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10年以上も建設を続けてきた韓国の重イオン加速器、まともに稼働しないまま予算全額削減へ……このままお取り潰しか?

カテゴリ:IT/技術関連 コメント:(65)
[単独] 「1.5兆」かかった重イオン加速器……予算削減で研究開発中断の危機(韓国経済新聞・朝鮮語)
政府が総事業費1兆5183億ウォンを10年以上投入し大田国際科学ビジネスベルトに構築した「檀君以来最大の基礎科学プロジェクト」重イオン加速器ラオン(RAON)の来年度研究開発(R&D)が全面中断される危機に瀕している。

科学技術情報通信部が先行R&D予算を全額削減した後、実際に研究に必要な原・副資材を「現物で提供する」という方針を立てたためだ。科学界では「R&D現物支援」という方式は前例を探すのが難しいという立場であり論難が予想される。

20日、共に民主党のチョ・スンレ議員室が確保した資料と韓国経済新聞の取材を総合すれば、最近科学技術情報通信部は来年度の重イオン加速器先行R&D予算51億1000万ウォン全額削減を決めた。 (中略)

現在、ラオンは低エネルギー出力区間の設備構築(1次事業)を完了し、高エネルギー出力区間の設備構築(2次事業)を控えている。

2次事業に先立ち来年には核心装置である高エネルギー超伝導加速管(SSR・写真)製作関連先行R&Dを遂行する予定だった。 (中略)

科学界では前例のないことだと指摘している。重イオン加速器構築事業に参加した中堅科学者A氏は「来年予算も突然削減された状況で倉庫にあった原・副資材を持って来いということが果たして現物支援と見られるのか疑問」と指摘した。

続けて「より一層R&Dをひとまず遂行すれば再来年に精算してくれるという政府の言葉を信じて入ってくる企業は探しにくいだろう」と付け加えた。
(引用ここまで)


 これは草。
 「韓国の独自技術で製造される重イオン加速器」とのお題目で紆余曲折ありながら製造されてきたラオン(RAON)ですが、そもそもプロジェクト全廃もあり得るような状況になりました。
 ちょっと歴史を見ておきましょうかね。

 2009年に科学振興に積極的だったイ・ミョンバク大統領(当時)が「韓国にも重イオン加速器を設置したい」と発言したことから、メディアが「すわ、コリアニウム発見に向かって開発開始だ!」といきり立ったのですね。

重イオン加速器の設置すら決まっていないけどコリアニウムを発見したい(楽韓Web過去エントリ)

 当初、「独自の設計方式で世界唯一のものになる」等されていたのですよ。仮称で「KORIA」とされていました。
 で、この設計図を入手したメディアが「これ、アメリカのパクリじゃない?」って言い出しまして。

韓国独自の「韓国型重イオン加速器」、実際にはパクリだった!(楽韓Web過去エントリ)

 2011年の時点でまず白紙撤回。その後、基礎設計からのやり直しが報道されていました。


 その後も最重要部品、心臓部となるサイクロトロンをどうするのかについては当初は「韓国国内で開発できる」とされていたのですが。
 なんだかんだでベルギーの企業に発注。
 これが2018年のことで7年かけてなにやってたんだって話でもあります。
 まあ、その間、ペーパー企業がいっちょ噛みして予算をさんざん持っていかれたっていう韓国的な展開もあったのですけどね。

 で、2022年に一部が稼働をはじめたのですが。
 低エネルギー加速装置と高エネルギー加速装置を複合させるという「世界初の施設」との大見得を切っていたものが「実は高エネルギーについては設置すらできていません」って状況。
 記事にも「高エネルギー加速器については先行R&Dを来年から行う」ってありますね。

 まあ、開発途中で主体である基礎科学研究院(IBS)そのものが「イ・ミョンバクの作った積弊の塊だ」とされて、ムン・ジェイン政権で骨抜きにされるなんて不幸もあったのですが。
 結果、まともに稼働もできずに予算も削減されて「現物支給ならやらんこともない」って事態に。
 ……ひどい話だとも思えるのですが。
 これまでのやりよう、経緯を見ていると「そりゃそうもなるわな……」ってなりますね。

 「基礎科学振興には重イオン加速器が必要なんだ」って言うなら、まともに建設して見せろって話なんだよなぁ。

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韓国製のAndroidアプリ多数にマルウェアが混入

カテゴリ:IT/技術関連 コメント:(57)
Androidから急いで削除して。累計1億回ダウンロードされたマルウェアアプリのリストがこちら(life hacker)
McAfeeのモバイルリサーチチームは、新手の悪意あるライブラリ「Goldoson」を発見。Goldosonは、60の承認済みアプリを通じて、GoogleのPlayストアと韓国のONEストアに侵入していました。

同ライブラリを含むアプリは総計1億回ダウンロードされており、そのうちの3つのアプリはそれぞれ1000万回ダウンロードされました。
(引用ここまで)


 というわけで、Google Play、および韓国のONEストアに登録されているAndroid用アプリがマルウェアに汚染されていることが判明しました。
 放置しておくと勝手に広告をクリックするなどされるそうです。

 とりあえずリンク先には13のアプリが羅列されています。
 楽韓さんがぱっと見て「これ韓国製」って分かるのは以下くらいですかね。

・L.PAY付L.POINT
・GOM Player
・Pikicast
・GOM Audio
・LOTTE WORLD マジックパス
・SomNote(美しいノートアプリ)
・Metroid(韓国地下鉄情報)

 ……最後のMetroidは商標的に大丈夫なんかこれ。
 ま、ともあれいつものようにGOMプレイヤーが登場。


 これ以外にもジニーミュージック、TMAP(地図アプリ)、ロッテシネマ、メガボックス(映画館アプリ)、カルチャーランドなどが汚染されているとのこと。

 ちなみにONEストアってのは韓国独自のアプリストアで、韓国の携帯電話キャリアが販売しているAndroidにはプリインストールされているものです。
 なので日本ではそれほど影響はないと思うのですけどね。
 あと今回のマルウェア騒動はアプリ開発のためのライブラリ「Goldson」がきっかけで、アプリ側の問題ではないとのことですが。

 どっちにしてもセキュリティ意識が低いことに変わりはないわな。
 一応、お気をつけください。

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韓国メディア「動画コンテンツのせいでインターネット速度に影響が出ている!」……根本的にインフラがダメだからじゃない?

カテゴリ:IT/技術関連 コメント:(88)
タグ: it強国
【時論】韓国のインターネット競争力の甚だしい墜落(中央日報)
ずいぶん前のことだ。外国から来たお客さんがインターネットで何かをダウンロードしていて驚いた表情を浮かべた。おそらくファイル伝送速度が非常に速いためだと推測し、内心ではかなり嬉しく思った記憶がある。最近も大韓民国のインターネット速度が世界1、2位を争っていると考える人は多いだろう。

しかし、現実はかなり異なる。さらに最近、海外の民間調査機関が、韓国の超高速インターネットの平均伝送速度が世界34位に留まったという測定結果を発表した。もちろん、インターネット伝送速度は測定区間や時間帯、測定端末の種類および性能など多様な要素に影響を受けるため、今回の調査結果をそのまま信じることはできない。しかし、とにかく韓国よりもインターネット速度が速い国が増えているのは事実だ。

なぜ、このような現象が起こっているのだろうか。インターネットが盛んに構築された初期は、韓国国内の通信事業者にかなり有利な環境だった。国の面積が狭いうえ、人口が密集しているため、ネットワークの構築で直面する問題は少なかった。通信事業者は比較的少ない費用でネットワークを構築し、多くの加入者を誘致して収益を確保することができた。その上、当時のサービスはテキスト中心のEメール・ウェブが主流だったため、伝送するデータ量も多くなかった。

ところが、新しい形態のサービスが続々と登場し、環境が変わり始めた。イメージ中心のサービスを経て、最近はほとんどのインターネット・トラフィックを映画などの動画(ビデオ)サービスが占めている。動画サービスが急増し、インターネット・トラフィックは幾何級数的に増加している。 (中略)

この20年間、韓国のインターネット環境は改善し続けてきた。より速い伝送速度を提供し、より多くの加入者を誘致するための通信事業者が競争した結果だ。政府当局もインターネットが国家競争力と国民の生活の質に与える影響を考慮し、通信サービスの品質測定結果を毎年発表し、善意の競争を促進した。その過程で通信事業者は回線を拡張し、より良い性能と機能を備えた新しい装備を導入するなどの努力を傾けてきた。

しかし、最近このような努力が持続可能なのか疑問が生じる。増加する自動車の円滑な通行のために道路を無限に広げるのは不可能だろう。
(引用ここまで)


 韓国のインターネット速度が世界から見て相対的に下落している、というニュース。
 その原因をこの記事では「動画サービスが多くなったからトラフィックが混雑している」としているのですが。
 実際の理由は韓国のマンション団地に個別の光回線を容れることができずに、VDSL止まりだからですよね。
 一応、光回線網は整備されているんですが、ラストワンマイルが銅線なので速度がメガクラスにしかいかない。

 二窓とかできない環境なのです。
 4Kとかもかなり厳しいでしょうね。
 この記事では言っていませんが「後進国にまで速度を抜かれた」くらいの言い様をしています。
 インターネットの速度が自尊心(実際には虚栄心)の拠り所のひとつだったのですよ。


 というか、韓国のインターネット発の文化なんてなにもない。
 文化もなければ標準規格もない。
 絵文字とかの文化面で世界的に影響を及ぼしたとか、通信方式に韓国が出てきたって話、とんと聞きませんね。
 ただただ、コンテンツを消費して終わりだった。

 速度に関していえばあとから整備されるほうが有利に決まってるんですよね。
 逆に先行するサービスがあるほうが苦しくなるのは当然。
 アフリカ諸国では固定電話よりも携帯電話の普及率が一気に高くなるように。
 フランスではマルチメディア端末のミニテルというサービスがあって、インターネットの普及が遅れた。
 ISDNが普及しつつあった日本ではADSLへの切替が遅かった。

 2000年代前半、なにもないところからADSLが一気に普及した韓国は「我こそはインターネット大国」「日本はISDN止まり」なんて言っていたものでしたが。
 20年経ってみたら「別に遅いまではいかなくても速くはない」ていどで収束。
 ……まあ、そのていどのものでしょ。

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アメリカの対中半導体規制があまりにもエグい。中国の半導体産業は終了、韓国企業も大きな巻き添えを食らい、さらに台湾有事が早まる可能性も

なぜTSMCが米日欧に工場を建設するのか ~米国の半導体政策とその影響(EETimes)
  2020年になってコロナの感染が拡大し、爆発的にリモートワーク、オンライン学習、ネットショッピングが普及したため、2021年に世界的に半導体が不足する事態となった。加えて、「半導体を制する者が世界を制する」というブームが到来し、世界中で半導体工場の建設ラッシュとなった。 (中略)

 本稿では、米国の半導体政策に焦点を当て、それが世界にどのような影響を及ぼしてきたか、または及ぼすと予測されるかについて論じる。

 結論を先取りすると以下のようになる。2022年10月7日に米国が発表した対中規制(以下、「2022・10・7」規制と呼ぶ)は異次元の厳しい措置であり、中国半導体産業に甚大なダメージを与えることになる。しかし、その報復措置として中国が台湾に軍事侵攻する、いわゆる「台湾有事」を誘発するかもしれない。そして、そのような時の保険として、TSMCが生産能力を分散するために米日独にファウンドリーを建設することにしたのではないか、と推測した。
(引用ここまで)


 Twitterで「これ読んで!」って先の数時間ほど騒ぎ続けていた記事。
 明日の本日の動向でピックアップするか、Twitterで完結させるか悩んでいたのですが。
 まあ、韓国についても言及があるので本編でも取り上げようかなということで。

 以前から楽韓Webでは「今回のアメリカによる対中国半導体輸出規制はすごい」「すごいうというかやばい」「これなんで日本のメディアは取り上げないの」と言い続けてきました。
 その内容を網羅して書き記すことすら一苦労なので羅列はしてきませんでしたが。
 本記事を見てもらえればそのやばさが一目瞭然であると思います。

 そもそも2020年5月にTSMCがHuaweiへの半導体出荷を取りやめた時点で「え、これを理由として中国の台湾侵攻くらいありえるぞ?」って思っていたのですが。
 これはまだ序章だったのですね。

 去年8月のCHIP法への署名が行われ、ついで10月に課されたCHIP法で補助金を受け取った企業は中国への工場投資一切を禁じるという発表がありました。
 もう、本当に微に入り細に入り。
 中国の半導体工場は息をすることも禁じるっていうレベルでの規制。

 これによって韓国企業のサムスン電子、SKハイニックスは中国に大規模投資したNANDフラッシュメモリとDRAM工場の競争力を奪われました。
TSMCにおける中国南京工場の割合は同社の10%にも満たないが、Samsungの西安工場で生産する3次元NANDは同社の約40%を占める。また、SK hynixの大連工場で生産する3次元NANDは同社の約30%、無錫工場で生産するDRAMは同社の約50%を占める。
(引用ここまで)

 半導体製造、特にメモリー製造においては最新プロセスを採用してなんぼの代物なので、アメリカの規制でこれらの工場は細々と古いプロセスでの製造をするしかなくなったのですね。


 一応、工場への納入は「許可制」ではありますが、基本的に拒絶されるものとなっています(ただし、1年間の猶予あり)。

 韓国メディアが「SKハイニックスはインテルの中国工場をつかまされた。だまし討ちだ」と言うのもまあ多少の理があるのではないかって感じられるほどのもの。
 まあ、もっと正直な話をすればアメリカ政府の方向性を見ていたらなんであんな投資したんだって話ですけどね。

 さらにアメリカは12月に長江メモリ(YMTC)を「中国人民解放軍と関係性が高い」として貿易禁止リストに入れる意向を示しました。

中国YMTCなど30社超を禁輸リスト 米商務省が発表(日経新聞)

 YMTCは積層NANDフラッシュメモリの開発に成功して、アップルが「安いならサプライメーカーに入れるかも」くらいに言っていたメーカー(でした)。

アップル、中国半導体の調達保留(日経新聞)

 この時の衝撃度はちょっと筆舌に尽くしがたいというか……「そこまでやるんだ」って感じでしたね。
 YMTCはもう廃業するしか手がないです。いや、本気で。

 「実を言うと中国の半導体産業はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。
 でも本当です。2、3日後にものすごく黒いリストにYMTCが掲載されます。
 それが終わりの合図です。程なく大きめの反発が来るので気をつけて。
 それがやんだら、少しだけ間をおいて終わりがきます」

 石油禁輸どころじゃない。
 中国国内では28nmプロセスが作れるかどうか、主力は40nmプロセス以上っていう状況で5世代以上先を行っているTSMCと競わなければいけないとかね。
 その結果として冒頭記事の筆者は「台湾有事が早まったのではないか、そのリスク対策としてTSMCは工場を分散させたのではないか」と推測するのですが。
 まあ、その結論の是非はともかく。

 記事中のアメリカの本気度を読んでみてください。
 楽韓さんがこれまで「これやばいよ」と言い続けてきた理由が分かってもらえるかと思います。
 メンテすらできないんじゃ終わったも同然。

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韓国メディア「TSMCの3nmプロセスには競争力がない、証拠はこれだ!」……え、それが証拠なの?

Qualcomm May Give TSMC Majority of Snapdragon 8 Gen 3 Orders In 2023 For 3nm Chips Due To Incredible 80 Percent Yield Rate(WCCFTECH・英語)
The Snapdragon 8 Gen 3 could be sourced from TSMC and Samsung, with Qualcomm looking to reduce manufacturing costs by adding both foundry giants. However, according to one report and one statistic, in particular, it is possible that TSMC gets the majority of chip orders from the company, and the advantage happens to be its high 80 percent yield rate of the 3nm process.

This statistic alone suggests that both Apple and Qualcomm may not face shipment problems for its A17 Bionic and Snapdragon 8 Gen 3, respectively, both of which will reportedly be designed in the next-generation manufacturing process. As for Samsung, the Korean manufacturer may have been the first to announce its 3nm GAA process, but we previously reported that the company is experiencing a horrendous yield rate, standing at only 20 percent. (中略)

People close to Samsung’s plans believed that the company’s wafer yield was only 10 percent.
(引用ここまで)


 クアルコム製のスマホ用ハイエンドSoCであるSnapdragon 8 Gen 3はTSMCとサムスンの両方で製造されるのではないか、とされています。
 ただ、TSMCに大半のオーダー(Majority order)が出される、もしくはTSMCだけが受託するのではないかとの記事もありますね。
 この記事では量産が正式にはじまった3nmプロセスで受注するとありますが、N4P(改良版5nmプロセス)で製造されるとのリークもあります。

 リーカーや業界動向が書かれている記事はほぼすべてが「TSMCの3nmプロセスの歩留まりはかなり高い」ってことです。
 その一方で「サムスンが『3nmの量産』がはじまった6月時点の歩留まりは目も当てられなかった」ともしていますね。
 この記事では「サムスンに近い関係者」から「10%だった」との話も出ています。


 韓国ではTSMCの3nmプロセスは大した性能ではない、ともされていまして。
 その証拠として「SRAMのシュリンクが進んでいない」ことが挙げられています。

[単独]「TSMC 3ナノ、微細化競争力ない」サムスンファウンドリ、優位点(THE GURU・朝鮮語)

 なんでも「TSMCの3nmプロセスで作られたSRAMは面積が小さくならず、競争力が無い」との話なのですが。
 7nmプロセス以降、SRAMのダイ実装面積はシュリンクに従っていないのですよ。
 その原因としてはSRAM自体がもうシュリンクの限界にあるのではないかとされています。
 CPU内蔵のキャッシュとして使われているSRAM(L1、L2)はもうしょうがないのですが、外部キャッシュは7nmプロセスで作ったほうがコスパがよいとされているほどです。
b  というわけでこの話はなんの意味も持っていないんだよなぁ。

 ちょっと専門用語が多いので、一般人にはちょっと難しい話になってますね。
 簡単にまとめると「韓国メディアは『TSMCの最新設備が競争力を持っていない』としているが、そんなことはない」ってことです。
 むしろ「競争力がないものであれ!」っていう願いくらいが透けて見えますね。

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韓国メディア「サムスン電子の3nmプロセスの歩留まりは低くない! むしろTSMCの歩留まり80%なんて嘘だ!」と叫ぶ

カテゴリ:IT/技術関連 コメント:(65)
「サムスン電子、90%は不良品」とする台湾メディアを知ってみると… (韓国経済新聞・朝鮮語)
サムスン電子3nmラインで生産された半導体100個のうち80個以上は「不良」なので捨てなければならないという意味だ。つまり20個未満のチップだけ使えるということだ。また、サムスンが今後も不良品を減らすことは容易ではないというのがこの報道の核心だ。

TSMCの評価はまったく異なる。TSMCは最近3nmプロセスの量産を開始した。この媒体は、「TSMC 3nm工程( N3 )収率(全生産品で良品が占める割合)が最小60〜70%、最大75〜80%に達する。一次物量打ちはかなり良いものだ」と書いた。TSMCが3nmプロセスでチップ100個を作れば80個は良品で20個だけ捨てるという意味だ。 (中略)

最近、サムスン電子ファウンドリ事業部の事情に精通した半導体業界関係者に3nm収率について尋ねた。 (中略)

同関係者は「現在、サムスン電子3nm第1世代プロセスの収率は完璧な水準」と話した。続いて「現在サムスン電子は3nm第2世代工程も開発中」とし「開発中の工程の歩留まりを言うのが意味がないため言及しないが、計画通りに進んでいる」と説明した。一言で言えば、サムスン電子3nmプロセスは何の問題もないということだ。 (中略)

一方、TSMCの3nm収率が最大80%に達するという報道については「とんでもない話」と評価した。
(引用ここまで)


 韓国経済新聞が「サムスンの3nmプロセスの歩留まりが悪い、TSMCの3nmプロセスの歩留まりが高い、などというのは嘘だ」と主張しています。

 TSMCは3nmの量産体制を整えたことを発表し、その歩留まりは80%に達するともされています。
 結果、いくつかのメディアは次期Snapdragon 8 Gen3は多くがTSMCで製造されるだろうとの記事を報じています。

Most Snapdragon 8 Gen 3 chips to be manufactured by TSMC(GSM Arena・英語)

 その一方でこの記事は先行していたサムスンのGAAによる3nmプロセスの歩留まりは現状で60〜70%ていどと指摘しています。
 まあ、本当の歩留まりなんて当該社以外にはどこにも分からないのが実際ですが。


 Snapdragon 888、および8 Gen1ではサムスンだけに製造を任せて失敗に終わった経験から、クアルコムはTSMCとサムスンの両方に製造を委託するのではないかといった形になりそうです。
 で、その中でもTSMCに多くの分量を任せるのではないか、とGSM Arenaは報じています。

 少なくとも「サムスン電子の3nmプロセスにnVidiaもクアルコムも殺到!」なんて事態にはなりそうにはないかな、という印象。
 ちなみに今回の「TSMCの歩留まりは高い、サムスンの歩留まりは低いなんて嘘!」って記事も「nVidiaもクアルコムもサムスンの3nmプロセスに殺到!」って記事も、書いているのは韓国経済新聞。
 ふむ。なんとなく構造が見えてきた感じですかね。

 半導体、特にメモリでは冬の時代を迎えていることもあり、サムスン電子は第4四半期の営業利益が前年同期比で69%減少したことを発表しています。

サムスン電子、昨年10-12月は69%減益-半導体価格下落が響く(ブルームバーグ)

 すでに市場は織り込み済みでアーニングショックはなかったようですが、それでも厳しい数字。
 半導体輸出自体が5ヶ月連続で前年割れ。
 ま、ユーザーにとっては買い時が訪れているのですけどね。
 円安基調なのにだいぶDRAMもNANDも下落しています。だぶつきがひどいようですね。
 ゲーミングPCのメモリを64GBにするかなぁ。

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韓国メディア「サムスン電子包囲網を敷いた日本と台湾の陰にはアップルがいる!」

サムスン電子「いじめ」をする日本と台湾…背後には「これ」がいた[ファンチョンスの半導体問題、振り返って見ること](韓国経済新聞・朝鮮語)
「半導体蜜月」と呼ばれる台湾と日本の関係がますます強力になっている。 台湾のファウンドリ会社TSMCは日本の熊本県に計1兆2000億円(約11兆6000億ウォン)を投入して生産ラインを建設中だ。 日本政府が建設費用の40%を支援する。 この4月に着工し、来年9月に竣工、2024年末から量産に入る計画だ。

日本を代表する情報技術(IT)企業ソニーはTSMC工場の横に「イメージセンサー」(人の目の役割をする半導体)生産ラインを建設する計画だ。 TSMCで生産されたチップを受け取ってそばの工場から直ちにセンサーを完成するという目的だ。

最近はTSMC関係者が日本に第2工場を建設する可能性を示唆した。 ホウユンチンTSMCアジア・欧州地域の営業担当首席副社長は、この8日、日本のメディアインタビューで「日本に新しい工場を建設する可能性を排除していない」と話した。 西村康稔日本経済産業相はこの9日「TSMCが日本に工場を追加建設する案を考慮しているという事実を歓迎する」とした。 (中略)

最近会った半導体業界の関係者は「TSMCが日本工場を建設する本当の理由は『アップル』のためであるようだ」と話した。

アップルはTSMC売上で最も大きな比重を占める「No. 1」顧客だ。 昨年基準TSMCの売上でTSMCが占める割合は約25%だ。 TSMCの立場でアップルは逃してはならない「太い客」だ。 アップルの影響でTSMCが自由ではない。

アップルは最近のフォックスコンのような協力会社に「脱中国」を注文している。 中国共産党の予測不可能な政策のためにアップルが最近になって何度も生産支障を経験しているからだ。 中国政府の鄭州封鎖措置でアイフォンを生産するのフォックスコンの工場運営に支障が生じたのが代表的な事例だ。 アップルはフォックスコンに「核心生産ラインを中国からインドなどへと移転せよ」と要求した。

アップルの圧迫はTSMCにもまったく同じく作用していると分析する。
(引用ここまで)


 台湾と日本が「サムスン包囲網」を形成している、といった論調が韓国にはあるのですね。
 で、その陰にはアップルが存在している、という話。
 実際にTSMCとソニーが協業するかのように大分へ工場を建てているのはアップルの要請があったからという話はすでに台湾からも出ています。

TSMCの熊本進出決定はAppleの要請によるもの、台湾メディア報道(マイナビ)

 まあ、不思議な話でもなんでもない。
 TSMCのチップとソニーのイメージセンサーを組み合わせるのがちょうどいいってことですから。
 カメラは現状のスマートフォンで最重要視されている機能で、なんとしてもイメージセンサー回りの供給体制を確立させておきたいと考えれば最善手かな。
 少なくとも「サムスンいじめ」ではないわな。


 で、こうした韓国を無視した(かのように韓国では受け止められる)TSMCの動きに対抗するかのように、韓国では半導体施設を建造する場合に20%以上の税額控除を行う「Kチップス法」が建議されました。
 SKエレ、サムスン電子をはじめとした半導体関連企業の韓国国内への投資を促そうとした法律とされています。
 で、先日になぜか税額控除額が「8%以上」で成立しました。

8%の税額控除にとどまったKチップス法、これでグローバル競争ができるのか(東亞日報)

 韓国国内では「オワタ……なにもかもオワタ」との評価が出ています。

「韓国の半導体に死ねというのか」……後退した「Kチップス法」通過に呆然(ヘラルド経済・朝鮮語)

 政府筋が税収不足を懸念した結果、だそうです。

 「超大きな政府」を目指してきたムン政権がじゃぶじゃぶと財政出動をしてしまったために、韓国政府に財政に不安があるのは間違いないところ。
 半導体は韓国経済の生命線ですらあるのですけどね。個人的には「どうしてこうなった」って感じます。

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韓国メディア「TSMCのライバルとしてサムスン電子を認めろ!」と叫ぶものの……そのシェア差は3.6倍に

Appleの選択はまたTSMC‥企業の力学関係も理由(アジア経済・朝鮮語)
半導体委託生産、すなわちファウンドリ事業拡大競争が激しい。ファウンドリの勝者を判定するのは、大型の顧客を確保できるかどうかにかかっている。機先を制したのは今回も業界1位TSMCだった。最近開かれたTSMCの米国アリゾナ工場装備搬入式に参加したチームクックアップル最高経営者( CEO )が米国TSMC工場で生産された半導体を使用すると宣言したのが始発点だ。ファウンドリ企業にアップルを顧客として確保するということは、事業の成否を左右できる事案だ。iPhone、iPad、MacBook、AirPodなど、Apple製品に使用されるチップを生産すれば、莫大な売上を保障できるからだ。NVIDIA、AMD、Qualcommもファウンドリ事業を支えることができる大型顧客会社だ。

これら企業がTSMCに製品生産を任せるのはなぜだろうか。TSMCが絶対的な技術的優位にあるのだろうか。企業間の力学関係も排除できない。代表的な例は、過去のAppleがサムスン電子の代わりにTSMCに協業を変更したことだ。AppleはiPhoneの初期のサムスン電子にiPhoneの心臓となるAシリーズチップの生産を任せた。しかし、AppleとSamsungのスマートフォンの競争が激しくなり、特許攻防まで行われ、AppleはTSMCへと協力企業を変更してしまった。情報流出の可能性があるだけに、競合他社に核心半導体生産を任せることができないためだった。

TSMCが独自のファブを持っていないファブレス半導体会社の大部分を顧客として確保したのは、「顧客と競争しない」という経営方針の結果かもしれない。このため一部ではサムスンがファウンドリ事業部を独立させなければならないという主張も提起している。利害衝突の可能性を排除すれば、より多くの顧客を確保できるという理由からだ。(中略)

Intelの状況はさらに悪い。IntelもAppleと特許攻防を行っているが、通信用チップ事業をまったくAppleに売却したことがある。AppleはMacコンピュータに使用していたIntelのコンピュータ用CPUを独自開発したMシリーズに変更した。AppleがIntelの事業領域を本格的に浸透する状況でIntelにファウンドリを任せる場合、自社の技術力と今後の方向性をそっくり露出する可能性が濃厚だ。このため、アップルが自国内でファウンドリラインを立てているインテルの代わりに既存の協力線であるTSMCの手を握ったものと見られる。AMD何十年も競争してきたIntelにCPU生産を任せると予想するのは容易ではない。 (中略)

サムスンに有利な条件もある。ほとんどの半導体企業は複数のベンダーを望んでいます。ある企業に100%依存することについて否定的です。TSMCのほかに第2の協力企業を設けるなら、新たに事業に飛び込んだインテルと既存ファウンドリ業界2位のサムスンの中から選択をしなければならない。最近、クアルコムがサムスンを排除した戦略を覆し、「スナップドラゴン8世代ジェネレーション2」 APの生産をTSMCとサムスンに同時に任せるという報道が出ている。これはサムスン電子が来年に発売する戦略スマートフォン「ギャラクシーS23」に自己開発APであるエキシノースの代わりにクアルコムのAPを全量使うという予想とも触れているという評価だ。

ホワイトハウス国家経済委員会(NEC)によると、TSMCは米国だけで年間60万枚のウェーハを処理する予定だ。これは米国内の需要をすべてカバーできるレベルであることが分かった。TSMCだけでも米国内の需要を充当できるほどなら、サムスン電子とインテルは激しい受注競争を繰り広げなければならないという意味だ。
(引用ここまで)


 韓国メディアが「TSMCとサムスン電子は半導体ファウンドリ事業でライバルである」みたいな話をやたらにしているのですけどね。
 今年第3四半期のファウンドリ事業におけるシェアはこんな感じ。

1位 TSMC 56.1%
2位 サムスン電子 15.5%
3位 UMC 6.9%
4位 グローバルファウンドリーズ 5.8%
5位 SMIC 5.3%
(ソース:Trend Force

 上位5社で90%近い状況。
 ……サムスン電子は2位ではあるんですが。
 その差は3倍以上。3.61倍。これをライバルとするのはちょっと難しくない?

 NANDフラッシュではサムスン電子は30%ほどで1位、キオクシアは20%ほどで2位。これであればまだライバルっていえるかもしれませんが。


 TSMCはどことも利益が反しないっていうのが大きい。
 サムスンは記事中にあるように、世界最大の半導体ユーザーであるアップルとスマートフォン市場でぶつかっている。
 もはやアップルはサムスンのファウンドリに主要チップの製造を委託することはないでしょう。
 もうそれだけでえらいハンディを背負っている状態。

 韓国メディアはTSMCが憎々しくてしょうがない模様で。
 最近になってTSMCから「日本に第2工場も」ってコメントがありまして。

日本を取ったTSMC、日本に半導体工場を追加建設検討(韓国経済TV・朝鮮語)

 第2工場が建つとなるとEUV対応のそこそこ微細化されたファブになるのかなー。
 で、それに対して韓国メディアが「シリコンシールドなくなるよ、いいの?」とか言い出しているっていう。

台湾、TSMCの海外投資も「シリコンシールド」を失うかどうか(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)

 ただまあ、最新の微細化プロセスを採用したファブは台湾本土に建設されるでしょうし。
 台湾事態になったら世界経済がとんでもないことになるのは間違いない。
 中国はアメリカの最新半導体製造から切り離そうとする方向から、逆にそうした市場情勢を気にしなくなるかもしれないなぁ……とも、ちらっと思われるのですが。

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