまう……

クアルコム3ナノAPファウンドリ、サムスン電子の代わりにTSMCに全量任せる(THE ELEC・朝鮮語)
22日、スマートフォン業界によると、クアルコムは現在開発中の3ナノプロセスの次世代APファウンドリを台湾TSMCに任せることに方針を定めたことが確認された。3ナノプロセスAPは、クアルコムが来年に発売する次世代製品だ。

これに加えて、クアルコムはサムスン電子に全量任せてきた4ナノ新型AP「スナップドラゴン8 Gen1」ファウンドリ物量の一部を昨年下半期からTSMCにも分けて任せたと把握された。4ナノAPファウンドリを「サムスン電子-TSMC」に二元化したのだ。この製品はすでにTSMCにウェーハが投入されており、今年第2四半期からスマートフォンメーカーに供給される予定だ。

代わりにクアルコムは7ナノプロセスを使用した無線周波数(RF)チップはサムスンファウンドリを引き続き利用し、物量もさらに増やすことにした。

クアルコムのこのような決定は「サムスンファウンドリの低い収率」問題のためだと分かった。業界によると、サムスンファウンドリで生産するクアルコム4ナノAPの歩留まりは35%程度に過ぎないことが分かった。100個を作れば65個が不良という話だ。同じラインで生産されているExynos 2200の収率は、さらに低い歩留まりであるとされている。

この事案に精通した関係者は「クアルコムチップの歩留まり率がExynosより高いのは、クアルコム本社役員と技術人材がサムスンファウンドリ事業場に常駐して収率問題を解決したため。これ以上は低い歩留率を座視できないというのがクアルコムの判断」とし、 「4ナノファウンドリを二元化し、3ナノファウンドリをTSMCに全量委託することにしたのもこのため」と耳打ちした。世界的な半導体供給不足の状況で、これ以上歩留まりに足を引っ張られてはならないと判断したという意味だ。
(引用ここまで)


 先日、ちらとお伝えした「サムスン電子のファブ事業がTSMCのクオリティに惨敗している」とされる件。ちょっと詳しく書いておこうかなと。
 自分用のメモでもある。

 サムスン電子とTSMCで同じ性能とされているAPUを製造した場合、発熱やバッテリー消費に差があるとされてきました。
 すでに2015年のiPhone 6sの時点でTSMC製のものはサムスン電子製のものよりも電池持ちがいいとのニュースが出ていましたね。

 さて、月日は流れてクアルコムはSnapdragon 888、およびSnapdragon 8 Gen1の製造をサムスン電子に任せていたのですが。
 その歩留まりが35%ていどと話にならないレベルでしかなかった。
 それもクアルコムの技術者がサムスン電子のファブに常駐してどうにかこのレベル。
 クアルコムがタッチしていないサムスン電子独自のExynos 2200ではこれ以下の歩留まりであったと指摘されています。

 Snapdragon 888、8 Gen1ではTSMCで製造されるチップがあり、同じSoCであるにも関わらず発熱、バッテリー消費が大きく異なる「製造元ガチャ」ともいえる状況が続いています。
 で、次期ハイエンドチップとなるSnapdragon 8 Gen2では全量がTSMCによる製造になるのではないか、ともされています。
 あとGen1 PLUSもTSMCによる製造とされています。


 一方でnVidiaのRTX30シリーズは全量がサムスン電子の8nmファブで製造されているのですが。
 こちらでも当初から歩留まりが上昇せずに供給がショートしているとの報道が複数ありました。

New Nvidia GPU in short supply due to unsatisfactory yield at Samsung, sources say(DigiTimes・英語)

 当時、サムスンで導入されていた最新のEUVプロセスを採用せずに一世代前のファブを使用したのも歩留まりが上がらなかったからではないか、とされています。
 暗号通貨のマイニングでグラフィックボードの需要が高まっていたので……とされていましたが、大元のチップの供給不足でもあったわけです。

 で、こちらも次世代のRTX40シリーズはTSMCに全量委託するのではないかとされています。
 今年以降、TSMCの4nm以下のラインで製造されるチップが増え、5nmのラインが空くのでそちらで……ということの模様。

Nvidia Taps TSMC's 5nm for RTX 40-Series GPU Architectures(Tom's Hardware・英語)

 まあ、RTX30シリーズも当分は併売されるのでしょうけどね。
 業界から漏れ聞こえてくる声を聞くと「TSMCはなんか魔法とか使ってんのかな……」みたいな話もちらほら。
 一部では「ムン・ジェイン政権による『半導体材料国産化』のかけ声で、国内企業製品をサムスン電子のファブで無理矢理に使わされている結果だ」との話もありますが。
 まあ、眉につばをつけて聞いておいたほうがいいかな、くらいには思います。
 サムスン電子にしてもここまで大差がつけられてかつ、2年以上もその問題を放置するほど間抜けじゃありません。
 なにしろこうして依頼元が逃げてるんですからね。

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「コリアニウムを発見する」はずの韓国型重イオン加速器、10年過ぎてもまだ完成せず……研究者「高望みしすぎてスペックを盛りすぎた」

重イオン加速器「ラオン」構築第5弾… 来年10月第1段階(聯合ニュース・朝鮮語)
「檀君以来の最大基礎科学プロジェクト」と呼ばれる韓国型重イオン加速器「ラオン」( RAON )の構築がまた延期された。

この計画は当初全体完工目標時点が2017年だったが、ずっと遅れて事業1段階すらまだ終わっていない状態だ。1段階最後の作業である最初のビーム打ちこみは来年10月にも可能と思われる。

28日、科学技術情報通信部(科技正統部)と基礎科学研究院(IBS)重イオン加速器建設事業団によると、ラオン構築事業1段階の仕上げに当たるビーム打ちこみ作業の目標日程が今年末から来年10月にも延期された。 。

IBSは今年中に1段階事業を終える計画だと今年5月に明らかにしたことがあるが、結局この計画も予定通りに進めず、今回また演技することになった。
(引用ここまで)


 韓国の重イオン加速器事業というのが2011年からはじまっていまして。
 2009年頃から「コリアニウムを見つけるための大事業」みたいな言いようで期待されていました。
 重イオン加速器の設置を提唱したのはイ・ミョンバク。そもそもは大統領選挙の公約のひとつでした。
 時系列順に書くとこんな感じです。

 2009年11月 「コリアニウムを発見できる」独自の重イオン加速器事業が開始へと報道
 2011年5月 設計がパクリだったことが判明
 2011年6月 基礎設計からやり直しがアナウンスされる

 この間、延期が繰り返され、当初予定の2017年完成は見送られる。

 2018年 ムン・ジェイン政権によってイ・ミョンバク政権の事業として重イオン加速器が叩かれる

 といった感じで、ダメダメのダメ。


 というのも、各国にある重イオン加速器を見習うことなく、唐突に「韓国型加速器」みたいなものを作ろうとしているから開発が大きく停滞するのだ、という記事がこちら。

韓国核物理学の夢「ラオン(RAON)」、どこまで来たの?(アイニュース24・韓国語)
研究所で加速器研究をして最近大学へ席を移したある研究者は「重イオン加速器事業がこのように難しくなったのはそもそも無理な目標を立てたため」と指摘して「誰もしてみなかった仕事をはじめたのに、マンション建造のように納期を合わせろということはできない。低エネルギー区間でもできる実験がたくさんあるのだから、今後残った区間は急がずに一つずつじわじわ検証していって完成したらいいだろう」と話した。
(引用ここまで)

 正直、スペックを読んでもなにがなにやら分からないのですが。
 筑波にKEKの見学に行った時も、難しいものになると解説文の1/3も分からなくて脳みそをかき混ぜられた感覚が残っただけだったなー。
 なんでも世界最大規模でかつISOL+IF型というものを作っているらしく。

 おそらくは「韓国国内に重イオン加速器をもうひとつ作るような余裕はないだろうから、スペックを盛れるだけ盛っておこう」っていう考えかただったのではないかと思われるのですけどね。
 まあ、とても韓国らしいお話だとは思います。
 彼らは一足飛びになんでもかんでもやりたがるのですよ。
 その結果がファン・ウソクのES細胞捏造事件であり、天才少年だった人物の論文盗用とか、いつまで経っても完成しない重イオン加速器だったりするのです。

 ところでNamuwikiで「IBS(重イオン加速器を作っている研究所)がニホニウムとコリアニウムについて言及したウェブトーン(マンガ)がある」って書いてあるのだけども、画像をいくら探しても見つからない。
 情報があれば教えていただければ幸いです。

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